「ただいま」
「おかえり。遅かったわね」
前代未聞の出来事から数時間後。
夕方ごろに帰宅した私を出迎えたのは、いつも通りお母さんの声だった。
「ご飯は?」
「あー……ごめん、ちょっと食欲ないから後でいい……」
「そう。なら、先にお風呂は入っちゃいなさい」
「……うん」
お母さんの言葉に小さく頷いた私は、自分の部屋に荷物を下ろし、そのまま脱衣所へと向かう。
そして服を脱ぎ捨てながら、私は盛大にため息を吐いた。
「はあぁぁぁ……」
アイリの衝撃的なカミングアウトからずっと頭が混乱していたけれど、こうして少し時間を置いたことでようやく落ち着いてきた。
私としては、今日のことは全てなかったことにして忘れ去りたいのだが……果たしてアイリがそうさせてくれるかどうか。
(……とりあえず、お風呂でリフレッシュしよう)
私はそう考えて手っ取り早く服を全て脱ぎ、風呂場の扉を開けた。
すると浴室の鏡に映った自分の裸体が目に入る。
(う……ああやって言われると意識しちゃうな……)
アイリの言っていた『ユキっておっぱいデカいじゃん?』という言葉を思い出し、つい鏡に映った自分の胸に視線がいってしまう。
確かに、私のおっぱいは大きい。中学の頃から周りの子たちより発育が良い自覚はあったけど、高校に入ってからはそれが顕著になってきたような気がする。
……肝心の身長の方は悲しいくらい伸び悩んでるけど。
とはいえ、私は別にそんな自分の身体が嫌いなわけではない。
おっぱいだけでも発育がいいのは喜ぶべきことだろうし、アイリ曰く『安産型』のお尻だって、自分で言うのもなんだが結構いい形をしていると思う。
今後私がイケメンの彼氏を作るうえでも、この身体はきっと有利に働いてくれるはずだ。
ただ、ひとつだけ問題があるとすれば――。
(まさかアイリにそういう目で見られてたなんてなあ……)
男の子ならまだしも、同性の友達から性的な目で見られていたと知ってしまうと、なんだか複雑な気分になってしまう。
しかも、その友達がふたなりの変態とくれば尚更だ。
「アイリのやつ、どういうつもりなんだろ……」
私はそう呟きながらシャワーの蛇口を捻る。
熱いお湯が頭上から降り注ぎ目を閉じると、衝撃的すぎて忘れられない、あの光景が瞼の裏に映った。
(本物のおちんちん、初めて見たな……)
アイリの股間にぶら下がっていたアレ。
当時は動揺していたからあまりよく見ていなかったが、改めて思い返すとそこそこグロテスクなモノだったようにも思う。
もう少しちゃんと見ておけば良かったな……なんて考えていると、ちょっぴりエッチな気分になってくる。
(あれが硬くなって私の中に入ったら……どんな感じなんだろ)
アイリのアレがああなった時の大きさをなんとなく予想しながら、私は無意識のうちに自分の下腹部を撫でる。
この辺りまで入るのかな? 初めてはやっぱり痛いのかな? なんて想像を膨らませて――。
「……って! 何を考えてるの私は!?」
そこでようやく自分がとんでもない妄想をしていたことに気づいて、慌てて頭を振る。
アイリに告白されたからって、なんで私が彼女とエッチなことをする想像なんてしてたんだ!?
私はノーマルなんだ。いくらアイリがふたなりとはいえ、女友達とエッチとか、普通に有り得ないでしょ……!
「ああもう、なんで私がこんな気持ちにならなきゃいけないのさ……」
私はイケメンの彼氏と付き合って、普通に青春を謳歌したいのに。
どうしてだか私の人生は、自分が思う以上に厄介な方向に進んでしまっているような気がしてならない。
「もう……全部アイリのせいだ」
私はそう呟くと、シャワーを止めて湯船に浸かる。
口元までお湯に沈めてブクブクと泡を吐きながら、しばらく一人で悶々としていたのだった。
◇
「ふー……今日は色々あったなぁ」
あたしは風呂に浸かりながら、今日のことを思い返す。
ユキをカラオケに誘ったあたしは、ついに秘密を打ち明けた。
ユキは、当然驚いたし戸惑っていたけど、ちゃんとあたしを受け入れてくれた。
(やっぱりユキならそう言ってくれると思ってたよ)
正直、ふたなりの身体をユキに見せる時は、少しだけ緊張していた。
嫌われたらどうしよう、とか。やっぱり気持ち悪いって思われるかな、とか。
でも、ユキはあたしの身体を見ても友達のままでいようって言ってくれた。
(ほんと、そういうところがズルいよねー)
ユキのことは入学当初からずっとエロ可愛いと思っていたし、多少強い言葉を使ってもなんだかんだノリを合わせてくれる優しい性格にも惹かれていた。
そこであんなことを言われたら、惚れるなっていう方が無理な話だ。
だからあたしは、つい先走って告白までしてしまったんだけど……そっちは見事にフラれてしまった。
(流石に告白はちょっと性急すぎたかな)
ユキは押しに弱いところがあるから、ちょっと強引に迫ればイケるんじゃないかという打算があったのは否定できない。
でも、こうして改めて考えてみると、あたしのやり方はちょっと強引だったように思う。断られて当然だ。
(まあでも、諦めるつもりは毛頭ないけどね)
あたしはユキのことが好きだ。大好きだ。
ユキのことを考えると胸がドキドキするし、ムラムラもしてくる。めっちゃセックスしたい。
だから、絶対に諦めるつもりはないし、いつか必ずあたしのモノにしてみせる……!
(それにしても……ユキ、めっちゃ良い匂いだったなあ……)
そんなことを考えているうちに、今日ユキの耳を舐めた時の感覚が蘇ってくる。
あの柔らかい耳の感触と、女の子特有の甘い香りが混じったユキの匂い。そしてあの初心な反応は正直かなり股間にキた。
(あー……ヤバいな、これ)
一度ユキのことを意識してしまうと、もう止まらない。
あたしは自分のふたなりチンコが徐々に硬くなるのを感じて、大きく息を吐いた。
「はあ……抜くか」
脈打つごとに一回りも二回りも大きくなっていくそれを右手で握り、ゆっくりと上下に動かし始める。
「んっ……ユキ……」
あたしは熱の籠った声で彼女の名を呼びながら、手の動きを徐々に早めていく。
ユキに見せた時は勃起していなかったそれは、今やヘソに届くほどバッキバキに反り返り、湯舟の中で激しく脈打っていた。
(これ、ユキに見せたらどんな反応するんだろ……)
ふたなりだと伝えた時、ユキは『そんな漫画やアニメじゃあるまいし……』なんて言ってたけど、あたしはそんな漫画やアニメに出てくるようなデカチンが生えた女なのだ。
幸いあたしは膨張率が凄まじいタイプで平常時はさほど目立たないから、普段はみんなと何ら変わらないよう振る舞えているけど。
でも勃起してしまえばこの通り、そこらの男子とは比べ物にならない巨根がそそり勃つことになる。
(ユキのおっぱい、柔らかそうだったなあ)
あたしはあの場でどさくさに紛れて彼女のデカ乳を揉みしだかなかったことを今更ながら後悔していた。
代わりに湯船の中で膝立ちになり、両手で自分の胸を下から持ち上げるように揉んでみる。
「おっ……これ、結構いいかも……」
あたしのおっぱいはユキほどのサイズではないけれど、それでも揉めるくらいはある。
(ユキのおっぱいもこんな感じなのかな)
あたしは自分の胸を揉みながら、今度はユキのおっぱいの感触を想像してみる。
あの大きく膨らんだ制服の胸元から察するに、きっとユキのおっぱいはもっと柔らかくて弾力もあって、とても触り心地が良いに違いない。
あの豊満なおっぱいを好き勝手できる日はいつ来るのだろう?
(うあっ……やば、もう出そ……)
ユキのおっぱいを妄想しながらシコシコと手を動かしていると、あっという間に射精感が込み上げてくる。
普段のオナニーより何倍も強烈な快感に、あたしは湯船から出る余裕もなく、そのまま欲望を爆発させてしまった。
「んっ……イクっ……!」
――どぴゅっ、びゅるるるるる!! ぶびゅー! びゅっ、どぴゅっ!! どびゅるるるっ!! びゅーっ! ぶぴゅるっ、とぷとぷ……
「おおぅ……きもち……」
湯船の中に勢いよく大量の精子を放出しながら、あたしは全身を駆け巡る快楽に身を震わせる。
ドロドロで真っ白の精液は、お湯を濁らせながら一か所に溜まっていき、浴槽の端に精液溜まりを形成していく。
「ふー……、すげー出た……」
あたしはそう呟くと、湯船の底にへばりついた大量の精液を指先で掬ってみる。
ゼリー状になった濃厚なザーメンは、弾力があってプルンとした触感だ。
(やっぱ、ユキのことを考えるとめっちゃ濃いのが出るなぁ)
自分で出しておいて言うのもなんだが、これは相当興奮していた証拠だろう。さすがユキのことを考えていただけある。
我ながらなかなかに濃密な子種だ。
これをユキの中に注げば、多分一発で妊娠するんだろうな……なんて思ってしまうが、流石にそれは気が早すぎるか。
ユキはまだ、あたしのことを友達としか思ってないのだから、まずは意識してもらうところから始めないといけない。
「絶対あたしのモノにするからね。ユキ」
ユキへの愛を再確認するように、あたしはそう呟くのだった。