ポケモン世界でどこまでやれるか 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
ポケットモンスター···縮めてポケモン。
この世には様々なポケモンが至る所に生息している。
空に、海に、山に、町に···100、200、300種類いや、それ以上かもしれない。
この物語はそんなポケモンの世界にやって来てしまった男が必死に生き足掻く物語である。
【お得な掲示板】
トレーナーにはランクがあるぞ!
ビギナー級、モンスターボール級、スーパーボール級、ハイパーボール級、マスターボール級の5段階。
俺の名前はヒデノリ、皆からはヒデと呼ばれている。
カントー地方の伝説の大地マサラタウンで元気にすくすくと···
「しゃぁ! コイキング釣りは俺の勝ち!」
たくましく成長していた。
一応転生者である。
マサラタウンと言えばアニメのサトシ、ゲームのレッドと主人公達の始まりの町で、サトシが居るのかレッドが居るのかワクワクしていたが···どうやらどちらも居ない。
それどころかライバルであるグリーンやシゲル、ブルー等も居ない。
オーキド博士は居るが、孫娘が居るだけで主人公やライバルが居ないのだ。
これはいけません。
転生する時に神様が世界が悪い方向に向かっていると言っていたが、そりゃ主人公が居なければカントーならロケット団が暗躍しまくってしまう。
俺は特に正義の心があるわけではないが、ポケモンの世界に来たからには、ポケモンマスターを目指して頑張りたいと思う。
べ、別に金持ちになりたいとかモテたいとかそういう気持ちが···はい、いっぱいあります。
強いポケモントレーナーはそれだけでモテる。
地方チャンピオンになれば結構な金をポケモンリーグから貰える。
ポケモントレーナーはアスリートと同じだ。
名声があったり、大会で結果を出せればジムリーダーや四天王、チャンピオンといった要職に付ける。
俗物の俺はポケモン世界で生きていこうと思う。
それにはまずは明日の10歳の誕生日となり、独り立ちしてカントーポケモンリーグに挑み、優勝目指して頑張りたいと思う。
それにはオーキド博士から貰える御三家争奪戦を勝たなければならない。
今年マサラタウンから旅に出るトレーナーは俺を含めて9人、3匹ずつとしても最初の相棒はヒトカゲにしたいと決めていたので、他の8人よりも早く行ってヒトカゲを選びたい。
とと、旅に出るための準備も欠かせない。
リュックの中身を今一度確認する。
一応明日貰えるポケモン図鑑には地図機能が付いているが、更に細かい地図が書かれたタウンマップ、折りたたみ式の普通の釣り竿、財布、バッチケース、着替え類、探検キット、モンスターボール10個、ポロック製造器にポケモンフード。
これに自転車が俺の持ち物となる。
100万する自転車なんてどんな機能付きだよ···普通に3速ギア付きのママチャリです。
一応マサラタウンにも学校があり、10歳まではそこで常識を学ぶ事になっている。
ポケモン世界は10歳で成人···とまではいかないが18歳までに旅をして社会常識を身につけるのが基本である。
なぜ18歳までか?
ポケモンセンターの利用料金が18歳以上になると高くなるからである。
ポケモンセンターもゲームみたいに無料ではない。
1日ポケモンを預けて個室を借りて休むと1泊1000円、食事は別料金として取られる。
18歳以上になると1泊3000円にまでなる。
ポケモン全回復だけの場合でも1回500円取られる。
ここはゲームではなくリアルだ。
ではどうやってお金を稼ぐか···それはポケモンを捕まえたり退治したりすることで基本は稼ぐ、もちろん大会に出場したり、野良バトルでも稼ぐ事はできるが、基本は捕獲か退治だ。
ポケモンありきの社会となっているので、例えば電線から電気を泥棒するコイルの退治だったり、工事現場でワンリキーが欲しい業者が捕獲依頼をポケモンセンターに貼り出す。
それをポケモンセンターの一角にある受付で依頼の受注から達成した場合の金銭のやり取りを行ったりする。
マサラタウンみたいにポケモンセンターが無い町でも町長や町の顔役が依頼の授受を行ったりしている。
前世の知識と学校で習った知識を反芻しながらヒデノリは眠りにつくのであった。
ポッポーポッポーポッポーカチ
目覚まし時計を押して起き上がる。
「ふぁぁぁ、朝5時っと」
朝食を作ってくれている母さんと愛犬のウインディの散歩に出かける父さんに挨拶し、顔を洗ってから朝食を食べる。
これからは母さんに頼らず自分で料理をしなければならないと思うと少し億劫になる。
まあ考え方を変えれば、自力で料理の勉強をすれば旅でモテる事間違いないし、ポケモン達のやる気にも繋がってくる。
一応前世の記憶と母さんの手伝いで基礎はできているが、少し心配ではある。
ちなみに朝食はカレーだった。
「よっしゃぁ気合入った! 母さん、父さん頑張ってくるよ!」
「何時でも帰ってきて良いからね」
「頑張るんだぞ!」
「行ってきまーす」
自転車を漕いでオーキド博士の研究所に向かう。
流石に早く来すぎたのか、まだ誰も来ていない。
ただ10分ほど待つと、研究所に灯りが付き、開いたみたいだ。
インターホンを押すと、オーキド博士が出てくる。
「おお、ヒデノリ君か、随分と早いな」
「ポケモントレーナーへの始まりの日なんで、張り切りまして!」
「うんうん、わかるぞー、ワシも若い頃は同じような経験をしたからな。早速君のパートナーとなるポケモンを選ぶか?」
「はい!」
俺は研究所の中に入っていった。
出されたのは9匹のポケモン達。
目当てのヒトカゲは控えめそうな子にした。
「カ、カゲェー」
「よろしくなヒトカゲ」
「せっかくの相棒じゃ、名前をつけたらどうじゃ?」
「うーん、ならリザさんにしようか。リザードンに頑張ってなろうな!」
「カゲカゲ!」
ヒトカゲはやる気満々だ。
すると研究所の扉が開き、人が入ってきた。
「あら? 1番最初じゃなかったかしら」
「あ、リーファ」
「ヒデノリ、あんた早いわね」
オーキド博士はリーファにも早速ポケモンを選ぶように言い、彼女はゼニガメを選択した。
「じゃあこちらも渡そう」
ポケモン図鑑をオーキド博士から渡された。
ポケモン図鑑は図鑑機能だけでなく、身分証明証やポケモンのレベルを数値化してくれる凄い機械である。
「あとはこれもやろう」
と渡されたのは技マシンケースだ。
「目的は君達次第だ。ジムリーダーを目指すのでも良い、チャンピオンを目指すのでも良い、トップコーディネーターを目指すのでも良い、その他の職業につくのでも良い。可能性は無限にある。努力を惜しまずに切磋琢磨することじゃ」
と、オーキド博士に言われた。
するとリーファが早速ポケモンバトルをしようと言われたので応えることにした。
場所は研究所の敷地内にあるバトルフィールド。
1対1のシングルバトルだ。
「よし、じゃあ初バトルだよリザさん!」
カゲェー
「ゼニガメいっくよー」
ゼニゼニ
タイプ相性はこちらが不利だが、やりようはいくらでもある。
覚えている技はひっかく、鳴き声、火の粉の3種類。
よし、決めた。
「リザさん、距離を詰めるよ!」
「えっとえーっとゼニガメ! 体当たり」
ゼニガメが突っ込んできた。
「よし、リザさんゼニガメの顔にひっかく」
「カゲ!」
ヒトカゲはシュバババと近づいてきたゼニガメの顔をひっかくと痛みでゼニガメは動きが止まってしまう。
「リザさん、尻尾で足払い」
クルンと回転したヒトカゲの尻尾がゼニガメの足に当たり、スコーンとゼニガメはひっくり返ってしまう。
「ぜ、ゼニゼニ!?」
ジタバタと起きようとするがパニックになったゼニガメは起き上がれない。
「ゼニガメ! 落ち着いて!」
「よし、リザさん火の粉を連射!」
カゲェーとヒトカゲが火の粉を連射するとプスプスとゼニガメは燃えてしまい、目を回してしまう。
審判をしていたオーキド博士が手を挙げて
「ゼニガメ戦闘不能じゃ」
と声をかけた。
ヒデノリ初勝利である。
「あちゃー負けちゃった。頑張ったねゼニガメ」
「お疲れリザさん」
完封勝利で初バトルを終えるのだった。