―――――――――――――――――黒沢視点
「......え?」
みるみるうちに表情が曇り始める魁人君。
「っ...」
俺の方を向いて安堵の表情を浮かべる沙織。
「く、黒沢、さん...どうして...」
脂汗を掻きながら後ずさる魁人君。
路地裏で不審者と対峙したかのようなリアクションだ。少し傷つく。
「どうしてと言われてもね...買い物だよ?沙織と一緒に」
自然と沙織の頭を撫でながら答える。当然、いつもそうしているので沙織も嫌がる様子は無い。
「こ、こんな...朝、早くに...?」
確かに早い。故に、俺も魁人君の姿を見て驚いたものだ。色々な意味で。
「うん。あ、別に最初から沙織と一緒というワケではないよ?コンビニに向かっている途中で拾ったんだ」
昨日も沙織の家に泊まってセックスしたよ、などと馬鹿正直に答える事は出来ない。少し苦しい言い訳だが...致し方ない。
「そう...なのか?」
魁人君は沙織にも確認している。
「う、うん。私の方が早く起きたから...あ、朝ごはんを買いに出掛けていたの」
素直な沙織は正直に答えてしまった。...その言い方だと同じベッドで寝起きしたと思われるかもしれない。
「なるほど...え?」
案の定、魁人君は違和感に気が付いた。
「私の方がって...どういう意味だ?」
沙織を追求する魁人君。...そんなに女の子を追い詰めるような言い方はしない方が良いぞ、少年。
俺は沙織を庇うべく、彼女を俺の背に隠して二人の間に割り込んだ。
「今日は朝から一緒に面接の練習と大学の下見に行く予定なんだよ。本当は俺が迎えに行こうとしていたんだけど、沙織が早起きさんだからね」
もっともらしい理由を付け加えた。
「そう...なんですね」
納得いかない表情だが、これ以上の質問が出来ない事も理解しているのだろう。
「そうそう。あ、沙織、ちょっと電話してくるから、魁人君の分も一緒に払ってあげて?魁人君、好きなのを選んで良いからね」
口止め料、というワケではないが、ちょっとした罪滅ぼしのつもりだ。
「ありがとう、勇太さん...♡」
柔らかい笑みを向けてくれる沙織。心底安心しきった笑顔だ。
「あ、ありがとう、ございます...」
明らかに傷ついた表情だ。...まあ、仕方の無い事だ。
「外で待ってるよ、沙織」
「う、うん」
とりあえずこの場は任せても良いだろう。...魁人君のとりあえず商品を選ばせた後、二人を引きはがすか。
「魁人、そういう事だから、その...私が言うのも変だけど、好きなのを選んで?」
「そ、そうだな」
電話をするフリをして少し離れた。
『...』
『...』
店外から二人の様子を伺う。...魁人君はミックスサンドを手に取り、沙織に手渡していた。
...............
「お?」
魁人君が沙織から離れた。沙織が上手いこと誘導してくれたのだろう。
...よし、俺も戻るか。
「あれ?お金足りなかった?」
二人の距離が空いた隙に店内に戻り、魁人君とすれ違いざまに声をかけた。
「あ、ううん。大丈夫足りる...と、思う。あ、魁人、すぐに行くから大丈夫だよ」
少し不安そうな表情を浮かべる沙織。
「ああ。待ってる」
魁人君はなんとも言えない表情のまま店外へと足を運んだ。
「...」
「...さて」
再び沙織と向き合う。
「びっくりしたね。ごめんね、すぐに来れなくて」
「ううん...大丈夫。最初はびっくりしたけど...その、あくまでも魁人なので」
あからさまに不審者にしかみえなくとも、冷静さを取り戻したあとはいつもの魁人君なのだろう。
「それじゃあ、会計しに行こうか」
沙織から買い物かごを受け取り、レジへと向かう。
「う、うん...あっ」
しかし、沙織が唐突に声を上げる。
「うん?」
彼女の方へと振り返ると、何やらほんのりと頬を染めながら俺のパーカーの裾を引いていた。
「あ...そ、その..."アレ"買わないと...」
アレ...あ、そうだ。忘れていた。
「ごめんごめん。忘れてたよ」
「...別に着けなくても良いんですよ?」
ほんのりと桃色の色気を纏う笑みを浮かべる沙織。
「...もう少し後で、ね?」
「ふふふっ...はぁい♡」
まだまだ..."妊娠"させるわけにはいかない。
「それじゃあ...行こうか」
「はい♡...あ、カゴもらいますね」
「あっ...うん、そうだね」
やりたい事もあるので沙織にカゴを渡した方がスムーズに事が進む。
「さて...どこにあるのかな」
「あ、こっちです」
沙織は勝手を知っているらしく、迷いなく日用品コーナーへと足を運んだ。
「ここです」
陳列棚の前でしゃがみこみ、下段の方を指差した。
「...詳しいね、沙織」
日用品コーナーの下段の方。カラフルな長方形の箱が並んだ陳列棚。...そう、コンドームだ。
「あ、そ、その...前から、ここで買ってますので」
気まずそうに視線を逸らす沙織。別にそこまで聞いていないのに、素直な性格故に答えてしまう。そんなところも可愛いのだけれど。
「そうなんだ」
俺も沙織の隣にしゃがみこみ、彼女の耳元に顔を寄せた。
「コレ、元カレと使っていたゴムだね」
「っ...」
頬を赤らめながら頷く沙織。
このMサイズのコンドームは、開封済みのまま放置されていたコンドームと同じ銘柄だ。恐らく、コンビニで購入していたのだろう。
「で、でも...買うのは元カレが買ってましたので...私は買った事ないです...っ」
謎の弁明をする沙織。別に責めているわけでは無いので気にすることはないというのに。
「そうなんだ。でも、コレは...買った事あるよね?」
いつも使用しているLLサイズのコンドームを手に取り、沙織の目の前で揺らした。
「い、一回だけです...っ」
顔を真っ赤にしながら弁明する沙織。確か...前は近所のドラッグストアで購入したと話していたな。
「そっか。...恥ずかしい?」
「ちょっと...恥ずかしい、です」
ちょっとどころではない程、耳まで赤くしている沙織。
「そうなんだ」
俺はLLサイズを2箱取り出して、カゴの中に入れた。
「か、買うんですか...?」
潤んだ瞳で俺を見上げる沙織。
「うん。ストックが少なくなっていたからね」
「確かにそうですけど...」
尚も恥ずかしそうな様子の沙織。
「そのために下着を外してもらったんだよ」
「え?...そ、そうなの...?」
あえて煽情的な恰好をさせた理由、それは――
「君みたいな美少女がそんな恰好でコンドームを買いに来たら...レジの男の子はどんなリアクションをするんだろうね」
谷間が見えるような薄着でコンドームを買う。それもLLサイズを2箱も。
俺がレジ担当なら色々と妄想してしまう事だろう。
「...勇太さんの変態」
ジトっとした視線を浴びてしまった。
「そうだよ。君の彼氏は変態なんだ」
「知ってます...そんなとこも好きですけど」
ほんのりと頬を染めながら視線を逸らす沙織。...本当に可愛いな、この子。
「でも...君も、嫌じゃないでしょ?」
更にぴったりと身体を密着させた。
「ぁ...♡」
甘い吐息を漏らす沙織。
「...ダメじゃないか。お店の床を汚すなんて」
「んっ...♡」
沙織の内ももを優しく撫でる。...俺の指先には粘質の体液がまとわりついた。
「お外でトロトロになるなんて...沙織も変態さんだね」
「はい...私も変態です...♡」
スイッチが入り始めた沙織。...さすがにこのまま続けるわけにはいかない。
「ほら、早くレジに行こう。魁人君を待たせてるよ」
「ぁ...は、はいっ」
沙織は少し身体をふらつかせながら立ち上がる。
「大丈夫?」
細い腰に手を回し、ふらつく身体を支えた。
「は、はい。ありがとうございます...♡」
「いえいえ。...あ、その前に――」
俺は沙織の後ろから手を回し、パーカーのファスナーを下まで下ろした。
「ゆ、勇太さん...!?」
パジャマの緩い胸元からは、沙織の豊満な果実が今にも零れ出してしまいそうだ。
「それ以上は見せたらダメだよ。だから気を付けるんだ」
沙織にだけ聞こえるように耳打ちする。
「うぅ...勇太さんの変態ぃ...」
潤んだ瞳で睨まれてしまった。
「そうだよ、変態さんだ」
「知ってますっ...もう」
再び先ほどと同じやり取りをしつつ、適当に魁人君用のお茶を1本だけカゴに入れて、レジへと向かう。
「お、お願いします」
少し内股気味の沙織がレジにカゴを置いた。
「お預かりします」
レジのお兄さんが無表情で商品をスキャンしていく。...その間も、チラチラと沙織の胸元に視線が向いていた。まあ、普通の男なら仕方ないだろう。
「っ...」
沙織もその視線に気が付いているらしく、恥ずかしそうにパーカーの裾を握っている。しかし、それでも胸元を隠そうとはしないところが彼女の律儀なところだろう。
「サンドイッチが1点と―――えっ?」
コンドームを手に取り、沙織の顔と胸と俺の間を何度か視線が移動した。...気持は分かるが、接客業としてはいかがなものかというリアクションだ。
「いかがなさいました?」
笑顔で尋ねた。...ニヤケ顔ともいう。
「い、いえ...に、日用品が...2点」
何とも言えない表情でレジを通す店員のお兄さん。
「っ...」
さすがに恥ずかしさが限界に達したのか、沙織はパーカーの裾を握って胸元を隠してしまった。
「...2600円です」
「は、はい...」
沙織は現金払いを選択し、俺が渡した5000円札をレジに投入した。...ちなみに、その間もレジのお兄さんは沙織に視線がくぎ付けであった。
「おつり、です...」
おつりの2400円を俺に手渡す沙織。その顔は耳まで赤く染まっていた。
「ありがとう。ほら、商品も受け取らないと」
「は、はい...っ」
再びレジの方に身体を向け、お兄さんが動揺しつつも袋詰めしてくれたレジ袋を受け取った。
「行こうか」
「はい...」
「あ、ありがとうございました~」
レジのお兄さんの声を背中に浴びつつ、店内を後にした。
「...え?」
魁人君の元へと足を運ぶと、今度は彼も沙織の胸に視線がくぎ付けになっていた。ちなみに、店員のお兄さんと違って思い切り沙織の胸へと視線が注がれている。...さすがにもう少し遠慮してもらいたいところだ。
「お、お待たせ、魁人」
耳まで赤くしながら彼に話しかける沙織。...傍から見ても視線が合っていないのは本当にいかがなモノか。
「お、おう...」
沙織の胸から視線を上げずに返事をする魁人君。さすがに沙織も恥ずかしいらしく、先ほどの会計の際よりあからさまに胸を隠している。
...見ていられないな。
「沙織、パーカーのファスナーが落ちてるよ?」
後ろから抱き着くように手を回し、パーカーのファスナーを上まで引き上げた。
「むぅ...」
自分が下ろしたくせに...と言いたげな視線だ。
「か、魁人はコレだよね?」
直ぐに視線の合わない魁人君に向き直り、サンドイッチと緑茶を手渡した。
「お、お、俺のは...コレ、だけ...だ」
視線が沙織の全身を駆けまわっている魁人君。そんなにジロジロ舐め回すような視線を向けられたら沙織も嫌がるだろう。
「これも受け取って欲しい。ミックスサンドだけだと喉が渇くでしょ?」
サンドイッチだけを受け取ろうとしていた彼に、緑茶も押し付けた。...いや、さすがにサンドイッチだけでは喉が渇くだろ。
「...あ、ありがとう、ございます」
魁人君は大人しく受け取っていた。
「それではこれで。沙織、行こうか」
...これ以上、魁人君の視線に晒すのは可哀想だ。
「う、うん。魁人、またね」
小さく手を振る沙織。...本当に律儀で優しい子だ。
「あ、ああ」
そのまま彼に背を向けて、愛車へと足を運ぶ。
「..............え?」
背後で魁人君の声が聞こえた気がした。
「...ん?」
その後、ダダダッという慌ただしい足音と共に店内へと駆け込む姿が見えた。
「魁人...どうしたんだろう?」
助手席に乗り込みながら不思議そうに入り口を眺める沙織。
「さあ...閉めるよ?」
「あ、う、うん」
沙織が身体を挟まないように気を着けつつ、助手席の扉を閉めた。...それと同時に、ビターン!と激しい物音が店内から聞こえてきた。
「え?」
よく見ると、日用品コーナーの前で魁人君が転倒している。
一応、様子を見ていたのだが、すぐに起き上がっていたので大丈夫なのだろう。
「...あっ」
そうだ。あの辺には沙織の愛液が...つまりは俺のせいか。
「...まあいいか」
そして、俺はそのまま車に乗り込んで発進させたのであった。
...視界の隅には、日用品コーナーでへたりこんでいる彼の姿が見えた気がした。
――――――――――――
「...もう。本当に恥ずかしかったんですよ?」
海老沢家に帰宅して開口一番、沙織は抗議の声を上げた。
「ごめんごめん。でも、沙織もちょっと興奮したでしょ?」
あの濡れ方は尋常ではなかった。...というか――
「確かに...ちょっと、興奮はしました、けど...」
「ちょっと?本当に?」
俺は...沙織の細い腰を抱き寄せた。
「ひゃっ!?ゆ、勇太さん?...ふあっ♡」
ワンピースの裾を捲りあげ、内ももをなぞるようにして秘所の入り口に触れた。
「ちょっと、じゃないでしょ?」
くちゅくちゅと音が聞こえる膣口。内ももは愛液でぐっしょりと濡れている。
「ご、ごめんなさい...本当は...すっごく興奮してました...っ...♡」
とろとろに蕩けた膣口。興奮して赤らんだ白い肌。パジャマに擦れてぷっくりと膨らんだ乳首。
――既に準備が整っている沙織の身体がその答えだ。
「よしよし。素直に言えて偉いぞ」
「はい...店員のお兄さんに胸を見られているときも...魁人が私の身体をジロジロ見ているときも...すっごく興奮してました...♡」
沙織も中々仕上がってきたな...
「でも...一番興奮したのは...♡」
沙織は俺に抱き着き、耳元に桜色の唇を寄せてきた。
「勇太さんがお股を触ってくれたとき、です...♡」
甘く蕩けるような囁き声。
さすがに俺もこれ以上我慢できなかった。
「沙織...っ...」
「勇太さん...んぅっ♡♡」
激しく舌を絡めあうキス。
引きはがすようにはぎ取るお揃いのパーカー。
緩い肩紐を下ろし、あっという間に沙織の素肌をリビングの照明の下に晒す。
「勇太さん...好き...大好きっ...♡」
激しいキスを交わしながら、貪るようにお互いの身体を愛撫しあう。
「もう我慢できない...
「はい...♡私も...もう我慢できないです...ひゃっ♡♡」
食卓の上に沙織を仰向けに押し倒し、両足を大きく開かせて膣口を晒した。
「はぁ...はぁ...沙織...っ」
とろりと愛液が溢れ、フローリングにぽたぽたと垂れていく。
「
「ああ...」
乱暴にコンドームを箱を破り、慎重に剛直にゴムを被せていく。
「はぁ...はぁ...はぁ...♡♡」
その様を吐息を荒げながら見つめる沙織。その間も愛液の雫は増えていく。
「沙織...」
沙織の足を抱え、膣口に亀頭を押し当てる。そして――
「勇太さんっ...ああっ♡♡」
じゅぷん!と根元まで挿入した。
つい十数分ほど前まで会話をしていた幼馴染が、ほんの数メートル隣の家のリビングで大股を開いてセックスをしている。
そんな魁人君の心情を想像しつつ、俺は目の前の愛しい恋人に向けて腰を振り続けたのであった...