未来も希望もない戦場で必死に生き残ってたらモテモテになった件(ハーメルン版) 作:SIS
<戦場のひみつ:光学迷彩は人類軍でも研究されている装備だが、過酷な戦場の環境で安定して稼働させる事のできるレベルのものは膨大なコストがかかるため、実現可能だが実用は不可能、といった評価になっている。今現在はローコストの、カモフラージュ用装備への転用が模索されているという話。>
うっすらと緑色に発光する異星生物の拠点。見ればその光は一定のリズムに沿って明滅しているのがわかる。まるで心臓の鼓動だ。
「あの建造物自体が生きているのか……?」
見入っていると、隣に誰かが立つ気配。振り返ると、ボビーがヘルメットをかぶったまま、隣から崖下を覗き込んでいる。
「見るのは初めてか、中尉?」
「ああ。人類拠点跡地だったりに連中が作った巣は見たことがあるが、何らかの機能を持った設備は初めて見る。……こういうのがあるって事は、私達は異星生物と戦ってるつもりで、その実全然相手にされてなかったって事か? ショックだな、流石に」
「そうではない」
端的に、しかしはっきりと断言されて振り返る。
ボビーは相変わらず感情の欠片も見せないまま微動だにしないまま、言葉をつづけた。
「異星生物の戦力の大半を食いとどめているのは、間違いなく君達一般部隊だ。我々が任務に臨めるのも、君達が異星生物の主力と戦っているからだ。我々の任務が意味を成すのは、君達の働きあってこそだ」
「お、おぅ……」
力強く断言されて、アレックスは勢いに押されるように頷かされた。なんか思ってたよりも一般兵に理解のある言葉が出てきて吃驚したともいう。
存在自体が機密の特殊部隊、精々一般兵など囮ぐらいにしか思ってないと考えていたのだが。実際、アレックス自身鎮圧されかけた訳だし。
「それで、あれをどうするんだ? 爆破でもすんのか?」
「概ねその通りだ。だが、あれを外部から破壊するのは困難だ。侵入し、中枢に爆弾をしかける」
「なるほど……」
確かに、見るからに頑丈そうではある。しかし、あれが異星生物の拠点だとしたら、内部には相当の手勢が待ち構えている事は予想に容易い。ただ突入して、それで済む話とは思えない。作戦が必要だし、当然あるだろう。
「マイク。流れでここまで来ちまったが、私達はどうすればいい?」
「そうだなあ。これまでの流れで兄弟がヤベー奴なのはわかったんで、できれば一緒についてきてもらえば心強いが……流石にそこまでは頼めんよ」
マイクは心底残念、といった風に肩をすくめる。
その事にはアレックスも異論はない。
そもそも彼らは司令部に呼び出されたその足でここまで来たのだ。弾薬も物資もまるで持ち合わせがない。マイク達のような強固な装甲もない。むしろついていっても足手まといだ。
「冷静にこっちの戦力を把握してもらえて助かるよ。どうする?」
「そうだな。こっちも負傷兵を突入に使う訳にはいかないから、ここで彼らと退路を確保していてくれ。無事終われば、一緒に地上に脱出して原隊に送り届ける。……と、そうなると多少の物資は必要だろう。ちょっとまってな、こちらの残りから分ける」
マイクがそう告げた時には、すでに負傷兵の一人がすぐ近くまでやってきていた。彼は自分ともう一人のポーチを手にしていて、その中から弾薬や予備のガスマスクをアレックスに見せてくる。特殊部隊のポーチだけあって色々入っている。
「ガスマスクはありがたいが、弾薬は……」
「ん? いや、使えるだろ、兄弟。確か同じ規格のハンドガン使ってたじゃないか」
「……ああ、あれか」
政治将校から譲られたハンドガンを取り出して、マガジンを取り出す。中に詰まっている残り数発の弾丸を見ると、なるほど、同じ規格のようだった。
「まるで気が付かなかった。どうりで反動がやばい訳だ」
「うん? しらなかったのか?」
「いやだってこいつ手に入れてから一日も経ってねえんだよ。上の司令部に呼び出された時に、政治将校のおっさんから貰ってさ」
「……うん? え、ん??」
マイクが不可解な感じに首を傾げる。一日しか経ってないのにあの精度の射撃を、とか、政治将校からもらった? なぜにWhy? とか、まあ疑問は色々あったが、しばし首をひねってから彼はまあいいかヨシ! と気にしない事にした。
「まあもらっとけもらっとけ」
「ああ、まあ。助かる」
アレックスはポーチを今もってないので、それごと手渡されるのを右手で受け取る。ずっしりとした重みのあるそれを抱えなおして腰に巻いていると、不意にマイクがアレックスの右手首を取った。
「どうした?」
言いながらも、マイクの視線が手の甲に向けられている事に気が付いてアレックスも目をむける。そういえば、さっき、少し傷んだ覚えが。
「うげっ」
思わず声がでる。生身のまま素肌がさらされているアレックスの右手の甲に、黒ずんだ染みのようなものが出来ていた。内出血の痕だとしたら、かなり手ひどく打った後になる。そんな覚えがないので、アレックスは困惑した。
「どうしたんだ兄弟、これ?」
「いや、わかんね。覚えがないんだが……知らない間でここまでひどく手を打ったのか?」
「うーん……もしかして、戦争初の異星生物感染症、とか?」
「や、やめてくれよ縁起でもない」
「大丈夫なのか、中尉。痛んだりは?」
「いや、今の所……痛っ……!?」
ボビーが心配そうに声をかけてきたところになんでもない、と返そうとしたアレックスは、不意に手に奔った激痛に身を折った。
急に襲ってきた激痛。まるでナイフで手の甲を貫かれたような痛みに脂汗がでる。
「おい兄弟……っ!?」
膝をついたアレックスを心配して声をかけたマイクが、はっとしてはじかれたように顔を上げる。その目は別の動揺に見開かれていた。
彼の視線の先で、ぐしゃり、と倒れる人影。
離れた場所で待機していた負傷兵の一人が、糸の切れた人形のように地面に転がっている。その体の下から、じわじわと広がる、赤い染み。
すぐ近くにいたもう一人の負傷者が、助け起こそうと歩み寄るのを見て、マイクが警告を飛ばした。
「無駄だ! 離れろ……」
その警告は、遅かった。
びぐん、と負傷者が躰を震わせて立ち尽くす。その胸元から、唐突に真っ赤な角が生えた。
いや、違う。それは、犠牲者の血で染まった刃で……。
ズギン、とアレックスの右手が痛む。まるで存在を主張するように、黒い痣が甲に食い込み、血が流れた。
ぐん、と刃が犠牲者を持ち上げる。2m越えの、半壊しているとはいえパワードスーツを装着している大男の躰が、幼子のそれを持ち上げるように宙に浮いた。ず、と刃が引き抜かれ、ぐしゃりと犠牲者の躯が床に落ちる。
「撃て!!」
マイクの指示で、一斉に他のメンバーが射撃を行った。だが、透明である事を差し引いても命中した様子がない。
一瞬でその場を離れた敵を完全に見失い、隊員達はマイクの元へ集うと集団密集陣形を取った。身をがっちり寄せ合って、子を守るマンモスの群れのように警戒する。
「誰か奴の姿を捕らえた者はいるか」
「熱源感知に反応ありませんでした」
「紫外線走査も、磁気感知にも反応なし。我々の備える走査システムでは奴を捕捉できません」
「くそ、マジかよ」
マイクが打つ手なし、という報告に舌打ちする。アレックスは彼の隣で銃を構えながら、意見を上げた。
「音響は? 奴は実在する存在だ、環境との干渉は絶対に発生する。足音か何かを追えば……」
「そんな高性能な音響感知システムは我々にも搭載されていません、中尉。仮にそれで捕らえたとしても、発砲音で見失ってしまいます」
「ああ。くっそ、耳だけで戦えるサイレントキリングの達人で、なおかつ近接戦闘のプロフェッショナルみたいなあり得ないレベルで都合のいい人材が……この中に、にいないか……ね……?」
言ってる最中でマイクの愚痴がトーンダウンする。その視線は、アレックスに向けられている。他の隊員も思い当たったのだろう、ヘルメット越しにアレックスに視線を向けていた。ただ一人、ネルスだけが顔を真っ青にして震えていた。
「ま、待って、待ってください。アレックス隊長一人に、あんな化け物と戦わせるつもりですか……?」
「あ、いや。そういう訳じゃ、ないんだが……。さ、流石に、なあ……」
「……いや。妙案だ」
アレックスはナイフを抜き、前に出る。本気でやりあうつもりの彼に、流石のマイクも顔色を変えた。
「ま、まてウィンザード中尉。無謀すぎる! せめて、俺達の中から何人か支援を……」
「あんたらのクソデカ銃に発砲されたら耳が馬鹿になる。一人の方がまだ生存率は高い。いいか、適材適所だ。俺がアイツを対応するから、アンタたちは本来の任務に向かってくれ。贅沢を言えばネルスを連れて行ってくれると助かる」
「しかし……! 奴がお前を狙うとは限らないぞ?!」
「いや、多分大丈夫だ」
アレックスは今もズキズキと痛む右手を見せる。血のにじむそれを見て、マイクが息を飲んだ。明らかにこの短時間で急激に悪化している。
「異星生物の感染症、あながち冗談じゃないんじゃないか? もしかすると、奴が殺し損ねた相手につけるマーキングか何かだったりするかもな。その場合、迷惑をかけているのはこっちになるんだが……そうだったら悪かったな」
常識的な生物でも、珍しい話ではない。集団生活をする蜂の仲間には、自身を殺した相手に攻撃フェロモンをしみこませて味方の集団攻撃の対象にしたりする種がいるし、肉食性のトカゲにも獲物に傷を負わせた後で出血死するまで延々と追い続ける種もいる。
ましてや相手は異星生物の特殊工作員だ。特定の相手を追跡して排除するための能力を与えられていてもおかしくはない。
「……わかった。ネルス二等兵、我々とこちらに」
「アレックス隊長……!」
「大丈夫だ、ネルス。心配するな……故郷の熊の方が、よっぽどやばい」
「いや急に隊長の故郷のトンデモ生物引き合いにだされても……」
「……意外と冷静だね君……」
気の抜けたやりとりに肩が落ちる。が、強張りは取れた。
後ろ髪をひかれるように躊躇うネルスの肩を押し、特殊部隊の方に押しやる。力強く頷くマイクにあとは任せて、アレックスは一人、崖上の広間に残って進み出た。
これでDEATHがアレックスを放って特殊部隊を追いかけていたら道化もよい所だが、その心配はないとアレックスは確信していた。
殺気、というか、敵意、というか。あるいは、興味か。そんな気配をバリバリに感じているからだ。
特殊部隊の重たい足音が遠ざかっていくにつれ、広間に静寂が戻ってくる。耳が痛いような、静寂の世界。その中でアレックスは確かに、湿った何かが岩盤を踏みしめる音を聞いた。
「ふっ!」
ポーチに突っ込んでいた実弾を何発か、気配のある方に投げつける。もちろんダメージ目的ではない。透明になっているとはいえ、実体が存在するのだ。正確な場所を把握するための目印ぐらいにはなる。
投げつけたのは三発。そのうち一発が、何もない空中でコン、と跳ね返った。
すかさず、ハンドガンとレーザーピストルを連射する。レーザーが透過してしまうのは確認済みだが、この状況なら誤射の心配はない。何より、あのレベルの光学迷彩を維持し続けるのは難易度が高いはずだ。ハンドガンの攻撃を受けても、それを維持できるとは思えない、というのがアレックスの狙いだった。
ほんの一瞬の攻防。その結果を見届けて、アレックスはにやりと笑った。
「10円ハゲが見えてるぞ、お前」
一見、何もない空間。そこに僅かな染みのように、灰色のくすんだ色が浮かび上がっている。レーザーで焼かれ変色した皮膚の色だ。さらにいえば、全体的な迷彩の精度が落ちている。さきほどまでは油に沈めたガラスのようにまったく輪郭さえ見えなかったが、今は水に沈めた時のように、透けてはいるものの輪郭がはっきりと見える。薄暗がりの頼りない明かりではふとした拍子に見失ってしまいそうだが、先ほどまでと比べれば天と地の差がある。
DEATHは流石というべきか、ハンドガンの銃弾については全てはじき返した。恐るべき反応速度だったが……おそらくそれに光学迷彩が付いていけなかった。そこにレーザーが刺さり、透過しきれなかった熱量でダメージを受けたのだ。
観念したように、空間に浮かび上がるように異形の姿が露になる。黒い水面から浮かび上がるように、DEATHがその姿を顕した。
露になったDEATHの姿を見てアレックスが思ったのは、なんか見覚えがある姿だな、というものだった。勿論、本物を見たのは初めてだ。
粘液をまとったつるりとした、半透明な灰色の肌。後頭部が長く伸びた頭部に、四角い瞳孔の瞳。口元は無数の触腕が束ねられてタコを思わせる。全体的にひょろりと長く、一見すると人間に近いが、関節の位置や数が微妙に異なる。指は手足ともに三本、肢はどことなく逆関節気味で、腕は左右で長さが非対称。長い右手の中指の爪が異様に発達して、大型ナイフのようになっている。それに加えて、肩から広がる外套膜のような半透明の皮膜がマントのように体を覆っており、どことなくポンチョを羽織った殺し屋のように見える。
異形の姿ではある。あるのだが、同時にアレックスはその事にひどく違和感を覚えた。
DEATHの話を聞いて、アレックスもどんな姿かを想像したりした。その想像の源は、旧世紀のクリエイター達が想像力を働かせて生み出した空想上のエイリアンなどであったが、不思議なことに、今目の前にいるDEATHの実態は、その空想に近しいものがあった。全くの未知であるはずの存在が、空想のそれと近いし姿を持っている、というのは、ひどく現実感がなかった。
早い話が、作り物っぽいのだ。
人間の感性に近すぎるともいう。相手は、言葉も文化ももたない異星生物の工作員であるはずにも関わらず、だ。
「お前……なんだ?」
言葉が返ってくるとは思わないが、思わず疑問が口を突いて出る。
当然、相手もそれにこたえる事はなく、無言で右手の爪を持ち上げて構えた。アレックスもそれに応じる。
そのまま両者にらみ合ったまま、じりじりと距離を詰めていく。剣士が互いに申し合わせたかのように、何もかも違うはずの二つの生命は、同じように刃を構えた。
遠くから、銃声が聞こえる。特殊部隊達が拠点に突入を開始したのだろう。
それがきっかけになった。DEATHが姿を見せたまま踏み込み、アレックスがそれを迎え撃った。
キィン! と音を立てて両者の刃が交わる。
早い。その上、正確。そして同時に、酷くなじみのある動きだ。間違いなく、DEATHの戦闘技能は、人間のそれを参考にしている。
至近距離で、両者の刃が交錯する。刃を打ち合わせ、回避し、腕を抑えこみ、互いに互いの攻撃を避けつつ致命の一撃を伺い合う。
考えていては追いつかない。超至近距離でのナイフ戦は、普段どれだけ鍛錬をしているか、どれだけ状況を想定して動きを詰めているかがものを言う。数学の計算式か、あるいはプログラムのマクロのようなものだ。一つ一つの挙動をまとめて型としてセットし、それをどれだけ的確に組み上げていく事ができるか。
そもそも、この距離での戦いはナイフだけが脅威ではない。拳や蹴り、頭突き、組み技。ナイフ戦は格闘戦の延長ともいえる。その点では身体能力において大きく勝り、対人戦闘技術を盗用しているDEATHが圧倒的に有利であったが、しかしアレックスは経験で食らいついていた。圧倒的故にこれまで苦戦をした事もまともな戦闘が成立した事もなかったのだろう、DEATHの動きはアレックスからすれば実に素直で読みやすく、それが両者の戦闘力のバランスを辛うじて釣り合わせていた。そうでなければ、銃弾を切り払うような動体視力と反射神経の持ち主相手に近接戦闘など成立する筈がない。もし読み合いではなく、身体能力に物をいわせた一撃離脱を徹底されたらアレックスに成す術はなかっただろう。
それでもやはり、人間の膂力で抑えきれる相手ではない。一度ならずとも、刃に押し負けてナイフが滑り、ついでのように振りかざされた爪がアレックスの肩口を引き裂き、体のあちこちに生えた棘が彼の躰を傷つけた。だが、その痛みでアレックスの手先が狂う事はない。
交錯が10程を過ぎた所で、一度互いに距離を置いた。ほんの数十秒の交戦だったが、本人達からすれば数時間と戦い続けたような消耗だった。ほんの一手間違えれば、急所に刃を突き立てられて終了の詰将棋な交錯。アレックスはこのわずかな時間で酷く消耗していた。
だが、それはDEATHも同じ。人間を超えた身体能力で、修練された人間の技を振るうこの怪物は間違いなく特級戦力であり、だからこそ自分と同等に渡り合ったアレックスの存在に感情を乱されているようだった。“彼”もまた消耗しているのか、その体表を覆う粘液は白く濁り、まるで呼吸を整えているかのように距離をおいて沈黙を保っている。じっとアレックスを見つめるその胸に去来するのは、怒りか、興味か。
これまた申し合わせたように、互いに睨み合ったまま小休憩のような状態が続く。アレックスは視界を遮らないように額の汗を拭い、DEATHは調子を確かめるように右手の爪をわきわきと動かしている。
その間にも、遠くから聞こえてくる銃撃音は激しさを増す一方だった。これだと姿を消されると足音が聞こえないな、とアレックスは危惧する。
ぐ、とDEATHが腰を落とし、あからさまな突撃の姿勢を見せる。あからさますぎて罠を疑うが、アレックスも応じざるを得ない。
「………!」
地を這うような低姿勢で駆け寄ってくるDEATH。その姿が、不意に霞んだ。
光学迷彩。
だが、辛うじて姿が見える程度のものでしかない。これなら問題なく対応できる、と判断しかけたアレックスだったが、直後に猛烈な危機感を覚えて腰を落とした。反射に遅れて、脳裏にいつぞやの光景がフラッシュバックする。
基地司令部での出来事。DEATHを迎撃しようとして、明らかに間合いの外で飛ばされた兵士の首。
ブッ、とアレックスの前髪が数本まとめて飛んだ。さっきまでアレックスの首があった所を、見えない大鎌が通り過ぎていく。以前と違い光学迷彩の機能が低下しているためか、アレックスはそのカラクリを今度ははっきりと目撃した。
(関節が……一つ……いや、二つか)
迷彩でぼやけているが、あきらかに関節が増えて伸びている。人間でいう手首からさらに二つ関節があり、それがぴったりと折りたたまれて偽装されていたのを伸ばす事で、1m以上間合いが大きく延長される、それが遠い間合いの秘密だった。
外見上が人型だからって関節の数も同じ、リーチも同じ、なんて考えるお花畑は多くないだろうが、そもそも目視も困難な機動性に加え、光学迷彩で視認を妨げているのもあって初見殺しもいい所だ。アレックスも一度見ていなかったら反応できなかっただろう。
だが、種が見えてしまえばそんなもの、大道芸だ。
無意識のうちに奔ったナイフが、伸びた関節を切りつける。一撃で切り落とす、とまではいかなかったもの、深い裂傷を刻み込み、青紫の血を流させた。
そのまま転がるようにしてDEATHの足元から離脱し、背筋を使って一息で身を起こす。追撃に備えて立ち上がったアレックスに対し、DEATHはその場で佇んだまま、ナイフの傷を左手で押さえるようにして佇んでいた。
四角い瞳孔が、まっすぐにアレックスを見つめている。その視線が、何故、と問うている気がして、アレックスはその疑問に答えてやる事にした。
「俺達の技術をよくモノにしてるよ、お前は。なのに最後の最後で自分の躰の特異性に頼っちまった。それが失敗だよ」
アレックスとしても、DEATHのナイフ捌きは相当のものだったと評価できる。強い目的意識をもって、人間の技術をまねたのだろう。あのまま至近距離で交戦が続けば、倒れていたのはあるいはアレックスだったかもしれない。
だがDEATHはアレックスの抵抗に焦れて、手っ取り早く片付けようとした。それがよくなかった。何故なら、人間の腕関節は肩と肘と手首の三つであって、奴のように五つではない。それはすなわち、せっかく学んだナイフの合理を捨てて、力任せ勢い任せに腕を振るだけの稚技に落ちてしまったという事だ。遠心力と腕力にものを言わせて振り回すだけで、速度と力こそあるけどその後のフォローや対応を考えていない素人の攻撃。だから回避されたが最後、あっさりと反撃を許した。
「……ギッ」
まるでアレックスの言葉に答えるようにDEATHがうなり声をあげて、あれもしかしてほんとに通じてる? とアレックスは瞠目した。確かに工作員ならこちらの言葉ぐらい把握してるかもしれないが、リアクションが返ってくるとは思わなかったのだ。
「ギ……ギィ」
ぐ、と傷ついた腕を抑える指に力を入れる。そのままアレックスの見ている前で、DEATHは自らの右腕を半ばからブチブチと引きちぎり始めた。青紫の血が噴き出し、筋繊維が糸を引いてちぎれる。凍り付くアレックスの前で自らの右拳を引き千切ったDEATHは、そのままゴミでも放るようにその辺に投げ捨てた。
「何を……」
混乱しながらも、アレックスは警戒しつつ相手の動きを注視した。この敵が、意味もなく自傷するとは思えない。
ぼたぼたと青紫が垂れる右腕の断面。その断面が、不意にブクブクと泡立つ。その意味を測りかねて見守るアレックスにむけて、DEATHは拳のない右腕を叩きつけるように振り上げた。当然、互いの距離は十分に開いており、例え右腕が健在でも爪が届く間合いではない。
にも関わらず、次の瞬間、彼我の距離を飛び越えて細い何かがアレックスのすぐ脇の地面をえぐり飛ばした。
「……な?!」
全く反応できなかったアレックスが、慄いて地面の傷跡に目を向ける。硬い岩盤で構成されているはずの足元が、まるでナイフで粘土をえぐったように細く鋭く抉られている。
DEATHに視線を戻すと、引き千切った右拳のあたりで、何かが蠢いているのが見て取れた。細く長く、粘液質の触手のようなもの……それが、拳のあったあたりの腕の断面から、伸び縮みしている。つい数時間前に激闘を繰り広げた掘削級の攻撃が脳裏をよぎった。
「やっば……」
泣き言を言いきる前に、再び右腕が振るわれる。鞭のように振り回される触手の一撃を、辛うじてナイフで受ける事に成功するも、その一撃で腕がしびれた。おまけにただの一撃でナイフはへし折れ砕け散った。
「てめ、さっきまで遊んでやがったのか……?!」
思わず泣き言みたいな愚痴が出るが、それに対しDEATHはしかめっつらをしたまま呻き一つ返さない。まるで不本意極まりない、といったその様相のまま、二度、三度と立て続けに触手を繰り出す。バァン! と音速を超えた打擲音が鳴り響いた。
ほとんど目視できないそれを、直感と経験で回避するアレックス。足元が削り飛ばされ、次にギリギリでかわした一撃が左の肩口をかすめる。次は……そこまで考えた所で、右肩に衝撃が走った。
不味い、と思ったのは地面に仰向けに倒れてからだ。飛び退った勢いのまま床を転がりながら、身体の芯に響く衝撃と、遅れてやってきた激痛に体が思うように動かない。多分右手は繋がってるとは思うのだが、恐ろしくて確認する気になれない。
回避方向が辛うじてあっていたのが幸いだった。もし敵の攻撃に飛び込むような動きをしていたら、今頃胴体の半ばまで抉り飛ばされていたかもしれない。いやまあ、多少死ぬのが遅れるだけだったかもしれないが。
衝撃で呼吸もできずに喘ぐアレックスの視界に、ゆっくりと近づいてくるDEATHの姿が映る。冷徹な工作員にしては悠長な、こちらの様子をうかがうような慎重な歩幅。おまけに、あちらの鞭が届くがこちらのナイフは届かない距離を開けて足を止めた事に、思わずアレックスは笑ってしまう。
あれを食らって無事な人間がいる訳がない。いくらアレックスでも無理だ。少しこちらの事を高く買いかぶりすぎというか、人間の理解度が足りないのではないか。
笑みを浮かべるアレックスに、露骨にDEATHが反応する。半歩引き、いつでも逃げられるようにしている様は、どちらが追いつめられているかわかったもんではない。もう、アレックスに反撃する余力はないというのに。
これまでか、と覚悟する。脳裏に思い浮かぶのは、最近増えた部下と、可愛い四人の部下と、そして……。
『お兄様……』
「……ああ、いや。まだ死にたくないなあ……」
もはや、アレックスにできる事はない。右手は指先の感覚もなく、左手は痺れて動かない。背骨は衝撃でずれてしまったのではないかと疑う様で、少し体を動かすだけで針で縫い留められているかのような激痛が襲ってくる。絵にかいたような死に体で、しかしそれでも、死にたくないなとアレックスは呻いた。
そして同時に分かっている。これまで、多くの兵士が心の底から死にたくないと願いながら、息絶えていった。その番が、ついにアレックスに来ただけだという事も。
涙で滲んだ視界の中で、死の名を持つ怪物が、右腕を振り上げる。
「今です」
「了解。爆破」
「えちょっと待って正気なの嘘でしょ冗談は大概に……きゃああああー!?」
「オプションパーツの性能、信じてるからねぇーー!」
見上げる闇の底。地底深くから、死神の背中越しにアレックスは光を見た。
爆発の閃光が昼間のように地下空間を照らしたのはほんの一瞬。
続けて、地震のような振動が襲ってくる。地響きで岩壁が崩れ、ばらばらと大小さまざまな落石が降り注ぐ。
それは地下に存在する異星生物の拠点をも襲い、崩落で施設のあちこちが落石に圧し潰された。
当然、そこにいた特殊部隊もたまったものではない。施設の各所に爆弾を設置して撤収中だった特殊部隊の面々は、突然の事態に面食らいながらも落石を避けて避難する。
「何が起きてるんだ?」
「誰が岩盤を爆破したんだ……おい、上を見ろ」
誰かが天井を指さして声を上げる。
この空間の天井は、施設のほのかな光も届かない、海の底のような闇の奥だった。それが、今やひび割れて光が差し、この閉鎖空間を照らし始めている。亀裂はどんどんと広がり、ついには砕けて崩壊を始めた。距離があるので感覚が狂うが、その砕けて降ってくる岩一つ一つのサイズを考えて特殊部隊の面々は顔を青くした。
さらに、その瓦礫に紛れて、何か巨大なモノも降ってくる。ビルのように太く線路のように長い体、頭部回りに大量に生えた棘のような無数の足、闇の中でも輝く無数の目、大きく裂けた口。蟲と蛇足して割らなかったような異形の怪物に、特殊部隊の何人かは薊の蕾を連想したものもいた。
「なんだ、オーガニックフォートレスか?!」
「なんでそんなもんが落ちてくるんだ!?」
口々に疑問を叫びながら退避する部隊員達。必要がなければ喋らない事を心掛けている彼らであっても口数が増える程度には、大分意味の分からない危機という事だ。
「くそ、とにかく隠れろ、つぶされるぞ!」
距離があるがゆえにゆっくり落ちてくるように見える瓦礫の山と化け物の巨体に、特殊部隊員が隠れる所を求めて疾走する。マイクがその先を先導し、最後尾をボビーがネルスを俵抱きにして後に続く。肩に担がれたネルスは容赦なく揺さぶられて目を白黒させながら、降ってくる巨大生物の姿を見上げた。
「……? なにかしら、あれ」
その巨大生物の体表を、ちょろちょろする妙な影がある。なんか見覚えがあるような気がするそれは、ボゥ、と火を噴いて跳躍すると、瓦礫を足場に渡り、壁際へと走っていった。その拍子に崩壊した天井の光で、その車体が照らし出される。
見覚えがあるどころか滅茶苦茶覚えのあるそれに、ネルスの頬がひきつった。
「……え? 27式?」
突然の爆発と崩落に、訳が分からず茫然と見上げていたのは、アレックスと“彼”も同じだった。
むしろ、混乱具合においては“彼”こそが、この場にいるすべての人類より上だったかもしれない。なにせ彼は落ちてきた怪物の事をよくしっていた。
人類の拠点攻略任務において、司令官の暗殺直後に拠点に攻撃をしかける手はずだった大型個体。試作品の失敗作だが、サイズだけは本物なので今回ひっぱりだされた個体だが、やはり性能に問題があり拠点破壊後は待機させていた。
調整後、再び別の拠点攻撃任務に駆り出されるはずだったそれが一体何がどうして落下してきているのか、なまじ事情を知っているために“彼”は状況を理解し損ねてらしくなく棒立ちする事になった。
混乱していたのはアレックスも同じだ。そもそも彼は自分のいるところがどれぐらいの深さとか場所とか、流石に把握しきれていない。まさか地表がわりと近いとか、この地下空間が思ってたよりも遥かに広いとか、ましてや真上にでっかい怪物がいて人類軍がそれを落下死させようと岩盤を発破したとか、さしもの彼も理解が及ばない。
両者が惚けていたのはほんの数秒ほどの事。“彼”もまたすぐに我に返り、落ちてくる巨体とアレックスとの間で視線を往復させた後、再び右腕を振りかざす。あの巨体の落下に巻き込まれればただでは済まないのを分かったうえで、アレックスの排除を優先したらしい。
だが、“彼”が失った時間は、とあるドライバーには十分な時間だった。
蛇のような巨体の上を、アクセル全開で走る車体が一つ。妙な装備を施されたその27式は、のたうつ蛇体を曲がりくねった道だと言わんばかりに全速力で駆け抜け、そのまま跳躍、近くの大きな瓦礫へと飛び移った。そのまま、飛び石のように次々と瓦礫を走り抜けて、地下空間の壁に向かって飛び立つ。
いくらなんでも無茶極まる、それこそただの投身自殺にしか見えない暴挙だったが、凄まじいのはこの後だ。27式に増設されていた強制ブースターが起動し、車体を安定させつつ姿勢を制御、そのまま壁面を坂に見立てたように貼り付いて走り出す。足りないグリップ力は、右側面ブースターを下に向けて噴射、左側面ブースターは車体から見て真上に噴射し車体を壁に押し付ける。どんな暴れ馬でもやらないような無茶苦茶な暴挙だったが、それによって27式は壁面を目的地めがけて激走していた。
なんかおかしいのがいる、と気が付いた“彼”が背後へ振り返る。その視線と、ガキョンガキョンと狙いを定める27式の機関砲の銃口が重なった。
「?!」
猛獣の反応速度で、“彼”が飛び退ってその場を離れる。直後撃ちだされた機関砲が、アレックスをかすめて岩盤に風穴を穿った。至近距離で炸裂する砲弾に、死ぬ! 死ぬって! とアレックスは頭を押さえて丸まった。すごい勢いで砕けた石の欠片が顔に当たる。ものすごく痛い。
「うべべべべ」
さらに砲塔を旋回させ、逃げる“彼”を追い回す。いくら常識外の怪物といえど、あくまで人間と比べての話である。軽戦車ぐらいなら蜂の巣にする機関砲の連射の前では流石にどうする事もできない。
流石にたまらず、射角を切るべく崖下に飛び降りる。
これなら狙えまい、と振り仰いだ“彼”に、ふと黒い影が差す。見上げたその目に入ったのは、今まさに地下空間に墜落しようという、巨大生物の体が天井のように押しかかってくるあり様だった。
「ギ……」
直後、これまでで一番の大激震が、地下空間を襲った。怪物の巨体が有機的な設備を押しつぶし、尖塔が怪物の体を貫き引き千切る。衝撃に3m超の瓦礫がボールのように跳ね、雨のように瓦礫が降り注ぐ。さらには血飛沫と瓦礫と砂煙の入り混じった波濤が生じ、さして広くもない地下空間を押し流していく。
「ぐぐ……」
その波濤を、俯せで伏せて耐え凌ぐアレックス。このままここで寝転がっていてはいけない。今圧し潰された施設には、特殊部隊が爆弾をしかけたはずだ。今のこの状況で爆発した際、どれぐらいの爆発が起きるか想定できない。とにかく少しでも離れなければ。
そう思うのとは裏腹に、極限まで使い倒された躰はぴくりとも動かない。それでもなんとかして距離を取ろうとするアレックスの手を、不意に誰かが掴んだ。
「アレックス隊長、肩を!」
「ネルス……!」
アレックスを抱き起すのは、特殊部隊と共に行動していたはずのネルス。彼女は有無を言わさずアレックスの肩をかつぐと、壁際にむかって走った。アレックスも彼女の足をひっぱるまいと、棒のような足を賢明に動かした。
一方、崩落した異星生物の拠点の奥に、カチカチと時を刻むタイマーがあった。
状況的に、もはや目的は達成されたも同然である。巨大生物の落下で施設は崩壊し、爆破するまでもなく機能を失っている。が、自己判断能力も遠隔操作もきかない単純な時限爆弾は状況の変化を気にする事無く、ゼロに向かってタイマーを刻んでいた。
3。
2。
1。
『Pi』
爆発。
完全な状態の設備を破壊する目的で設置されたそれは、施設の可燃物を巻き込んで一気に炸裂し、ほぼ崩壊した施設を焼き尽くし勢いのままに吹き上がった。その衝撃波は開いた天井から抜け、空高く煙を噴き上げる。
あとには、原形をとどめないほど破壊された異星生物の拠点とその大型個体の焦げ挽肉だけが残された。
「……ああ……」
その爆発を遮蔽物越しにぼんやりと感じながら、アレックスは自分自身がまだ息をしている事に安堵した。
彼が横たわっているのは、地下空間の壁面。隣にはネルスの姿と、正面には爆発から身を持ってアレックスらを庇った27式戦車の姿。その戦車の側面には、はっきりと77の部隊番号が刻まれている。何やら見た事のない装備がゴテゴテと追加されているが、間違いなく見覚えのある車体だった。
「助かったか……」
「みたいですね、アレックス隊長。何が何だかわからないですが」
「ああ……うん……なんか、もう……考えるのしんどいな……」
「……アレックス隊長?」
「少し……眠る……わ……」
こてん、とアレックスの首が倒れる。そのまま彼の意識は、灰色の眠りへと旅立って行った。
最も、その直後に27式から飛び降りてきたミリシアにカンフル剤だの止血剤だの気付け薬だのありったけぶちこまれて強制的にお目覚めさせられたので、アレックスが安らかに眠れたのはわずか数秒ほどだったが。
「……結局生き延びたか、兄弟」
ワーギャー姦しく介抱する第77独立遊撃隊の様子を、気づかれないように遠くから観察しながら、マイクは独りごちた。
唯一の気兼ねであったが、あの様子なら大丈夫だろう。賑やかな周りに囲まれて、結構な事である。少しだけ妬ましい、可愛い子ばかりではないか。
「サー。上と連絡がつきました。地上の部隊にアリステラが合流するようです。残敵掃討や確認の際は、アリステラの方で機密を抹消すると」
「そうか」
頷きながら、大崩壊地点に目をむける。なんだかピタゴラスイッチじみた流れで大惨事になってしまったが、それでも地上の部隊が降りてきて虱潰しに掘り起こせば、戦死した部隊員の亡骸や、異星生物の施設跡、そしておそらく死んだであろう“DEATH”の残骸が確認できるだろう。それは困る。それを防ぐために、アリステラに動いてもらう。
「独断専行している部隊は、アレのほかに居ないな?」
「はい。まあそもそも、この高さをフリーダイブしてくる頭のおかしい奴らが、他にいるとは思えませんが……」
遥か頭上の天井穴を見上げながら、呆れたように部下がいう。全く持ってマイクも同感だった。可能性があればやるべき、といっても、限度という奴がある。
「類は友を呼ぶのか、朱に交じれば赤くなる、というやつなのか……」
「もともとヤバイ連中だったというのもあるのでは? 準特異点をかき集めた部隊だそうですし」
「まあ、そういう事かもな。本物の特異点が一匹混じっていたようだが」
正直人間の秘めた可能性を見せつけられたというか、アレが人間でない方がむしろ納得するというか。自分達が言うのもなんだが、あれを人間の範疇に含まれると、その、なんだ、とても困る、というのがマイクの感想だった。
「いやあしかし知らなかったな。人間、エコーロケーションできるんだな……」
「戻ったら音響探査装置を基本装備に加えますか?」
「そうだな。次があったら困る」
部下の冗談に笑って返し、最後にマイクはもう一度、アレックスに目をむけた。ぐったりと白目をむいたまま部下に車内へ担ぎ込まれている彼に、少しだけ同情を乗せた視線を向ける。彼がこの後たどるであろう宿命を予想できるがゆえに。
「……只人であるなら、ここで死んでおいた方が良かったかもしれないぜ、兄弟」
それを最後に、彼らはこの場を後にする。
彼らは公的には存在しない部隊。その作戦も、戦果も、全てなかった事になる。恐らくはアレックスがDEATHを退けた事も、司令部崩壊から逃げ延びた事も全て無かった事になるだろう。彼らと関わるというのはそういう事だ。
それでも、彼らは……“レオニダスの兄弟”は戦い続ける。己が名誉の為ではなく、人類という種の存続のために。
<戦場のひみつ:様々な種類が存在する異星生物だが、基本的にその名前は発見者によってつけられるか、発見者に関わる名前がつけられる。また名前も二つあり、一つはその役割を示す〇〇級という俗称、それとは別にちゃんとした種名も定められている(実際の所、従来の生物学のいわゆる界門亜目に収まらないので便宜的なものだが)。多くの場合、発見者が生きていればその者が命名、死んでいた場合発見者の名前をもじって種名にする事が多い>