ポケモン世界でどこまでやれるか 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
『レディースアンドジェントルマン。今日も今日も行われるぜヤマブキ大会ビギナーランク! 実況はヤマブキテレビの元気なアナウンサーのサスケと解説は元ポケモンだいすきクラブのポケモンダイスキーズの先代トレーナーで、ダイスキーズ初のマスターランクに導いた元マスターランカーのスギゾーさんです』
『はい、ポケモンだいすきスギゾーです。今日も元気にポケモンを愛でましょう!』
俺はポケモン図鑑のラジオ機能で、今日のヤマブキ大会の様子を聞いている。
最初の試合は町の各所にある大会公認のバトルフィールドでバトルをして、ベスト16から町の中央広場の会場でバトルをすることになる。
第一試合は虫取り少年と対決したが、リザードンのリザさん1匹で完勝し、続く2回戦は木の実ドリンク屋(前世のスター◯ックスみたいなお店)の店員さんと対戦したが、キュウコンのコンちゃんの天候操作でナッシーとラプラスを大文字とソーラービームで完勝し、3回戦に駒を進めていた。
『スキゾーさんが注目選手に選んだケンジロウ選手は順調に勝ち進んでいますね』
『そうですねぇ〜、彼はお兄さんがハイパーランクでクチバトレーズの育成コーチ兼二軍を指揮しているケンタロウ選手の弟さんで、トレーナーズスクール時代から高い素質を確認しています。ビギナークラスで負ける様な選手ではないでしょう』
そう言われていたケンジロウさんが俺の次の対戦相手らしい。
フィールドに移動すると、ツーブロックの少年が立っていた。
「運ねーなお前、俺と対戦になって」
なんか挑発してきた。
「あー、ラジオで大会注目選手に選ばれてたな。ケンジロウ選手だっけか?」
「あってるぜ、悪いな、ここで負けるわけにはいかねーんだ。早く兄貴に追いつかねーといけねぇからな」
「こっちも早く上に上がりたいからな。恨みっこなしだ」
審判が入ってきて、ルールを再確認する。
2対2、交代及びレベル制限は無し。
「それではバトル開始!」
「行けケンタロス!」
「行けキング!」
相手のケンタロスが場に出た瞬間に威嚇をしてニドキングが攻撃をためらってしまう。
ゲーム風だと攻撃力が下がったといった感じか?
「ケンタロス暴れるだ!」
「キング場を整えるぞ、毒びし」
まずキングが毒びしで毒のトゲをばら撒き、後続のポケモンを必ず毒状態に仕向ける。
ケンタロスは暴れ出してニドキングに襲いかかり、攻撃をしてくる。
ニドキングは暴れ狂うケンタロスに自身の毒のトゲがある場所を触れさせることで毒状態にする。
「キングまだいけるか」
「ニド!」
「よし大地の力!」
暴れ狂うケンタロスに対して大地の力で攻撃する。
大地の力は特殊攻撃。
威嚇の影響は受けない!
ガツンとケンタロスの顔面に大地から吹き出したエネルギーが直撃する。
ケンタロスはそれをものともせずに突撃を繰り返し、ニドキングはあと1発食らったら倒れそうである。
「レベルはあちらも50を超えているな···40で優勝クラスってトシアキさん言ってたけど、滅茶苦茶レベル高いじゃないか···こっちもレベルは55だ。いや、ここはキング見切りだ!」
技レコードで買っていた見切りをここで使う。
攻撃がハズレたケンタロスは混乱状態になり、更に毒が蝕む。
「よし、もう一度大地の力!」
ニドキングの大地の力が再びケンタロスを襲うが、ケンタロスはまだ倒れない。
しかし、混乱していて自傷し、更に毒によるダメージで倒れてしまった。
「ケンタロス!?」
「キングまだいけるか」
「ニド!」
「···よし、ガルーラ行け!」
ガルーラが出てくるが、毒状態になる。
そしてケンジロウは
「勝利を確実にしてやる! メガシンカ」
「嘘だろおい!」
メガガルーラ降臨。
前世でポケモンゲームをガルットモンスターとまで言わしめ、ほぼ全てのパーティーで使われていた最強のポケモンメガガルーラ。
特性親子愛で2回攻撃してくるぶっ壊れ特性を持つ。
「まさか3回戦でこれを切る羽目になるとはな!」
「くっ! キング見切り!」
とりあえずニドキングに見切りを指示して毒によるダメージを入れる。
早さはこちらがレベル差で勝っているらしい。
相手のガルーラは素早さが下がる性格をしているのかもしれない。
対してこちらのニドキングは真面目で特に性格によって下がる効果は無い。
それプラスレベル差でなんとか優位を取ったらしい。
「キング穴を掘る!」
メガガルーラへの対策はとにかく技を発動させないに限る。
穴を掘ってメガガルーラのぴよぴよパンチを回避する
ぴよぴよパンチはノーマルタイプのパンチ技で3割の確率で混乱状態になるが、2回攻撃により判定が2回発生するし、タイプ一致で結構な威力があるので、食らえば一撃で持っていかれる。
穴を掘るによるダメージと毒によるダメージで体力の3分の1は持っていけたが、次のポケモンが勝敗を決する。
「よし、リザさん君に決めた!」
「ガウ!」
俺はリザードンを選択。
勝ち筋はエアスラッシュで怯みを引いて大技をぶち当たること。
一応オボンの実は持たせているが、2回動かれたら勝ち目は無い。
「よし、まずはエアスラッシュ!」
怯みは···引けない!
ガルーラのぴよぴよパンチが飛んでくる。
1発、2発!
混乱にはならなかったが、オボン込みで体力半分以上持っていかれた。
「もう一度エアスラッシュ!」
今度は怯んだ!
「よし、トドメの大文字!」
リザードンの大文字がガルーラに命中する。
ガルーラはまだ戦おうとするが、一歩、また一歩と歩こうとした瞬間に子供と一緒に倒れてしまった。
「ガルーラ戦闘不能!」
審判の判定で勝利が確定した。
「まさかメガガルーラがやられるなんて···」
ケンジロウは啞然としていたが、俺はリザさんと抱きついて喜ぶ。
いつもは控えめなリザさんも勝てて大喜び。
「反応からしてメガシンカを知っていたのかい?」
とケンジロウに聞かれ、俺は頷いた。
「特性の親子愛も知っていた。参ったよ。マジで」
「はは、知識量で負けていたか。即座に対策を立てて見事だった」
頑張れよと言われてケンジロウは立ち去っていった。
大会注目選手だったケンジロウが3回戦で消えたのは大会主催者側でも衝撃だったらしく、あと俺の情報がまだ出回ってなかったのでダークホース扱いで紹介されていた。
というか手持ちもまだリザードン、キュウコン、ニドキングしか見せていないので、対策に水タイプ2匹で挑んできた4回戦の相手をキレイハナ1匹で完封し、ベスト8が確定した。
これでノーマルクラスへの昇格は確定した。
次からは勝てれば賞金と注目度が上がるかに変わってくる。
優勝できれば25万円も手に入るのでハピナス特訓で貯金が心もとなくなった今の俺にとって次のベスト4には入って賞金5万は確保したい。
で、次の試合は岩タイプ化石ポケモンを中心にオムスターとプテラ、しかも砂嵐で天候操作でメタ張ってきたが、オムスターはキレイハナ、プテラは初登場のニョロボンによる攻撃でノックアウト。
準決勝に進んだ。
ただケンジロウみたいに滅茶苦茶強い奴は居らず、レベルも30後半のポケモンばかりで準決勝、決勝はキュウコンの日照りからの有利対面では火炎放射、不利な水タイプにはソーラービームで迎撃し、キュウコンが倒されれば弱った敵をリザードンかキレイハナで攻撃し、結局ヤマブキ大会ビギナークラスの優勝を勝ち取った。
「ヤマブキ大会ビギナークラス優勝おめでとうございます!」
「ありがとうございます!」
俺は表彰式後にインタビューを受けていた。
ビギナークラスとはいえ大きな大会での優勝なのでイメージ的には中学の国体の県予選を勝ち抜いたくらいのインパクトはある。
まぁ雑誌に小さく載るくらいだが。
「今の気持ちをお願いします」
「痺れました。まさか優勝できるとは思わなかったので嬉しい気持ちでいっぱいです!」
「今後の目標とかはありますか?」
「そうですね···1つのリーグにこだわるつもりはありません。スーパークラスに上がれれば世界を巡ってみるつもりです。自分がどこまでやれるか···後々はチームを作ってスーパークラス、ハイパークラスに殴り込みをしたいと思っています」
「なるほど、今後の予定とかはありますか?」
「できれば今期のセキエイリーグに間に合えば良いと考えてますので、鍛えながらバッチ集めをしたいと考えています」
「ありがとうございます。改めて優勝おめでとうございます。ヒデノリ選手でした」