大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
「な、ななな、なんのことですか!?」
二人からの視線を感じて挙動不審に動揺する桃花さん。
「だってねえ、お店に来たお客さんに連絡先聞かれたのに頑なに『彼氏いるんで!』って無視していた桃花が、たった一週間でその彼氏と別れて他の男にご執心なんて変じゃない?」
「そうそう~、祐輔くんすっごく可愛い顔してるけど、桃花ちゃんのタイプって感じでもなかったから~、これはたぶん、他に理由があったのかなって思うんだよね~」
「他って、例えば、なんですか……?」
小さくなった桃花さんに、二人は小さな声で確信している理由を投げかけた。
「「エッチが上手かった!」」
「なっ!?」
言われた瞬間に顔を真っ赤にさせた桃花さん。
なんてわかりやすい反応。だからこそ二人は面白がって追及を続ける。
「へえ、彼のエッチってそんなに良かったのね。中学生相手に快楽堕ちするアパレル店員……ぷぷぷ、こういうタイトルのAVありそうね!」
「中学生を起用するAVは違法な気が~。まあ、でも目の前に実写のモデルいるもんね~」
「それでそれで、どんな風に良かったの?」
ん、ん、ん?
と詰め寄る二人。
桃花さんに助けを求められたが、俺は無視して水を飲む。
きっと俺が間に入るよりも二人が桃花さんに迫った方が面白そうだから。レイラさんも奈々子さんも、それに俺もだ。
桃花さんはどうかわからないけど、まあ、なんとなく楽しそうだからいい。
俺は届けられたパスタを食べながら、三人のやり取りを見守った。
♦
そんな三人のやり取り──というか、エロトークは続いた。
奈々子さんは見た目も聞いてた話でもわかっていたけど、レイラさんもエロいのが好きなタイプなんだと思う。
そんな素でエロい二人は気付いたらお酒を呑んで酔いがまわり、俺なんかが心配になるぐらい過激な聞き方をしていた。
そして場面はレイラさんの家に移行してもまだ続く。
「「「かんぱーい!」」」
一人暮らしの女性の家ということもあって綺麗に片付けられていて、かなりいい金額の家賃であろう3LDKの部屋。
カーペットを敷き、足の短い丸テーブルを囲い、三人が高々と缶チューハイを掲げる。
「──それで桃花、さっきはお店の中だから聞けなかったけど、彼との同棲生活ではどんな感じで過ごしたの?」
「ほらほら~、早く答えないと祐輔くんにイタズラしちゃうぞ~?」
酔っぱらった二人はなぜか俺を挟んで座り、体を密着させてくる。
いい匂いはするんだけど、それと同じぐらい酒臭いのでなんとも言えない。
だけどまあ、二人とも綺麗だし胸も押し当ててくるからプラスだ。それに自然と俺の太股とか体を撫でてくる。
我慢する方が大変だった。
「もう二人とも! モモの祐輔くんから離れてくださいよー!」
気付いたら桃花さんも酔っていて、すっかり照れがなくなり隠す気もなくなっていた。
「それでそれで、どうなのよ?」
「どうって、祐輔くんとの同棲生活は、ずーっとエッチしてましたあ!」
「あらあら~、ずっとって一週間毎日ってこと~?」
「違います、その日ずっとです! 祐輔くんは絶倫なんです! だから抜かずに何度も何度もエッチできます! ふんす!」
なぜか桃花さんは自分のことのように誇らしげにドヤ顔をする。
「へえ……彼ってそんなに絶倫なの」
「そうです! モモが元彼のことで悩んでたときなんか、0時ぐらいから始めて、お昼近くまでしてくれました!」
「0時からお昼? 桃花ちゃん、それって……休憩とか寝たりしての?」
「いいえ、休憩したいって言ったのに祐輔くん休ませてくれませんでした! だから何度も気を失いそうになりました! あはは!」
「「へえ……」」
桃花さんは気付いてないと思うけど、明らかに地雷を踏んだ気がする。
「なんだかそこまで言われると、少し気になるわね」
「中学生だと思って話半分で聞いてたけど……ねえ~」
二人の目が本気モードになった気がした。
気付いていないのは桃花さんだけ。
「あっ、そうだゲームしない?」
唐突にレイラさんがテーブルの上にトランプみたいなのを置いた。
だがそれはトランプじゃない。俺には見覚えがあった、つい二ヶ月ほど前に。
桃花さんは首を傾げる。
「変態さんゲーム? これなんですか?」
「王様ゲームみたいな遊びよ。カードに書かれたお題の命令を実行するだけ、ただ人によっては恥ずかしいお題もあるから、先にリタイアした方が負け」
「へえ、いいですね! やりましょやりましょ!」
「なになに~、『男性に跨って1分間素股する』だって~」
「あはは、素股ですか……素股!?」
やっと冷静になった桃花さん。
他のお題のカードを見て青ざめる。
「ダ、ダメです! こんなエッチなゲームダメです!」
「さっきは乗り気だったじゃない?」
「それは……だ、だってほら! 『全員の前で1分間フェラする』とかありますよ! こんなのダメですよね!?」
「う~ん、それは大変ねえ~」
「ほら、奈々子さんもこう言ってます!」
「だって1分間で射精させないとダメってことでしょ~?」
「そうじゃなーい! それにほら、この場にいる男って祐輔くんだけで、その……」
「参加者はこの三人で、このお題の相手は彼にだけする。祐輔くんも、いいでしょ……?」
レイラさんが身体を密着させてくる。
さっきよりも大胆に、そしてさりげなく股間を撫でて誘惑してくる。
「俺はいいですよ」
久しぶりに喋った気がする。
そして俺がそう答えると、レイラさんと奈々子さんは笑みを浮かべる。
「ふふっ、ありがと」
「ありがようね~。その分、いーっぱい気持ち良くしてあげるから~」
「あわわ、あわわわー!」
「ほら、桃花も覚悟を決めなさい。それに今夜限りの酔った勢いと割り切って楽しまないと、ねっ?」
少し唸り声を発していた桃花さんだったが、
「わかりました、やりましょう──そのデスゲーム!」
どうやら覚悟を決めたらしい。
こうして楽しい楽しいエッチなデスゲームが始まった。