大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
──クリスマスイブ当日。
お昼過ぎから始まったデート。
桃花さんのお目当てのランチ、というよりもクリスマス仕様のケーキバイキングなのでご飯かどうかは微妙なところだが、それを食べ。
それから服とかの買い物へ。
街並みがクリスマスっぽくなっているのを除くと、普段の外でするデートもこんな感じだ。
変わったことはとくにない。
それでも、
「ふふん、いっぱい買っちゃった! 荷物持たせちゃってごめんね」
桃花さんは終始、笑顔で楽しそうだった。
「謝るぐらいなら買う量とか減らしてくれてもよかったんですよ?」
「え、やだ。だって欲しいものいっぱいあったんだもん」
「でしょうね。まあ、いいですけど」
俺の腕を組んで歩く桃花さん。
ここからの目的地は知らない。
今日は最初から桃花さんの行きたいところに行く日だから。
そして街中を歩いていると、すっかり暗くなった。
雪は降っていないものの寒空の下、桃花さんは少し頬を赤らめ、足を止めた。
「次、ここ」
そこは街中にあるラブホだった。
ホテルの外に立ち止まっていると、恥ずかしそうにする桃花さんに「誰かに見られたら気まずいから、ほら早く」と急かされる。
受付を済ますと真っ直ぐエレベーターで部屋へ。
別に誰かに見られても問題ないのだが、桃花さんとしてはやっぱり恥ずかしいのだろう。
「へえ、いい部屋ですね」
明るいピンク色の明かり。
クリスマス仕様の飾りつけになっているが、至って普通のラブホだ。
「えっとね」
桃花さんに抱き着かれる。
「色々とね、祐輔くんに喜んでもらいたくてエッチなこと調べたの。だけどその……どういうことしたら祐輔くんがいつもより興奮してくれるか、わかんなくて。ありきたりだけど、これしか思いつかなかったの」
恥じらいながら袋から取り出したのは、クリスマスシーズンになるとよく見るサンタのコスプレ衣装だった。
「モモ、頑張って気持ちよくするから。だ、だから、お願い……帰らないで。モモのこと、好きなだけ犯して」
「もしかして、気に食わなかったら俺が帰ると思ってました?」
「え、うん……。だって前にそう言ってたから」
前? 前……?
思いだすと、確かにそんなこと言っていた気もした。
「あれは別に桃花さんを頑張らせる為の冗談というか」
「冗談? じゃあ、帰らない……?」
「ここまで来て帰るわけないでしょ」
笑いながらそう伝えると、桃花さんは安堵するように大きく息を吐く。
「良かったぁ……ずっと不安だったんだよ、ラブホまで来て祐輔くんに帰られたらどうしよって」
「さすがにそこまでクズ野郎じゃないですよ」
「そっか、そうだよね」
「ただ、どうせなら初めて見るのは着てからの方が良かったんじゃ? とは思いますけど」
「あ……」
手に持ったサンタコスを後ろに隠す。
えへへ、と笑った桃花さんは「シャワー、どうしよっか。シャワー浴びた後に着た方がいいよね」と聞かれる。
それから俺たちは一緒にシャワーへ。
お互いの身体を洗いながら会話をする。
「そういえば前に来た天井が鏡になったラブホって駄目だったんですか?」
「え、なんで?」
「いや、ここ結構普通のラブホなんで」
「あー、うん。探してたらいろんなラブホあったんだけど、なんか、やりすぎたら引かれちゃうかなって思って」
「俺が引くと思います?」
「……わかんないよ。ベッドが回転するラブホとかの方が良かった?」
「いや、それ需要あります?」
「わかんない。で、どういうのがいいのかわかんなくなってここにしたの。それに評判も良かったし、清潔感あって」
「なるほど」
そんな会話をしていたらお互いの身体を洗い終えた。
着替えるからと先にベッドに戻された俺は、バスタオルを巻いただけの恰好でベッドに座る。
そして前もって準備していたモノを取り出した。
「というより、持たされたが正しいんだけど」
動画を撮影する用のカメラの準備しながらため息をつく。
『ふうん、桃花さんっていう年上の女性とイブに予定あるんだ』
『お買い物してそのままラブホに行って朝までお楽しみねえ、へえ』
『あっ、じゃあこれ渡すから二人でしてるとこ撮影してきて』
『なんでって、それ見ながら次の日──私とエッチしよ? きっとすっごく興奮すると思うから♡』
と、とある変態化した幼馴染に渡されたビデオカメラ。
自分の好きな男が他の女とセックスしてるのを見ながら俺とセックスしたいって……どんな変態だよ。
「まあ、俺も話を聞いて興奮するって思ったからお互い様だけど」
それに、そうさせたのは俺だしな。
「お、お待たせ……」
浴室から出て来た桃花さんは恥じらいながらこっちに歩いてくる。
綺麗なその姿を見て、俺は自然とビデオカメラを彼女に向けて撮影を開始した。
「ちょ、なに撮ってんの!?」
「いいじゃないですか。記念です記念」
「記念って……もう。誰にも見せたりしないでよ?」
それは、ごめん。
でも男には見せないから、男には。
「桃花さん、めっちゃ似合ってますよ」
赤と白の生地のサンタコス。
二の腕を出し、太股を出したミニスカート。
ガーターベルトが色気を出し、心の底から似合ってると思った。
「本当?」
「もちろん。ほら、見ただけでもうこんなになってますよ」
「あっ……もう、そんなに大きくしてくれたんだ♡」
視線を股間に下げると、桃花さんは嬉しそうに微笑む。
隣に座り、甘えた声の彼女にキスをせがまれた。