未来も希望もない戦場で必死に生き残ってたらモテモテになった件(ハーメルン版) 作:SIS
「んっ……」
ベッドの上に横たわるミリシアが、喉を逸らし悩まし気な声を上げる。白い喉にはつう、と一筋の汗が流れ、血色好く色づいている。
その様子を観察しながら、アレックスはさながらマウスに投薬する研究員のような視線でミリシアの乳房に指を這わせた。反対側の胸は乳首をつねるように刺激し、繊細な接触を少しずつ深めていく。
「あっ……ん……ああっ……ふぅ……ん」
目を細めて、心地よさげに声を漏らすミリシア。激しくもなく深い訳でもない愛撫に、しかし酔うように楽しんでいる。ぴく、と小指が引き攣る様に曲がる。
ミリシアと関係を持ってから数か月。それまでの乱暴かつ一方的な性経験から、ペッティングのようなプレイには鈍感といっていいほど反応を示さなかった彼女だが、意図して接触を増やすうちに大分慣れてきたようだ。
性器と性器を擦り合わせるだけがセックスではない。それは頭でも理解していただろうが、経験がなかった。それにアレックスの見立てだと、現実逃避の側面で前戯をわざと我慢していた感もある。彼女にとって交合とはつらいものであり、やりすごすものであり、犠牲であったからだろう。悲しい性で快楽を覚えても、楽しみにするものではなかった。
それが今や、自分から股間を濡らして通うようになったのだから、男として愉しくないはずがない。単純に彼女と躰の相性がよいというのもあって、気が付けばアレックスも随分とミリシアに入れ込むようになってしまった。
冷静に考え直すと、果たして主導権を持っているのがどっちなのか、怪しい所である。ある意味で、アレックスがミリシアに奉仕しているともとれる。
まあそんな事はどうでもいいか。人間関係は持ちつ持たれつ、互いにwin-winであればそれがいいのだ。
さわさわと汗ばみしっとりとしたミリシアの肌に指を這わせる。彼女の全てを明らかにした訳ではないが、よく触れるところについては大分熟知した。肌の下に彼女の快楽の弦を透視して、アレックスはそれを弾くように触れていく。たちまちミリシアの声が高くなり、艶を増した喘ぎが零れた。
「あっ、うぅん……っ! あ、はぁ……あっ! んんっ!」
わざと弱い刺激で温まってきた所で、段々と愛撫を強く、深くしていく。やがて喘ぎは切羽詰まった嬌声へと切り替わり、ついには頂きを越えてびくん、とミリシアの躰が引き攣って跳ねた。
「んああっ! あっ! あっ、あぁ………あ……」
軽い絶頂を迎えた彼女に合わせて、少しでも長く余韻が続くように緩やかに愛撫を続ける。トーンダウンしていく喘ぎが途絶え、後には荒く乱れた吐息が残った。
「はっ……はっ……ん……」
息を整えつつ、ミリシアがしきりに目で何かを訴えてくる。
体は十分に解れたし、じっくりと温められた性感は一度の、それも軽い絶頂では到底物足りないはず。男のそれと違って女性のそれは複雑で段階的だ。より深く強い刺激を求めて躰が鳴いてしょうがないだろう。
それをわかっていて、アレックスは知らないふりをして後戯めいたソフトタッチを続ける。ミリシアの性感が冷えない程度、かつ、一定ラインを越えない程度の微妙な塩梅。性感を完全にコントロールされ、焦らされている、と理解したミリシアがくしゃりと泣きそうに顔を歪めるが、触れる肌を通してミリシアの躰の反応を把握しているアレックスは動じない。そんな顔をしても、羞恥に彼女の欲情が俄かに熱をもっていくのがはっきりと伝わってくる。
彼女が本当に嫌ならこんな事はしない。少なくともミリシアはこうして緩い辱めを受けた方が燃え上がる、と理解しての事だ。
「ん……あ……た、隊長……」
「…………」
「うぅ……あ、あ、アレックス、さん……」
「ん、何?」
「つ、続きを……私の、奥……あぁ……。お願いです、お情けを……ください……」
言葉を濁しながらも、欲望を口にするミリシア。
よくできました、と額に口づけを落とす。合格を受けて、安堵と期待に先ほどまでとは違う意味で彼女の瞳が潤んだ。
ミリシアを抱き寄せ、深く唇を交わす。舌を絡めている間に、す、と指を彼女の秘所へと潜り込ませて具合を見る。
興奮と期待にか、もうそこは底が抜けたように愛液でドロドロだった。洪水を通り越してお漏らしを疑う程に、濃い愛液が滴っている。
陰核をいじってやろうかと考えたが、これ以上の愛撫は余計だろう。ミリシアも待ち望んでいる事だし、次の段階に進むことにする。
手で股を開くように誘導し、体を潜り込ませる。バキバキにそそり立った逸物をミリシアの愛液をよく絡ませ、抑えるように切っ先を秘所に宛がう。
そのまま、ずぶずぶと沈めていく。
「んっ、んん~~~~~っ!」
唇を塞がれたままのミリシアが喉の奥で絶叫しながら、肩に手を回して抱き着いてくる。鍛えているとはいえ柔らかい女性の細腕を心地よく感じながら、ぐりぐりと奥を押し上げ、ちょうどいい位置に逸物を収める。胎の奥をつぶされてミリシアが悲鳴交じりの嬌声を上げた。
アレックスの肥大化した逸物は、今もミリシアの膣には大きすぎる。それでも何度も交わるうちに彼女の方が形を覚え、今はもう九割ぐらいが収まるようになっていた。並みならともかく、短小な物で彼女がもう快楽を覚える事はないだろう。それでも大分無理やりで、子宮口の手前、いわゆるKスポットのあたりが亀頭の収まる定位置になっていた。
長い間強姦に近いセックスを強いられていた為、ミリシアの膣内の性感はかつてほとんど開発されていなかった。だが今は、指で弄り時には道具で教え込み、Kスポット以外の性感帯も深く開発されている。クリトリスの裏側、Gスポットと呼ばれる場所も今はミリシア自身はっきり認識して、深く快楽を得られるようになった。
そしてその開発されきった膣を、アレックスの規格外の逸物で押し広げられるのは、ミリシアにとっては全ての性感帯を同時に強く刺激されるのと同じだ。脳を焼くような強い刺激に目がチカチカと点滅し、無意識に強く膣を締め上げてしまう。
「う……」
思った以上に強い締め付けに、アレックスが息を吐いた。経験数だけならあるミリシアの膣はもともと柔らかく蕩けていたが、最近はそれに加えて強い締め付けが加わっている。膣運動のトレーニングでもしているのだろうか。そういうのに詳しそうな老婆兼銀髪の美女の姿が脳裏をよぎる。
痙攣するようにぴくぴくと震えるミリシアから口づけを離し、上体を起こす。首に絡みついていた彼女の腕をほどいて、指と指を絡ませるようにつないだ。いわゆる恋人繋ぎだ。
「ミリシア」
「……っ、はい……」
「大分たまってるから、無茶苦茶にするからね。泣いても謝っても、タブーワード言わない限り合意だから」
「……~~~~~っ」
顔を真っ赤にして目を逸らすミリシア。
言質は取った。あとは獣の時間だ。
ぐぅ、と腰を引く。反り返った逸物がミリシアの腹の奥をゴリゴリと削りながら引き抜かれる。強く膣が締めてくるが、過剰なまでに分泌された愛液のおかげで動きが妨げられる事はなかった。
「んぎぃあっ!?」
断末魔のようなダミ声を上げてミリシアの躰が浮く。一連の動きで硬く反り上がった逸物が胎を押し上げる隆起が見て取れた。いくら性感を開発されていても、相当に体が出来上がっていなければ激烈な苦痛による拷問と同じだったが、すでにドロドロに溶けて惚けた躰には強烈な快感でしかなかった。膣奥から入口に至るまで、道中のGスポットをごりごりと抉り削られた事による刺激で、目の前が真っ白に吹きとぶ。
そんな彼女の両手をしっかりと握りしめベッドに押さえつけて、アレックスはゴッ、ゴッ、と前後を開始した。動き自体は決して早くない、ゆっくり引いて溜めを作り、一息に奥まで突き入れて、再びゴリゴリと胎裏を掘削しながら抜け出る直前までゆっくりと引く。
ペースで言えば遅いぐらい。だが溜めの緩急は、ただ早く出し入れするよりもミリシアにとってはよっぽど悦楽を伴う地獄だった。
ゆっくりと引き抜かれた事で空隙が埋まった膣を、勢いよく逸物が再び掻き分けるように奥まで叩きつけられる。残り一割を埋めるように押し込まれる腰によって、逸物の切っ先は膣口にめり込み、子宮をぐちゅりと押しつぶす。
一度、そこで動きを止め、逸物の形をしっかりと刻み込んだ後、ゆっくりと引き抜かれていく。その間でGスポットを凶悪に反り返ったエラがゴリゴリと抉っていくのも忘れない。
まとわりつくように絡みつく膣肉が、さっきまで逸物で押し広げられていた空虚を埋めていき、名残惜し気に閉じていく。
そこに、溜めを入れて再び逸物が抉り込まれる。
その全ての過程で腰が抜けるほどの快感が生じる。だが、あまりの快感に恐怖さえ覚えても、もはや逃れる事はできない。
しかも単調に同じ動きを繰り返すだけではない。ミリシアの膣内の性感帯を開発した張本人であるアレックスは、その位置も完全に把握していた。一切の容赦なく、性感帯を正確に攻撃する。
一方的にもほどがある責めである。なにせ、透明な相手と切り結べるような感覚と身体制御の持ち主相手に、無防備に己の最も脆弱なところを差し出し、蹂躙を請うたのである。
頭の中に快感が詰め込まれて、内側から爆発する……そんな妄想が、ミリシアの頭をよぎったが、一瞬の事だった。たちまち限界を迎えて、意識も何もかもが白く塗りつぶされる。
「あ゛っ! いんあっ! あぁっ! お゛ぉうっ! あ゛~~~っ! い、いくぅっ! いぎまずっ! あ゛っ! あがぁっ! あ゛~~~~~~~っ!!」
「こら、ちょっと早すぎるぞ」
「ずいま、あ゛っ! ずいません、あっ、む、無理っ! こんなの、あぁっ、しんじゃうっ! ばらばら、に、なるぅっ!」
「ああ、もう。仕方ないな……いいよ、逝っても」
「あっ! ああっ! がぁっ! あぁああああああ~~~~~っ!!」
思考能力さえ圧迫された中で、主人の許しを得られた、そう認識した瞬間、全ての箍がはじけ飛んだ。白い閃光に視界が吹き飛び、上下感覚すら喪失し、とにかく自分の中を通り過ぎる嵐に蹂躙されるまま、悦びに意識が漂白される感覚に喜悦する。
「あっ、ああ……あっ……」
ガクガクと躰が跳ねる。が、それによってしっかりと自分を押さえつけるアレックスの存在を感じ取り、安堵と暖かな慕情がミリシアの胸に去来する。白く焼け付くような絶頂と、甘く暖かい愛情が入り混じって彼女を満たす。肉体的な欲望だけで繋がっているのではないと認識すると、魂を潤すような喜びを感じた。
「あ……ん……」
「ミリシア、大丈夫か?」
「…………。……あ、はい……大丈夫、です」
至近距離からアレックスに声をかけられて、ミリシアはやや正気に戻ると同時に気恥ずかしさを感じた。
今更気にするのも変な話だが、さっきまでの自分は多分凄い惨めな感じに悶えていたと思う。場合によっては百年の恋も冷めんばかり、といった具合だ。アレックスがそういう事で自分を見捨てる事はないだろうが、急激に不安になってくる。なにせライバルは多いのだ。
「その……すいません。ちょっと感じすぎて……不細工な声、上げてませんでした……?」
「いんや? むしろ本気で感じてくれてるんだなってなって嬉しかったけどな。できれば前みたいに卑猥な言葉で盛り上げてくれたら嬉しいくらいだけど」
「も、もう……!」
確かに以前、それこそイオリが壁の向こうにいると気が付いた時とか、そういう言葉で煽るような事をした事もあるけど、今は無理だ。恥ずかしいのもあるが、それ以上に躰が開発されすぎて行為の最中は快楽に飲み込まれて頭が回らない。正直何をしゃべっていたかもよく覚えていないくらいだ。
「た、たい……あ、アレックスさんが望むなら、頑張りますけど……。でも最中、感じすぎて、全然、頭が働かなくて……」
「ふーん?」
「んあっ」
ビクン、と胎の中で逸物が反り返るのを感じて思わず声が出る。というか、この硬さといい、中の感触といい、もしかして、とミリシアは顔を青ざめさせた。
「あ……すいません。隊長、もしかしなくても未だ……?」
「うん。全然。ミリシアが早すぎるのが悪いんだからな?」
「そ、それは……んあっ!? ちょ、ちょっと、喋ってる最中に、奥を小突かないでくださいぃ……」
「悪い悪い。でも俺は全然満足してないからな、落ち着いたみたいだし続き行こうか」
「そ、そんな……っ!」
久しぶりの時間、という事で、一人ずつ一周する、という話になった時、正直ミリシアは浮かれていた。なんだかんだでやっぱり愛しい人との時間は二人きりで過ごしたかったのだ。が、やはり認識が甘かった、と思わざるを得ない。
少なくともベッドの上では、彼女はアレックスに捧げられた供物でしかない。抵抗する事も許されず、蹂躙され解体され骨も残さず食らいつくされても、僅かに小腹を満たすだけでしかない。だからこそ、普段は複数人、最低でも二人がかりで夜の相手をしていたのだが。
「……もう、仕方ない人ですね……。普通、そんながっつかれたら引いちゃう人もいるんですよ、多分」
「すでに足腰立たないぐらい感じてるくせによく言う」
「足腰立たないだけで済んでる訳ないじゃないですかぁ。こんな風にお腹にぶっといのねじ込まれて、逃げられる訳ないじゃないですかぁ……」
いや。違う。
それが分かっていてもなお度し難い事に、そうやって骨の髄まで貪りつくされる事をこそ望んだ自分がいたのだ。捧げられる物が僅かであるなら、それがなんであれ根こそぎ差し出す事をどうして躊躇う必要があるだろう。
じゅん、と胎の奥が疼く。我ながら、救いがないなあとミリシアは思ったが、仕方ない。惚れた弱み、という奴だ。
「ん……ちゅ……」
再びアレックスと深く口づけを交わすのに夢中になりながら、腹の奥でゆっくりと逸物が引いていくのを感じる。
アレックスが最初の射精をするまでに何度失神するかな、三度くらいかなぁとミリシアは心の中で現実逃避気味に想像した。
実際は四度くらいだった。その後、二回戦目に突入したので最終的に何回イカされたのか、ミリシアは数えていない。