※この作品はR-18です。

大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく   作:柊咲

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134話 地雷系女子に呼ばれて

 

 

 ──奈菜と蘭華と東京での引っ越し先を探した日から二カ月が経った。

 

 中学校も数日前から休みになり、今日はクリスマスまであと少しの12月19日。

 俺は彼女に呼ばれてお洒落なお店が多くあるショッピングモールに来ていた。

 

 

 

「あっ、祐輔くん! ごめん、待った?」

 

 

 

 待ち合わせ場所であるショッピングモールの入口に立っていたら、彼女は小走りで駆け寄ってくる。

 

 香山桃花。

 

 佳香さんの紹介で一週間のスワッピング同棲生活をした地雷系の彼女。

 首元と手首のところにファーが付いたピンク色のフードガウンコートに、冬だというのに太股までを出したショートパンツ。

 最近は寒さから肌の露出の少ない恰好をよく見るので、こういう大胆な格好を見ると男として興奮する。

 

 そんな服装の桃花さんは、ツインテールを揺らしながら隣に立つと自然に俺の腕を組む。

 

 

 

「いや、俺もさっき来たばかりですよ」

「おっ、祐輔くんもそんな風に気を使えるんだー、なんか意外!」

「……俺をなんだと思ってるんですか」

「冗談冗談! ほら、行こっ!」

 

 

 

 楽し気な笑顔を浮かべる彼女に連れられてショッピングモールへ。

 

 桃花さんとはあの日以降も連絡はとっていて、月に何回かだけど会ったりもする。家に泊まらせてくれたりもして、もちろん、会ったら必ずセックスもさせてくれる。

 

 そんなセフレ関係が継続している彼女にここへ誘われたのにはとある理由があった。

 

 

 

「それで、その俺を紹介したい友達ってのは誰なんですか?」

「えっと、友達というか……ほら、モモ、アパレルで働いてるって前に言ったでしょ? そこで一緒に働く店長さんと良くしてくれる先輩がね、モモが悪い男を捕まえてるって言うの」

「悪い男? それって前の彼氏さんのことですか?」

 

 

 

 前の彼氏……名前はなんだったか、たしかトモくんって呼ばれてた人。

 

 桃花さんはあの日にトモくんと別れたって佳香さんから聞いたけど、話を聞くかぎりだとあれからも向こうからやり直したいって迫られてるのだとか。

 他にいたセフレとはもう縁を切る、浮気はしない、と改心したと宣言するトモくんだが、桃花さんはすっかり冷めたらしくもうこれっぽっちも好意はないのだとか。

 

 いやそもそも桃花さんは『モモが悪い男を捕まえてる』って言ったよな。じゃあ、

 

 

 

「ううん、君のこと」

「ん?」

 

 

 

 どうやら悪い男とは、俺のことらしい。

 

 

 

「こんな善良な中学生が悪い男? ははっ、まさか」

「その善良な中学生だから悪いって言われたの。はあ……なんか、モモが中学生をたぶらかしたとか言われて。毎日さ、挨拶代わりに『犯罪、ダメ!』って言われるの、ひどくない!?」

「まあ、俺は中学生ですからね。間違ってはないですよね」

「……」

 

 

 

 目を細められて睨まれる。

 いや、中学生相手だから犯罪だよ。

 

 

 

「でも、モモと祐輔くんって付き合ってないじゃん!」

「はあ」

「それなら犯罪じゃないよね!?」

「……はあ」

「というわけで、これからお店のみんなに祐輔くんのことを紹介して犯罪じゃないことをわからせるの!」

「…………うーん」

 

 

 

 どうなんだろ、これ。

 俺のことを彼氏じゃないって紹介して『じゃあどういう関係なの?』って聞かれて『セフレです!』って答えたら、そっちの方が問題だと思うけど。

 ちゃんとした考えの人だったら、それこそ通報されると思うが。

 

 まあ、桃花さんもよくわからないけどやる気みたいだし、なんとなく楽しそうだからこのまま放っておくか。

 

 

 

「あっ、いた!」

 

 

 

 と、ショッピングモール内をぐるぐるしてたらようやく職場の人たちを見つけた。

 

 桃花さんは俺の腕を組んだまま引っ張り、手を振る。

 

 

 

「お待たせしましたー!」

 

 

 

 こっちに気付くと、二人の女性が振り向く。

 桃花さんが俺を紹介する。

 

 

 

「えっと、彼が例の楠木祐輔くんです」

 

 

 

 みんなが噂しているあの男です、みたいな紹介をされた。

 俺は当たり障りない感じで自己紹介をすると、それぞれ自己紹介をしてくれた。

 

 

 

「はじめまして。桃花が働くHoneysの店長をしている佐伯レイラよ、よろしくね祐輔くん」

 

 

 

 これぞ男性からも女性からも好かれるかっこいい大人の女性といった感じのレイラさん。

 目鼻立ちが良く、茶色のショートカット。

 全体的に細身で、モデルのような170ほどと高い身長のレイラさんは『この人絶対にいい人!』とわかる笑顔を向けてくれた。

 

 

 

「あらら~、桃花ちゃんから聞いていた通りの子が来て、なんだか犯罪っぽさが増しちゃった~。あっ、桃花ちゃんの先輩の花崎奈々子です~、よろしくね~祐輔くん」

 

 

 

 かなりゆっくりとした口調に語尾を伸ばした喋り方の奈々子さん。

 細身なレイラさんとは対照的──いや、腰もくびれていて決して太ってはいないが、それ何カップなのってぐらい大きな胸と触り心地のよさそうなお尻を持った彼女。

 丸顔で、胸元まで伸ばした茶色の巻き髪。

 母性溢れる雰囲気と左目の下のホクロが色気を感じさせる。

 

 

 

「なるほど」

「ふぅん」

 

 

 

 二人からめちゃくちゃ視線を感じる。

 どういう視線なのかわからない。

 

 

 

「うん」

「そうね」

 

 

 

 二人は何か決まったのか、桃花さんの両肩をポンと優しく叩く。

 

 

 

「「逮捕」」

「ちょっと!」

「いや、桃花あなたね……誰がどう見ても彼はまだ学生じゃない!」

「そうよ~、お店の先輩として、桃花ちゃんを犯罪者にするわけにはいきません!」

「だ、だからですね!」

「ほら、警察に行くわよ」

「わたしたちも付いて行ってあげるから安心してね~」

「もう、二人とも、話しを聞いてくださいって!」

 

 

 

 楽し気にするレイラさんと奈々子さん。

 本気で言っているというよりは、桃花さんをおちょくって楽しんでいる感じがした。

 

 このやり取りを見ていただけで、お店での桃花さんの立ち位置がわかった気がする。

 

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