大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
※奈菜視点
あの日から私は祐輔を避けている。
頼まれたからといって祐輔のアレを手でしごいて、射精させたんだから。どんな顔をして会えばいいかわからない。
それにあの日から身体がおかしくなっちゃった。祐輔の顔を見たら勝手に身体が熱を帯びちゃう。
「あ……あ……んッ! ……祐輔、祐輔、はあっ♡」
あの日のことを思い出すたびに私は部屋で一人、オナニーをするようになった。
オナニー自体は初めてじゃない。いつも少女漫画を見ながらとか、祐輔のことを考えながらしていた。
だけどあの日からその回数は増え、オナニーをするときにする妄想もよりリアルなものに変わった。
「イイ、イイよっ♡ 祐輔の、おちんぽ……気持ち、イイの……ッ♡」
目を閉じて思い出すのは、あの長くて硬くて、私の手にすぐ馴染んだ祐輔のおちんぽだった。
もう少女漫画じゃ満足できない。祐輔のあのおちんぽじゃないと、私のおまんこは濡れない。
──だけど。
「祐輔……」
全ては妄想。
祐輔のおちんぽを、実際にここに押し当てたわけじゃない。
あのおちんぽでおまんこを貫かれたらどうなるんだろうか。
考えれば考えるほど、祐輔と顔を会わせることができなくなってしまっていた。
「好きなのに……本当は、一緒にいたいのに」
祐輔は地元から離れた高校に進学すると言っていた。
このままだと離れ離れになってしまう。そしたらきっと……。
「祐輔……祐輔……」
悩みや苦しみから目を背けるように、ギュッと目を閉じながらオナニーを続ける。
我慢しないと、忘れないと。スッキリしないと明日、祐輔と学校で会って顔を会わせたら暴走しちゃうかもしれない。
だから自分の指で我慢しないと。
だけど、
ブーブー。
携帯から音楽が鳴りだした。
画面を確認すると、メッセージだった。その相手は、
「祐輔……」
祐輔からだった。
メッセージの内容を確認すると木曜日、つまり明後日、学校帰り一緒に遊ばないかという誘いだった。
素直に嬉しかった。
だけど他に誰かいるとは書いてない。
二人。二人っきりということは、これはデートだよね。
「どうしよ……遊びたい。だけど一緒にいたら」
オナニーばっかしたせいで、自分でも制御できないほどに祐輔を欲してしまっている。
こんなに自分が変態だったとは知らなかった。もしこんな状態で祐輔と二人でいたら、どうなるか。
「そもそも祐輔だって、もしかしたら私が手でしたこと……」
優等生のあの祐輔なら自力で調べるんじゃないか。だったらもう私がしたこと、私たちがしたこと、それを知っているのではないだろうか。
だったら二人で会ったら……。
「しちゃったり、して……」
私は返事に悩み、それから少しして返事をした。
♦
※彩視点
私はいけない女だ。
中学生とセックスをしてしまったんだ。
「もう、何してんのよ……ほんと」
口止めをする為とはいえ、中学生相手に一線を越えてしまった。
それに何より、
「凄く、良かった……」
久しぶりに心も身体も満たされた気がした。
祐輔くんに真っ直ぐな目で好きだと言われて年甲斐もなく喜び、大人と遜色のないちんぽで何度もイかされた。
夫が出張へ行き、隠れて浮気して、女として終わっていくのを実感していた私には、彼と身体を重ねた二時間は最高の一時だった。
「だけど、もう止めないと。これ以上、浮気するのは」
だけど夫への愛は薄れても、私には太一がいる。
このまま性欲に呑まれていったら、太一に迷惑をかけてしまう。
母親として生きないと。
「でも」
忘れようとしても思い出してしまう。
彼の真っ直ぐな気持ちと、あの凶悪なちんぽが与えてくれた快楽を。
「──母さん」
あの日のことを思い出して少し、ほんの少しムラムラしていると、ふとキッチンにいた私は現実に呼び戻された。
「えっ!? あ、ああ……太一。どうかしたの?」
「は? 別に大声出してないんだから、そんな驚かなくてもいいだろ」
「ごめん、ちょっとボーっとしてて。それでどうかしたの?」
「金曜日に家に友達泊めていい?」
「え……ああ、いいわよ」
どうせ夫は帰ってこないし大丈夫でしょう。
そう思って何も考えずに答えた。すると太一は頷き部屋へ戻りながら、
「ああ、来るの祐輔一人だけだから、メシの準備頼むわ」
「えっ、祐輔くんなの!?」
驚いて声が裏返ってしまった。
「ああ、祐輔。なに、どうかした?」
「いや、なんでも……わかったわ、祐輔くんの分のご飯も作るわね」
祐輔くんが泊まりに来る?
今までも家に泊まりに来ることは何度かあったけど、あんなことがあった後に?
あの写真は目の前で消してもらったし、太一にも誰にも話さないって約束もしてくれた。
「祐輔くんが、家に……」
動揺、困惑、そんな感情の中に、はっきりと”喜び”があるのがわかった。
「祐輔くんが家に泊まりに来て、私は何を期待しているのよ……」
この喜びは期待の表れだ。
祐輔くんが家に泊まりに来て、また私を求めてくれるんじゃないかという期待。
もしも求められたら私はどうするのだろうか。口に出せば否定の言葉を発するが、内心ではきっと……。
ブー、ブー、ブー。
不意に携帯電話が鳴り響いた。
画面を確認すると、祐輔くんからのメッセージだった。
そこには短く『今週の金曜日、楽しみにしてますね』と。
そのメッセージを確認して、彼は再び、私を求めてくれるのだと確信した。
手に持つ携帯の真っ暗な画面に映った私の表情は、自分でも気付かないほど──彼を求める牝の顔をしていた。