僕には双子の弟がいる。
名前は翔太、11歳。スポーツ万能で、明るくて、学校中の人気者だ。
一方僕は、ネットとゲームが趣味で、根暗で、友達も少ない。
顔は同じで一緒に育てられたのにどうしてこんなに違うんだろう…決して仲は悪くないのだけれど。
ある日の夜中、弟からプレゼントと称して動画ファイルが送られてきた。部屋に鍵をかけて、イヤフォンをつけてから観るようにと。僕は訝しみながらも言われた通りにし、動画を再生した──。
◇
「──よっと、これで大丈夫かな?」
翔太だ。見覚えのない部屋にいる。ピンクが多い、まるで女の子の部屋のような──。
「ねぇ、ほんとにするの?翔太くん」
「約束したじゃん、ほらこっち!」
ビクっと心臓が跳ねる音がした。聞き覚えのある声だった。画面にサラサラとした栗毛の長髪が入り込んでくる。
(しぃちゃん…!)
白崎詩穂、同い年の幼馴染だ。小さいころは僕と翔太と3人で良く一緒に遊んでいた。僕がネットに夢中になった頃から、正確にはそれによって得た性知識によって気恥ずかしくなってしまってから、ほとんど遊ぶ事はなくなってしまったけれど…つまりは僕の初恋の人だ。今でもずっと好きでいる。
(クラスも変わって見かけることもあんまり無くなってたけど…やっぱり可愛いなぁ。おっぱいも大きいし…)
そうしてぼんやりと眺める時間はすぐに終わった。翔太と詩穂、二人が並んでこちらを見ている姿に嫌な汗が止まらない。
(距離が…近い?いくら一緒に画面に映るからってそんなに近づく必要がある?これじゃまるで…まるで…)
「よ、兄ちゃん観てるか?急にこんな動画送っちゃってごめんな。実はさ~俺たち最近えっちがマンネリ気味でさ。何か新しい刺激が欲しいなって話してたんだよ」
…は?
耳が、脳が、心が理解を拒絶した。
「カップル動画?みたいなの上げようかと思ったんだけど、詩穂の奴が絶対いやだって駄々こねてさぁ」
「知らない人に見られるなんて絶対嫌だよ!」
「だからもうやらないって。それでさ、兄ちゃんに観てもらうのはどうかって話になったんだよ。最近全然3人で遊べてないだろ?だから動画で3人一緒にってさ。な?」
「うん…〇〇くんなら…久しぶりに、ね?」
言葉が頭を素通りしていく。ただそれでも眼だけがひたすらに動画を追い続けた。二人の幼馴染が、決定的な行動に出ようとしている。
「そんじゃまずは…あ~~」
「うん…ぁ、あ~~~…♡」
二人が舌を顎先に届かんばかりに勢いよく伸ばしている。年齢を考えれば、あっかんべーで遊んでいるように見えなくもない。だが、これは
(あ、あ。やめ──)
「んぢゅ…♡」
べたぁ…という擬音が聞こえた気がした。舌と舌が正面から重なり、まるで糊付けするかのように擦り付け合っている。映画で観るような大人のキス、それすら生ぬるく感じるような光景が広がっていた。
「ん…しほ…ちょっとおちつけって…」
「ん♡んんっ♡はぁっはぁっ、んれぇ~♡」
二人で作ったネバついた唾液を飲み込むと、詩穂が我慢できないとばかりに翔太を舐め廻す。勢い余って唇を外し、舌や頬、目にまで及ぶがお構いなしだ。
(しぃちゃんの舌…!しぃちゃんの唾…!あ、あ、痛っ!)
股間に刺すような痛み。はち切れんばかりの勃起したペニスが、パンツを突き破らんばかりに押し上げていた。
(そんな…こんな…悔しい、嫌なだけなのに、なんで!?)
ネットを覚えたその日から、密かにえっちな単語で検索しては息を荒げた。
精通も、自身の自慰で済ませた。自分は他の同級生より"大人"なことをしている。
そんな風に思っていた。毎日のように勃起させていたそれは、かつてないほどに大きく膨らんでいた。
「──っふぅ~!いったんやめっ」
「あぅ…♡」
翔太が詩穂を引きはがす。顔面を覆う詩穂の唾液を腕で拭い
(しぃちゃんの唾!)
恐らく手に入るのならば、何を差し出してでも欲するだろう詩穂の唾液が
(しぃちゃんの!)
まるで汗のように。あるいは、何時でも手に入るどうでもいいものかのように
(しぃちゃん!)
雑に服で拭き取られた。
──どぴゅっ──
その瞬間、無意識に握りしめていたペニスから噴き出るように精子が飛び出た。
意図しない射精だった。どうしてよりにもよってここで?最も屈辱的な、イライラする場面で。いやそもそもどうして自分は興奮しているのか?
呆然と床に散らばる精液を眺めていると、画面の二人は次のステップに移ろうとしていた。
「ほら、詩穂も脱げって」
「うぅん、やっぱり脱ぐのは恥ずかしいよ…」
「だめだって!約束しただろ?ちゅーだけじゃ兄ちゃんも気持ちよくなれないって!」
「わかったよぉ…」
年齢に比して大きめの胸がブラジャーから飛び出す。垂れてはいない、桜色の乳首が上向きにツンと突き出している。
続いてパンツも、一瞬の躊躇の後、勢いよく引き下ろされた。毛の生えていない、綺麗な一本筋だ。
(はだか…はだか!)
「よーし、兄ちゃん観てるか~?詩穂のおっぱい、めっちゃでかいだろ?重くて揉むのも大変なんだよなぁ」
翔太は遠慮なく詩穂の胸を思うままにこね回す。まるでそれが自分のものであるかのように。いや、事実そうなのだろう。
「翔太くんが…んぅっ♡毎日毎日たくさん揉むから…あっ♡はやく、はやくつまんで♡」
「今日はヤケにがっつくなぁ。やっぱり兄ちゃんに観られてるからかな?マンネリ打破成功だな!」
そんなセリフと共に、翔太が詩穂の右乳首を勢いよく摘み上げる。
「あ゛あぁぁぁ♡イクっ!イクイク!ぁっ♡」
詩穂の一本筋から白濁した液体が噴き出した。深い、深い、本気イキだ。
(女の子は、本当は乳首は気持ちよくないって…)
ネットで得た性知識が崩れていく。追い打ちをかけるように翔太が左乳首を甘噛みすると、天井に届かんばかりに勢いの良い潮吹きが起きた。その後、ちょろちょろと黄色い液体が垂れ流されていく。
「ちょ、マジかよ…ほんとに興奮しすぎだろ~?掃除どうすりゃいいんだ…」
「あっ♡あぅ、ごめ、ごめんなさい♡嫌いにならないで…♡」
「あ~、だいじょぶだいじょぶ、詩穂が気持ち良かったなら俺も嬉しいよ、ん」
「んっ♡ぢゅ…ちゅぅ…しゅきぃ…しょーたくん…♡ぁ~♡」
恋人を落ちつかせる優しいベロチュー。愛し合う二人の同級生、幼馴染。
蚊帳の外から観る者として、嫉妬と憎悪、羨望と失望がない交ぜになったような自身でも理解できない壊れた感情を抱えたまま、激しく自慰を続けていた。射精した回数は、わからない。出しても出しても硬さを保つまま、止めどなく精液を吹き出している。
「…っと、じゃあそろそろ本番行くか。兄ちゃんも待ちくたびれてるだろうしなっ!」
「…うん…♡来て、しょーたくん…」
「おう!っていや、違う違う。ちゃんと言っといただろ?」
「…?ぁ…そうだった…うん、わかったよ…♡」
「よし!兄ちゃん悪い、今の無しな!こっから改めて…」
(…?二人とも、何言ってるんだろ…とっととセックス…!セックスするんだろ…!はやくしろよ…!)
心の防御手段なのか、ここに至って多少は開き直りの境地に達していた。最早二人の痴態を待ち望みながら手を只管に動かしていたのだが…
「…しぃちゃん!お…僕、ずっと前からしぃちゃんの事が好きだったんだ!」
(え…!?)
「…嬉しい!私も…〇〇くんのこと、大好きだよ…!」
「しぃちゃん…!」
「〇〇くん…ちゅっ…♡」
二人の唇が優しく重なる。それはまるで──
(キス!ファーストキス!
精液が関を失ったかのように止めどなく流れ出す。
「はぁっ!はぁっ…しぃちゃんとちゅーできるなんて、夢みたいだよ…!」
「えへへ…♡私も…これからいっぱい、ちゅーしようね♡れぇ~♡」
「ぁむっ!へへ、しぃちゃんのべろ、凄く美味しいよ!」
「んゅぅ…食べてぇ…私のべろ…〇〇くんのものだからぁ…♡」
(はぁっ!はぁっ!あぁぁ!!ぼく!ぼくのべろちゅー!しいちゃん!)
ティッシュに射精する理性を失ったペニスは、床に、壁に、精液をまき散らす。
「しぃちゃん…しぃちゃん!入れてもいいよねっ!僕、しぃちゃんと一つになりたい!」
「うん♡うんっ♡きて!私も、〇〇くんといっしょになるっ!」
詩穂の一本筋が、くぱぁと押し広げられた。初めて見る、修正の入っていない女性器の中身。処女膜が既に無いことなど当然気づくことはない。血走った目を画面に押し付ける。
「いくよ…しぃちゃん!あっあっすげっ!凄い!ぎゅぅって締め付けられて、あ、やべ、こんなに…!」
「ぉ゛っ♡ふぅぅぅ♡〇〇くん!〇〇くん!すき、だいしゅき♡もっとじゅぽじゅぽ、してぇ!」
「っきつすぎ…!これじゃ、もたない!しぃちゃん…しほぉ!」
「イっく…ぅうぅうう♡」
強く強く押し付けたペニスを、射精しながらもさらにぐりぐりと突きまわす。
オスとして最高の快感を味わう。
「はぁ…はぁ…凄かった…こんなに出たの初めてだよ…」
「ぅん…わたしも…すっごく、気持ちよかった♡ね、もっとしよ…♡」
(うん…もっとしよう…たくさんしよう…しぃちゃん…)
その日、僕は疲れ果てて気絶してしまうまで、しぃちゃんとのセックスを楽しんだのだった。
次回「運命」に続く