ポケモン世界でどこまでやれるか 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
ミキちゃんは苦戦を強いられており、モモンの実を持たせて毒対策をしているが、ジムトレーナーとの2連戦が効いてしまいなかなか突破できなかった。
3回挑んでも突破できなかっため、一旦手持ちのレベルを上げる修行をすることにした。
場所はグレンタウンに向かう途中にある双子島。
双子島は氷タイプのポケモンや水ポケモンが多く生息しており、天然のダンジョンとなっているので、生還できれば1回り成長することができると修行にうってつけのスポットである。
穴抜けの紐や傷薬等を買い込み、いざゆかん。
カイリュー達に乗って双子島に到着したが、島全体がひんやりと冷たく、地面は霜が張っていた。
防寒服を着てきているが、少し肌寒く感じる。
「目標は地下3階に行くこととポケモンをなるべく多く捕まえること···俺も一緒にアタックするけど、やばくなったらすぐに出るからな」
「うん!」
地下4階はフリーザーの住処と呼ばれ、野生のポケモン達のレベルが跳ね上がるらしいので、地下3階までで挑む。
ルージュラやパウワウ、ヤドンにズバット達がわんさか出てくる。
「ピカ君! 10万ボルト! 、カメ君ハイドロポンプ!」
ミカはポケモン達に指示をだしながらポケモンハウスとも言える大量にポケモンが潜む双子島の1階層を攻略していく。
俺もレベリングや捕獲してお金にするために頑張っているが、まぁポケモンの数が多い。
ヤドンなんか足場が無いくらい大量にいるし···
初日は1階層を突破することもできずに帰還する羽目になった。
3週間かけてようやく3階層に到達し、ミカのポケモン達のレベルも70を超えていた。
前まで不安そうにしていたポケモン達に対する指示も大量のポケモンを捌く為に端的かつ明確に指示できるようになり、迷いみたいなのもだいぶ消えていた。
「ヒデノリ君、これでどう?」
「よくやったね! これならセキチクジムだけじゃなくてグレンジムも勝てると思うよ!」
「うん!」
実際言葉通りセキチクジムは突破することができ、冬も近づいてきたので急いで暖かいグレンタウンに移動した。
「オーキド博士、今度はレアコイルのデカコイルを送りますんで、ニョロボンを戻してくれませんかね」
『ああ、わかった』
グレンタウンのポケモンセンターでポケモンを転送してもらい、グレンジムへの準備を進める。
『しかし、これで最後のジムじゃな。どうじゃ? 勝てそうか』
「ええ、レベルも80台なので勝てると思います」
『そうか。あ、グレンタウンは活火山が近いから炎タイプのポケモンが多く生息しているはずじゃ。採掘でも化石や進化の石が多く産出するから掘ってみると面白いかもしれんぞ』
「ありがとうございます」
ポケモンセンターで一泊したあと、俺とミキは火山近くを探索していた。
「どんなポケモンが居るんだろうね?」
「ブーバーとかロコン、ガーディ、少数ながらマグマッグやマグカルゴも居るって聞くな」
「へぇ···あれ? マグマッグとかって他の地方のポケモンじゃなかったっけ?」
「いや、マグマが、あるところにはマグマッグは生息しているぞ。そう言えば活火山だとこんな伝説があったね」
ヒードランとエンテイの2つのポケモンの伝説を語る。
エンテイは滅多に吠えることが無く、吠える度にどこかの火山が噴火し、ヒードランが活発に動き回ると噴火するという噴火にまつわる伝説だ。
「へぇー、ヒードランって強いポケモンなの?」
「図鑑とか書物には十字の爪を壁に喰い込ませて壁や天井を這い回るって記載されていて、噴火関連の伝承しかないんだよね」
「へぇ···ねぇなんかあのポケモンがそのポケモンに似てたりしない?」
ミキが指を指すと、火山を登るヒードランがそこに居た。
「マジでいるじゃん···えぇ···」
「つ、捕まえてみる?」
「そうだな···カイリューで近づこう」
なんか普通に居たヒードランにカイリューで近づく。
ヒードランは呑気にじっとしている。
試しにデパートで買っていたハイパーボールを投げてみる。
パコンとボールに当たったヒードランは間抜けな顔をしながら捕まってしまう。
「え? え?」
「捕まっちゃったよ···え? 伝説のポケモンなんだよね?」
「そのハズ···なんか自信なくなってきた」
捕まえたボールからヒードランを出すと、ゴポポと鳴いてぼーっとしており、捕まったことすらよくわかってないみたいだ。
「のんびり屋さんだねこの子」
「いや、コイツただの馬鹿だろ。···名前どうしようか。見れば見るほどヤドンみたいだな」
「ヒードランとヤドン掛け合わせたランドンちゃんで良いんじゃない? 女の子っぽいし」
「うん、ランドンで良いな。ランドン飯食べるか?」
ポケモンフードを出したら、匂いで気がついたのか、のそのそと動き出して、幸せそうに食べ始めた。
ちなみにコイツのレベルは170だ。
「言う事聞いてくれるか?」
イマイチ聞こえているかもよくわからないので、指示を聞いてくれるか分からないが、覚えている技を確認すると噴火を覚えていた。
「噴火覚えてやがる」
普通のヒードランは噴火は覚えていないハズだが、この火山がそろそろ噴火しそうということで、このヒードランはそれに影響されて覚えているのかもしれない。
「これ覚えられるか?」
どくどくの技マシンを見せるとゴポポと鳴いて覚えてくれたので、呑気なだけで馬鹿ではないらしい。
「しっかし、何を考えているか分からねーな。ランドンまぁよろしくな」
「ゴポポ、アギャー」
一応伝説のポケモンなのでこの町のジムリーダーのカツラさんにヒードランを捕まえた事を報告する。
「ヒードランを捕まえてくれたか! 助かったわ」
「助かった? どういうことですか?」
「ヒードランが居ると噴火すると言われているからな。実際ヒードランの目撃情報が出てから火山が活性化しておってな。それがいきなり沈静化したから何事かとおもったが、ヒードランが捕まったなら納得だわい」
「そういうことですか···このヒードランそのまま手持ちに加えても大丈夫ですか?」
「問題ない。少数ながら伝説のポケモンを従えているトレーナーもいるからな。せっかくだ。ヒードランでワシとバトルをしてくれんか?」
「ヒードランで···ですか?」
「指示を聞かせられればこれほど心強いポケモンはおらん。ワシの方も伝説の炎ポケモンとバトルをしてみたい!」
「数日ください。正直意思疎通できているかも怪しいので」
「そうじゃな」
「その間に俺の彼女のミキとジムバトルをお願いできませんか?」
「ミキです! バッチ7つあります!」
「ほう! 良いじゃろう」
そう言ってカツラさんとミキはバトルコートに移動した。
「ランドン見てろよ。ポケモンバトルが始まるからな」
「アンギャー」
「···わかってんのか? コイツ?」
最後の8つ目のバトルはバトルのルールをチャレンジャーが選ぶことができ、ミキは3対3のシングルバトルを選択した。
先発はピカチュウで、カツラはキュウコンを繰り出した。
ピカチュウの10万ボルトとキュウコンの火炎放射がぶつかる。
心做しかヒードランが楽しそうにバトルを観ているような気がする。
「ランドン、バトルをしたいか?」
「ゴポポ」
「指示に従って技を出せばお前の力を更に引き出すことができるが、聞いてくれるか?」
「アンギャー」
コクリと頷いた気がした。
ボールから出てきたニョロボンかなんかヒードランに水をかけ始めた。
さっきまでヒードランの体が真っ赤だったが、黒っぽくなる。
するとヒードランはニコニコしてアンギャアンギャとひっくり返って猫みたいに転がり、ニョロボンが撫で始めた。
俺も撫でてみるが、岩石を触っている感覚しかしなかった。
ヒードランはそれでも気持ちよさそうにしているが···
「ニョロ、ニョロボンボン」
ニョロボンが何かを伝えようとしてくる。
バッグから体温計と冷えピタを出して、熱っぽい仕草をする。
「ボン太郎が?」
ニョロボンはブンブンと、首を横に振る。
「ランドンがか?」
と言うと丸のジェスチャーをする。
ニョロボンが言うにはヒードランは熱を溜め込みすぎて人間でいうところの熱中症みたいになっていたみたいで、だからぼーっとしていたらしい。
のんびりな性格はしているが、ヤドン状態よりはマシになった。
「ランドン、俺の言う事聞いてくれるか?」
「アンギャー!」
しっかり首を縦に振ったヒードラン。
出会いや捕獲経緯は酷かったが、戦ってくれるらしい。
こうして心強い仲間が加わるのだった。