あれから1週間が過ぎたが、翔太からのプレゼント動画は未だ送られてこない。良いことだ、もうあんな思いはしたくない。それにもうじき、僕には本当に必要なくなる日が来るんだ。
この1週間を思い返す。最初は悔しさや情けなさ、虚しさからいっそ死んでしまおうかとも考えていた。それを救ってくれたのが
「おはよっ。どう?ちょっとは元気出てきた?」
「おはよう、宮守さん。お陰様で大分マシになってきたよ、ありがとう」
「あはは、なにそれ。私別に何もしてないのに。ま~よかったよかった。じゃね」
宮守愛梨。クラスメイトで、僕が普通に話せる数少ない女子だ。
ツインテールにした髪を明るい金髪に染め上げている、派手で明るい女の子。
本来なら僕には全く縁が無いタイプだ。実際もし以前からあぁだったなら、緊張してまともに話したりできなかっただろう。
話すようになった切欠は一緒に図書委員になったこと。その時の宮守さんは黒髪をお下げにして眼鏡をかけた、如何にも暗い印象の女の子だった。実際に話してみると意外とお喋りで面白い子だったが、それでもクラスでは地味な存在だった。
そんな宮守さんが変わったのはたった1週間前。眼鏡を外し髪型を変えたと思ったら、次の日には金髪になって現れたのだから、教室中が驚きに包まれた。
別に性格が大きく変わった訳ではないのに、今では誰もが彼女の姿を追い、彼女の話に耳を澄ましている。すっかりクラスの中心だ。
そして僕は──そんな彼女がクラスで会話する、唯一の男子なのだ。以前はその地味さから、そして今はその存在感から、クラスの男子たちは気後れして話しかけられないようだ。
僕だけが、そんな宮守さんに話しかけてもらえる。それだけじゃない。
じっと宮守さんを見つめていれば──
「……?」
宮守さんもこちらを見つめ返し、微笑んでくれた。恥ずかしくてさっと目を背けてしまうが、つまりこれは、宮守さんも僕をよく見つめているということ。つまり、宮守さんは僕の事が好きなのだ。
(もっと前から気づいていれば良かった…告白…そう告白するんだ…そうすれば…そうすれば、僕も翔太みたいに…宮守さんと…!ふ、ふふふ…!)
にやける顔を必死で抑える。
(って、思ってるんだけど…中々覚悟が…今日の放課後こそ!いや、やっぱり明日…明後日…うぅん待ってればその内宮守さんから告白してくれるかも…いや流石にそれは情けないか。来週なら…そうして…僕も…!)
そうして今日も僕は、楽しい悩みに浸り続ける。
翔太からのプレゼント動画が届いたのは、その日の夜中だった。
◇
「来たか…」
もう、絶対に観ない。すぐに削除しようとして…しかし考え直す。
僕はもう彼女持ちなのだ。もう翔太達に嫉妬する必要なんてない。この動画も、僕と宮守さんの今後にとって大いに参考になるだろう。なら精々楽しんでやろうじゃないか。
ただ、どうやら本番は今回も映っていないらしい。カメラがずれてしまったとか何とか。
(まぁいいさ…)
僕はテキパキとイヤフォンを用意し、予めパンツも脱いで動画を再生した──
「──よっ兄ちゃん。ちょっと遅くなっちゃってごめんな…!」
(どうしてこんなに小声なんだろう。あれ…?いつもと部屋が違う…しぃちゃんの部屋じゃない…)
「実はさ~最近詩穂の奴が付き合い悪くてさ。いつも用事があるとか何とか…まさかとは思うんだけど、ひょっとして」
(しぃちゃんが…?そ、そういえば大地も…最近、休み時間も放課後も、飛び出すみたいに急いで教室を出ていくけど…まさか…)
全身を怖気が走る。今の自分の彼女は宮守さんだが、詩穂だって大切な存在だ。
「…これが寝取られってやつなのかな?いや~参っちゃうよなぁ!ま、いいけどさ。1人の女に縛られるなんて俺らしくないしなっ。したくなったらまた寝取り返せばいいし!」
(…は、ははは…本当に…狂ってるよ…」
もはや呆れるしかない。いや、いっそその自信に敬意を覚えてしまうくらいだ。
「だからさ、今日の動画は詩穂じゃないんだ。こないだ付き合って、ちょーきょー始めた奴でさ。今部屋の外で待ってる。んで~、ハメ撮りするのはオッケーさせたんだけど、絶対に誰にも見せるなってさ。だから兄ちゃん、クラスで会っても動画の話は絶対NGな?」
心臓を鷲掴みにされたような、覚えのある息苦しさ。
(クラス…?僕のクラスメイトなの…?だれが…)
翔太が扉を開ける。
「ほらっいいぞ~!」
「も~、待たせすぎ!ずっとドキドキしてたんだから…♡」
明るい金髪が、視界に飛び込む。
(─────ぁ…?)
二人が画面の前に並んで座る。顔を寄せ、さも幸せそうに囁き合っている。
「はいっじゃあ自己紹介どうぞ!」
「ほんっとに、誰にも見せないでよね!んん…えっと、宮守愛梨、小学5年生です♡今から翔太と…彼氏とたくさん、イチャイチャしま~す♡」
「あ~、いいねいいね~!」
翔太が宮守さんの身体を引き寄せながら、こちらにピースサインを送ってくる。宮守さんも恥ずかしそうに、だけどとても幸せそうにピースしている。
(なんで…なんで…?宮守さんは僕のことが好きなのに…僕はここにいるのに…)
「上手く挨拶できたな~偉いぞ!ほら、ご褒美~」
翔太が舌を突き出す。
「あむっ♡はぁぁ…おいひぃ…んじゅっんぐ…っはぐっ♡じゅるぅぅぅ!」
「んぁ、ひょ、噛むらって~!ひょうがねぇなぁ」
まるで捕食するかのように宮守さんが翔太の舌に食いついている。染み出た唾液を余さず吸い込むその姿は、本当に、心の底から相手を愛し欲していることを理解させられる。
「っぷは~、お前ほんとエロすぎ!クラスの男子とか大丈夫か?告られまくってんじゃねーの?」
「ぜんぜん!誰も話しかけてこないよ。みんな何か恥ずかしがってるみたい」
「なんだそれ、なっさけねーやつら!ってやべ、兄ちゃんもいるんだった…」
翔太が画面を見て軽く頭を下げた。
「あっそうだね。〇〇君とは結構話すかも。近頃元気なかったみたいなんだけど、今日はもう大丈夫そうだったよ」
「そっか、そりゃよかった。なぁなぁ、兄ちゃんってクラスでどんな感じ?最近あんま喋らねぇんだよなぁ」
「うーん…特に目立たないというか…内気っていうの?結構目とか合うんだけどさ。すぐ逸らしちゃうの。翔太と同じ顔なのに全然違って、ちょっと笑っちゃう」
「ははは…相変わらずだなぁ…」
(そんな…僕は…僕は…)
苦しい。息が出来ない。思い描いていた未来が、ガタガタと崩れていく。
「でも〇〇君には凄く感謝してるよ。翔太に話しかけた切欠だから♡」
「そういやそうだったな、お前に兄ちゃんと間違って話しかけられたのが最初だったな~!あんときは地味であんま可愛くねぇなぁと思ってたんだけど…変われば変わるもんだ!」
「ひっどい!まぁ…翔太のアドバイスのお陰だから…許すけど♡」
2人は微笑みながら唇を啄みあう。求めすぎない、高め合うキス。
(どうして…たった、たった1週間しか、知り合って1週間しか経ってないはずなのに…どうしてぇ…!)
「っは~、我慢できねぇ!そろそろやるか!」
立ち上がり、勢いよくパンツを下す翔太。恐らく狙った訳ではないのだろうが、ペニスが愛梨の鼻先にそそり立った。
「…ぁ…♡っはぁ…これぇ…かっこいいよぉ…んちゅ♡れろ…んん…」
「おぉっ!?え、ちょ、まって…」
翔太が動揺している。初めて見る姿だった。
「ぁっ…ごめん、痛かった…?」
「いや、びっくりしただけ…ちんこだぜ?ばっちぃと思わねーの?」
「思わないよぉ…♡かっこよくてぇ…気持ちよくしてくれてぇ…だいすき…ちゅっ♡」
「ぉっふ…マジか…詩穂の奴は絶対してくれなかったからなぁ…舐められるとこんな感じなのか…」
詩穂の、他の女子の名前が出たことで、宮守さんの眼が細まる。
「他の子の話…」
「あっわり…」
「その子はしてくれなかったんだ…ふぅん…んべぇ♡」
宮守さんがべったりと舌をペニスに張り付ける。ちろちろと唾液を塗しながら先頭まで舐め上げ…
「…ちゅ…んぐっ♡」
「おぉぉぉ!?」
亀頭に軽くキスすると、そのまま一気に根本まで加えこんだ。
「んぶ!?ぶ、んえぇっ、んぐ!」
「す、すげぇ!きもちい!きもちーぞ!愛梨!」
「…っ♡」
明らかに無理をしている。苦しいはずだ。なのに決してペニスを離さない。一心不乱に頭を前後させている。
「あぁぁ、いい!もっと、もっと!」
「んんん!?」
翔太はツインテールを二束とも掴み上げ、まるで物のように宮守さんの口をつき続ける。
「ぁぁぁこれだこれぇ、すげぇ、たまんねぇ、凄いぞ愛梨ぃ…!」
「んん!ぶっ!おぇ、ぶぅっ!はぁむ…!」
(やめ…やめろ、翔太…酷すぎる…宮守さんも、どうしてもっと抵抗しないんだよ…)
翔太は一切の遠慮をせずに動き続ける。そして
「…出るっ!」
一際強くペニスを押し込んだ。喉の奥にまで達しているかもしれない。
宮守さんはもう声も出せない。涙を流して、なんとかペニスを押し戻そうと…
「…っ!」
「あっあっ」
もせずに、むしろ腰に手を回して更に深くまで飲み込む。
(なんでだよ…どうしてそこまで…そんな…)
宮守さんの喉がひっきりなしに動く。一滴たりとも零さず、体内に精液を収めていく。
「あぁぁ~~…てんごく…」
「…ごくっ!ん…ごくっ♡ふぅぅぅ…♡」
「おっほぉ~…」
ごぷりと音がしそうなほど、大量の唾液を纏わせながらペニスが口内から引き抜かれた。
その先端にはまだ白い残り汁が垂れている。
「ぁ…まだ…♡ちゅっ…ちゅぅぅぅぅ♡」
「うっはぁぁ…さいこ~…」
ペニスをストローのように見立て、宮守さんが先端に吸い付く。唾液塗れのペニスを優しく摩りながら、丹念に擦り込むように扱きあげ、最後の一滴まで絞りつくそうとしている。
「ん~~…んんんんっ♡っぷぅ…終わっちゃった…」
「はぁぁぁ…やべぇ…腰抜けたかも…」
崩れ落ちる翔太。腕を伸ばし、宮守さんの頭に手を伸ばす。
「よく頑張ったな!今までで一番気持ちよかったかもしんない。すげぇよ愛梨は」
「あはは…褒めすぎぃ…♡でももっと褒めて♡」
「偉い偉い!愛梨は最高の彼女だ!」
「うっへへぇ~♡」
翔太は頭を撫でまわす。宮守さんは、尻尾が生えていれば千切れんばかりに振り回していたであろう有様だ。
「…よしっ!俺も男だっ!愛梨、俺もやるぞ!」
「んぇ?なにを…?」
「ほらこっちに足向けて思いっきり開け!」
「ん~…こう?」
(う、うわ…)
正面に、宮守さんのスジがドアップで映し出される。ほんの少しだけ生えた毛との対比が、より興奮を引き立てる。
(こ、こんなに近くでしっかり見たのは初めてだ…びっしょびしょだ…この豆みたいなのがクリトリス?結構大きい…あぁ…えっちだ…うぅ、うぅぅぅ…)
スマホに鼻がくっつくまで近づける。そうすることでまるで匂いが嗅げるような気がした。舌を押し当て、舐め上げたかった。危うく実行しかけたところで、翔太の顔が入り込んできた。如何にも決死の覚悟を決めたような表情だ。
「気持ちよくしてくれたお礼だ!俺も愛梨のマンコ、舐めるぞ!」
「え、えぇ!いいよぉ、汚いよ、ここ…」
「愛梨だってちんこ舐めてくれただろ!俺も愛梨を気持ちよくしてやる、愛梨の為ならマンコだって舐められる!」
「しょ、翔太ぁ…うれしぃ…♡」
(な、なんで感動してるんだよ!ふざけんな!翔太のやつ、嫌なら僕と代われよ!代われよ!くそっくそ!!)
翔太が宮守さんのスジをゆっくりと広げる。白い液体がこぼれ出し、皮から飛び出たクリトリスがビンビンと自己主張している。
「ふー…!んっ!じゅる…」
「あっ♡あぁぁ~♡翔太がっわたしのぉ!あはぁ…♡」
足をピンと突きあげ、ぷしゅぷしゅと潮を吹き続ける宮守さん。それを余さず飲み込みながら、熱心に舐め上げ、クリトリスを吸いつける。
「ふぅ…ふぅ…何か思ったほど…てか全然臭くないな。詩穂のはすげぇしょんべん臭かったんだけど…」
「も、もぉぉ…また他の女のぉ…!」
「わ、わりぃ!ほんと、もう2度と言わないからっ!」
誤魔化しも兼ねた焦りか、完全にズル向けとなったクリトリスを歯を押し当てながら刺激した。
「!!!!あっ♡…あぁっ♡ご、ごめ、むりぃ…イっく…ぅぅぅ…♡」
「んぶ!…ごくっ…!ごくっごく!んぐぐぐぐ…!」
宮守さんが全身を逸らしてびくびくと痙攣した。傍目にはそれだけだ。だが翔太の激しく動く喉から、
大量の潮が吹き出ているのは容易に想像できた。一滴も零さず、飲み続ける。
「…はぁっ♡はぁ……ぁ…だめ…出ちゃう…おしっこ…しょーた…離して」
「らせっ!」
「…ぁっ♡」
今度の痙攣は静か。だが翔太は眼が血走らんばかりに真剣に、ぴったりと口を押し当て続ける。
たっぷり30秒は経過しただろうか。よくやく翔太が口を離した。
「う…ふぅぅ…どうだ…全部飲んでやったぞ…気持ちよかったか?」
「しょーたぁ…♡うんっ!うんっ!しゅごいよぉ…かっこいいよぉ…♡」
「へへへ…っと」
宮守さんは感極まったように抱き着き、翔太の口を、顔を舐め廻す。
「んえ~、おしっこ臭いぃ…♡」
「ばかやろ…俺だって、お前の口せーえき臭いぞ…」
「んふ~♡ごめ~ん…れぇ~~♡」
「しょうがねぇな~…」
翔太が宮守さんを押し倒す。大きな水音。恐らく激しくベロを絡ませ合う濃密なキスをしているのだろう。そう、恐らくだ。
(見え…ない…見えない…見えない見えない見えない)
思えば翔太はこれまで常にカメラの位置に注意していたのだろう。肝心な部分は良くも悪くも常にしっかり映し出しされていた。その余裕もなくなるくらい、本気で、愛し合っている。
(あぁ…そういえば…そんなこと、書かれてたっけ…)
「あぁぁぁ♡しょーたが入ってきた!ひとつ、わたしたち、ずっといっしょぉ♡」
「あぁ!一緒だぞ、愛梨ぃ!」
「~~~~♡」
盛り上がる二人、画面にはただ足が映るのみ。
(───────)
僕は、二人の絡まる足をぼんやりと見つめながら、射精し続けた。
◇
「おはよっ!って…あ…あれぇ…〇〇くん…だいじょぶ?また何か、凄い顔になっちゃってるけど…」
「おはよう…宮守さん…お陰様でね…僕は大丈夫だよ、ははは…」
「そ…そっか…体調、気を付けてね…」
そう…僕は大丈夫だ…大丈夫だよ…僕は…僕は…
──────
───
次回「義理」に続く