「やら──ひめかわだいきくんじゃなーい。はいってはいって!」
「あ、はい。お邪魔します」
作業部屋らしい家の中に招かれて入るとそこにいたのは泥酔した先生だった。
ぽわっと何が面白いのかケラケラと笑い声を上げながら言葉は明るく伸びており、滑舌もはっきりしていない有り様である。
誰がどう見ても酔ってる。
そんな有り様であった。
「わー! 男っ気のないわがやにひかりかがやく男子が!」
「輝いてはいませんよ」
はあとため息を付く。
薄暗かった屋内に明かりがつけられていく。
どうやら先生は省エネ派らしく使わない廊下の電気はちゃんと消す方のようだった。
光に照らされ、見えていく室内は一見普通の家のようでいて、なかなか興味深い。
インテリアのセンスもだが、飾られている絵画がセンスがよく、中には漫画の原稿なんかも飾られており、ちょっとした展示会である。
よく見れば有名絵画と思ったものは少しタッチが異なる。
先生の模写なのか、偽物と知っていて買ったものなのか。
ちょっと答えが気になる。
「やあやあ、だいきくん! ここすわりましょーしょ? ぐふっ!」
普段は家族……いや、アシスタントたちとだろうか、大きなテレビを囲む座り心地の良さそうなソファーにテーブル。
そこにはいくつあけたのか多くの空き缶が並んでいる。
まだ空けられていない缶を掴むとカシュッと炭酸の抜ける音が響く。
二人しかいない室内で妙に大きく響いた。
缶を掴むと顔を真っ赤に染めながらもゴッゴッゴと勢いよく飲み干す先生が一人。
「ああ! おいしい! ほら、だいきくんもどーぞ!」
「未成年なんですが」
「げいのうじんなのに!? 飲酒経験がないですって!?」
「まー……ないでもないですねえ……」
芸能界、特に舞台役者は年上の先輩が多くまあ、飲みニケーションがデフォである。
そしてまあ、飲めるやつはすごいみたいなところもあり……まあ、飲む。
若い体にアルコールは妙に回るのでそこまで飲みたいものではないが、渡されてしまったからにはまあ、仕方がないか。
しかし、一体俺は何をしているのか……。
**
「あひゃはひゃはー♪」
「ああ、できあがってしまった……」
ちびちびビールを飲んでいる俺とは別にもうすでに4本目に手をかけている。
マジで大丈夫だろうか?
「あにょですね! だいきくん!」
「はい」
「えっちなのはいけないとおもいます! あはは。言ってみたかったセリフ言っちゃった!」
「はあ。別にエッチじゃないですけど」
「ちがいまーす! だいきくんはえっちでーす! えっちくんでーす!」
「えっちくんじゃないです」
「ここにひゃくまえんえんあります!!」
「うげえ……」
ドンと置かれた現生……めちゃくちゃ既出感を覚えるあれである。
アビ子先生からこれもれてますわあ……。
そう、吉祥寺先生はアビ子先生の漫画の師匠である。
個人的にも仲が良い。
そして漫画家は芸術家で作品の世界にある意味生きており、正直あんまり常識に疎い人も多い。
特に天才と言われる人たちは。
黙っていられるとは思っていなかったが、友人もいないのでそんなに心配はしていなかった。
特に金で買ったという部分くらいは広まらないと思っていたのだが、バレているらしい。
実際は別に受け取ってはいないので、勝手にアビ子先生がタンス貯金をしているだけの状態だがまあ、することはしているので、同意したと言われればそう扱われても仕方がなくある。
「先生もですか?」
「だってうらやましいんだもん!! 先生ぶってたってろくに恋愛経験なんてないわよっ!」
「恋愛漫画家ですのに……」
「現実より妄想のほうがきれいなのよ! あたりまえでしょ!! あ゛~~漫画みたいな恋したい! せめて漫画みたいなおとことえっち゛し゛た゛い!」
これはひどい。
ぶええと鳴き真似をしながらもたれかかってくる先生の体は年齢もあって豊満で柔らかくある。
酔っ払いながらも"男を招く"ための準備はしていて、見た目はサイン会で出会ったときのように整っており、年上の魅力を出していた。
同時に酔っぱらいのせいかぐんにゃりとした体重のかけ方をされていたが、だいぶ密着している。
体温が高くとても柔らかかった。
「あ゛ああ~未成年男子からする芳醇なスメルじゃあ……♡ すんすん」
「うわあ。やばいですね、先生」
「ヤバクありません! えっちなだいきくんがわるーいんです。ぐへへ。味も見てみよう……これが美男子のあじ! ああ、酒に合う!!」
何だこの人やばいぞ。グヘヘと笑いまくっていて舐められるとすこし鳥肌が立ちそうである。
「よるにおんなの部屋に来たんだからわかってるわよね!!」
「はあ。まあ、秘密にしてくださいね?」
「わたしは口はかたいわよ! おっぱいはやわらかいわよ!」
「だめだこりゃ」
肘をペロペロされ始めてわかった。
この人だめだ……。
このままでは何をされるかわからない。
まあ、正直金を体で売った云々より自分の作品に出演した未成年役者に手を出したほうがダメージが大きいので脅しにはならないといえばならないのだが、アビ子先生の関係もあり、穏便に済ませたい気持ちはある。
すなわちとっととやってしまうか、という結論である。
このままでは誰にも舐められたところのない場所も舐められてしまいそうというのもある。
ほら、せんせい、ふくぬがしますよ。
はいばんざーい
「うへへ、はだかんぼですねぇ~」
「そうですね。先生スタイルいいですね」
横腹に手を当てるがあんまりぷにぷにしていない。
漫画家は運動不足というのは嘘だったのだろうか。
「おさんぽするとあいでぃあおちてきますからねー。人の観察もできますからねー。ぺろぺろもできちゃいますねー」
ふっきんふっきんとハスハス鼻息を鳴らして舐められ続ける。
不思議と興奮はしない。不思議でもない。
やれやれと思いながらこれ以上舐められないように豊満な胸に顔を埋めるように乳首を口で愛撫するように吸い付く。
「あっ、あっ、すごい! あいつより百倍きもちいい!!」
先生、あいつが誰か知りませんが百倍はかわいそうですよ。
胸を愛撫しながら体を撫でるように愛していくと、そこにたどり着く頃にはもうだくだくと愛液に濡れていた。
酔うと性欲が高まる女性は多いようだが、先生もその一人だったようだ。
「やさしくしてください……?」
優しいですよ俺はいつも。
割れ目を指で広げると肉壁がピクピク動いているのが見える。
愛液が止まることなく滴り落ちていく様子を見ているだけで興奮する。
ようやく高まってきた。
女の匂い、汗の香り。
飲んでしまったアルコールは先生ほどではないが俺の頭もゆるくしているようだった。
「すごいことになってますよ先生」
「……あっ♡」
亀頭を押しつけるとそれだけでだらしない笑顔をうかべている。彼女の体から力が抜けている。
こんなことで感じすぎじゃないだろうか。
ゆっくりと挿入していくと膣内が絡みついてくるように蠢く。
アルコールのせいかとても温かい中である。
長い間使われてこなかったであろう膣内はすっかり閉じており、経験の浅い少女のようにきゅうきゅうと締め付けてくる。
それでいて柔らかく受け止めてくれるのは身体自体がアルコールで緩んでいるからかもしれない。
「あっあっあっ~~~~~~♡♡♡」
吉祥寺先生の腕が俺の背中に回ってくる。
脚も俺の腰に巻き付いて逃がさないとばかりに密着してくる。
ただ、それでも握力が全然ない。子供のようなしがみつきを大人の先生がしていることに少しだけ可愛らしさを感じる、
なんてだめな人なんだ。
喘ぎ声を垂れ流して、口が緩んで笑い続けているせいでつっと唾液が1条の線を描いて垂れ落ちる。
「すごうい……♡ 世界一ですねェ~」
高評価ありがとうございます。積極的に責めてあげる。
しかし正直先生の様子がアレである。泥酔しすぎだ。
いつ眠ってしまってもおかしくないかもしれない。
これはあまり長時間楽しめるものではないなと考える。
もっと激しく責めてもいいかなとは思うのだけれども、それはそれで危ないかもしれない。
様子を見ながら全身で受け入れてくる彼女の中を探るように責め立てる。
「すごい……っ! こんなの初めて……ッ♡ こんなの知らない……!! もっともっと♡ いっぱい教えて……」
ぐっと奥まで突き入れると先生の体が跳ね上がる。
ああ、ここだ。
一番のポイントを見つけてしまったようだ。
何度も攻め続けるとそのまま抱きつく力を強めてきた。
先程までの力が抜けていたところから、だんだん意識がはっきりしだしたのか、容赦なく掴んでくる。
とはいえ、こちらも鍛えている男の体である。
しっかり掴まれていることを利用してうまく出し入れを強めると口を閉じるのを忘れたまま喘ぎ声を出し続ける機械になってしまった。
「あっああぁ~ッ♡ いいですぉ~! すごくいいですぅ〜!!! 気持ちいいです!!! ああ、制服着たい! 青春!」
なんだろう……この……。
酔ってないときにしたかったな……。
黙らせるために口を合わせるが、このままだと窒息して死んでしまいそうだ。
鼻で息してください、先生。
今の彼女にそれを期待するのは難しいかもしれない。
早く終わらせよう。
さらに深くまでねじ込むように腰を動かしていく。その度に彼女の口からは甘い吐息が出る。
「いぐう~~♡♡ あひっ♡」
ついには果ててしまったようでビクビク痙攣し始める。
しかしそれでもなお俺を離すまいとして強く抱きしめてくるため逃げることも出来ずにいる状態なのだ。
「はぁ♡ あぁ~♡」
先生は気持ち良さそうな表情を浮かべたままだ。
「て、んごくう……」
そう一言最後に口にするとつながったまま倒れ込み……ぐがっと寝息を立て始めた。
「え、あ……マジで?」
寝落ちして倒れる際に手がぶつけたのか中身の残っていたビールの缶がだくだくと残ったアルコールを絨毯に染み込ませていっていた。
「……え、俺一人で後始末するの……?」
この世すべての幸せを手にしたぜとばかりに気持ちよく寝息を立てる吉祥寺先生を前に俺はただただ今日呼ばれてきてしまったこと、自分がこれを放って帰れない自分の性を少し呪いながらまずは倒れた缶を拾い上げた。
なお、もう一人の先生と同じように今後もお声がかかるようになるが、制服やスーツ、バーテンダーや短パンなど、様々なコスプレを手に迫られることになる。