「ふっ~、なんだかラブコメの主人公になった気分になるな」
「間違いなくラブコメの主人公だと思うけど?」
『かぐや様は告らせたい』を元ネタにした『辛口ちゃんは告らせたい』の現場を終わらせてのひと時である。
本日は生徒会ベースのワンシーンだったので会長役の俺と副会長である辛口ちゃん役の不知火フリルの二人で駄弁っていた。
撮影自体はそこまで滞りはなかった。
なかったのではあるが……
「でも、この現場では珍しくミスが目立ったね」
「あ~うん」
そうなのだ。
普段は芸歴の長さをしっかり活かしてミス少なくさっと終わらすことが多いのだが、この現場ではどうにもミスが発生していた。
というのも、やはり『かぐや様は告らせたい』と本人達を知っているせいで妙に込み上げてくるものがあるのだ。
主に笑いとか。
元々真剣な顔をしながらすれ違うギャグの多い作品である。
例えばちょっとアダルトなアンケートのあった雑誌を見た生徒会。
『経験』があると言い出すかぐや様に振り回される会長と藤原書紀ちゃん。
書紀ちゃんはペットの犬とも経験があるでしょと言い出すかぐや様に逆に冷静になり、経験というのがキスを指していると気づく、なんて回があったりした。
アニメと、元ネタの本人たちと眼の前の彼らの顔が混じって脳内で勝手にナレーションが流れて笑わしに来るのだ。
何も知らない真面目な顔している会長の裏で流れるギャグの流れとか、つい……。
「まあ、気をつける」
「別にいいけど……家に行っていいですか? かーいちょ♡」
この現場で困るのが調子を崩している俺の様子を辛口ちゃんになったフリルがからかってくることである。
あんまりやられると俺の中でかぐや様が経験豊富になってしまうだろうが!
会長役をやっていると心が童貞になるので、こういうアプローチに弱くなってしまうのだ……。
「あ、ああ! こ、来いよ!」
で来た。
とはいえ、現場を出ればスイッチは切れる。
すっかりいつもの自分に戻りソファーでダラダラしているとスキャンダル対策に先に戻っていたフリルが部屋に入ってくる。
「ふり……ル?」
そこにいたのは辛口ちゃん……ではなく、四宮かぐやだった。
辛口ちゃんの学校の制服は当然秀知院学園の制服ではない。
モデルであってそのものではないからだ。
あくまで吉祥寺先生が書いた制服である。似てはいる。
だが、いまフリルが着ているのは間違いなく秀知院学園のものである。
なんで!?
「やっぱりこれ好きなんですね♡」
「あ、そうか、姉のか!」
彼女の姉の不知火ころもは秀知院生だった。
今は当然卒業済みだが、制服を取っておいてもおかしくはない。
元々建物の描写などで秀知院がモデルなのでは、という話は上がっていた。
その上で石上くんと近いころもであればわかっても不思議ではない。
「やっぱり、会長は私のこと気にしてたんですね」
「うぐっ」
フリル越しにかぐや様を見ていたことがバレていたということである。
なんだろう、ものすごく気恥ずかしい。
本人ではない相手を重ねるのは元カノを相手に見てたり、AV女優に似てると思いながら接しているような。
それを指摘どころかAVのシーンを再現されたみたいな……理解のある彼女みたいに思うべきなのだろうか……?
「……お可愛いこと」
くっ……!
基本的には会長の脳内で言われ続けていたこのセリフ。
当然のように辛口ちゃんの作品内でも使われているが実際に言われると……なんか……くる!
きゅっと両手を握られながら体を寄せられるとそれだけで童貞心が沸き立つのを感じる。
エッチなかぐやさんなんて! と心の書紀ちゃんがわめき始めそうだったが白銀会長が現れ、経験してからはむしろ……と語りだした。
そうなの!? でも、処女メイドにマウント取るくらいにはあれなところがあるからね……。
いい匂いがするとこっそりハスハスしているうちにいつの間にか脱がされていた。
熟練の腕を感じる。
フリルもまた制服を脱ぎだし、髪型とリボンにかぐや分が残る感じとなった。
「名残惜しそうですね? 会長」
「いやあ……まあ……な」
「でも姉の持ち物ですから。今度ちゃんともらっておきます」
「ああ、うん、頼むわ」
でも、これ、なんだろう、漫画のコスプレのようでいて現実の知り合いのコスプレでエッチするとかどうなってるの。
手を出す気がない相手だからこそ妙にエッチ感あるー。
完全に術中にハマっているが、あそこは正直でかぐや様なフリルとすることに興奮している。
「もう大きいですね? 期待してたんですか?」
「あ、ああ」
「今日はここと同じくらい素直なんですね。かわいい♡」
補足しなやかな手が俺のあそこを撫でる。
初めてのシチュエーションに心臓がバクつく。こんなのは初めてだ。
スリスリと確かめるように触れるだけの愛撫だったが、精神的に来ていたこともあり……
「うっ!」
「わっ!!」
慌てるように亀頭をフリルに掴まれたおかげで飛び散らなかったが、ビュッと小さく射精してしまう。
これほど我慢が効かないとは思わなかった。
「……こんなに早く出してしまうなんて、童貞なんですか? 会長」
「いや、その、これは……」
「お可愛いこと」
……なんだろう、前回より白銀会長脳内のお可愛いこと感が上がっている。
目に冷たさがあるというか、特段Mではないはずだが、今日の俺は……
「あら、また大きくなってきましたね。会長のここはいい子でした♡」
ハンカチで拭き取ってもまだ手に残る精液をローション代わりににゅるにゅるとしごかれれば元通りの硬さと大きさに反り返る。
今度こそはといそいそと腰にのしかかるフリル。
フリルのいつまでもきゅっと閉じた穴が広がりながら肉棒を飲み込んでいく。
「んっ♡ 会長の硬い……!」
演じていると感情が乗るのはフリルも同じ。
フリルはフリルで会長とするかぐや様の気持ちで高ぶっているのかもしれない。
嬉しそうに笑う彼女はちょっとサキュバスのようでもあったが、中の具合はいつものフリルでありながらも熱くねっとりとしており、蕩けてしまいそうだった。
細身でありながらも役者として鍛えているフリルは見た目には現れていないが相当である。
自分が感じているのなんて気にしないでジュボジュボと大きく上下に腰を動かすフリル。
段々とコツを掴んでリズミカルに腰を動かし始めた。
小さい胸がぷるっとゆれ、髪を結んだのリボンが体に合わせて揺れる。
普段ならいつまでも味わっていられたが、今日はクリティカルしているようで、また射精欲が上がってくるのがわかる。
アニメのかぐや様が、現実のかぐや様が、辛口ちゃんを演じたフリルが俺の上で喘いでいるという多重の性感。
脳がバグるセックスが二重三重に高めていた。
「っあ……会長のが……奥にっ♡」
騎乗位の体勢で細い腰を上下させるたびに、緑髪の髪が跳ね上がる。
しかし激しさに耐えきれず──パサリ。結び目が解け、艶やかな髪が肩へ流れ落ちた。
「あっ、髪……乱れちゃう……っ」
汗に光る髪が首筋に貼りつき、普段は清楚なイメージの不知火フリルが妖しい色香を放つ。
髪を乱しながら喘ぐ姿に、俺の興奮は頂点へ駆け上がった。
「フリル……出る……!」
「くださいっ♡ 私の中に……会長の子どもをくださいっ!」
互いに果てる寸前、フリルの体が弓なりに反り返る。
刹那──ドクン! 勢いよく迸った白濁が膣奥を満たした。
「はぁ……んっ……♡」
こちらに倒れかかるフリル。
絶頂の余韻に震えながらフリルがゆっくり体を上げる。
体の動きに合わせて引き抜かれていく肉棒。
肉棒が抜け落ちるのに合わせて、穴から糸を引くように白い橋がかかり、ポタリと床に滴り落ちた。
遅れて秘裂からもトロリと溢れ出す精液が俺の体に落ちてくる。
「会長の……いっぱい……♡」
放心した瞳で微笑むフリルの唇から漏れた甘い囁きが、余韻を色濃く残していった。
「脱いでいてよかったですね♡」
「確かに」
一回で済ますにはもったいないシチュエーションだもんな……。
またやってもらおうかな……いやでも、癖になっても困るか……?
気持ちよさといろいろなものを天秤にかけながら答えができずに目を閉じた。
かぐや様と、とかかぐや様してるフリルがみたいみたいなコメントがあったのでイイネ!ってなって気づいたら書き終わってました。
かぐや様のカッコで遊んでるフリルってややこしいですね。