オルガマリー所長による新人マスター調教日記 作:ドレッジキング
重厚な扉を押し開け、藤丸立香は所長室に足を踏み入れた。室内は冷え冷えとした空気に満ちており、その雰囲気は彼の心臓を締め付けるかのようだった。部屋の奥、大きな窓の前に立つオルガマリー・アニムスフィアの姿が目に入る。銀色の髪が室内の照明に照らされ、幻想的な輝きを放っていた。
オルガマリーは、藤丸の方へゆっくりと振り返った。その金色の瞳には、怒りの炎が燃え盛っているようだった。藤丸は思わず息を飲み、先日のビンタの痛みを思い出した。レフの言葉が脳裏をよぎる。「所長の気に障れば1年は睨まれる」。その予言が的中しそうな予感が、藤丸の背筋を凍らせた。
「藤丸立香」
オルガマリーの声が室内に響き渡る。その口調には、怒りと苛立ちが滲み出ていた。
「昨日のレクリエーションルームでの貴方の態度、説明がつくかしら?」
藤丸は言葉を探したが、適切な弁解は見つからなかった。オルガマリーは彼の沈黙を待たずに続けた。
「人類の存続がかかった重要な会議で居眠りとは。貴方、自分の立場がわかっているの?」
彼女の声は次第に高くなり、ヒステリックな調子を帯びていった。
「一般人であるあなたが、どれほど特別な立場にいるか理解していますか?」
藤丸は言葉を絞り出そうとしたが、オルガマリーは彼に話す隙を与えなかった。彼女の怒りの矛先は、まるで雪崩のように押し寄せてきた。
「貴方のような素人が、この重大な任務でどれほどの戦力になるというの?」
オルガマリーは、藤丸を上から下まで値踏みするような目つきで見据えた。
「カルデアには、もっと優秀な魔術師たちがいるのよ。それなのになぜ貴方がここにいるの?」
オルガマリーの言葉は、藤丸の心に深く突き刺さった。彼自身も、自分がここにいる理由がわからなかった。しかし、それを口にする勇気はなかった。オルガマリーは、ゆっくりと藤丸に近づいていった。彼女の歩みには、威厳と怒りが混ざり合っていた。藤丸の目の前に立ち、顔を覗き込む。彼女の香りが藤丸の鼻孔をくすぐった。甘美で高貴な香り。それは、彼女の地位と魔術師としての才能を物語るかのようだった。身長差のせいで、オルガマリーは藤丸を見上げる形になっていた。しかし、その姿勢が彼女の威厳を損なうことはなかった。むしろ、彼女の目に宿る鋭い光が、藤丸を萎縮させるのに十分だった。オルガマリーは、藤丸の顔を細かく観察した。その眼差しは、まるで珍しい標本を見るかのようだった。
「ふん、見た目は悪くないわね」
彼女の口調が少し砕けた。
「でも、外見だけじゃ何の役にも立たないわ」
藤丸は、オルガマリーの視線に耐えながら、必死に平静を装おうとした。しかし、彼の内心は激しく動揺していた。
オルガマリーの細い指が、不意に藤丸の顎を掴んだ。その動きは素早く、藤丸が反応する間もなかった。彼女の指先から伝わる冷たさが、藤丸の肌を刺すように感じられた。
「聞きなさい、藤丸立香」
オルガマリーの声音は、先ほどまでの怒りを秘めたものから一変していた。
「今日から貴方は私の世話係になりなさい」
藤丸の目が驚きで見開かれた。オルガマリーの言葉の意味を理解するのに、数秒の時間を要した。彼の頭の中で、様々な思考が渦を巻いた。レイシフトの危険任務ではなく、所長の世話係? それは褒美なのか、それとも罰なのか?オルガマリーは、藤丸の混乱した表情を見逃さなかった。
「何を戸惑っているの? これは私が出した命令よ」
オルガマリーの声には、微かな苛立ちが含まれていた。
「一般人の貴方に、危険な任務は任せられないでしょう?」
藤丸は、何か言葉を発しようとしたが、オルガマリーの指が彼の顎を更に強く掴み、言葉を遮った。彼女は、藤丸の顔を自分の方へ引き寄せた。二人の顔の距離が、危険なほどに近づく。
オルガマリーの吐息が、藤丸の頬を撫でた。その温かさが、彼の緊張を一層高めた。
「これは、貴方のためを思って出した命令よ」オルガマリーの声は、ほとんど囁くような小ささだった。「一般人なりに役に立つ方法を考えた末の結論なの」
藤丸は、オルガマリーの金色の瞳に吸い込まれそうになった。その瞳の奥に、彼は何かを見た気がした。それは孤独? それとも不安? しかし、その感情を識別する前に、オルガマリーは彼から距離を取った。
オルガマリーの声が、突如として室内に響き渡った。その声は、まるで雷鳴のように藤丸の耳を打った。
「誰が離れていいと言ったの!?」
その言葉は、怒りと焦燥感に満ちていた。オルガマリーの金色の瞳が、炎のように燃え盛っている。その視線は、まるで藤丸を焼き尽くそうとしているかのようだった。
藤丸は、思わず一歩後ずさりした。その動きは、オルガマリーの怒りに油を注ぐ結果となった。彼女の顔が、みるみるうちに紅潮していく。
「あ、あの…」
藤丸は何か言葉を発しようとしたが、オルガマリーの剣幕に押され、言葉を失ってしまった。
オルガマリーは、ヒールの音を鳴らしながら、再び藤丸に近づいてきた。その姿は、小柄ながらも威圧感に満ちていた。彼女の存在感が、部屋全体を支配しているかのようだった。
「聞きなさい、藤丸立香」
オルガマリーの声は、低く、危険な響きを帯びていた。
「私の命令は絶対よ。それが気に入らないのなら、今すぐにでもカルデアを出て行きなさい」
藤丸は、喉の奥で言葉を飲み込んだ。オルガマリーの言葉には、拒否の余地がなかった。彼は、自分がこの状況をコントロールできないことを痛感した。オルガマリーは、藤丸の動揺を見逃さなかった。彼女の唇が、わずかに歪んだ。それは勝利の微笑みのようにも見えた。
「これからは私の言うことを、一言一句聞き逃さないようにしなさい」
藤丸は、ゆっくりと頷いた。彼の心の中で、様々な感情が渦巻いていた。困惑、不安、そして奇妙な期待感。これから自分がどのような運命を辿るのか、想像もつかなかった。
オルガマリーの手が、突如として藤丸の胸倉を掴んだ。その動きは素早く、藤丸が反応する間もなかった。彼女の細い指が、驚くほどの力で彼のシャツを握りしめている。
「理解できたのなら、大きな声で返事をしなさい!」
オルガマリーの声が、再び室内に轟いた。その声には、怒りと焦燥感が混ざり合っていた。彼女の金色の瞳が、まるで藤丸の魂を焼き尽くそうとするかのように燃えていた。藤丸は、喉の奥で言葉を詰まらせた。彼の目の前で、オルガマリーの表情が刻一刻と変化していく。怒り、苛立ち、そして何か別の、名状しがたい感情。藤丸は、ゆっくりと息を吸い込んだ。
「は、はい!」
藤丸の声が、予想外に大きく室内に響き渡った。その声には、彼自身が驚くほどの力強さが込められていた。オルガマリーの表情が、一瞬にして変化した。怒りの炎が消え、代わりに驚きの色が浮かんでいる。彼女の指が、少しずつ力を緩めていく。
「わ、わかりました。オレは、所長の世話をします」
藤丸は、自分の声が震えているのを感じた。しかし、それでも彼は言葉を続けた。
「オレにできることなら、なんでもします」
オルガマリーは、藤丸の言葉を聞くと、わずかに顎を上げた。
「よろしい」
彼女の声は、先ほどの怒気を含んだものから一変し、冷たく澄んだ響きを帯びていた。
「では、改めて命じます。所長命令には絶対に逆らわないこと」
藤丸は、オルガマリーの言葉に頷きかけたが、彼女の次の行動に戸惑いを隠せなかった。オルガマリーは、ゆっくりと藤丸の周囲を歩き始めたのだ。その姿は、獲物を狙う猛禽類のようだった。ヒールの音が、規則正しく室内に響く。その音は、まるで藤丸の心臓の鼓動と同期しているかのようだった。
「貴方のような一般人を、どう扱うか。それを決めるのは、私にとっては実に簡単なことなのよ」
その言葉には、明らかな脅しの意図が含まれていた。藤丸は、背筋に冷たいものが走るのを感じた。オルガマリーは、再び藤丸の正面に立った。彼女の金色の瞳が、藤丸を見つめている。その瞳の奥に、藤丸は複雑な感情の渦を見た気がした。
「カルデアには、貴方のような一般人の居場所などないのよ。だからこそ、私の命令に従うことが、貴方の唯一の生存戦略なの」
藤丸は、言葉を失った。オルガマリーの言葉の重みが、彼の心に深く沈んでいく。彼は、自分がいかに無力で、この状況に対して何の影響力も持ち得ないかを痛感した。
「わかったわね?これからは、私の言葉一つ一つを、命よりも大切にしなさい」
オルガマリーの目が細められ、その金色の瞳に鋭い光が宿った。彼女は、まるで獲物を追い詰める捕食者のように、ゆっくりと藤丸に近づいていった。藤丸は、無意識のうちに後退していた。彼の背中が冷たい壁に触れた時、逃げ場がないことを悟った。オルガマリーの存在感が、彼を圧倒していく。突如として、オルガマリーの手が藤丸の横で壁を打った。その音は、静寂を切り裂くように鋭く響いた。藤丸は、思わず息を呑んだ。
「よく聞きなさい、藤丸立香」
オルガマリーの声は、低く、危険な響きを帯びていた。
「どのような命令をされようと、貴方には私に逆らう権利などないのよ」
彼女の吐息が、藤丸の頬を撫でた。その温かさが、彼の緊張を一層高めた。オルガマリーの顔が、危険なほど近い。
「わ、わかりました」
藤丸は、かすれた声で返答した。
「単に『わかりました』では足りないわ、もっとはっきりと誓いなさい」
「オ、オレは、どのような命令でも従います」
藤丸は、自分の声が震えているのを感じた。
「所長の命令には、絶対に逆らいません」
オルガマリーの表情が、突如として変化した。先ほどまでの威圧的な雰囲気が消え、代わりに好奇心に満ちた眼差しが浮かんでいる。彼女は藤丸から一歩離れ、腕を組んだ。
「ところで、藤丸」
しかし彼女の声は、いつもの高飛車な調子に戻っていた。
「貴方、同年代の女子と付き合った経験はあるの?」
その唐突な質問に、藤丸は一瞬言葉を失った。彼の頭の中で、様々な思考が渦を巻いた。なぜ所長がこんな質問を? どう答えるべきか? 嘘をつくべきか、正直に答えるべきか?オルガマリーは、藤丸の戸惑いを見逃さなかった。それは、興味深そうな微笑みのようにも見えた。
「さあ、答えなさい。嘘をつくのは禁止よ。私には全てお見通しなんだから」
藤丸は、深く息を吸い込んだ。
「実は…」
藤丸は、言葉を選びながら慎重に話し始めた。
「付き合った経験自体は、ないです」
その言葉を口にした瞬間、藤丸は自分の頬が熱くなるのを感じた。恥ずかしさと同時に、なぜかほっとした気持ちも湧き上がってきた。オルガマリーの目が、一瞬大きく見開かれる。
オルガマリーの唇が、ゆっくりと弧を描いた。その表情は、驚きと興味が入り混じった複雑なものだった。彼女の金色の瞳が、まるで藤丸の心の奥底まで見透かすかのように輝いている。
「ならあなたは清らかな身ってわけね」
オルガマリーの声は、いつもの高飛車な調子とは異なり、どこか柔らかな響きを帯びていた。藤丸は、オルガマリーの言葉の意味を理解するのに、数秒の時間を要した。彼の頬が、みるみるうちに紅潮していく。恥ずかしさと同時に、なぜか胸の奥に温かいものが広がっていくのを感じた。オルガマリーは、藤丸の反応を興味深そうに観察していた。彼女の目には、何か計算するような光が宿っている。
「ふぅん」
オルガマリーは、わざとらしく息を吐いた。
「意外ね。見た目は悪くないのに」
その言葉に、藤丸はどう反応すべきか戸惑った。褒められているのか、貶されているのか、判断がつかない。彼は、ただ黙って俯いたままでいた。オルガマリーは、藤丸の反応を注意深く観察していた。所長室の空気が、微妙に変化したように感じられる。静寂が、再び二人の間に降り立つ。藤丸は、オルガマリーの次の言葉を待つ間、自分の心臓の鼓動が異常に大きく聞こえるような気がした。時間の流れが、異様に遅くなったかのようだ。
「顔は悪くないのに、女子との付き合いがないだなんて意外だわ」
その言葉には、驚きと共に、何か別の感情が混ざっているようだった。嘲笑? それとも興味? 藤丸には、その真意を読み取ることができなかった。藤丸は、言葉を探した。しかし、適切な返答が見つからない。彼の頭の中で、様々な思考が渦を巻いていた。なぜ所長がこんなことを言うのか? どう答えるべきなのか?
「どうしたの?」
オルガマリーの声には、わずかな挑発的な調子が混じっていた。
「言葉につまったの?少し試してみましょうか」
その言葉の意味を理解する前に、藤丸は奇妙な感覚に包まれた。オルガマリーの瞳が、まるで深い淵のように彼を引き込んでいく。
魔術師の扱う『魅了』。その力が、オルガマリーから藤丸へと流れ込んでいった。藤丸の意識が、徐々にぼやけていく。
「どう?」
オルガマリーの声が、遠くから聞こえてくるようだった。
「何か…感じる?」
藤丸は、言葉を失った。彼の頭の中は、霧に包まれたようにぼんやりとしている。しかし同時に、オルガマリーの存在だけが異常なほど鮮明に感じられた。オルガマリーは、藤丸の反応を注意深く観察していた
「面白いわね」
オルガマリーの声には、興味深そうな調子が混じっていた。
「一般人にしては、なかなかの耐性があるようね」
藤丸は、かすかに首を振った。意識を取り戻そうとしているようだったが、オルガマリーの魔術の影響は簡単には消えない。
オルガマリーの目が一瞬閉じられ、再び開かれた。その瞬間、藤丸を包んでいた魔術の霧が薄れていく。『魅了』の効果が解除されたのだ。オルガマリーの細い指が、突如として藤丸の頬に触れた。その感触は、驚くほど柔らかく、温かい。藤丸は、思わず身を震わせた。彼女の指が、ゆっくりと藤丸の頬を撫でまわす。
藤丸は、言葉を失った。彼の頭の中で、様々な思考が渦を巻いていた。なぜ所長がこんなことを? どう反応すべきなのか?
「どう?気持ちいい?」
藤丸は、喉の奥で言葉を詰まらせた。オルガマリーの指の動きに、彼の思考は完全に停止していた。オルガマリーの指の動きに、彼の思考は完全に混乱していた。所長室の空気がますます重く感じられる。オルガマリーの指が、ゆっくりと藤丸の頬から首筋へと移動した。その動きには、ためらいのようなものは微塵も感じられない。むしろ、計算された正確さがあった。藤丸は、思わず身を震わせた
「ど、どうして…」
藤丸の声は、かすれていた。言葉を紡ぐのも困難なほど、彼の思考は乱れていた。
オルガマリーは、藤丸の反応を注意深く観察していた。
「何か問題でも?」
オルガマリーの声には、わずかな挑発的な調子が混じっていた。
「な、何をするんですか?」
藤丸は、やっとの思いでその言葉を絞り出した。オルガマリーの指の動きが、一瞬止まった。彼女の表情に、驚きの色が浮かんだように見えた。しかし、それはほんの一瞬のことだった。オルガマリーの眉が、ゆっくりと吊り上がった。その表情には、驚きと不満が混ざり合っていた。所長室の空気が、一瞬で凍りついたかのようだ。
「何よ、文句でもあるのかしら?」
彼女の声には、明らかな不機嫌さが滲んでいた。その言葉は、まるで鋭い刃物のように藤丸の心を切り裂いた。藤丸は、言葉を失った。彼の頭の中で、様々な思考が渦を巻いていた。どう答えるべきか。この状況をどう打開すべきか。
オルガマリーは、藤丸の戸惑いを見逃さなかった。彼女の目が細められ、その金色の瞳に危険な光が宿った。
「所長のすることには逆らわないように言わなかった?」
オルガマリーの声が、低く響いた。その調子には、明らかな脅しが含まれていた。
藤丸は、深く息を吸い込んだ。彼の心臓が、胸の中で激しく鼓動を打っている。オルガマリーの鋭い視線が、その振動を感じ取っているのではないかと思えるほどだ。
「で、でも…」
藤丸は、かすれた声で言葉を紡ぎ始めた。
「頬や首を触られるのは、命令されていませんでした」
その言葉を口にした瞬間、藤丸は自分の大胆さに驚いた。同時に、恐怖が背筋を走るのを感じた。
「ふん、文句だけは一人前ね」
その言葉には、明らかな嘲りが含まれていた。藤丸は、思わず身を縮めた。
藤丸は、何か言葉を発しようとしたが、オルガマリーの次の言葉がそれを遮った。
「『でも』『だって』なんていう言葉はいらないの!」
「あなたは一般人よ。魔術師でもない、ただの素人。それなのに、よくもまあ、ここまで生意気な口をきけるものね」
オルガマリーの言葉は、まるで鞭のように藤丸を打った。彼は、言葉を失い、ただ立ちすくむことしかできなかった。所長室の空気が、一層重くなる。オルガマリーの怒りが、まるで実体を持つかのように室内に充満していた。
「カルデアにいられるのも、私の気まぐれ。あなたの命だって、私の気まぐれで左右されるのよ」
オルガマリーの声には、冷酷さが滲んでいた。藤丸の背筋に、冷たいものが走る。
「それなのに、こんな態度をとるなんて。あなた、自分の立場がわかっているの?」
藤丸は、何か言葉を発しようとしたが、喉の奥で言葉が詰まってしまう。オルガマリーの剣幕に、彼の思考は完全に停止していた。
オルガマリーの指が、再び藤丸の胸元に絡みついた。その動きは突発的で、藤丸の思考が追いつく前に彼の身体は壁に押し付けられていた。彼女の指先から伝わる冷気が、藤丸の肌を貫くように感じられる。
「いいかしら?私の言葉は、絶対なの」
オルガマリーの声は、氷のように冷たく、鋭利な刃物のように藤丸の心を切り裂いた。藤丸の瞳が大きく見開かれた。オルガマリーの金色の眸に映る自身の姿が、あまりにも小さく、無力に映る。所長室の空気が、まるで重力が増したかのように彼の肺を圧迫する。
「反抗的な態度は即刻改めなさい。私への忠誠こそが、あなたの存在価値なのよ」
言葉を失った藤丸の喉から、かすかな呻きが漏れる。オルガマリーの迫力に、彼の意識は霞がかかったようにぼんやりとしていた。
「理解できたかしら?もし私の意に沿わない行動を取るのなら、その瞬間にあなたの価値は消滅するわ」
藤丸は、かろうじて頷くことしかできなかった。彼の全身が、オルガマリーの威圧感に押しつぶされそうになっている。
「勘違いしないでちょうだい、単なる身の回りの世話などさせるつもりはないわ」
その言葉とともに、オルガマリーは藤丸に顔を近づけた。彼女の存在感が、藤丸の感覚を支配していく。藤丸の視界を埋め尽くすオルガマリーの顔は、まるで芸術品のように精緻で美しかった。雪のように白い肌は、所長室の照明に照らされて幻想的な輝きを放っている。金色の瞳は、深い知性と計算高さを湛えながら、同時に人を惑わせるような魅力を秘めていた。銀色の髪が、藤丸の頬をかすかに撫でる。その感触は、絹のように滑らかで、同時に針のように鋭い。オルガマリーから漂う香りは、高貴さと妖艶さを併せ持ち、藤丸の思考を朦朧とさせる。
彼女の唇は、薔薇の蕾のように繊細で魅惑的だった。その赤みを帯びた色合いは、禁断の果実を思わせる。藤丸は、思わずその唇に見入ってしまう。
「さあ、どうするの?」
オルガマリーの囁きが、藤丸の耳を焦がすように響く。
「私の期待に応えられるかしら?」
家柄や立場上、男との付き合い方とかも知らないだろうし、何よりカルデアの所長という立場上ストレスとか半端ないだろうし……