※この作品はR-18です。

メス堕ち魔法少女の生活❤️全話エロイラスト付❤️   作:みなぽん

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メンヘラ魔法少女 白峰氷華とポンコツ魔法少女同盟 緑川愛莉❤️

 

白峰 氷華(しらみね ひょうか)

魔法少女名:アイシクル・ノクターン

年齢:18歳 / 身長:166cm

所属:国家魔法災害対策機構・関東方面登録討伐員

討伐ランク:B級(特定条件下でA級相当)

白銀の長髪と淡い青紫色の瞳を持つ少女。黒銀の軽装甲と二振りの魔法剣を操り、氷と斬撃を組み合わせて戦う。

 

 

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緑川 愛莉(みどりかわ あいり)

魔法少女名 リリィ・セラフィム

年齢:18歳 / 身長:157cm

討伐ランク C級

専門区分 治癒・救護支援

主な任務 討伐隊への同行、負傷者の救護、避難所支援

毒親の元で妹弟を守ってきた心優しい少女。氷華のもつ悲しい影と強さに惹かれポンコツ同盟を結成する。

 

 

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ポンコツ魔法少女同盟 第一章 病室の窓辺で

 

白峰氷華が目を覚ましたのは、白い天井の下だった。

 

匂いで分かった。消毒液の匂い。

人工的な空調の音。

心電図の規則的な電子音。

 

「…病院」

 

掠れた声が漏れた。

喉が痛い。ひりひりとする。

右手には点滴の針が刺さっている。左手首には包帯が巻かれていた。

 

何もかも、思い出した。

 

ゼノンを倒した後。

家に帰り、バスルームに入り、カッターナイフを手首に押し当てたこと。

復讐をやり遂げると同時に家族と同じところに行きたいと強く願った。

血が出て、熱いと感じたこと。

床が近づいてきて、視界が暗くなったこと。

最後に見たのは、リビングのテーブルに置かれた母の眼鏡だった。

 

「…死に損ない」

 

氷華は天井を見つめた。

死ねなかった。

死に損なった。

 

アラート音。

スマートフォンの通知が鳴った。

手が届く範囲に置かれている。病院の許可を得て持ち込んだものだ。

 

画面を見る。

 

《討伐報酬:冥獣将ゼノン》

《報酬金額:4,800,000円》

《特記事項:特級討伐に準ずる戦果として評価》

 

「…四百八十万」

 

数字を見ても、何も感じなかった。

これがあれば、当分暮らせる。

でも、暮らして何をする。

 

「生きていても、意味がないのに」

 

声に出すと、余計に虚しくなった。

 

ドアがノックされた。

「白峰さん、起きてますか?」

 

若い女性の声。

看護師ではない。もっと柔らかい声だった。

 

「…はい」

氷華は答えた。

 

ドアが開く。

入ってきたのは、小柄な少女だった。

年の頃は、自分と同じくらいか、少し下か。

緑色の柔らかそうな髪に、大きな緑色の瞳。

胸元には、氷華と同じ国家魔法災害対策機構の徽章がついていた。

 

「初めまして」

少女は、少し緊張したように笑った。

「私、緑川愛莉っていいます。精神治癒担当の魔法少女です」

 

「…精神治癒」

氷華は目を細めた。

「来るの、早くない?」

 

「えっと…昨日、救急搬送されたって聞いて…」

 

愛莉は、ベッドの横にある椅子に座った。

手には、小さな花束を持っている。白いカーネーションと、淡い緑色のリボン。

 

「これ、よかったら」

「いらない」

即答した。

愛莉の手が、一瞬止まる。

 

「…ごめんなさい」

愛莉は俯いた。

「迷惑でしたよね。いきなり来て」

 

「…いや」

氷華は首を振った。

「ごめん。あたしが、変なだけ」

 

沈黙が流れた。

病室には、心電図の音だけが響く。

 

「ねえ」

氷華が口を開いた。

「あなた、戦闘できるの?」

「えっ?」

愛莉は顔を上げた。

「えっと…あまり得意じゃなくて…」

「やっぱり」

氷華は小さく笑った。

「あたしと同じだ」

「え?」

「あたしも、本当は戦いたくないの。でも、やるしかなくて。やったら、壊れて…」

言いかけて、止まる。

何を言っているのだろう。

初対面の人に。

「…ごめん」

氷華は目を閉じた。

「もう帰って」

「帰りません」

愛莉の声が、意外なほどはっきりしていた。

氷華が目を開ける。

 

「白峰さん、ゼノンを倒したんでしょう?」

「…知ってるの?」

「ニュースで見ました。冥獣将ゼノンを討伐した魔法少女がいるって」

「…討伐っていうか、まぐれだけど」

「まぐれでも」

愛莉は言った。

「倒したのは事実ですよね」

「…そうね」

「私ね」

愛莉は膝の上で手を組んだ。

「たいして戦えないんです。怖くて。現場に行っても、動けなくて。仲間の治癒しかできなくて」

「でも、治癒は大事じゃない」

「そうですけど…」

愛莉は俯いた。

「でも、自分の無力さが、悔しくて。何度も辞めようと思って」

「辞めればいいのに」

氷華は言った。

「辞めた方が、楽だよ」

「…辞められないんです」

愛莉は笑った。

「こんな私を必要としてくれる人がいるから」

「…誰?」

「私の治癒魔法で、何度も助ったって言ってくれる人がいるんです」

氷華は黙った。

自分には、そんな人はいない。

仲間もいない。必要としてくれる人もいない。

「白峰さんはどうしてあんなことしたんですか?」

愛莉が聞いた。

氷華は即答した。

「死にたかった、死ぬつもりだった。でも、気づいたら目が覚めてて。死に損ない」

「死に損ないじゃないですよ」

愛莉の声が、少しだけ強くなった。

「生きてるんですから」

「生きてて、何になるの」

「…分かりません」

愛莉は正直に言った。

「でも、死んだら何もならないですよね」

「…そう」

「白峰さん」

愛莉は立ち上がった。

「私、また来てもいいですか?」

「…なんで?」

「話、したいからです。白峰さんの話を聞きたいし、私の話も聞いてほしいから」

氷華は、愛莉を見た。

大きな緑色の瞳。

不安そうに揺れる瞳。

でも、どこか強い光を宿している。

「…勝手にすれば」

氷華は布団を被った。

顔を隠した。

心臓が、少し速く打っていた。

誰かに話したいと言われたのは、いつ以来だろう。

 

翌日、愛莉は来なかった。

 

代わりに、機構の職員が来た。

退院の手続きと、カウンセリングの予約。

そして、ゼノン討伐の報告書の提出。

「白峰さん、しばらく戦闘任務はお休みです」

職員は言った。

「メンタルケアを優先してください」

「…ええ、」

氷華は答えた。分かっている。

自分が壊れていることを。

 

退院して、家に帰った。

リビングのテーブルには、まだ母の眼鏡が置いてある。

手首の包帯を見る。

あの日、自分がつけた傷。

幸い浅かったらしい。命に別状はなかった。

「…何やってるの、あたし」

ソファに座り込む。

天井を見上げる。何もない天井。何もない人生。

ピンポーン。

インターホンが鳴った。

氷華は立ち上がった。

こんな時間に、誰が。

ドアを開けると、愛莉が立っていた。

今日は私服だ。淡い緑色のワンピース。

手には、コンビニの袋。

「あの…お邪魔していいですか?」

「…どうして住所を」

「機構で聞きました。ダメでした?」

「…いや」

氷華は、少しだけ考えてから、ドアを開けた。

「上がって」

「ありがとうございます」

愛莉は靴を脱ぎ、玄関を上がった。

「お部屋、きれいですね」

「きれいじゃないよ。物がないだけ」

「物がないのは、きれいって言うんですよ。私の部屋なんてジャングルですよ。」

「…変な理屈」

リビングに入ると、愛莉はテーブルの上の家族写真を見て、少し黙った。

「ああ、私家族が、、」

「話さなくていいですよ」

愛莉は言った。

「無理に」

「…話す」

氷華はソファに座った。

愛莉も向かい側に座る。

「一年前、冥獣に家族を殺されたの」

氷華は言った。

「父と母と妹。三人とも。あたしの目の前で」

「…」

「その時、冥獣将ゼノンに犯されたの。逃げられなくて。助けも来なくて。ただ、されるままだった」

「…」

「それから魔法少女になった。ゼノンを殺すために。でも、殺しても何も変わらなかった。家族は戻らない。心は壊れたまま。だから、死のうとした」

愛莉は何も言わなかった。

ただ、氷華の手を握った。温かい手だった。

小さくて、細くて、でもしっかりと。

「…あったかい」

氷華は呟いた。

「何?」

「手。あったかい」

「…当たり前ですよ。生きてるから」

愛莉は笑った。

「私、白峰さんより弱いです。戦えないし、怖がりだし。でも、こうやって手を握ることはできるんです」

「…それが、魔法?」

「はい。精神治癒魔法です。触れた人の心を、少しだけ温めるんです」

「…効いてる?」

「どうですか?」氷華は少し考えた。

胸の奥が、少しだけ温かい気がした。

まだ痛い。まだ苦しい。でも、何かが、少しだけ。

「…少しだけ」

「少しだけ、ですか」

「うん。少しだけ、あったかい」

愛莉は嬉しそうに笑った。

「よかった。役に立てて」

「…あなた、なんであたしに構うの」

「白峰さん、寂しそうだから」

「…寂しくない」

「嘘です」

「…なんで分かるの」

「目が、寂しい目をしてるから」

氷華は、愛莉の手を握り返した。

強く握る。

「…あたし、ポンコツだよ」

「私もです」

「家族もいない。友達もいない。金はあるけど、何にも使えない」

「私もです。友達、少ないですし」

「戦い方、汚いよ。無様だし」

「私、戦えないですし」

「…変な人」

「変な人、仲間に入れてください」

氷華は目を丸くした。

「仲間?」

「はい。ポンコツ魔法少女同盟、結成しませんか?」

「…何それ」

「私たち二人の同盟です。弱くて、ポンコツで、でも生きてる魔法少女の」

氷華は、少しだけ笑った。

「バカじゃないの」

「バカでいいです。バカ同士、支え合いましょう」

「…あたし、誰かを支えたことないけど」

「なら、私が教えます。支え方、教えますから」

「…本当に、バカだね」

「はい。バカです」

二人は笑った。

病室でも、自宅でもない。

何でもないリビングで、何でもないように笑った。

愛莉は立ち上がり、コンビニの袋をテーブルに置いた。

「お土産、買ってきました。アイス。一緒に食べましょう」

「…アイス?」

「はい。秋だけど、アイスは季節問わず美味しいですよ」

「…そう?」

「絶対です」

氷華は立ち上がり、キッチンからスプーンを二つ持ってきた。

テーブルに並んで座り、アイスを開ける。

バニラと、チョコレート。

「白峰さん、どっちがいいですか?」

「…チョコ」

「じゃあ私はバニラで」

スプーンでアイスをすくい、口に運ぶ。

甘い。冷たい。「…おいしい」「でしょ?」「…うん。おいしい」

氷華は、涙が出そうになった。

家族とアイスを食べたのは、いつ以来だろう。

何でもないような、でも何より大切な時間。

「ねえ、愛莉」「はい?」「…あたし、まだ生きてる」

「はい」

「意味があるかどうか、分からないけど」

「それでいいですよ」

「…そう?」

「はい。意味は、後からついてくるんです」

「…後から?」

「私も、まだ見つけてないですけど」

「…そう」

二人は、アイスを食べた。

窓の外では、秋の風が吹いていた。

何も変わらない街。

でも、何かが、少しだけ変わった気がした。

ポンコツ魔法少女同盟。

不安定で、弱くて、でも少しだけ温かい同盟。

氷華の胸の奥で、小さな火が灯った。

まだ弱い。まだ小さい。

でも、消えそうになると、愛莉の手が握ってくれる。

「…愛莉」「はい?」「ありがと」

「どういたしまして」

秋の午後。

白いカーネーションの花束が、テーブルの上で静かに揺れていた。

 

⭐️家族という牢獄

 

愛莉が氷華の家を出たのは、日が暮れる前だった。

 

秋の風が、緑色の髪を揺らす。

コンビニの袋を持ち、氷華から借りた傘を握りしめ、愛莉は駅への道を歩いた。

ポケットの中のスマートフォンが震える。

画面を見る。

《今月の報酬振込:360,000円》

三十六万。

魔法少女としての収入だ。

精神治癒担当、C級ランク。

戦闘力は皆無に等しい。だが、治癒魔法の評価は高く、需要は安定している。

この金が、今月の家計を支える。

アパートのドアの前に立つ。

鍵を開ける。

「ただいま」

返事はない。

リビングのドアを開ける。

「あ、姉ちゃん!」

妹の優菜が駆け寄ってきた。十歳。愛莉より頭一つ分小さい。大きな緑色の瞳は姉と同じだが、左目の下に青い痣がある。

「優菜、どうしたのその痣」

「…転んだだけ」

嘘だ。

愛莉は分かっていた。でも、問い詰めなかった。

問い詰めたところで、何が変わるわけでもない。

「お母さんは?」

「出かけてる」

「…そう」

「お父さんは?」

優菜の顔が歪んだ。

「お部屋。お酒飲んでる」

 

お父さん。

血の繋がらない義父。母が連れてきた男。

愛莉が魔法少女になった年の冬、母はこの男と再婚した。

それから全てが壊れた。

男は酒を飲む。飲むと暴れる。賭博で金を失う。失うとまた飲む。

母はそれに耐えきれず、半年前に家を出た。

残されたのは、愛莉と、優菜と、七歳の弟の蓮。

三人の生活は、愛莉の収入で支えられている。

魔法少女の報酬。三十六万。

家賃八万。食費六万。優菜と蓮の学費五万。義父の借金返済十万。

残る七万が、愛莉の小遣いと、雑費と、そして義父の酒代。

「愛莉、飯は?」

義父の声。酔っている。

リビングの奥から、ふらつきながら出てきた。

五十代。髪は薄く腹が膨らんでいる。

シャツは汚れ、ズボンのベルトが緩んでいる。

「買ってきてないの?飯は」

「あります、スーパーのお弁当」

「弁当?俺は飯が食いたいんだよ」

「今日は…ごめんなさい、時間がなくて」

「時間がない?仕事はどうした」

「今日は…病院に行ってました、友達のところへ」

「友達?お前みたいなのに友達がいるのか?金持ちの魔法様は違うなあ」

義父はふらつきながら近づいてきた。

酒臭い。

愛莉は身構えなかった。構えても意味がない。

「金、あるんだろう?今月のやつ」

「…まだ振り込まれてません」

「嘘つけ。いつも二十日には入るんだろう」

「今月は二十五日です」

「早くしろよ。俺は金がいるんだ」

「…何に使うんですか」

「パチンコだよ、いいか。俺は今日負けっぱなしだったんだ。取り返さないと」

またか、と愛莉は思った。

今月もこうして、金が消えていく。

優菜がリビングの隅で小さくなっている。

蓮は二階に隠れているはずだ。この時間はいつもそうだ。義父が暴れる時、蓮は二階の押し入れに隠れる。

「…分かりました。明日、振り込まれたら」

「明日?今すぐだせよ」

「無理です。銀行は閉まってます」

「じゃあカードで引き出せ」

「…残高がありません」

「嘘つけ!!」

義父の手が振り上がった。

愛莉は目を閉じなかった。来ると思っていたから。

パンッ。

平手打ち。頬が熱い。

「…」

「金を出せ。今すぐだ」

「…本当に、ないんです」

「じゃあ明日、必ずだせよ。出さないと…」

義父は愛莉の襟を掴み、顔を近づけた。

酒とタバコの臭い。

「優菜と蓮をどうするか、分かってるな」

脅し文句。

いつもの言葉。

愛莉は頷いた。

「…明日、必ず」

義父は手を離し、よろつきながら自室に戻っていった。

ドアが閉まる。

優菜が駆け寄ってきた。

「姉ちゃん、痛い?」

「大丈夫。ただの平手だよ」

「…お父さん、またお金使っちゃうの」

「…うん」

「魔法少女のお金、全部お父さんに持ってかれるの?」

「全部じゃないよ。ご飯代と学費は残してある」

「でも、姉ちゃん何も買ってもらえない」

「買ってもらわなくていいよ。あたしが買ってあげるから」

「…姉ちゃん」

優菜が泣いた。

愛莉は妹を抱きしめた。

「泣かないで。大丈夫だから」

「姉ちゃん、私、お父さん嫌い」

「…うん」

「私も嫌い」

「でも、お父さん、最近変だよ」

「変?」

「なんか…怖い。目が変なの。お酒飲んでない時も」

愛莉の胸がざわついた。

義父の目。最近、確かに何かが変わっていた。

 

⭐️凶行

深夜二時。

アパートの薄い壁を隔てて、物音が聞こえた。

いつもの義父のいびきではない。

湿った音。何かが這いずるような音。

 

愛莉はベッドから起き上がった。

隣で寝ていた優菜が身じろぎをする。

「優菜、起きないで」

小声で囁き、部屋を出る。

廊下は暗い。非常灯の薄明かりだけが頼りだ。

 

物音は蓮の部屋から聞こえてくる。

七歳の弟が一人で寝ている部屋。

「蓮?」

ドアノブに手をかける。

鍵はかかっていない。

ゆっくりと開ける。

 

「…っ」

息が止まった。

蓮の部屋に義父がいた。

だが義父ではなかった。

シルエットは義父だ。

だがその背中から何かが隆起している。シャツが裂け、灰色の皮膚が覗いている。

そして何より違うのは気配だ。

腐臭と濃厚な麝香が混じったような異臭。

冥獣だ。

 

「お父さん…?」

愛莉の声に男が振り返った。

顔はまだ義父だった。

だが目が違う。

白目がなくなり黒く濁っている。瞳孔が縦に裂け、爬虫類のように収縮している。

口元が歪みだらしなく開いている。よだれが垂れている。

「ああ…愛莉か」

声は義父のもの。だが響きが違う。底意地の悪さが増している。

「蓮に何をしてるの!」

ベッドの隅で蓮が震えている。泣き声も出せない様子だ。

「何って…可愛がってるんだよ」

義父の手が蓮の方へ伸びる。

その手は人間のものより長く指が増えているように見えた。

 

「やめて!」

愛莉は飛び込んだ。

蓮と義父の間に立つ。

「出て行って!蓮に触らないで!」

「お前…金がないなら体で払えって言ったろ?」

義父が笑った。濁った目が愛莉の体を舐めるように動く。

「…え?」

「金がないなら体で払うんだ。それがこの家のルールだろ?」

「お父さん何言って…」

「お前のその魔法少女の体…ずっと見てたんだよなあ」

義父の手が伸びた。

愛莉の腕を掴む。力が強い。人間離れしている。

「いっ…痛い!離して!」

「静かにしろよ。優菜も起きちまうだろ?」

その言葉に愛莉は凍りついた。

優菜。隣で眠っている妹。

もし彼女も巻き込まれたら。

 

「…分かった。静かにするから。蓮を行かせて」

「蓮?ああ…そうだな。邪魔だしな」

義父は蓮の方を見た。

「おいガキ。出てけ」

蓮は震えながらベッドから降りドアの方へ走った。

「姉ちゃん…」

「蓮!優菜を連れて二階へ行って!鍵をかけるのよ!」

「でも姉ちゃん…」

「いいから行って!早く!」

蓮は泣きそうな顔で頷き部屋を出て行った。

足音が二階へ駆け上がっていく。

 

二人きりになった部屋で愛莉は義父と対峙した。

「…お前本当にいい子だなあ」

義父が近づいてくる。

後ずさる愛莉。壁に背が当たる。

逃げ場がない。

 

「魔法少女かあ…すげえな。でもよお前戦えねえんだろ?ただ傷を治すだけのポンコツなんだろ?」

図星だった。

戦えない。ただ治癒するだけ。

だからこうやってされるがままになるしかない。

 

 

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義父の手が愛莉のパジャマのボタンにかけられた。

「やめて…お父さん…」

「お父さんじゃねえよ」

義父が笑った。

「俺はお前らの親じゃねえ。飼い主だ」

ボタンが弾け飛ぶ。

パジャマがはだけ白い肌が露わになる。

 

「いい体だ。まだ誰にも使われてねえんだろ?」

「…お願い…やめて…」

「金がないんだろ?なら体で払えよ。それが世の中のルールだ」

義父の手が胸を掴んだ。

冷たい手ではない。熱いくらいに熱い。冥獣の熱だ。

 

「いやっ…!」

愛莉は抵抗した。手を振り払おうとする。

だが力が違う。

まるで鉄の枷にはめられたようにはずれない。

「暴れるなよ。隣に優菜がいるんだろ?お前が抱かれないなら優菜のちっちぇマンコを抉るだけだぜ」

またその名前。

優菜を盾に取られる。

声を上げられない。

抵抗できない。

 

パジャマが床に落ちた。

下着も引きちぎられる。

冷たい空気が肌に触れる。

羞恥と恐怖で体が震える。

 

「くひひひ見ろよ。魔法少女の裸だ。高値で売れるぞ」

義父の目が爛々と輝く。

濁った瞳の中に欲望が渦巻いている。

 

義父が覆いかぶさってきた。

酒とタバコと腐臭。

男の体が圧し掛かる。

重い。熱い。

 

「…うっ…あっ…」

愛莉は目を閉じた。

どこか遠くへ行こうとした。

氷華さんのところへ。

あの温かい手のひらへ。

でも現実は残酷だ。

父親のイチモツが無造作に純潔を散らした。

激痛が走った。

体が引き裂かれるような感覚。

「いっ…ああっ…!!」

声が出た。抑えられない。

でも大声では叫べない。

優菜が心配する。

「いやぁ、、ぁぁ、、」

「いいマンコだ、泣く声もも惨めで哀れでたまらなく いい声だな。もっと啼けよ」

義父が動くたびに痛みが走る。

でもやがて痛みの中に別の感覚が混じり始めた。

「俺の体液をキメれば処女でも腰を振るんだぜ」

熱だ。

体の中から熱くなる。

冥獣の体液だ。催淫効果のある体液が注ぎ込まれている。

 

「やだ…こんなの…やだぁ…」

意思とは裏腹に体が反応し始める。

熱くなる。疼く。

快楽という名の毒が全身を侵食していく。

 

「ほら見ろ。お前も感じてるじゃねえか」

「ちが…う…」

「嘘つけ。体は正直だな」

義父がさらに激しく動く。

 

愛莉の抵抗が弱まっていく。

心も体も麻痺していく。

ただ天井の染みを見つめることしかできない。

「ぁ、、、ぁ、、あっ!ぁぁ、、ぃゃ」

ポンコツ魔法少女同盟。

氷華さんごめんなさい。

あたしポンコツだから。

守れなかった。

涙が頬を伝った。

天井が滲む。

快楽に意識が遠のいていく。

「おら!イケ 犯されてイケ!」

「なにす……っ、やめっ!そ゛こだめッッ!! いや、んんっ、。恥ずかしい、んんあっいぐぅ❤️」

「くほぉ処女マンコに出るぅ!」ドビュドビュドビュ!

男は尻を震わせて愛莉の奥にぶちまけた。

 

翌朝。

愛莉は自室のベッドで目を覚ました。

昨夜のことは夢だったのだろうか。

体が痛い。特に下半身に鈍い痛みがある。

シーツには薄っすらと血の跡がついていた。

 

夢じゃない。

 

起き上がろうとして激痛が走った。

鏡を見る。

首筋には青い痣。腕にも掴まれた跡がある。

リビングに行くと義父はソファで寝ていた。

いつものいびきをかいている。

顔はいつもの義父だ。昨夜の濁った目はもうない。

 

何だったのだろうあれは。

夢?それとも現実?

 

台所に行き朝食を作る。

優菜と蓮が降りてきた。

二人とも目が赤い。昨夜のことを覚えているのだろうか。

 

「お姉ちゃん…」

優菜が抱きついてきた。

「…大丈夫だよ」

愛莉は妹を抱きしめた。

大丈夫じゃないけど大丈夫と言わなければならない。

あたしは大丈夫だから氷華さん。

 

スマートフォンの通知が鳴った。

氷華さんからだ。

 

《今日空いてる?》

 

愛莉は震える指で返信した。

 

《うん空いてる》

 

《そっち行ってもいい?》

 

《うん来て》

 

《ありがとう》

 

画面を見つめながら愛莉は思った。

 

生きていれば何かあるって言ったよね氷華さん。

 

でも生きているだけでこんなにも辛いこともあるんだね。

 

それでも会いたい。

 

温かい手に触れたい。

 

愛莉は服を着替えた。

首筋の痣が見えないようにハイネックのセーターを選んだ。

 

外に出ると秋の風が吹いていた。

 

いつもと変わらない朝。

 

でも何かが決定的に壊れた朝。

 

⭐️毒親と冥獣

愛莉が氷華の家を訪ねたのは、その日の午後だった。

 

インターホンが鳴り、ドアを開けると、愛莉が立っていた。

いつもの笑顔がない。

顔色が悪い。目の下に濃い隈がある。

首元にマフラーを巻いている。十月の初めにしては暑すぎるほどだ。

「…愛莉?」

 

愛莉は俯いたまま動かなかった。

「入って」

氷華は愛莉の腕を引き、家に入れた。

ソファに座らせ、お茶を出す。

愛莉はお茶に手を触れなかった。

 

「どうしたの」

「…」

「愛莉」

「…氷華さん」

愛莉が顔を上げた。

目が赤い。泣いていた跡がある。

「あたし…」

「うん」

「あたし…お父さんに…」

そこから先は言葉にならなかった。

愛莉の肩が震え、マフラーを押さえる手が白くなる。

氷華は見た。

マフラーが少しずれ、首筋に青い痣が見えた。

手首にも。

腕にも。

 

氷華の目が、変わった。

「…見せて」

「いやだ」

「見せて、愛莉」

「いや…見ないで」

愛莉が縮こまる。マフラーを強く握りしめる。

氷華は、愛莉の手を取った。

優しく、だが譲らない力で、マフラーを外した。

 

首筋に、青い痣。

手首に、掴まれた跡。

胸元に、爪で引っ掻いたような傷。

 

「…誰がやったの」

氷華の声が低い。

愛莉は答えなかった。答える必要もなかった。

氷華は知っていた。

あの義父だ。

「…殺す」

「氷華さん!」

愛莉が氷華の腕を掴んだ。

「ダメ!ダメなの!」

「なんでダメなの」

「だって…あの人、人間じゃないの。最近おかしいの。目が変わって…体から何か生えてて…」

「冥獣」

氷華は呟いた。

「そう…きっと冥獣に憑依されてる。あの義父さん、元からクズだったけど、今はもう人間じゃない」

 

「行くわよ」

氷華は立ち上がった。

「氷華さん、どこへ」

「あんたの家」

「ダメ!行かないで!」

愛莉がしがみつく。

「優菜と蓮がいるの。あたしが行かなきゃ」

 

「でも…!」

「愛莉、あんたはここにいて。動かないで」

 

氷華は愛莉を振りほどき、家を出た。

 

秋の風が冷たかった。

でも、氷華の血は沸いていた。

 

怒り。

純粋な怒り。

あの時、ゼノンに家族を殺された時と同じ怒り。

いや、それ以上か。

ゼノンの時は、復讐の対象が分かっていた。

でも今は、愛莉を傷つけたのが許せない。

あの温かい手を、あの笑顔を、あの弱い子を、傷つけたのが。

 

アパートの前で立ち止まった。

三階の窓を見上げる。

薄いカーテンの向こうに、影が動く。

 

階段を駆け上がった。

三階。301号室。

ドアの前に立つ。

ノックしない。

蹴り開けた。

 

「誰だ!」

リビングから義父が出てきた。

ソファに座り、ビールを飲んでいた様子だ。

「お前…愛莉の友達か」

義父の目が濁っている。

昨日の夜と同じ目だ。いや、もっと濁い。

「何しに来た」

「何をしたの」

氷華は言った。

「愛莉に何をしたの」

 

「ああ、あいつか。元気にしてるか?俺が女にしてやったんだよ」

義父が笑った。酔っ払いの笑い方ではない。もっと粘着質な、ねっとりとした笑い方だ。

「殺す」

「は?」

「あたしはあなたをを殺す」

 

氷華の手に銀色の剣が現れた。

魔法少女アイシクル・ノクターン。

二振りの剣が、秋の午後の光を受けて煌めく。

「おお、魔法少女様がお出ましか。怖いなあ」

義父はソファから立ち上がった。

立ち上がった瞬間、背中が隆起した。

シャツが裂け、灰色の皮膚が覗く。

「やっぱり」

氷華は剣を構えた。

「冥獣に憑依されてる。あんたはもう人間じゃない」

「人間?俺は進化したんだよ」

義父の声が変わった。

低く、湿った声。腹から響くような声。

「人間なんて弱い生き物だ。だが冥獣と融合すれば…もっと強くなれる」

義父の身体が膨らんだ。

皮膚が裂け、中から灰色の筋肉が覗く。

顔が歪む。目が飛び出し、口が耳まで裂ける。

人間の形をやめた。

そこにいたのは、灰色の皮膚に覆われた、人の形を模倣した何か。

「来いよ、魔法少女。お前も仲間にしてやる」

 

冥獣人が襲いかかってきた。

 

速い。

義父だったものの速度を遥かに超えている。

氷華は剣を振った。

銀色の閃光が冥獣人の右腕を切断する。

黒い体液が噴き出す。

だが冥獣人は止まらない。

左腕が伸びた。いや、腕ではない。触手だ。

義父の右腕の断面から新たな触手が生え、氷華に絡みつく

「くっ!」

左腕の剣で触手を切断する。

だが次から次へと生えてくる。

「氷華さん!」

背後で愛莉の声がした。

いつの間にか追いかけてきていた。

「来ないで!逃げて!」

「ダメ!優菜と蓮が!」

愛莉がリビングの奥へ走る。

二階から子供たちが降りてきた。

優菜と蓮だ。

「お姉ちゃん!」

「逃げて!二人とも逃げて!」

冥獣人が振り返った。

濁った目が子供たちを見る。

「新鮮な餌だ」

冥獣人の背中から触手が伸びた。

狙いは優菜と蓮。

「やらせない!」

氷華は飛び込んだ。

触手と氷華の身体が交差する。

ドスッ。

鋭い痛みが左肩を走った。

触手が肩を貫いた。

「氷華さん!」

「逃げなさい!早く!」

子供たちを逃がさなければ。

でも、触手が離れない。

肩の傷から体液が入り込む。

熱い。

体が熱い。

催淫の侵蝕。

また、この感覚。

 

 

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グラトニーの時も、ゼノンの時も、この感覚に負けそうになった。

「堕ちろよ」

冥獣人の声が響く。

「お前もメスになるんだ。仲間だ。俺の雌だ」

触手が肩から身体へ這い降りる。

胸元を裂き、腹部を撫で、脚の間へ。

「ああっ…!」

声が出た。

身体が熱い。疼く。

あの時と同じ。

されるがままに。

ただ、されるがままに。

「氷華さん!氷華さん!」

愛莉の声が遠い。

「逃げてって言ってるでしょ!」

「ダメ!あなたを置いていけない!」

愛莉が冥獣人に飛びついた。

小さな身体で、冥獣人の背中にしがみつく。

「離せよガキ!」

冥獣人が振り回す。

愛莉は離れない。

「愛莉!やめて!」

「ひひひ また犯してほしぃのかあいりぃいいいいいいーーー」

冥獣人は笑っていた。

人間の形を捨てたその身体から、無数の触手が蠢いている。

「さて、どちらから味わうか」

 

二本の触手が同時に伸びた。

一本は氷華の右脚を、もう一本は愛莉の左脚を絡め取る。

「ひっ…!」

「いやっ…!」

二人同時に引き寄せられ、冥獣人の前に跪かされる。

触手が二人の服を裂いていく。

魔法少女の装甲が、少女の服が、紙のように引き裂かれ白い肌が露わになる。

「いい体だ。二人とも」

冥獣人の濁った目が二人を舐める。

「どちらがいいかな。やはり経験済みの愛莉からか、それとも未開の氷華か」

 

「両方とも犯してやる」

触手が増えた。

氷華の両腕を拘束し天井に吊る。

愛莉の両脚を広げ固定する。

「やめ…やめて…」

愛莉が震える。昨日の夜と同じだ。いや、もっと多い触手が、もっと執拗に這い回る。

胸元を這う触手が乳首を捕らえる。吸い付くように尖り締め上げる。

「あんっ…!」

愛莉の声が漏れる。昨日の記憶が蘇る。体が勝手に反応する。

「感じてるのか。素直だな」

冥獣人の触手が愛莉の腹部を撫で下ろし下着の中へ滑り込む

「いやっ…そこ…!」

「昨日もここを触ったよな。覚えてるか?」

「忘れて…忘れたい…」

「忘れられないようにしてやるよ」

触手が愛莉の秘所に侵入した。

「あぐっ…!いやぁっ…!」

愛莉の悲鳴が部屋に響く。

同時に、別の触手が氷華を襲っていた。

両脚の間に滑り込んだ触手が、装甲の隙間を縫って内側へ

「くっ…!」

冷たい感触が太腿の内側を這い上がる。グラトニーの時と同じだ。いや、もっと執拗に。

「お前も感じろよ。魔法少女」

触手が下着を押しのけ直接肌に触れた

「あっ…!」

熱い。触手から滲み出る体液が、催淫効果を持って肌を侵食していく。

「はあっ…やだ…こんな…」

身体が熱くなる。力が抜ける。

抗えない快感が下腹部から湧き上がる。

「見ろよ、お前の仲間も感じてる」

冥獣人が愛莉の身体を激しく揺さぶる。

愛莉の喘ぎ声が漏れる。抑えられない。体液の侵蝕で抵抗が崩れていく。

「ああっ…あっ…やだ…やだぁ…」

「いい声だ。昨日よりいい」

触手が愛莉の奥まで突き上げられる。

愛莉の口から悲鳴と共に甘い響きが混じり始める。

「はあっ…あたし…ダメ…」

「愛莉!」

氷華は叫んだ。目の前で愛莉が犯されている。

自分も犯されている。

二人とも、無力だ。

「お前もだよ」

冥獣人の触手が氷華の胸元を裂いた。

冷たい空気が乳首に触れる。直後、触手が乳首に巻き付く。

「くぅっ…!」

ぬめる感触。体液が乳首を汚す。

熱くなる。身体の芯が溶けるようだ。

「ああっ…いや…いやだ…」

「強い魔法少女が堕ちる姿はいいな」

冥獣人の触手が氷華の秘所にも伸びた。

下着を押し込み、敏感な部分に触手の先を押し当てる。

「あぐっ…!」

二度目の侵蝕。グラトニーの時もゼノンの時も、この感覚に負けそうになった。

でも、今は。

「愛莉が…見てる…」

氷華の目に愛莉が映る。

愛莉も氷華を見ている。

二人の目が合った。

涙で滲んだ視界の中で、互いの姿が見える。

「氷華さん…ごめん…あたし…」

「謝らないで。あんたのせいじゃない」

「でも…体が…勝手に…」

「分かってる。あたしも…」

二人とも触手に貫かれ、体液に侵蝕され、快楽に抗えられずにいる。

無様で、惨めで、ポンコツだ。

でも、生きている。

「愛莉」

「はい」

「あたしのこと、見ないでね」

「見ます」

「…え?」

「見ます。氷華さんの全部見ます。だから氷華さんもあたしを見て」

「愛莉…」

「一人じゃない。二人なら…耐えられるかも」

氷華の目から涙が溢れた。

触手が奥を突く。身体が跳ねる。

「ああっ…!あたし…イク…」

「俺の雌だ。逝け」

冥獣人が触手を激しく動かす。

愛莉も同時に追い詰められていく。

「あっ…あっ…んんっ…!あたしも…イッちゃ…!」

二人同時に絶頂に達した。

身体が跳ねる。意識が白くなる。

侵蝕率が限界を超える。

《警告:精神汚染度95%》

《警告:精神汚染度98%》

《限界超過。討伐者としての機能喪失》

氷華の瞳から光が消えかける。

愛莉の瞳もまた、濁り始める。

「堕ちたな。二人とも」

冥獣人が満足げに笑う。

触手がさらに深く、二人の奥へ。

「ああっ…もう…ダメ…あたし…メスに…」

愛莉の声が変わる。理性が溶ける。

「あたしも…もう…何も…考えられない…」

氷華の声も掠れ、言葉が途切れる。

全てが終わる。

このまま、二人とも冥獣の雌に成り下がる。

そう思った時だった。

 

「…いやだ」

 

小さな声だった。

愛莉の声だった。

「いやだ…あたしは…負けない…」

「おや、まだ抵抗するか」

「負けない…負けないもん…」

愛莉の目が、潤んだまま光を取り戻す。

「あたしは…ポンコツだけど…でも…」

「愛莉?」

「氷華さんが…怒ってくれたの…あたしのために…」

愛莉の手が、触手に拘束されたまま動く。

小さな手が、震えながら、氷華の手を探す。

触手の隙間を縫って、指が触れ合う。

「温かい…」

「愛莉…」

「氷華さん…あたし…治癒魔法しかできないポンコツだけど…」

愛莉の魔力が、触手の中で脈打つ。

「治癒は…治すだけじゃないの」

「あ?」

冥獣人の触手が愛莉の身体から力を吸い始める。

治癒魔法。それは傷を治す魔法。

だが、愛莉の魔力が、触手を通して逆流する。

「治癒は…正常化…異常を…正す…」

愛莉の瞳が緑に光る。

「だから…異常なものを…正す…!」

魔法が発動した。

愛莉の治癒魔法が、冥獣人の触手の中で炸裂した。

触手が内側から崩れる。

「ガァッ!?な…にを…!」

「異常なものを…正常にする…冥獣の…憑依を…解く…!」

触手が次々と崩壊していく。

冥獣人の身体が、内側から侵食される。

「お前…何をした…!」

「治癒です」

愛莉が笑った。

涙を流しながら笑った。

「あたしの魔法で…あなたを…正常にするの。人間に戻すの」

「やめろ!やめろぉ!」

冥獣人の身体が崩れていく。

灰色の皮膚が剥がれ、触手が消え、人の形に戻っていく。

いや、人の形を保てない。もはや義父は冥獣人化しきっていた。

治癒魔法が冥獣の異常を正す。

つまり、冥獣人を消す。

「いやだ…俺は…強く…」

「強くなんてないよ」

愛莉が言った。

「あんたはただの酒浸りのクズだよ。人間以下だよ」

「…!」

「あたしを犯したこと…許さない」

冥獣人の身体が、最後の崩壊を始めた。

義父は灰色の粒子となって、空気に溶けていく。

義父の姿が一瞬浮かび、すぐに消えた。

後には何も残らなかった。

 

触手が消え、拘束が解けた。

氷華と愛莉が、床に崩れ落ちる。

「愛莉…あんた…」

「へへ…へへへ…」

愛莉が笑う。

力が抜けた、疲れ切った笑い。

「あたし…ポンコツだけど…やった…」

「あんた…治癒魔法で…攻撃できたの?」

「できなかった。でも…できた」

「どういう意味」

「治癒は…治すだけじゃない。異常を正常にする。だから…異常な存在を…正常にするってことは…」

「消すってこと」

「うん。あたしも…今知った」

 

愛莉は氷華に寄りかかった。

小さな体が、震えている。

「氷華さん…」

「うん」

「あたし…汚されちゃった…」

「あたしも」

「でも…生きてる」

「うん。生きてる」

「二人とも…生きてる」

愛莉が氷華の手を握る。

氷華も握り返す。

汚れた手と手。傷ついた手と手。

でも、温かい。

 

「愛莉」

「はい」

「あんたすごいよ。あたしよりずっと強い」

「違うよ。あたしはポンコツだよ。でも…氷華さんが私のために怒ってくれたから、」

氷華は愛莉を抱きしめた。

小さな体を、壊れ物を扱うように。

「もう大丈夫。あたしがいる」

「氷華さん…」

「あんたを守る。約束する」

「…約束」

「うん。ポンコツ魔法少女同盟だもん。お互い守るでしょ」

愛莉が泣いた。

氷華も泣いた。

二人の涙が混ざり合った。

リビングの床に黒い体液の跡が残っている。

でも、窓の外の空は青い。

 

二階から優菜と蓮が降りてきた。

「お姉ちゃん!」

「二人とも…大丈夫?」

「大丈夫だよ」

愛莉が笑った。

涙を流しながら笑った。

「お姉ちゃん…頑張ったの?」

「うん。ポンコツだけどね」

 

優菜が駆け寄り、愛莉に抱きついた。

蓮も氷華の脚にしがみつく。

 

「お姉ちゃんの友達?」

「うん。氷華さん。あたしの…大切な人」

 

氷華は愛莉の頭を撫でた。

緑色の髪が柔らかい。

「愛莉、もう一回言って」

「え?」

「同盟、続けるって」

愛莉が笑った。

「続けます。ずっと。ポンコツでもずっと」

 

⭐️転居

 

「あんたたち、よかったらうちに来なよ」

 

氷華は言った。

アパートの床に座り込んだままの愛莉と優菜と蓮を見下ろす。

冥獣が消えた後の部屋は荒れ果てていた。壁は崩れ、家具は転がり、黒い体液の跡が床にへばりついている。

もうここでは暮らせない。

「え…でも…」

愛莉が戸惑う。

「あたしの家。一軒家だよ。部屋は余ってる」

「そんな…氷華さんに迷惑かけられない…」

「迷惑じゃない」

氷華はきっぱりと言った。

「あたしの家は広すぎるんだ。一人じゃ広すぎる」

愛莉の顔が歪む。

氷華の家。家族を失った家。空っぽの家。

それを知っているからこそ、踏み込むことを躊躇する。

「でも…」

「愛莉」

氷華は愛莉の手を握った。

「あたしはね一人でいると壊れそうになるの。夜になると怖くて死にたくなる」

「氷華さん…」

「でもあんたがいると少しだけ大丈夫になる。あんたの手は温かいから」

「…あたしもです。氷華さんといると安心するから」

「だったら一緒にいよう。あんたも優菜も蓮も」

氷華は優菜と蓮を見た。

二人は姉の後ろに隠れながら氷華を見ている。不安そうな目。でもどこか期待している目。

「優菜、蓮。あたしの家に来る?」

「…行ってもいいの?」

優菜が小さな声で聞いた。

「いいよ。歓迎するよ」

「本当?」

「本当。あたしの家にはお風呂も広いし庭もあるよ。蓮、虫取りできるよ」

「虫取り!?」

蓮の目が輝いた。七歳の男の子にとって虫取りは魅力的な響きらしい。

「氷華さん…本当にいいんですか?」

愛莉がもう一度聞いた。

「いいよ。あたしが言ってるんだから」

氷華は立ち上がった。

「さあ荷物まとめて。今日からあたしの家だよ」

 

**

 

引っ越しは簡単だった。

元々持ち物は多くない。愛莉の服と優菜と蓮の服。学校の教科書。少しの思い出の品。

それらをスーツケースとダンボールに詰め込むだけだ。

アパートの大家には連絡を入れた。冥獣被害のためやむを得ず退去すると。

大家は渋い顔をしたが冥獣被害と聞けば反論できなかった。国から補償が出るかもしれないしねと慰めてくれた。

タクシーに乗る。

スーツケースをトランクに積み込み四人は後部座席に座った。

蓮が窓にへばりついて外を見る。優菜は愛莉の手を握っている。愛莉は氷華の手を握っている。

「緊張してる?」

氷華が聞いた。

「…少し」

愛莉が答えた。

「大丈夫。あたしがいるから」

「はい」

 

タクシーが住宅街に入る。

馴染みのある風景。駅から少し離れた静かな町。

タクシーが氷華の家の前に止まった。

白い外壁の二階建て一軒家。

手入れされた庭。母が好きだった花壇。

「ここ…」

愛莉が呟いた。

「広いね」

「広すぎるよ。一人には」

氷華は鍵を開けた。

「おいで」

 

玄関に入る。

靴を脱ぎ廊下を歩く。

リビングのドアを開ける。

テーブルの上にはまだ四人分の茶器が並んでいた。

母の眼鏡。父の新聞。妹の教科書。

あの日から何も変わっていない。

「…ごめん。片付けてなくて」

氷華は言った。

「そのままでいいです」

愛莉が言った。

「片付けるのはいつでもできますから」

「…うん」

 

愛莉がリビングを見回す。

家族の痕跡。温かだった痕跡。

今はもういない人の痕跡。

でもこれから新しい痕跡が加わる。

「優菜蓮おいで」

愛莉が呼んだ。

二人がリビングに入る。

「すごい…大きいおうち」

優菜が目を丸くする。

「庭もあるよ」

蓮が窓にへばりつく。

 

「二階に部屋があるの。優菜と蓮の部屋」

氷華は二階へ案内した。

妹の部屋だった場所。

ピンクのカーテン。ぬいぐるみ。少女らしい小物。

「ここ使っていいよ」

「いいの?こんなに可愛い部屋」

優菜が目を輝かせた。

「あたしの妹の部屋だったの。きっと喜ぶよ」

「お姉ちゃんありがとう」

優菜が氷華に抱きついた。

小さな腕が氷華の腰に巻きつく。

温かい。

久しぶりの温もりだ。

 

隣の部屋は客間だった。

今は物置になっている。

「ここは蓮の部屋にしようか。片付ければ使えるよ」

「うん!僕ここ!」

蓮が飛び跳ねた。

 

荷物を運び込む。

スーツケースとダンボールをそれぞれの部屋へ。

服をクローゼットにしまう。教科書を机に置く。

少しずつ部屋が変わっていく。

空っぽだった部屋に命が宿る。

 

「お風呂沸かすね」

氷華はお風呂場へ行った。

お湯を張る。バスソルトを入れる。

湯気が立ち上る。

「優菜先に入って」

「うん!」

優菜がお風呂に入った。

蓮も続く。

愛莉と氷華はリビングに残された。

 

「氷華さん…」

愛莉が言った。

「ありがとうございます」

「謝らないで。あたしが誘ったんだから」

「でも…本当にいいんですか?あたしたちがここにいて」

「いいよ。むしろいてほしい」

氷華はテーブルの上の茶器を見た。

四人分の茶器。

あの日からずっと並べてあった茶器。

でも今日から意味が変わる。

あれは家族の茶器ではなくこれからの茶器になる。

 

「ねえ愛莉」

「はい」

「あたしねずっと一人で食事してたの」

「…はい」

「でも今日から一緒に食べられるんだね」

「はい。一緒に食べましょう」

「何食べたい?」

「えっと…カレー!」

「カレー?いいねカレー」

「氷華さん作れるんですか?」

「作れるよ。あたし料理結構得意なの」

「へえ…意外」

「なんで?」

「だって…氷華さんってこう…戦う人って感じだから」

「戦う人も腹は減るの」

二人は笑った。

 

キッチンに立つ。

冷蔵庫を開ける。

昨日買った野菜と肉がある。

玉ねぎを切る。人参を切る。肉を切る。

包丁の音が響く。

久しぶりの音だ。

一人の時はレトルトかコンビニ弁当だった。

包丁を使うことすらなかった。

でも今日は違う。

 

鍋で肉と野菜を炒める。

ルーを入れる。

カレーの匂いが立ち込める。

家の中に匂いが広がる。

これが家の匂いだ。

 

お風呂から子供たちが出てきた。

パジャマに着替えた二人がキッチーに来る。

「いい匂い!」

蓮が鼻をくんくんさせる。

「もうすぐできるよ」

氷華は鍋を見た。

 

食卓に四人分の皿を並べる。

カレーとサラダと牛乳。

当たり前の食事。

当たり前の夕食。

でも当たり前じゃなかったのは一人だったから。

 

「いただきます」

四人で手を合わせる。

 

カレーを食べる。

温かい。辛い。美味しい。

「美味しい!」

優菜が目を輝かせる。

「おかわりあるよ」

「ほんと!?」

「あるよ」

 

食卓が賑やかだ。

子供たちの声。食器の音。

当たり前の音が響く。

 

氷華はカレーを食べながら見た。

テーブルの向かいに愛莉がいる。

隣に優菜と蓮がいる。

四人分の茶器が使われている。

 

空っぽだった家に命が宿る。

寂しかった家に温もりが灯る。

 

氷華の目から涙がこぼれた。

「氷華さん…どうしました?」

愛莉が聞いた。

「…ううん何でもない」

氷華は涙を拭った。

「美味しくてさ」

「…嘘つき」

愛莉が笑った。

「でも…分かります」

「…うん」

 

食後子供たちは二階へ行った。

新しい部屋で遊ぶらしい。

リビングには氷華と愛莉が残された。

 

「ねえ愛莉」

氷華はソファに座った。愛莉も隣に座る。

「今日からここがあんたの家だからね」

「はい」

「遠慮しないで。何でも言ってね」

「はい」

「そしてあたしも遠慮しないからね」

「え?」

「あたしも弱いからさ。愛莉に頼るかもしれない」

「…はい。いつでも頼ってください」

「約束?」

「約束です」

 

二人は手を握った。

温かい手と手。

 

窓の外は暗くなっている。

秋の夜が更けていく。

でも家の中は明るい。

 

ポンコツ魔法少女同盟。

弱くてポンコツで傷だらけででも生きている二人。

 

これからも生きていく。

この家で一緒に。

 

氷華は空を見た。

夜空に星が見える。

あの日と同じ星だ。

でも今日の星は少しだけ明るく見えた。

 

⭐️新しい家族

 

夜が深まった。

二階の子供たちの寝息が聞こえる。

優菜と蓮は氷華の妹の部屋で並んで眠っている。

新しい布団に包まれ安堵した顔で眠る二人を見て、愛莉は少しだけ胸が痛んだ。

あの子たちの未来を守らなければ。

そのために自分は何ができるのか。

答えはまだ見つからない。でも今はそばにいてあげることができる。

 

「愛莉」

 

氷華の声がした。

振り返ると氷華が立っていた。

パジャマ姿。髪はほどかれ肩にかかっている。

シャワーを浴びた後の石鹸の匂いがする。

「もう寝ようか」

「はい」

 

氷華の部屋。

広いベッド。

元は両親のベッドだったものだ。

二人で寝るには十分すぎる広さだ。

 

「あの…氷華さん」

「うん?」

「本当に一緒に寝ていいんですか?」

「いいよ。治癒の効果が高まるんでしょ?」

「えっ…」

愛莉の顔が赤くなる。

「えっと…その…はい。全身で触れていた方が…魔力の伝達効率が上がって…治癒効果が高まるんですけど…」

「じゃあやろう」

「えっ?」

「治癒してもらおう。あたしの心も体も」

「…氷華さん」

「頼んでいい?」

「…はい」

 

ベッドに横たわる。

隣に愛莉が来る。

布団の中で二人の身体が触れる。

「温かい…」

氷華が呟いた。

「はい」

「愛莉の手…あったかい」

氷華が愛莉の手を握る。

指を絡める。

心臓が早鐘を打つ。

「氷華さん…心臓速いです」

「バレた?」

「はい。すごく速い」

「恥ずかしいな」

「私も速いです」

愛莉が笑った。

緊張で震える手を氷華が包む。

「治癒始めるね」

「うん」

 

愛莉の魔力が流れ込む。

温かい。優しい。

胸の奥の痛みが少しずつ和らいでいく。

肩の傷も、心の傷も、少しずつ。

「すごい…」

氷華が目を閉じる。

「愛莉の魔法…気持ちいい」

「気持ちいいって…そんな言い方しないでください」

「なんで?」

「恥ずかしいです」

「恥ずかしがらないで。あたしには正直に」

「…はい」

 

愛莉の手が氷華の頬に触れた。

治癒の魔力が頬から流れ込む。

氷華の顔が近づく。

「愛莉…」

「はい」

「目閉じて」

「え…」

「目閉じて」

愛莉は言われるままに目を閉じた。

次の瞬間唇に触れる感触がした。

柔らかい。

温かい。

目を開けると氷華の顔が目の前にあった。

「氷華さん…」

「ごめん…あたし…止められなくて…」

「…いえ」

愛莉は首を振った。

「いえ…止めないで」

「え?」

「私も…欲しかったんです」

愛莉の手が氷華の頬に触れる。

「氷華さんのこと…ずっと…」

「愛莉…」

「好きでした」

愛莉の目から涙がこぼれた。

「弱くてポンコツで…でも怒ってくれて…守ってくれて…あたしのこと…大切にしてくれて…」

「愛莉…」

「あたしも…氷華さんを守りたい。支えたい。氷華さんのこと…大好きです」

 

氷華は愛莉を抱きしめた。

「あたしも」

「え?」

「あたしも好き。愛莉のこと」

「ほんとに?」

「ほんとに。あんたの温かい手に触れた時から…」

「氷華さん…」

「抱きしめていい?」

「はい」

 

二人は抱き合った。

強く。強く。

布団の中で絡み合う。

体温が混ざり合う。

心臓の鼓動が重なる。

「愛莉…」

「はい…」

「触れていい?」

「はい…どこでも」

氷華の手が愛莉の背中を撫でる。

パジャマの上から。

柔らかな感触。

「愛莉…身体小さいね」

「いじわる…」

「かわいいよ」

「氷華さんの方が…きれいです」

「あたしは傷だらけだよ」

「傷も含めて…きれいです」

愛莉の手が氷華の肩の傷を撫でる。

「ここも…ここも…」

「くすぐったい…」

「治します。全部」

愛莉の唇が氷華の肩の傷に触れた。

「あっ…」

「痛かったですよね」

「…うん」

「もう痛くしない」

 

愛莉の唇が首筋を這う。

氷華の身体が震える。

「愛莉…」

「はい」

「あたしも…触れていい?」

「はい」

 

氷華の手が愛莉のパジャマのボタンを外す。

一つ。二つ。

白い肌が露わになる。

「きれい…」

「そんな…」

「きれいだよ。愛莉」

氷華の唇が愛莉の鎖骨に触れる。

「んっ…」

「ごめん…痛かった?」

「いえ…気持ちいいです」

「気持ちいい…」

氷華は微笑んだ。

「じゃあ…もっと触れるね」

「はい…お願いします」

 

パジャマが脱がされる。

愛莉の白い身体が露わになる。

小さな胸。細い腰。

「愛莉…」

氷華の視線に愛莉は恥ずかしそうに身を縮こまらせる。

「見ないで…」

「見るよ。全部見る」

「え…」

「愛莉があたしのこと全部見てくれたように」

氷華は愛莉の胸に唇を寄せた。

「あっ…!」

「ここ…触られるの好き?」

「わかりません…」

「じゃあ教えてあげる」

氷華の舌が乳首を転がす。

「んんっ…!」

愛莉の背中が反る。

「好きでしょ?」

「はい…好きです…」

「素直でいい子」

 

氷華は愛莉の身体を愛撫した。

胸を。腹部を。太腿を。

一つ一つ丁寧に。

愛莉の肌は柔らかく温かい。

「愛莉…あったかい」

「氷華さんも…」

「触れて」

愛莉の手が氷華の服を脱がす。

傷だらけの身体。

でも愛莉は一つ一つに口づけた。

「ここも…ここも…」

「愛莉…」

「全部治します。氷華さんの全部」

「治して…」

 

二人の身体が重なる。

肌と肌が触れ合う。

体温が混ざり合う。

「愛莉…」

「はい」

「あたし…愛莉の中に入りたい」

「はい…入ってください」

「いいの?」

「はい。お願いします」

氷華の指が愛莉の秘所に触れる。

濡れている。

「愛莉…濡れてる」

「恥ずかしい…」

「恥ずかしくないよ。あたしも濡れてる」

「ほんとに?」

「ほんとに。見て」

氷華は愛莉の手を自分の秘所に導いた。

「あ…」

「分かる?あたしも欲しいの」

「氷華さん…」

「愛莉…」

 

氷華の指が愛莉の中に入る。

「あっ…!」

「痛い?」

「いえ…大丈夫です」

「動いていい?」

「はい…」

 

指が動く。

愛莉の身体が震える。

「んっ…あっ…」

「気持ちいい?」

「はい…気持ちいいです」

「よかった」

 

氷華は愛莉の身体を愛した。

指で。唇で。舌で。

愛莉の反応を見ながら丁寧に。

愛莉も氷華の身体を愛した。

傷を撫で唇で触れる。

「愛莉…あたし…」

「はい」

「イキたい…」

「私も…」

「一緒に…」

「はい…一緒に」

 

二人は互いの身体を抱きしめた。

強く。強く。

絶頂が近づく。

「愛莉…愛莉…」

「氷華さん…氷華さん…」

「大好き…」

「大好きです…」

「愛莉…愛莉…あっ…!」

「氷華さん…!あたし…イク…!」

「一緒に…!」

 

二人は同時に絶頂に達した。

身体が震える。

意識が白くなる。

そして二人は崩れ落ちた。

抱き合ったまま。

汗ばんだ肌が触れ合う。

「愛莉…」

「はい…」

「大好き…」

「私も…大好きです…」

「ずっと一緒にいて」

「はい…ずっと…」

「約束?」

「約束です…」

 

愛莉の手が氷華の手を握る。

指を絡める。

「愛莉…」

「はい」

「治癒の効果…高かった?」

「…えっと」

「どう?」

「…はい。すごく高かったです」

「よかった」

氷華は笑った。

「じゃあ毎晩しようね」

「毎晩!?」

「だって効果高いんでしょ?」

「そ…それは…」

「恥ずかしがらないで」

「でも…子供たちが…」

「静かにすればいいよ」

「そんな…」

「冗談だよ」

氷華は愛莉の額にキスをした。

「でも…また触れていい?」

「はい。いくらでも」

 

二人は布団に包まった。

互いの体温を感じながら。

夜は深まっていく。

でも二人の心は温かい。

「おやすみ愛莉」

「おやすみなさい氷華さん」

 

翌朝。

二階から子供たちの声が聞こえた。

「お姉ちゃん起きて!」

「朝ごはん!」

氷華と愛莉は同時に目を開けた。

「…子供たち起きたね」

「はい」

「起きようか」

「はい」

 

二人は顔を見合わせて笑った。

「氷華さん…」

「うん」

「朝から…元気です」

「え?」

「顔…すごく…いい顔してます」

「あんたも」

「私も?」

「うん。すごくきれい」

「ありがとうございます」

「愛莉」

「はい」

「大好き」

「私も大好きです」

 

二人はキスをした。

朝の光の中で。

新しい一日の始まり。

 

ポンコツ魔法少女同盟。

弱くてポンコツで傷だらけででも生きている。

そして愛している。

 

窓の外には秋の空。

どこまでも青い空。

二人の未来はまだ始まったばかり。

 

 

 

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