嫌っていたはずの令嬢に好意を抱いてしまった彼女はその態度を急変させ、ユミエラにも好感度UPアイテムの効果が──
お互いにお互いを好きなってしまった二人は背徳的な行為にのめり込んで……
※skebにてリクエストいただいて書いた作品です
※プレイ内容:レズ、キス、愛撫、69、アナル、ペニバン、双頭ディルド等
「あの……お味はどうですか?」
アリシアの様子がなんだかおかしい。
同じベンチに座ってこちらを見つめてくる原作主人公を、ユミエラ──ユミエラ・ドルクネスは戸惑いながら見つめ返した。
制服のスカートを穿いた脚の上にはアリシアの持ってきたクッキーがある。
味。
味は、
「美味しい」
「っ、良かったぁ。味見はしたんですけど、好みもあるじゃないですか。お口に合わなかったらどうしようかと」
美味しいのはいいが、彼女が自分に差し入れを持ってくるとは。
毒入りかとも疑ったが身体に異常が出る気配もない。
(もし毒でもレベル99のユミエラは毒一発では死なない)
原因は何か。
思い返してみると、それは先日の一件だった。
『私の酒が飲めないって言うんですかぁ!?』
アリシア──アリシア・エンライトが食堂で酔っ払った挙げ句、周囲に絡んだりして暴れた。
他人事みたいに言ったが酒の出どころはユミエラである。
親から『優秀な男に渡せ』と贈られてきたもの。
ラベルは張り替えられておりジュースに偽装されていた。
(こんなもの貰ってもな)
婿入り計画の一環だろうし乗ってやる義理もない。
喉が乾いたら自分で飲もうと思い食堂に持参したところ──対面の席にアリシアが座ったのでなんとなく薦めてみた。
警戒した様子ながらも彼女が口をつけたのは、有名な店の商品に偽装されていたからか。
味も飲みやすく一口では酒と気付かない。
おかげでアリシアも飲みすぎてしまい醜態を晒した。二人揃って学園長からしこたま怒られた。
あの酒──本当の銘柄を聞いたのは騒動の後で。
(そういえば、「ヒカユウ」にもそんなアイテムがあったな)
恋愛シミュレーションパートに興味がなかったので忘れていた。
効果は好感度の上昇。
終盤で開放されるダンジョンの特定の敵しか落とさないのであまり意味はないのだが、贈ると対象キャラの好感度が『大幅に上昇』する。
レベル上げには役に立たないゴミ(※ユミエラの主観)だ。
(もしかしてそのせいか?)
思いながら、さくさくとクッキーを咀嚼する。
ちなみに「アリシアのクッキー」も好感度アップアイテムだ。
こちらは序盤から複数、無償で手に入る。
効果も低いが全部同じ相手に使えばそこそこの影響がある。
攻略において必須ではないが、多少選択肢を間違えても意中の相手を攻略できるようにという救済措置だ。
まあ、別に邪険にされるよりはいい。
いざ優しくされると若干気持ち悪いなとは思いつつ、ユミエラはクッキーを完食した。
アリシアは次の日も、そのまた次の日もクッキーを焼いてきた。
◇ ◇ ◇
私──アリシア・エンライトはユミエラさんのことが好きだ。
気付いたのはお酒に酔って二人で一緒に怒られた時。
黒いモヤのせいで見えなかったユミエラさんがはっきり見えるようになって、私は初めて彼女がどんな顔をしているのか知った。
綺麗な女の子。
長い黒髪も艷があって禍々しさとは程遠い。
レベル99と言われても信じられないくらい威圧感のない、私と同い歳の女の子。
どうしてあんなに怖がっていたんだろう。
なんだかとても申し訳なくなって、私はクッキーを焼いた。
ユミエラさんは今まで感じの悪かった私に文句も言わず食べてくれた。
無表情のまま次々食べていく様子はなんだか小さな動物みたいで可愛くて、もっと見ていたいなと思った。
だからまたクッキーを焼いた。
隣に座って話をすると、返答は少ないけれど黙って聞いてくれる。エド君たちとお話するのとも違う、でも楽しい時間。
一緒に過ごせば過ごすほど気持ちは膨らんでいって。
「……ユミエラさんと一緒にいるの、すごく楽しいんです」
思い切って打ち明けたら、感情のわかりづらい黒い瞳が私を真っ直ぐに見て。
「……私も、こうしてあなたといるのは嫌いじゃない」
「っ!?」
胸が、跳ねた。
思わず手を握って「じゃあ、もっと一緒にいて!」と言ってしまう。
彼女はそれでもきょとんとして「ええ」と頷いてくれて。
もっと一緒にいたい。
もっとお話したい。
心から思うようになって。
なのに、私とユミエラさんとの時間には邪魔が入るようになった。
エド君たちが「彼女とは距離を取れ」と何度もしつこく言ってきたのだ。
黒い髪。エド君から聞いた魔王の話。不気味な闇魔法の使い手。
確かにユミエラさんは怖いところもあるけど、でも、話してみると普通の女の子なのに。
悩んだ私は、あの時貰ったお酒を少ない手持ちのお金で買って、夜、自分の部屋にユミエラさんを招いた。
『あのお酒には贈った相手と仲良くなる効果があるの』
雑談で何気なく教えてくれたのを思い出したからだ。
「また酔っ払われても困るんだけど」
「二人でお話しながら飲めば大丈夫だよ!」
二人だけで乾杯して、グラスに口をつけた。
飲みやすくて美味しい。
相手を窺うと、なんだかいつもよりぽうっとした雰囲気。
彼女はじっと私を見て、
「アリシアさんは思ったよりもいい人ですね」
「……そんな、私なんて」
もしかしたらこの気持ちはまやかしなのかもしれない。
本当にこのお酒に不思議な力があるなら、それに惑わされているだけなのかもしれない。
でも、私にこれを飲ませたのはユミエラさんで。
なら、彼女も私と仲良くなりたかった……っていうことで。
もっと仲良くなるために同じことをしてもきっと大丈夫。
私は彼女にどんどんお酒を薦めた。
ボトルの中身はどんどん減っていって、やがて空になって。
自分も何杯か飲んだせいか身体が熱い。
「好きです、ユミエラさん」
勢いに任せて言えば、彼女はほんのりと頬を赤く染めたまま、
「私も、アリシアさんのこと好きですよ」
ああ。
もうだめだ、と、私は思った。
気付いた時にはグラスを置いて彼女に抱きついていた。
いい匂い。
長い黒髪がすぐ近くにある。どきどきしながら「抱きしめて」とお願いすると、意外なくらい細い腕にぎゅっと力が籠もった。
柔らかい女の子の腕なのに力が強い。
「痛くないですか? 私、力加減が上手くないので」
「……ううん、大丈夫」
密着しているのが嬉しくてたまらない。
重ねた身体から、ユミエラさんも少し緊張しているのがわかった。
至近距離から見つめて、目を閉じながら唇を近づける。
女の子同士なんて本当はおかしいけど、こうしたくてたまらない。
ユミエラさんは、ぜんぜん抵抗しなかった。
何秒間か触れ合ってからゆっくり離れる。
目を開けると、彼女も瞑っていた目を開くところだった。
「キス、しちゃったね」
「そうですね」
「嫌じゃなかった?」
「嫌ではありません。アリシアさんなら」
「っ」
いったい何回、私をどきどきさせれば気が済むんだろう。
「じゃあ、もっとお願い聞いてくれる?」
ほんの少しの間を置いて、ユミエラさんは頷いてくれた。
「はい。私にできることなら」
なら、嫌って言われるまでどんどんお願いしてしまおう。
お互い、酔いが覚めたらこんなことできないかもしれないから。
「頭を撫でてください」
「好きって何回も言ってください」
「もう一回キスしてください」
胸が苦しい。
触れれば触れるほど、お願いが受け入れられれば受け入れられるほど、ユミエラさんのことを好きになっていく。
「ユミエラさんって……処女、ですか?」
「もちろんです」
「でも、いつかは結婚するんですよね? 婚約のお話が来てるって」
「そうですね。したくないですけど、いつかは結婚することになるかもしれません」
胸に痛みが走った。
私は両手で胸を押さえながら、尋ねた。
「好きな人と結婚するとしたら、誰としたいですか?」
黒い目が、私だけをじっと見つめる。
唇がゆっくりと開く。それを見た私は衝動的に彼女の唇を塞いだ。
強く唇を押し付けて、離して。
呼吸が乱れているのを感じながら、囁くように言った。
「私も脱ぎますから、ユミエラさんの裸も見せてください」
「……はい、いいですよ」
静かな夜の部屋で、私たちが服を脱ぐ音だけが聞こえる。
一枚脱ぐたびにどきどきが強くなるのを感じながらちらりと見る。淡々と脱いでいるようなのにユミエラさんの手つきも遅い。
結局、私たちが服を脱ぎ終えたのは同時で。
「綺麗……」
「アリシアさんも女の子らしくて素敵だと思います」
白い素肌。
私とは全然違う、無駄なところのない身体。
自分が恥ずかしくなったけど、ユミエラさんは褒めてくれて。
「……ベッドに」
「はい」
ベッドの上で重なり合うようにして私たちは抱きしめあった。
服を着ていないと肌が密着して、溶けてしまいそうになる。
二人とも、どきどきしてる。
「大人のキス、ってどうするか知っていますか?」
「経験はありませんが、舌を入れるんでしょう?」
戸惑いながらのキスはなかなか上手くいかなかったけど、何度もしているうちになんとなく「こうかな?」と思えるようになって。
ユミエラさんの唾液が私の中に入ってくるのはとても恥ずかしくて、切なくて、とても嬉しかった。
「ね……抱いて?」
お願いすると、ユミエラさんは「はい」と答えた。
何度もキスしながらお互いの身体に触れ合う。
細い指でなぞられただけで身体がびくっとして変な声が漏れてしまう。
「声はなるべく抑えてくださいね。壁は厚めですけど、隣に聞こえてしまうかもしれません」
「んっ……♡ こういうの、慣れてるの……?」
「もちろん初めてです。でも、やり方は知っています」
一番大事なところに指で触れられる。
こんなことならもっと綺麗にしておけばよかった。後悔しながら見様見真似でユミエラさんに触れた。
何度も何度も、初めての気持ちよさが走る。
身体の奥から溢れてきた液体がユミエラさんの指を濡らして、私の指も同じものでとろとろになる。
お互いの息遣いと我慢しきれなかった小さな声。
いつかは誰かと、とは思ってた。
でも、こんなに、好きな人とするのが幸せだなんて思わなかった。
私たちは息を殺すためにさらにキスを繰り返しながら、気持ちのいい波に身を任せて、ゆっくりとそれに押し流された。
気だるい余韻に浸りながら話をした。
「普段は仲が良くないふりをしよう?」
「……それはどうして、ですか?」
抱きしめ合いながらでも淡々としていたユミエラさんが少し怒ったように聞いてくるのがなんだかとてもおかしかった。
「エド君たちに説明できないもん。だから、こういうことするのは夜の、この部屋だけ」
「……わかりました。誰にも見つからないようにここへ来るのは骨が折れそうですが」
レベル99でも難しいことはあるんだ、と、私はもっとおかしくなった。
それから、私たちは元の関係に戻った。
学園では挨拶もしない。
エド君たちと今まで通りお喋りをして、魔王対策を練る。
でも、ユミエラさんが魔王なんじゃないか、っていう話にだけは乗らない。
「ユミエラさんがそんなひどいことするわけないんだから」
「アリシアさん。こんな時にそんな話をしなくても」
「んっ♡ だって、あっ……♡」
ある夜は、お互いの大事な部分を相手に晒した。
互い違いの格好で触れて、撫でて、キスをする。
二人きりの夜に慣れるほど私たちの身体は濡れやすくなって、ユミエラさんのそれを舐めるとすごくどきどきした。
「アリシアさんの弱いところもわかってきました」
「やぁっ♡ ユミエラさんっ、もっと優しくっ♡」
「そう言いながら、本当はもっといじめられたいんですよね?」
いじめて欲しい、とお願いするとユミエラさんは的確に私をいじめてくれた。
私の気持ちいいところばかりいじってきて、やめてと言ってもなかなかやめてくれない。
おかげでくたくたになってしまって大変だった。
「ユミエラさんって表情は変わらないけど、身体は敏感だよね?」
「っ♡ アリシアさっ♡ 少し止まって──」
「えー? でもユミエラさんだって私のことさんざんいじめたよね?」
私がいじめると、ユミエラさんはほとんど表情を変えないまま身体だけをびくびくさせる。
抑えきれていない可愛い声はきっと私だけの宝物だ。
私が平民出身で、使用人とかいない身分で良かった。
恥ずかしい染みのついてしまったシーツもこっそり洗えるし、ユミエラさんが窓から侵入してきてもバレにくい。
「制服だと、なんだか恥ずかしいね?」
「アリシアさんが着ようと言ったんでしょう……っ♡」
敢えて制服を着たまましたりもした。
普段学園で会っている時は他人のフリなのに、今は誰にも見せられないようなことをしている。
すごく興奮して、下着がびしょびしょになってしまった。
汚れた下着は私が預かって自分の分と合わせて洗濯した。
「……ね? そろそろ『ユミエラ』って呼んでもいい?」
「構わないけど、学園で間違えて呼ばないようにね」
「えー? じゃあ『ユミエラ』は私のこと『アリシアさん』のままがいいの?」
「っ♡ ……夜だけならいいと言っているでしょう。その、アリシア」
「♡ うんっ♡」
でも、ユミエラには私以外にも親しい人ができた。
パトリック君。
髪の色が比較的近いから親近感を覚えたらしい。
ユミエラは「ただ時々話しかけてくれるだけ。知人と友人の間くらい」って言うけど……私は、なんだか無性に我慢できなかった。
だから、今までとは違う方法でユミエラをいじめることにした。
「アリシア……っ♡ これ、さすがに恥ずかしい……っ♡」
「だーめ。ユミエラは私のものなんだから言うこと聞いてくれるよね?♡」
ほとんど触ってこなかったユミエラのお尻。
しっかり綺麗にしてからキスをして、舐めて、指でいじめる。
普段は凛としているユミエラが声を上げて嫌がるのが楽しくて、私は前と合わせて彼女を一度絶頂させるまで続けてしまった。
それから、道具を取り出す。
「ユミエラったら、こんなすごいの持ってきちゃうなんて。……こういうのでしてほしかったの?」
「違う。人に任せたら調達できたのがそれだっただけで……ひううっ♡」
お尻には、サイズの少しずつ違う玉が連なった道具。
慣らしながらいじめるのにちょうどいいらしくて、試しに何度か入れて、一気に引き抜いてあげるとユミエラは室内に声を響かせて感じてくれた。
最後には引き抜かれただけで絶頂しちゃうくらいになって。
「じゃあ、前にはこれ♡ 明日は一日つけたままで過ごしてね?」
「そんなっ♡ そんなの無……ふあぁっ♡」
「大丈夫、レベル99なんだからそれくらいできるよ♡」
振動する特別な道具を前の穴に固定して、後ろにはさっきの道具を入れて。
下着は穿いていいって言ったけど、ユミエラはすごく感じていた。
これで一日ももつかなあ……?
思いながらも私の独占欲は収まらなくて、そのまま翌朝を迎えて。
ユミエラはすごく頑張っていた。
一人でいることの多い彼女だから黙っていても誰も気にしない。だから気づかれにくいのはあるけど、よく見るといつもより顔が赤いし、ときどきびくってなってる。
そういう日に限ってパトリック君やエド君たちが話しかけてきたりして、私はすごくどきどきしたし、私以外はユミエラの秘密を知らないんだと思うとすごく嬉しくなった。
そうして。
「アリシア……っ♡ それ、もしかして……っ♡」
「そうだよ♡ 今日はこれでユミエラの初めてをもらってあげる♡」
女の子でも男の子の役割ができるようにする道具。
腰にそれを装着した私を見ると、ユミエラはぶるっと身を震わせた。
怖いのかと思ったけど、一日いじめたせいか、えっちな期待が収まらないみたいで。
「……結婚に差し支えちゃうかもしれないけど、それでもいい?」
囁くと、彼女は間を置かずに答えてくれた。
「誰とも結婚できなくなるなら都合がいいわ」
「良かったぁ♡ ……じゃあ、するね?」
今までいっぱいいじめてきたからか、ユミエラはそんなに痛そうにはしなかった。
赤い血は彼女が初めての証拠だし、魔王じゃない証拠だとも思った。
女の子でもこうやって男の代わりができる。
だったら、男なんていらない。
ゆっくり腰を動かしながら慣らしていくと、ユミエラの声がどんどん甘くなって、
ようやく本格的に気持ちよくなってもらえそうだと思ったところで、私は押し倒されて道具を奪い取られた。
「っ♡ なに、するのっ?♡」
「攻守交代よ。……それとも、アリシアは初めてじゃないと困るのかしら?」
「っ♡」
私だって、とっくに覚悟は決まってる。
擬似的な男性器はなんだかユミエラによく似合っていて、私は彼女に組み敷かれながら運命を感じてしまった。
繋がる瞬間は少しだけ痛かったけど。
キスされながら慣らしていくとだんだん痛みはなくなって、身体の奥まで愛される気持ちよさがわかってきて。
私は彼女の頬を撫でながらお願いした。
「ね、せっかくだから、一緒にしよ?」
「ええ。……そうしましょうか」
今使っていた道具に少し似ているけれど、装着型じゃなくて、代わりに偽物の男性器がもうひとつついている道具。
女同士が「繋がり合う」ためのそれに、私たちは向かい合ったまま身を沈めた。
これなら、お互いがお互いをいじめられる。
お互いの初めてを相手に捧げて、本当の意味でひとつになれる。
こんなに幸せなことって、きっとない。
「大好き。……これからもずっと一緒だよ、ユミエラ」
深く繋がったままキスをして、囁く。
相変わらず綺麗な黒い瞳が私を至近距離から見返して、
「ええ。こちらこそよろしくね、アリシア」
その夜は、今までで一番長い夜になった。