短いです。あとエロもないです。
僕は『DX絵本入りこみぐつ』を手に入れた。
これは絵本だけじゃなく本なら何でも、二次元の世界に入れるうえに、その世界ではなんでも思い通りにできるひみつ道具だ。今日は何をしようかな。
「やっぱりこれかな」
僕は「かぐやひめ」を床に置くと、絵本入りこみぐつを履いて本の中に入った。
「どうか、かぐやひめをお嫁さんにください」
「では、私が言う品物を持ってきて下さった方のところへ、お嫁に行きましょう」
場面は成長したかぐや姫に五人の王子が求婚して、無理難題を与えられたところだった。
「その話、自分も混ぜてください」
「なんだお前は。怪しい奴め」
王子たちがこっちを睨んでくる。
「あなたは……? 」
「私の名前は野比。帝よりも偉い人です」
世界を書き換える。この物語で一番偉い人、それより自分は偉いと配役する。
「なんと! あの野比さまでしたか! 無礼をお許しください!! 」
「いいとも、だが君たちはかぐや姫をあきらめて帰りなさい」
「ははっ!! 」
王子たちはあの野比さまが出てこられたのなら、自分たちでは張り合うことすらできないと帰っていきました。
「さて、かぐや姫。何をとってくればよろしいのかな? 」
「え、ええ。……『仏の御石の鉢』・『蓬莱山の玉の枝』・『火鼠の衣』・『龍の首の珠』・『燕の子安貝。このいずれかをお持ちいただけたのなら、私は貴方様のお嫁に行きましょう」
「わかりました。とってきます」
時間スキップ。
「とってきました」
「――でしたら、本物かどうか確かめさせてください」
「構いませんとも」
かぐや姫が厳しい目で鑑定しているが、どれも本物だ。本物として生み出したんだから本物以外にあり得ない。
『仏の御石の鉢』は磨けば光輝くし、『火鼠の衣』は火にくべても燃えない。
「……どうやら本物のようですね」
「当然ですとも。それではかぐや姫、私のもとにお嫁に来てくださいますかな? 」
「はい。約束ですから」
こうして僕はかぐや姫と結婚した。
そして新婚初夜。
「その……初めてなので、優しくしてくださいまし……」
「大丈夫、僕も初めてだから」
かぐや姫は超美人で、超かわいかった。ナカもめっちゃ締りが良くてすんごい出た。
かぐや姫は僕を愛してくれて、僕もかぐや姫が好きになった。
毎日一緒に寝て、毎日一緒に起きた。
帝が使いを寄越すころには、かぐや姫は僕の子を妊娠していて、帝はかぐや姫をあきらめた。
そんな幸せな日々を過ごしていると、お母さんになったかぐや姫が月を眺めて泣くようになった。
「どうしたんだいかぐや姫」
「のび太様……実は私は、人の世界の者ではないのです。
私は、あそこで光り輝く月の都の者です。
今度の十五夜に月の都から迎えが来るので、私は月の都に帰らなければならないのです。
それが悲しくて、泣いているのです」
「そうだったのか。だが大丈夫だ」
なんせ僕にできないことはない。
そうして十五夜。月から使者がやってきた。
「野比王子、姫を迎えに来ました。さあ、姫をお渡しなさい」
使者が光り輝いているがそんなのは通じない。
「かぐや姫は私のものだ。月の都になんぞ遣りはしないぞ」
「な、なぜ効かない? 」
「喝っっっ! 」
月の都の軍は僕の喝で消滅し、お迎えの女官たちは力を失って落下していった。
僕は落下する女官たちを救い上げ、屋敷に招いた。
「お前たち、私はもう月に帰るつもりはありません。わかったならさっさと帰りなさい」
「それが……私たちも帰れなくなってしまったのです。
かぐや姫様、野比様、どうか私たちをここにおいてはいただけないでしょうか。私たちにできることならなんでも致しますので」
見れば、月の都の者であるからか、女官たちもまた美しい。
「……私が一番でなければ許しませんからね」
「もちろんだとも。ありがとうかぐや姫」
僕は帰れなくなった女官たちを側室として迎え入れることにした。
めでたしめでたし。
前回がだいぶあれだったので、今回は順当な流れでハッピーエンド。
オチ無しヤマ無しのお話になってしまった。ちょっと反省。
待て次回。