ウチは、先週の金曜の放課後、生徒会室内で報告会をやっている最中に、西城君がいでりん(上出芽生 (かみいでめい)にキスを迫られていた時や「愛の逃避行」とやら訳の解らぬ、いでりんと彼の逃亡劇をエリちと共に猛追した時から、ずっと彼には嫉妬している。
何でウチを見てくれへんの?ウチよりお姉さんキャラの方が好きなん?って。ウチだって西城君の事が一人の男子として好きなんやよ?親友のエリちにさえ、取られたくないと言うのに。彼はウチの事を「副会長」としか見てくれへんのかなぁ。( ˘•ω•˘ )
週明けの昨日。ウチは、エリちに愚痴として「西城君なんかもう知らへん。」と言って早々とアパートへ帰った。もう何もしたくないし、考えたくもなかった。
夕方6時。気が付くと、ウチはリビングのテーブルに突っ伏すように座り寝ていたのだ。勿論、最低限の事(カーテンを閉めたり、風呂を沸かしたり)は済ませてある。
ピンポーン
突然、玄関のインターホンが鳴った。誰やろ?
希「はーい、どちらさん?」
絵里「私よ、絵里よ。」
来客は生徒会長のエリちだった。この時間にどうしたんやろ?
希「今、開けたるで〜」
鍵を開けて、玄関のドアを開ける。
ガチャッ
希「いらっしゃい、エリち♡」
絵里「希、お邪魔するわね///」
アニメでお馴染み、「のぞえり」の百合セットである。早速、エリちを自室にあげさせて、お茶やチョコレートでおもてなしをする。
絵里「チョコレート///嬉しいわ。希の家に来るのは久々ね。」
希「せやな〜///3週間ぶりやないかな?」
いつも通り、自室で楽しく話をしていた。せやけど、エリち。今日はどう言った用事やけん?
絵里「コホン。本題に入るわね。今日は生徒会の報告会をやったの。勿論、西城君も来ていたわよ。けど、いつもの様子とは違っていたわ…。」
嘘やろ!?
希「西城君が??いやいや、それは無いはずやん。だって、いでりんと愛の逃避行を一緒にしてたやろ。」
ウチは、西城君が反省しているとは考えていなかった。しかし、エリちの衝撃爆弾発言にて考え方に変化が出始める。
絵里「希。よく聞いて。芽生が、今回の「愛の逃避行」騒動の責任を取って生徒会役員を辞めたのよ。西城君も、「希に大変悪い事をした。芽生の愛の逃避行騒動に巻き込まれたとは言え、加担をしてしまった事実には変わりはないから、反省文を書きたいんだ。報告会が終わったら、さっさと帰る。甘い自分を止められなかった俺が悪い。」と言って、報告会が終わるとすぐに帰って行ったわよ。」
西城君が反省文!?いでりんが責任を取って、生徒会役員を辞めた!?!?
エリちの衝撃爆弾発言により、ウチはさっぱり頭がついていけなくなってしまった。
希「さ、西城君が反省文を書くって、自ら課したんか!?!?(;゚ω゚)」
絵里「えぇ…。そうよ…。私は一切「反省文を書きなさい。」と課していないもの。ヾ(・д・`;) チガウヨあと、彼は「希の事しか頭に無い。」とも言ってたわよ。恐らく、その気持ちが前に出て、反省文を書くという行動を起こしたのでしょうね。」
希「そ…そうなんやね…。今頃、西城君は、反省文を書いてるかもしれへんって事なんだね…。(´Д`) ドヨーン」
絵里「お、恐らくは…。(;-ω-)」
西城君…大丈夫かな…。ウチが嫉妬のあまり、怒っていると思って、「自分が悪い」と責任を過剰に負ってないか、自分を憎んだ挙句、虐げたり、思い詰めて無いかと思うと、逆に不安になってきてしもうてん…。(´・_・`)
ウチ、言い過ぎたかもしれへん…。彼が自ら反省文を書くという行為に至らせてると言うのは当然、ウチにも責任の一端があるやん…。
そう思うと、ウチも心が痛むし、泣けてくるやで…。
希「西城君が…グスッ彼が今、「甘い自分を止められなかった自分が悪い」と責任を感じながら反省文を書いていると思うと…グスッ心が痛んでくるんよ…。グスッウチ…言い過ぎたんや…。グスッ過剰な責任を負う事で…私生活に影響が出るかもしれへん…。グスッ」
うわああああぁぁぁん!!。(°´Д⊂ヽビェェェエエ
絵里「ちょっ!?えっ!?ちょっと、希!?!?((((;゚Д゚)))))))!?!?」
親友のエリちを前にして哀哭するウチ。ここまで声を上げて悲しみ、泣くのは初めてや…。一方のエリちはどうしていいのか解らず、混乱状態。そんなエリちに抱きつき、彼女の胸に顔を埋めて泣き続けた。
西城君ごめんな…。哀哭しているうちに、そんな気持ちが湧いてきた。どうしよう。彼と合わせる顔が無いんよ…。明日学校を休もうかな…。
ウチがエリちに抱きつき、顔を彼女の胸に埋めて哀哭している間に、エリちは西城君にメールで連絡。時刻は午後8時半。
西城君
用件:突然ごめんなさい
「今、希の家にお邪魔している最中なんだけど、西城君が希に対して悪い事をしたと責任を感じてると彼女に伝えたら、過剰に責任を負って無いかとか、思ってしまったみたいで哀哭してしまったのよ。あと、希は西城君の事を自分を憎んだ挙句、虐げたり、思い詰めて無いかと思うと、逆に不安になってきてしもうてんとか言ってたわ。反省文を書いている途中で悪いけど、時間があったら、このメールを見て欲しいの。嫉妬していたのは事実だったようだけど、心配してるわ。勿論、私は今夜は希の家に泊まる予定よ。それと明日、生徒会の予定としては特に無いけども、私と希は明日生徒会室に来る予定だから、西城君も来てね。希が謝りたいと言ってたから。そのつもりでお願い。何かあったら連絡頂戴ね。」
生徒会、生徒会長
3年B組、絢瀬絵里❁❀✿✾
この時。俺はひたすら反省文を書いていた最中で、生徒会長からのメールに気づく由もなかった。気付くのは翌日の朝になってからだなんて。
〜絵里からの視点〜
私は、希を1人にしておけないと思い、妹の亜里沙に「今日は親友の希の家で泊まるから心配しないでね。」と、とっくに連絡済み。亜里沙からは、「希さんと楽しんでね、お姉ちゃん。パパとママにも伝えてあるから。」と快諾の返事メールがあった。よし、これでお泊まりは確保出来たわ。
絵里「希。今日は泊まっていくから。だから、泣かないで?( ๑´•ω•)۶”ヨシヨシ」
ん!?何してや!?
希「エリち、帰りなって。家族の方心配するんよ??」
希。本当にあなたという人は…。鈍感なんだから。
絵里「もう連絡済みよ。家族は楽しんでおいでって言ってたわ。希。不安になっている親友を放っておいて、帰れと言うの?帰れる訳無いでしょう。だから、今日は泊まっていくわ。一人より友達といた方が、悩みも吐けるし、安心すると言うものなのよ。」
〜再度、希からの視点〜
エリちと夜遅い夕御飯を済ませて、明日の支度をする。学校からの課題は出なかったやろうか?なんて確認していると、あっという間に午後11時半まわっていた。
明日学校やん。早く寝なきゃあかんわな。歯磨きをして、エリちの分の布団を押し入れから出すと共に、戸締りの確認を行った。
絵里「明日の放課後、西城君には生徒会室に来るようにメールで連絡しておいたからね。」
希「エリち///何から何まで、すまへんな…。」
絵里「何言ってるのよ( ̄▽ ̄;)親友なんだから、それくらいの事をするのは当然でしょ?」
希「…せやな///」
ウチは本当にそう思った。エリちが親友で良かったと。もし、エリちが親友で無かったらと思うと、違った方向に向かって行ったに違いないやなと。
絵里「希、お休みね。」
希「お休み、エリち///」
日付が変わって火曜日の午前0時5分。ウチとエリちは就寝した。明日の放課後、西城君に会ったら謝らへんとな。
就寝から6時間経過。朝日が自室に差し込む。目覚まし時計も鳴ったので、起きないとあかんわ。早速、目覚ましを止めて起床する。隣ではまだエリちがウトウトしながらも寝ている。昨日、ウチの面倒を見たからきっと、疲れちゃったんやろ。じゃぁ、今朝はウチが朝食を作ったるで。
ウチはリビング近くのクローゼットから音ノ木坂学院の制服に着替えた後、台所へ移動し、エプロンを着て、朝食の支度をし始める。
今朝のメニューは、目玉焼き、トースト、サラダ、豆腐とわかめの味噌汁やで。
朝食の支度から30分後…。
ウチとエリちの分が出来たから、そろそろ自室で寝ているエリちを起こしに行かへんと、学校に遅刻しちまうやん。
ウチは自室へ移動し、エリちの様子を見る。エリちは未だ、うとうとしながらも夢の中。寝ているとこすまんけど、そろそろ起きてもらわないといかんやで。さて、肩を軽く叩くとするか。
ポンポン…。
希「エリち、起きてや。もう7時まわってるし、朝食出来てるやで。」
絵里「えっ、えぇーっ!?!?∑(゜△゜;)わ、解ったわ!!急いで支度するわね!!(((°д°;)))」
希「せ、せやな。( ´;゚;∀;゚;)取り敢えず、飛び起きなくても大丈夫なんやけど…(;-ω-)」
ウチが音ノ木坂学院の制服とエプロンを着てるから、エリちが驚いて飛び起きてしまったわ…。取り敢えず、音ノ木坂学院の制服に着替えてもらってと。支度後、急いでリビングに移動するエリち。
絵里「お待たせ、希…。ゼェゼェ」
希「そ、そんなに汗をかくほどなん!?!?!!!Σ(゚Д゚ノ)ノ」
運動神経抜群と言われるエリちが、そんなに汗をかくのは珍し過ぎる。
午前7時半。エリちと朝食を食べ始める。学校が始まるのは9時半。2時間あれば余裕やろ。でも都会とはいえ、電車にはトラブルが付き物。主に自殺志望の人身事故、駅内やホームでの人同士のトラブルなどなどやな。「備えあれば憂いなし」と諺にあるように、普段から一本早い電車に乗る気持ちで支度をすれば、学校には遅刻せえへんで済むという話やん。
朝食を食べ始めて15分後。ウチとエリちは、朝食を食べ終わる。ウチは、簡単に食器洗いをして済ました後、髪型を通常の長い髪を2〜4つのシュシュで大まか結んだ八の字型のツインテールから髪の一部を三つ編みにするなどの複雑な髪型に変更。更には前髪からして根本的に違う。西城君には、いつもと違うウチを見てもらいたいんよ。君に恋するウチを。
そんなウチの髪型にエリちが気付く。
絵里「希、可愛いじゃない///その髪型なら、西城君に見てもらえるじゃないかしら。///」
希「エリち、ありがとやん///」
エリちから可愛いと言われたなら、西城君だって可愛いと言ってくれるはずやろ?そう思ったら、胸が高鳴ってくるやないか。
そんな期待を胸に、アパートの鍵をかけて、しっかり戸締り確認。午前8時15分。エリちと一緒に学校へ向けて出発した。
午前8時24分。京浜東北線 快速 大船行きに乗り込み、神田駅へ。停車駅は、上野、秋葉原のみである。西日暮里、日暮里、鶯谷 、※御徒町(おかちまち)は通過してくれる。(※一部の快速列車は、御徒町に停車。)山手線と比較しても、時間短縮になっていい。
午後8時31分。神田駅に到着した。神田駅は、京浜東北線の他に、中央(快速)線、山手線、東京メトロ銀座線が乗り入れる駅である。そんな4つの路線が絡み合う神田駅を降りて、歩くこと15分。
午前8時46分に音ノ木坂学院にようやく着いた。アパートから学校までは約30分。
3年B組の教室に入ると、クラスメートの友達からウチとエリちに声をかけてくれる。教室の窓から外を見てみると、学校周辺が桜の花びらで舞っていた。しかしその桜もあと数日したら、無くなってしまうと思うと、少し寂しい気がするけどな。これも四季の醍醐味と思えば、今日一日頑張れる気がするんよ。
午前9時半。学校の門が閉まって、ホームルームが始まった。ウチら3年B組の担任の先生は、大古殿秀次(おおこでんひでつぐ)先生。担当教科は、物理Ⅲを受け持つカリスマ性がある先生と同時に、珍しい苗字を持つ先生でもある。
昼休みを挟み、授業を全うしたら、あっという間に学校が放課後になっていた。今日の授業メニューが1限が数学III、2限が現代文、3限が古典、4限がリーディング、5限が化学Ⅲだったんやけど、この中にウチが苦手な科目があるんや。それは、理系関係の数学IIIと化学Ⅲ。まだ1学期が始まったばかりやと言うのに、先が心配になってくるわな…。これから先、大学受験を念頭に置いた授業になってくるはずやから。
絵里「さて、生徒会室に行きましょ。西城君が来てる筈よ。」
エリちにそう言われて、生徒会室へ同行。西城君に謝らへんとな。生徒会室に近づくに連れて、緊張の波が押し寄せてくる。この緊張の波は、西城君との関係を修復する為の試練と思えば良いんや。
〜俺側からの視点〜
俺は一足早く、自らペナルティーとして課した反省文33ページの膨大な量が入ったバインダーを持って、生徒会室に来ていた。その理由は、昨日の夜に届いた一通の生徒会長のメールからだった。今朝メールを見て衝撃だったのが、希が俺の事を責任を過剰に負ってないかどうかの心配をして哀哭したという事だった。どういう事なのか聞いてみないと!!!!
その時。
絵里「えっ!?西城君!?もう来てたの!?」
希「西城君…。(´・_・`)」
せ、生徒会長!?!?それに副会長!?!?それに、副会長の髪型が変わってるんだけど!!
少々戸惑い気味な俺。そんな俺に、生徒会長は生徒会室の鍵を開けて中に入れてくれる。
生徒会室に入室した俺と、生徒会長と副会長の3人。生徒会長と副会長が椅子に座ると、早速、本題に入る。
絵里「昨日の夜、西城君にメールを送ったと思うけど見てくれたかしら??」
西城「はい、今朝起きてすぐ確認しました。生徒会長及び副会長…いや、希にはすごく心配掛けてしまい、申し訳ないです。」
俺は、生徒会長と副会長に頭を下げて謝罪の意を示す。
絵里「いや、私は希を慰めただけだから別に良いのよ( ̄▽ ̄;)それにしても…。」
それにしても?
絵里「西城君が持っているそのバインダーの中身って、反省文なのかしら?」
生徒会長、ご名答です。
西城「はい、そうなんです。勿論、バインダーに表紙がついていますし、中には反省文33ページが入っていますよ。」
絵里・希「33ページ!?!?∑( °口° )!?」
西城君。こないだの調査報告書にしても43ページにも及ぶ、大学の実験レポート並みのレベルで驚いたと言うのに。どうやったら、33ページ書けるの!?!?
絵里「早速、その反省文を見せてくれる?」
西城「解りました。」
俺は、33ページの膨大な量が入ったバインダーを生徒会長に渡した。
〜再び、希側からの視点〜
エリちはウチの隣の席に座り、西城君から渡されたバインダーを開き、反省文に目を通している。真剣な面持ちやな〜。
一方のウチは、西城君に対して申し訳ないが余り、目を中々合わせられないでいた。「西城君なんかもう知らへん。」と愚痴にしても、嫉妬のあまりに言った事がいけなかったんやと。
そして、西城君の反省文を見終わったエリち。
絵里「ハ、ハラショー…。(*゚Д゚)オォォ...西城君のを見ると最早、神の領域じゃない…。希。見てみなさい…。反省文と+αで希への想いが深く書かれてるわよ…。」
エリちを神の領域と言わせる程の反省文ってどんなものやろ?ウチへの思い?どんな事が書かれてるんや?
エリちからバインダーごと渡され、西城君が書いた33ページに及ぶ反省文を1ページ1ページ読んでいく。そこには…今回の事の詳しい経緯や、悪い事をしたと反省の言葉が確り書かれていると共に、「俺には希が必要なんだ。希と一緒に歩いて行きたいし、共に過ごしたいんだ。一人の男として、十分に責任を取れるようになったら、告白させてくれ。」とラブレターに近い言葉が書かれていた。
絵里「良かったわね…!希…!!。・゜・(。´ノω・`)。ウウゥゥ」
西城君の反省文の内容に、感泣するウチとエリち。
希「せやな…!( ;∀;)カンドーシタ西城君…。本当にゴメンな…。グスッ嫉妬のあまり酷い事を言ってしまったんよ…。グスッ」
西城「もう、良いんですよ。( ´罒`*)✧希の幸せは俺の幸せでもある訳だし。反省文の通り、俺は希が必要不可欠なんだ。副会長としてではなくて、一人の女の子として。」
絵里「うわぁ…。羨まし過ぎるわよ、その言葉///私も貰いたかったわ…。(※私のルートは、ラブライブ µ’s 絢瀬絵里行きのシリーズを見てね)」
希「ウチの幸せが西城君の幸せだなんて…///もぅ、ズルいやん///それにウチの事をこれから先は、副会長としてではなく、一人の女の子として見てくれるんやね?」
西城「うん。あと髪型がお洒落で可愛いぞ。希のようなお洒落で可愛い、俺より1つ上の女の子と付き合えたら万々歳だな。」
その言葉に、ウチとエリちは顔を赤らめてしまう。
希「エヘへ///西城君にそう言って貰えると思って、普段のツインテールから髪の一部を三つ編みするなどの複雑な髪型に変更したんよ。更には前髪からして根本的に違うやろ?(´>∀<`)ゝ))エヘヘ」
そんなウチを見て、エリちは少しヤキモチを妬いてしまっている。エリちも西城君の事が好きやからな。まぁ、仕方ないんやけども。
こうして、ウチと西城君は無事に関係修復。この場を設けてくれたエリちには感謝やな。関係修復後、エリちは予定があるという事で、先に帰った。もしかして、ウチと西城君に気を遣ってくれたのかな。夕方6時頃には、生徒会室を出て学校を出発。ウチと西城君は、時よりキスを交わしつつ、西城君が住むアパートに泊まりに行ったのだった。
fin.