あまりにも存在感がある。
相手の男性器の威圧感にビビっているとそれを感づかれてしまったようで、優しく抱きしめられる。
シャワーを浴びた自分と異なり、一日体を動かしたりと色々あったはずなのに、そっと抱きしめられるのが心地良いほどにいい香りがする。
どこか”ああ、男の匂いなんだ”と強く脳に訴えかけてきた。
不思議とこれから男に抱かれるがそれも悪くないんじゃないかと言う気持ちになる。
眼の前にあれがなくなって強さが半減したからかもしれない。
そっと重ねるだけの軽いキス。
まるで自分がドラマのヒロインになったようなその口づけは離れていったのにまだ熱を残している。
唇が熱い……そう感じた。
(なにこれ、キュンと来る……)
こいつ、私のこと好きすぎなんじゃない?
今のキス、めちゃくちゃ愛している人にやるやつに違いない。
だってこんなにすごいんだもん。
胸がドキドキする。
いや、さっきからずっとそうだったかも。
私も、もしかしたら彼のこと好きかも。
いや、好きだな。
なんてことだ、好きだったからホテルなんて来てしまったのね。
運命の相手。だから私もこうなってしまったんだ。
そういうことだったのね。
真実が明らかになった。
そういうことだったのだ。
ゆう、みゆき、……つばさ。
過去の男たちの顔が頭に浮かんでくる*1
これこそが真の愛なのかもしれない。
私は恋をしても愛はしてなかった。
これが初めての……愛?
と、気持ちは前向きになった。
行為への恐怖感は薄れ、なんだか輝いて見える気がする。
そういうことに興味を持ってなかったというか、そういうところまで深まる予定がまったくなかったせいでそこまで頭が進まなかったせいで、何をするかも全然頭に浮かんできていない。
そうなれば相手に任せるしかないのだが、
「ど、どんと来い、よ! さ、さあ、さっさと来なさい!」
出てきたのはこれであった。
張れてたかはわからないが胸をはり、そう伝える。
さっさとしなさいよというのがキスのことなのか行為のことなのかは自分にもわからなかったが、目をつむりぐっと顔を近づけるとわかってくれたらしくて、ちゅっちゅと小さく短いキスを何度も重ねられる。
1回毎に愛情が深まっていくのがわかる。
こいつ私のことだいぶ好きだな。
じゃあ仕方ないな。
これほど愛されるなんてすごいとうっとりした気持ちになっている。
もうこのまま終わっても十分満足できる、ううん、終わってもいい。
いや、このままずっと続いてほしい。
そんなふうに思っていたのに、次のステップに入ってしまったのか、するりと口内にべろが入ってきたのである。
(はわわわワわわッ!?)
脳がショート寸前である。
どういうことどういうことどういうこと!?
なにこれなにこれなにこれ!?
でも目を閉じている自分には何もわからない。
けど、甘く優しい空気からエッチくてドロリとした空気に変わっていくのがわかる。
(叔母様もこんなことしてるの!? マジで!?)
眞妃が好んで読んでいたのは甘酸っぱい段階の恋愛マンガまでだったので、あんまり具体的な行為のイメージがなかったが、叔母がこのような行為を自慢気に語っていたと思うとあの人やばいなと思い出していた。
変態だわ、変態叔母様だわ。
脳が迷子になろうと、舌から与えられる刺激はそのままである。
はひっ、意識が飛びそう……
人と人との距離にここまで近い距離があるなんてわからなかった。
隣というより、一緒って感じだ。
まるでベロでつながってしまっているようだ。
これがセックス……世の中の男も女もしたがる訳だ。
入口も入口だがわかった気持ちになりかけていた。
「あっ、ふっ♡」
呼吸ができなくて苦しくしているところ離れていく。
そっと目を開けるとお互いの唾液がつっと一瞬つながって落ちた。
相手の顔が近い。
まっすぐ見れない。
「お、終わった?」
「まだ始まったばかりかな」
なんと。
そんなのちゃんと言っておいてくれないと困る。
まだ? 始まったばかり??
では一体どうなってしまうというのだ。
どうなっちゃうの、わたし。
自分はこのままなんか溶けて人間辞めることになってしまいそうだ。
彼にゆっくりと抱き寄せられる。
これほどまで優しく抱きしめられた記憶が人生の中でない。
「無理ならやめるよ」
……いや、ここでやめられたら困るんだけど。
「べ、別に大丈夫だけど!?」
「わかった」
大輝の体温がふわりと私を包む。
胸元に押し付けられる彼の顔が熱くて、
鼓動の速さが伝わってくるようで──
「……んっ」
胸が彼の厚い胸板に潰れる。
心地よい体温。彼の匂いが鼻を通るたびに、体の奥がゆだっていく感じがする。
指が肌をなぞるたびに粟立つ肌。
胸の先端を軽くつままれる度に小さな呻きが漏れる。
「や、そこ……あんまり弄らないで……」
彼は何も言わず、代わりに舌先で耳朶をなぞった。
「ひぁっ!」
体が勝手に反応する。
それを楽しむような雰囲気がする。
「かわいいな。またキスするね」
答えられない。
ただ顔を背けたら、彼の唇が追いかけてきた。
キスはすごすぎる、私は何も考えられなくなってしまう。
(やだ……こんなキス……)
何度も刻み込むようにキスをされる。
繰り返されるたびに馴染んでいくような感覚。
舌が絡むたびに思考が霞む。
気づけば自分から唇を押し当てていた。
「……濡れてきたね」
下腹部を這う指に全身が仰け反った。
一人でしたときに来るものと本当に同じものなのか。
信じられないほどに激しく気持ちの良い絶頂が体を襲う。
羞恥と快感が入り混じる中で──
「入れるね」
頷くこともできないまま、ただ目を閉じる。
ただただ素直に受け入れていた。
太いものが押し当てられ、ほんの少し鈍い痛みが走った。
ただ、最初に感じたのは痛み以上に自分を内側から大きく膨らます異物感だった。
ただそれも奥まで入ってしまえば愛おしさすら感じ始めていた。
(ああ、中に入っている!
自分のものじゃないものが深く入り込んでいる!
私も初めて経験したわよ叔母様! それもちゃんと愛する人でっ!!)
「うっ……」
でも内側から膨れる初めての感じに息が詰まる。
まだその与えられる快感をうまく飲み込むことができなくて反発があった。
彼の背中に手を伸ばすと抱き寄せられる。
赤ん坊のように優しく抱き寄せられたことに愛おしさが胸から溢れ出しそうになるが、同時に子どもみたいに見られているような気持ちに反発感が湧いた。
口には出なかったが、抱きしめている背中に思わず弱くも爪を立ててしまう。
「ごめん、苦しい?」
彼が顔を覗き込もうとする。
(見ないで!)
未知の感覚に自分がどんな表情をしているかもよくわからない。
見られて可愛いと思ってもらえるような表情ができているだろうか。
見られることを意識して少し我に返る。
咄嗟に腕を伸ばして彼の首元に顔を埋めてしまう。
「……このままで」
彼は私の意思を汲んでくれた。
腟内も心と同じように段々と受け入れだしていた。
動きは優しく、揺れる度に確かな快楽が芽生えている。
「だい……だいすきよ好きよ……」
名前を呼ぼうとして、まだそう呼んだことがないことに気づいて言葉を変える。
こぼすように小さく呟くとそれが聞こえたみたいで耳に口付けられる。
響くリップ音が頭を揺らす。
「かわいいね」
耳元での囁きに背筋がゾクゾクする。
「んっ……あっ……」
頭が真っ白になる。
何だったのか今のは。
でも、あそこが赤ん坊の頃に粗相をしてしまったときのようにだくだくと濡れている。
「しっかり強く掴んでていいよ」
その言葉に何かが切れた。
ただ入れただけでも頭を塗り替えようとしていたのに、腰を引き、押し付ける。
その動きだけで何度も小さく鋭い快感が頭に響く。
「あっ……んぁっ♡」
大きな波に襲われる。
反射的に彼の首筋へ噛みつく形で唇が近づき──
ぢゅぅっ♡
夢中で強く吸い付いていた。
「……眞妃」
「だ、だいき……♡」
チュウチュウと赤子が吸い付くようにしながら与えられる快楽を頑張って受け止めていた。
それでも大きく打ち付けられた瞬間、押さえつけていたすべてのダムが決壊したような感覚とともに……
私の記憶はそこで途切れた。
**
──意識が戻る。
ちょっと心配そうにこちらを見守る大輝がいた。
ああ、起きただけなのにこんなに幸せな気持ちでいられるなんて。
「あっ……」
彼の首筋にくっきり残る赤い痕を見つけた。
胸の奥がじんわり熱くなる。
ああ、印をつけたんだ。
すぐ消えるものであっても、自分に初めての傷をつけられたみたいでお互いに刻まれたあとのようで気持ちが良かった。
「……ふふっ♡」
「楽しそうだね?」
「ええっ! エッチって思った以上に気持ちよかったわ! 怖がって馬鹿みたい」
「ああ、まあ。最初だし、仕方がないんじゃないかな」
「次はもっと気持ちよくなるのかしら。楽しみだわ!」
「え、あ、うん、そうだね……」
誰にも奪えない証拠を残したんだという安堵感と
初めて誰かと深く繋がった実感が込み上げてきて──
私は小さく笑みを浮かべる。
ごろりとベットに寝転がり目を閉じる。
これなら朝まで一緒かしら。
同じ朝を迎えるっていいわよね。
親友が在学中にああなってしまったのもわからなくもないな。
ゆっくりとたっぷり出された自分のお腹を撫でた。
いいんすか? 中に出しちゃって……?
ふびんかわいいパイセンは……
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孕んだ
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孕まなかった
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他の子のこと考えてた