※この作品はR-18です。

暴虐&残虐非道な、悪鬼羅刹と悪魔人形。二人は絶対無敵で……愛する最強雄様にだけは媚びまくり♡ 死山血河の花道を、チン媚びロードに変えられちゃった♡    作:デイジー亭

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プロローグ:猪突猛進、すぐ獲物。聖騎士様大ピンチ!

「ここが、悪の根城と言うわけか……全く、苦労させてくれる」

 

「何なん? あんさん。ぶぶ漬け出したるから、さっさと帰りぃ?」

 

「そうですよぉ? 人様のハウスに、具足で土足。無礼千万って言葉、騎士様は知らないのかしら?」

 

「貴様らに言われたくないわ、この悪鬼どもっ!!」

 

 王より任ぜられた、騎士としての使命。

 それに従い踏み入るは、荒れ果てた古城……その奥。

 血にまみれた空っぽの玉座。その両脇に侍るは、ニタニタと嗤う二(・)つ(・)の影。

 

 そう、二人などではない……何せヤツらは、人(・)で(・)は(・)な(・)い(・)のだから。

 不遜にも天を衝く対の大角を持つ鬼と、球体関節から不吉な響きを奏でる悪魔の人形。

 童女と少女の如き、一見あどけないシルエット。だがこちらを見上げつつ、放ってくるは嘲弄に満ちた嘲り。

 黒と蒼の瞳をあざけりに輝かせつつ、放たれる重なる囀りはこちらの怒りを的確に掻き立ててくる。

 

「しかし、見れば見るほど無粋やねぇ。どれすこぉど、ちゅうもんがなってへん」

 

「ええ、アンタに同意するのは癪ですけど? 洒落ッ気も可愛げも無い、呆れたナイト様はちょっと」

 

「王より拝領した、この聖なる鎧を愚弄するとは……もはや許せぬ。聖罰を執行するとしよう」

 

 嘲笑、愚弄も度を過ぎると逆に冷静になるというもの。

 この身を包む輝かしき装甲とは真逆の、淫猥なる衣装に身を包んだ人ならざる者たち。

 凶悪さを秘めた二揃いの凶爪が、ぴらりとめくるはそれぞれの淫猥衣装。

 

 何やら異国、東方の物と思しき言語が書かれた三枚の白い布切れ……

 鬼が貧相な肢体を覆うのは、頼りないそれらと長手袋と膝丈の靴下。それだけ。

 悪魔人形は一見しっかりと黒い侍従服を着こんでいるが、メイドという仕事を愚弄したデザインと短さである。

 おまけに豊満に過ぎるボディラインが災いし、乳肉を覆うのは乳首まで。スカートも盛大に持ち上がってしまっている。

 

 そして身長と悪意に塗れた嘲笑以外に、もう一つ共通する特徴。

 さらけ出した腹部には、桃色に輝く妖しい文様……子宮に絡みつく鎖を象った、邪淫の象徴。

 

 我が聖鎧の胸甲に刻まれた十字のシンボル。悪辣とは真逆に位置する、神聖と正義の象徴。

 それに右手を当てて、冷静さを取り戻す。

 

「だいたい、ウチらにどんな罪が有るって言いはるん? 罪状ゆうてみぃ、ざ・い・じょ・う」

 

「あたしたち、なぁんにも悪いコト。してないですよぉ?」

 

「貴様らも小さいのとデカいのに手を当てて思い出せッ!! 自らが行った、悪逆非道の数々をッ!!」

 

「はぁ? キリ、知っとる?」

 

「記憶力よわよわな逆鬼と違って、あたし物知りですけどぉ……思い当たるフシはゼロだっつーの」

 

「ふざけているのか、貴様ら……!?」

 

 不動の精神は、取り戻すこと叶わなかった。黒髪の間から生えた二角を傾げ、問うてくる鬼。

 それに同意する魔なる人形も、不思議そうにホワイトブリムを載せたブラウンの髪を振るばかり。

 罪とは何か。悪とは、どのような物か。

 逆鬼・キリと言う名と思しき悪鬼羅刹どもが、行った乱行の意味を知らぬと言うならば。

 

 教えてやらねばなるまい。自覚を得ねば、邪悪を懺悔することもできないのだから。

 

「だ~か~ら。勝手にえきさいとしてへんで、言うてみぃゆ~とるのっ!!」

 

「そうですよぉ、お預けダメ。絶対」

 

「貴様らが善男を老若問わずいたぶり殺し! 善女も老人は皆殺し! そ、そして。若く美しい者に至っては……!」

 

「コレの何が悪い言うん?」

 

「みぃんな、幸せそうじゃないですか♡」

 

「この惨状が幸福だと!? おのれ、どうやら懺悔の余地は無いようだなっ!!」

 

 城からこの古城に至る道中、迷うことなど無かった。

 血と肉片で丁寧に舗装された、死臭漂う道の終点。

 権威を失った謁見の間には、魔なる者どもがのさばる。

 それだけならば、許せぬがまだ納得はできた。

 

 入口から玉座に伸びるボロボロの赤絨毯を塗り替えていたのは鮮血ではない。

 愛液、小便。それに混じる少しの母乳と……未だ凌辱の名残に呻く、美しい女たち。

 尊厳を踏みにじり象られた雌の花道は、どこまでも私をイラだたせる。

 

 故に、滅ぼさねばならぬ。聖騎士として、振りかざすは正義の象徴。

 

「お、抜きはったなぁ。交渉の余地はあらへんってことやね」

 

「やだ、こわ~い♡ ――そんな怖いモン見せられたら、こっちも容赦しねぇぞオイ」

 

「辺獄(リンボ)に堕ちる前に聞くがいい! 我が名こそは、正義の執行者ッ!! リリィ・フォン・『エクゾブレイズ』であるっ!!」

 

「ほうか、ならおいでやす♡」

 

「雌ども踏んづけて来るとか、騎士様にできればの話ですけどぉ♡」

 

「舐めるなっ!!」

 

 神より賜ったと伝えられる聖剣、『退魔焔剣(エグゾブレイズ)』。家名の元ともなったそれは、全ての邪悪を焼き滅ぼす。

 あちらの懸念も余計である……断罪の剣より迸る焔は、決して善なる者を焼くことはない。

 そして、騎士と言う存在も甘く見過ぎている。一歩踏み出すことなく、軽く跳躍。

 脚具が踏みしめるは、先ほど開きすぐさま閉じた大扉。

 それは邪悪は決して逃さぬという意思表示であると共に……正義の鉄槌の発射台である。

 

 轟音と共に、粉砕される金属の悲鳴。

 そして空を切り裂き、自慢の金髪を彗星の如くなびかせながら直進する、逆向きの破城槌と化した我が身。

 高速で流れゆく視界の先、灼き斬り滅ぼすべき悪の首魁をしっかりと見据え……?

 

「ええ気になってはるとこ、すまんけどなぁ」

 

「んなっ!? は、離っ!?」

 

「怒りのあまり敵を見失うとか、馬鹿じゃねぇのこのクソバカ大統領……はい、一名様ご案内~♡」

 

「ンごブッ!?!?」

 

 影が一つに減っているのに気づいた瞬間、背中に覚えた違和感。

 聖剣を構えた両手が万力のような力で後ろに回され、激突するは悪魔人形が展開した水の障壁。

 その強度は凄まじく、いくら正義の破城槌たる我が身であれど、膨大なる魔力が籠ったそれは打ち破れなかった。

 だって顔面だもん……意識が飛ぶのだけはなんとか堪えた私だったが、そのまま余波に着水してゴロゴロ地面を転がることもできぬ。

 

 腕を後ろに捻り上げられたまま、間抜け過ぎる人間サーフボードとしてバシャバシャ華麗に乗り回されるなど誰が想像出来ようか。

 幸い、絨毯の如く転がる女たちを轢き潰すことだけは無さそうたが……とっても屈辱ッ!!

 

「ごっ!? う゛がっ!!」

 

「いやぁ、手間が省けたわぁ」

 

「何よその手は、ハイタッチとかしないですけどぉ?」

 

「いやぁ、ブン殴りたいだけやで? さっさと結界消しぃ。もう要らんやろ」

 

「誰が解くかこのカス。良いからさっさと仕上げしろっての」

 

「はいな」

 

「ぐぉ゛ぉ゛ッ……!?」

 

 オマケとばかりに謁見の間の左右の壁にもガンガンとブツけられ穴を増やしつつ、再度悪魔人形の増水した水障壁に衝突してようやく勢いが止まる。

 我が鎧を足蹴にしたまま、鬼がのんきに声を掛けても我が顔面を洗い続けるそれは解除されない。

 うむ、コイツらわりと仲が悪いな? 悪魔人形の口調も、相方への返答時はやたら乱雑。

 もしや、そこに付け入る隙が……?

 

 冷静に観察して逆転を狙う私だったが、そうは問屋も腕も下ろさせてもらえなかった。

 逆にさらに捻り上げられ、強制的に起立させられてしまう。

 

「ほら、兜もさっさと取ってくれますぅ? ノロマがよ」

 

「あんま命令すんなや、ド突くで?」

 

「ぐぉっ!?」

 

「ふ~ん……まぁ、合格点ギリ。良かったですね♡ ペッ」

 

「き、貴様ら……!」

 

「鎧も邪魔やね?」

 

「ぬぁぁっ!?」

 

 悪魔人形の言葉に悪態を吐きながらも鬼の腹パン。  

 くの字に折り曲げられ、兜を取られ顔を上げた瞬間に解除される障壁と吐き掛けられる唾。

 あまりの暴虐の連携に、苦情を申し立てようとするも金具が弾けることなく、あっさり剥かれる聖なる鎧。

 どんな力してるんだ、この鬼……金属を素手で引き裂くな。

 

 これは抵抗すると死ぬな。またも脳内で冷静な私がそう告げ、それには職務に熱心な聖騎士の私も完全同意(それな)である。

   

「あらら、お利口さんになっちゃった。ちょっとは抵抗してくれないと、あたしつまんなぁい♡」

 

「せやなぁ。そしたらウチ、ちゃぁんと不可抗力を装ってあげたで?」

 

「無理を言うな、無理を。神より賜ったこの命、決して無駄にはできぬ」

 

「くっ殺とか言ってくれますぅ?」

 

「くっ、生かせッ!!」

 

「案外余裕がありはるなぁ……」

 

 致し方なく、ビシリと気を付けをしていると煽られるが……無駄である。

 私の判断が正しかった証拠に、なおも鎧をべリバキャやりながらの残念そうな声。

 命を容易く投げ捨てるのは、愚か者のすること。

 顔面は痛いし、ぽんぽんはペインしっぱなし……これは恐らく、神が私に生きよと言っている。

 

 お言葉に甘え、五体投地で命乞いすべきだろうか。

 でもちょっと恥ずかしいしこれ以上濡れるのは嫌なので、直立したまま雄々しく叫ぼう。

 模範的捕虜たる我が姿を見て、鬼の目にも涙は浮かばないが、殺気は完全に霧散した。

 

「これじゃあ、流石に言い訳利かなそうですねぇ……」

 

「しゃあないなぁ」

 

「うむ、やはり人は誠意を以て語り合えば分かり合えるのだなっ!!」

 

「あたし、悪魔で人形なんですけど?」

 

「ウチは鬼やで……あとあんさん、ガタガタ震えてただけやろ」

 

「正直既に漏らしている」

 

 ヨシッ、助かる! すまんな平民ども、ここはなんとか戦略的撤退&再起を図っていつか必ず助けてやる。

 たぶん、きっと。メイビー。それまで強く生きてほしい。

 必要な犠牲と言うものである……人生、生きていればなんとかなる。

 『名は惜しいが、命はもっと惜しめ。そして美味しい所をまるっと総取り』。

 それが我が家の家訓である。私の代でそうなった。

 

 自分に正直に生きるのは重要だし、うまく報告を脚色できれば聖騎士続投も叶う。

 小便にまみれようとも、我が人生は一向に薔薇色。やはり、素直が一番である。

 

「もっと漏らすのやめえや。水芸はキリの専売特許やで?」

 

「安心のあまり、つい」

 

「もしかして、助かったと思ってます?」

 

「一向にそのつもりだが」

 

「なんて綺麗な瞳や……負け犬根性に溢れとる」

 

「クソッ、罵り甲斐が無さ過ぎますねッ! まぁ、これはこれでご満足いただけるかもですし?」

 

「むぅ?」

 

 なので尿道も素直になる……黄金水の大サーヴィス。

 決死のそれと、剣よりも得意な捨てられたチワワのまなざし。

 そして煽りにもプルプル震え、惨めさを猛アピールすれば完了。

 イ・ノ・チ・ゴ・イ……我ながら、なんと見事な。惚れ惚れしてしまう。

 

 だが、悪魔人形の言葉に少々の違和感を覚える。尿意には負けるが……聞き逃せぬ言葉遣いの変化。

 

「なんや、負け犬」

 

「ワンワン。つかぬことを伺いますが、貴女様がたはこの古城の主では無いので?」

 

「玉座に座らない王様が、居ると思ってたの? このおバカさん」

 

「椅子取りゲームの最中かと」

 

「そんな和やかな関係やないで?」

 

「血で血を洗ってスクラップにしてやりたいなぁって常に思ってるわよ」

 

「今から殺ってもええんやで」

 

「ごゆるりと……」

 

 私の疑問に気づいたのか、質問されたのでまずは犬鳴き。

 しかる後に、気になったことを問うてみる……言われてみれば。

 だが正直に言えば馬鹿と間違われるので、頭脳の冴えを魅せる。

 すると即座に内戦が勃発する気配、良し。チャンスであるッ!!

 

 パンティの染みを気にしながらも、高速で後ずさり。

 魔グマ対処の訓練が役に立った……地元の猟師さん、ありがとう。

 

「ほう、新しい雌か?」

 

「クソッ、猟師めっ!! 何の役にも立たんではないかっ!!」

 

「一体何にキレはってるのか、見当もつかんわ」

 

「言ってる場合じゃないでしょぉっ!? お、お帰りなさい♡ マスター♡」

 

「うむ、遅くなった……ところで、頭が高い」

 

「「ふんぎゅっ♡♡♡」」

 

「なるほど、私の大ピンチはまだまだ終わらないようだな……! おお、神よ。死ね(ファッキンゴッド)」

 

 だが我が感謝が届くことはなく、後頭部に感じるのは逞しすぎる胸板の感触。

 見上げるとやたらデカい……そしてその凶相は、人よりも魔グマに近い新たな脅威。

 無事に城に帰れたら、王に魔グマ対処訓練の廃止を上申することにしよう。

 そう現実逃避する私の前で、思い切り踏みしめられる鬼と悪魔人形の後頭部。

 

 そして、背中に感じるクソデカちんぽの感触……鬼も悪魔も存在するが、神だけは実在しない。

 確信する私の口からは、もう呪詛しか漏れることはなかった。

 

 ……訂正、また小便も漏らした。

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