大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
「まあ、通報はしないにしろ……どうして中学生の、彼と関係を持ったかは知りたいわね」
「そうね~、別に人の好みをどうとか言わないけど、なんでなのかな~って気になるかな」
場所を変えてショッピングモール内にある、レイラさんオススメのパスタを食べられるお店に来た。
注文を待ちながら、気をつかって中学生という部分を小声で話すレイラさん。
顔を真っ赤にさせた桃花さんは、もう水が無くなり氷しか入っていないグラスを口に付けながら答える。
「まあ、いろいろとあって……えっと、学生時代から付き合ってたト……元カレの話はしましたよね」
「ええ、あの浮気しまくっていた彼でしょ?」
「そうそう、わたしたちがいくら別れた方がいいって言っても桃花ちゃんが聞いてもくれなかった彼よね~」
「その人から……えっと、その……」
恥じらいながら視線をきょろきょろさせる桃花さん。
もしかして、あのこと言う気じゃないよな?
別に俺はいいけど、さすがにドン引きされるんじゃ……。
「一週間だけ、スワッピングしたいって言われて……」
「「ブッ!」」
言っちゃった。
それに二人とも驚いてむせちゃった。
「ス、スワッ……こほん……スワッピングって、あのスワッピングよね?」
「えっと~、レイラちゃんとわたしが知ってるスワッピングは、その……二組のカップルがお互いのパートナーを交換するあれなんだけど~、合ってる?」
「はい、そのスワッピングです……」
「「……」」
一度だけ二人は目を合わせ、何かを無言で分かり合った後にレイラさんが「それで?」と続きの話を促す。
「相手の女性が連れて来たのが、祐輔くんで……それでその、一週間いろいろとあって元カレのことが冷めちゃったといいますか、今までモモは盲目的に好きになってたんだなって気付いて」
「それで別れたと。別れたことに関しては私たちも良かったと思うのだけど」
「うーん、桃花ちゃんの先輩としてはバンザーイって喜びたかったけど~」
二人が俺を見る。
黙って話を聞いているかぎりだと、二人は桃花さんの以前までの恋愛事情を知っていてそれを反対していた側なのだろう。
それに別れた方がいいと助言もしていた。
ただ彼氏に盲目的だった彼女は、聞く耳を持たなかった。
別れて新しい道を歩いたことには二人も喜んでいるが、別れた経緯と新しくできた男が中学生ということで複雑なのだろう。
「経緯は分かったわ。それで桃花はその、彼としちゃったのよね?」
「……はい」
「何回も?」
「はい、してます」
「そう。それで、桃花は前に彼とは付き合ってないって言っていたけど、彼のことをどう見てるの?」
「えっ、どうって、その……付き合ってないけど異性として見てますよ。関係は、あの」
「セフレだね~」
「……はい」
しゅんとしてしまった桃花さん。
そんな彼女を見て、二人は優しい姉のような微笑みを向ける。
「桃花って今いくつ?」
「24です」
「そう。それならまあ、いいんじゃない?」
「えっ、駄目だって言わないんですか?」
「だってねえ、わたしもレイラちゃんも、桃花ちゃんにはもっとたくさんの男性経験をしてほしいな~って思ってたから。今まで一人としか付き合ってこなくて、そのまま結婚したらきっと後悔するんじゃないかな~って」
「だから関係は関係だし、相手が相手だから心の底から良かったねとは言えないけど、桃花の成長に繋がるならいいと思うわ」
「レイラさん、奈々子さん……っ!」
「それに私も奈々子も28で独身だから、人に何か言える立場じゃないわよ」
「そうそう、だからこのぐらいの歳まではまだ遊んでいいと思うよ~。……まあ、わたしたちみたいに30目前になって結婚しないとってどんどん焦ってもいいならだけどね~」
奈々子さんの笑顔なのに悲しそうで苦しそうな言葉に、レイラさんはため息混じりに反応した。
「……ちょっと奈々子、そんなこと思いださせないでよ!」
「だってだって~、あっ、そういえばこの前の婚活パーティーで知り合った男性とはどうだったの~?」
「あれは駄目ね。何度か会ってみたけど、たぶんマザコン。前の彼氏と同じ匂いがしたもの」
「あらら、さすがダメ男製造機!」
「うるさい! そういう奈々子はどうだったのよ。この前の婚活パーティーでは随分と若い男たちからモテモテだったじゃない」
「うーん、そうなんだけどね~。みんな一回目のデートからホテルに行こうって誘ってきて~。みんなヤリ目だったみたい」
「まあ、そんなエロい身体してたら仕方ないわね。それで、あんたもしかしてまた……?」
「えっと、まあいいかなって。みんなとしちゃった」
「あんた……」
「だけどみんな上手くなかったから、その後も何度も誘われたけどごめんなさいしちゃった~」
「さ、さすがは歩くセックスマシーン……この身体でどんだけの男を誘惑してきたのよ!」
「あんっ♡ もう、レイラちゃん! 急におっぱい揉まないでよ~……そんなことされたら、変な気分になっちゃうから~」
奈々子さんが甘ったるい声を出した瞬間、他の男性客も店員の男性も、周辺の男たち全員の視線が集まる。
俺もその中の一人だ。
奈々子さんのエロすぎる身体を眺めていると、二人が俺を見ているのがわかった。
すると二人はニヤリと悪い笑みを浮かべ桃花さんへと詰め寄る。
「そういえば、桃花と彼のことでまだ聞いてないことあったわね」
「そうそう~、あの盲目的な桃花ちゃんがどうして、たった一週間で彼に心変わりしたのか聞いてなかった~」