〜西城君からの視点〜
前回の内偵調査で、決定的な物的証拠である写真を入手し、複数の男女生徒からの証言も取れた。紳士な男子の中からは「コイツだ、コイツ!女子を道具として扱おうとしてる最低な奴は!」とか、特に女子からは「キモーイ、変態ーっ、なんでこんな奴がこの学校にいるの」と言った厳しい声も。まぁ、当然だろう。ここまで卑猥な事を学校内で堂々とやったんだから。
昨夜は希が住むアパートで一泊。その中で具体的な内偵調査方法とか詳しい話をした。希は勿論、園田さんも被害を受けた者なので、色々話を重ねた結果、学校側にこの事を伝えるべきと結論づけた。
そして翌日の昼休み。この証拠を元に職員室へ。俺のクラス2年B組担任の赤堂義忠 (あかどうよしただ)先生に菰田蓮介の痴漢行為によるスクールアイドルの3人、一般女子生徒複数人への詳しい被害状況もありのまま報告した。
赤堂先生「西城。この事は、俺達教員の方で早急に菰田蓮介を呼び出すから安心しろ。勿論、校長にも伝えるし、奴の親御さんの方にも連絡をいれて学校に来てもらう。場合によっては、警察沙汰にするかもしれないからな。学校側としてもこんな卑劣極まりない行為を黙って見ていられない。一旦、お前が集めた証拠をこちらの方で預かるからな。奴のご家族の方にも知っといてもらった方がいいだろうし。お前には感謝する。ありがとな。」
西城「ありがとうございます。俺は、被害者の無念を晴らしたくて何か出来る事は無いかと考えた結果で始めたのが内偵調査だったんですよ。」
赤堂先生「被害者の無念を晴らす為か。お前は本当に偉いな。そういう自らの志を持った男子が中々、学校内に居ないから俺達教員が困っているんだけどな。まぁ、それはいい。今回はスクールアイドルの東條、園田、西木野の他に一般女子生徒複数人が奴の被害に遭ってるからな。やられた方の心の傷が大きいはずだから、被害者達の心の支えを西城。お前に任せたぞ。お前になら奴の被害を受けた女子生徒達が心を開いてくれるだろう。お前、校内の女子から大人気だからな。」
西城「アハハ…。そうですね、俺は被害者の心のケアに行きますので奴の事は任せました。後の事はよろしくお願いします。失礼します。」
赤堂先生「あぁ、被害者の事を頼んだぞ。そして勉強頑張れよ、西城。次のテスト、期待してるからな。」
収集した数々の証拠を担任に提出してから一礼をして職員室を後にした。
放課後。痴漢行為を繰り返していた菰田蓮介が赤堂先生によって捕らえられ、職員室の向かい側にある生徒指導室へドナドナされて行った。生徒指導室には生徒指導を担当する先生や、学校側から呼び出された両親もいたそうで、双方からかなりの怒号が飛び交っていたという。「よくそんな卑猥事を堂々とやって退けられるな!女子生徒を何だと思ってるんだ!」と言われたに違いない。全く、自業自得極まりない。
この事を知った校長は、後日、菰田蓮介を退学処分に処しただけでなく、学校周辺に二度と近づかない事、被害を受けた者達への生涯をかけての猛反省を課したという。彼は家に帰った後、両親に超がつくほどの怒りの雷を落とされ、引越しするまでの間、家庭内の罰として、外出厳禁令が課されたそう。
そして、彼の退学から3日後。菰田家は周辺から痴漢家だと拡散された為、東京・大手町から岩手県の盛岡市へと引っ越して行ったそうだ。距離にして約530km。痴漢系統の性犯罪を平気でやって退けた変態野郎にはいい薬だ。
騒動から2週間後。今日は金曜日。変態痴漢男の菰田蓮介が去った後の音ノ木坂学院。生徒会室に顔を出して生徒会長兼、スクールアイドルの絢瀬絵里先輩に今回の調査報告書10人分を差し渡したのは3日前の火曜日。この報告書は、調査終了後、パソコンのWordで2週間くらいかけて作成した。勉強と部活のバランスを考えたら、やはりそれくらい要しても仕方ない。
作成後、この調査報告書はアパートのリビング内にある印刷機で印刷。生徒会長、副会長、生徒会役員5人の7人分と園田さん、西木野さんの分も合わせれば、9人分もの大量の数。100枚入りのA4印刷専用用紙を6個程買う事にもなり、かなりの出費だった。今日は生徒会の集まりという事で召集されたという訳。生徒会役員の5人と生徒会長、副会長がしっかり俺の報告書に目を通している。
絵里「西城君の報告書、すごい詳しく書かれてるわね。驚きだわ。全部で何ページあるのかしら?」
俺の報告書に目を通した生徒会長の絵里先輩が質問してくる。
西城「全部で、43ページあります。」
絵里「ハラショー!!!!これはもう高校のレポートじゃなくて、大学の工学部の実験レポート並みじゃない…。表紙だけじゃなくて、アブストラクト、表やグラフまでつけてくれちゃって…。(°Д°)」
俺はどうやら、生徒会長顔負けの調査報告書を書いてしまったらしい。だって、調査をやったのならアブストラクト、目的、方法、結果、考察、結論を書くのは当たり前でしょ?汗
多賀「せ、先輩…。これはもはや理系の頭脳ですね…!!どうやったら、生徒会長顔負けの調査報告書を書けるんですか!?!?」
石田「西城君!♡私にも教えてー!///」
やはりそう来るか…。多賀君と石田さんの後に報告書に目を通した副会長の希が発言する。
希「被害者の為とは言え、ウチの為でもあるんやろ?西城君///」
副会長の希にうっとり顔で見つめられてしまう。
絵里「ちょっ!ちょっと希!?何で西城君をうっとり顔で見つめてるの!?」
希「ええやろ、別に///今回の騒動の調査を自らしてくれたのは西城君な訳だしな〜///ちょっと見直しちゃったんよ///心細く泣き寝入り状態のウチの為に奮闘してくれたようなものやから///」
多賀「西城先輩、副会長に見つめられるなんて贅沢ですよ!!(//><)ウラヤマッ」
石田「うわぁ///希副会長に見つめられるだなんて、私も西城君に守られたかったなぁ…。妬けちゃうε٩(๑> ₃ <)۶з」
長束「諦めなよ、咲月。西城君はあたしらじゃ到底敵わない存在だからさ。」
石田「そんな事言わないでよ、ももち〜///」
横井「羨ましいぞ、西城。副会長に見つめられるのは滅多にない事なんだからな。」
上出「西城君。君はモテモテだね///羨ましいよ。お姉さんも妬けちゃうなぁ///(๑・ ᎔ˇ・。๑)私のクラス内でも西城君と付き合いたいという女子が沢山いるというのに///」
そう言うと、身長164cm、バスト86、ウエスト58、ヒップ81のセクシー体質、髪型はエメナルドグリーンのアップ結い髪の上出芽生先輩が俺に抱きついてキスしようと迫る。
上出「お姉さんと、愛の契りをしよ?///ん〜♡」
たがなつよこいし「!?!?!?上出先輩!?!?」
生徒会長・副会長「キスをやめなさい!(るんや!)」
俺にキスをつけようとする上出先輩に対して、絵里先輩、希が制止しようと必死だ。
上出「ねぇどうして?お姉さんとキスしたくないの?///」
じとーーっ…(生徒会長と副会長の嫉妬目線。しかも、顔を赤らめながらのジト目。)
あぁ、これだから厄介事は嫌なんだよっ!!
西城「上出先輩っ!ちょっ…ちょっと離れて下さいよっ…!!」
必死に上出先輩を押し返そうと必死な俺。この人のキスだけは絶対に受け入れてたまるか![newpage]
上出「ねぇ良いでしょ〜っ?お姉さんとキスしようよ〜///」
西城「出来るかっ!いい加減離れて下さい、上出先輩。あんた、下級生に言われてやっと理解する程のアホじゃない筈だし、先輩としての意地を見せてもらわないと生徒会役員として務まりませんよ。」
するとどうだ。先程までジト目で俺を見ていた生徒会長と副会長が良かったとばかりにそっと胸を撫で下ろしたではないか。
上出「…うぐっ…。解ったよ…。お姉さん、やっぱり西城君の事を諦める…惜しいけど…グスッ」
はい?俺、そんなつもりで言った訳じゃないけどな。
西城「俺はですね、この場でのキスをやめてくれと言っただけなんです。ましてや、生徒会長と副会長がいる前でそんな事やっちゃまずいでしょうが。」
上出「じゃぁ、他の場でならキスしても良いの?今から生徒会室抜け出してキスしよ?」
上出先輩。美人な割には考えが幼いですね。残念です。
西城「はい!?何言ってんの!?!?Σ(°д°ノ)ノ」
上出「お願い〜っ、西城君〜っ♡」
そう言われた時は遅かった。俺は上出先輩に手を握られて生徒会室から脱出。愛の逃避行に付き合わされる羽目に。
絵里・希「西城君〜!!ヽ(`Д´)ノコラ~~~~~ッ!!!待ちなさーーーーい!!!」
西城「かっ、勘弁してくれ〜〜〜っ!!!!」
上出「アハハハハハ!///愛の逃避行だよ〜♡お姉さん、西城君の事やっぱり諦めきれない〜っ♡」
上出先輩に無理やり手を握られ、愛の逃避行に付き合わされる俺。そんな俺達を追撃してくる生徒会長と副会長。何でこうなるんだーーーっ!
fin.