大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
ギャルだ。
綺麗な金色の長髪。
ただお休みモードなのか、スッピンで服装もスウェットで明るさは無い。
それでも綺麗な見た目だ、なんで泣いた後みたいな目を腫らしているのかわからないけど。
というより、
「もしかして、音聞こえてました?」
「隣の部屋ですけど、聞こえてました。静かにしてもらっていいですか?」
「ああ、すみません……」
「じゃ」
要件だけを言ってギャルは去っていった。
部屋が横並びになったマンションで、俺の部屋は一番端。
そしてギャルは隣の部屋に帰っていった。
「なんだったの?」
「なんか、音聞こえるって」
「え、管理人さん大丈夫って言ったのに」
「たぶん外には聞こえないけど、隣の部屋には聞こえるんじゃないか?」
「うわ、最悪……」
ため息をつく奈菜。
俺は残念がる彼女の側に寄り、慌てて履いたズボンを脱ぎ捨てる。
「だからって止めるとか言うなよ?」
「えっ、大丈夫な……んんっ♡」
「ほら、声抑えろって」
一気に膣奥まで肉棒を突き挿れると、奈菜はまた大きく喘ぎ声をあげる。
口を手で抑えながら腰を振ると、膣内がさっきよりも締まっていくのがわかった。
「もしかして、口抑えられながら突かれて興奮してる?」
「ん……はあっ♡ だ、だって、なんかレイプされてるみたいで、ちょっと、いいなって♡」
「おいおい、レイプ願望あんのか? 俺以外にされても興奮すんのか?」
「ち、ちがっ、う♡ 祐輔にされるから、興奮するの……っ♡」
「じゃあもっとしてやるよ」
口を抑えながら突いていく。
──そのまま何回も何回もしたが、お隣さんが来て文句言われることはなかった。
どうやら最初の奈菜の喘ぎ声がうるさすぎたのだろう、次からどうするか、少し心配だ。
♦
人生二度目の入学式、俺は奈菜と共に一年生の教室を見て回る。
「あっ、あった。私2組だ」
クラス表を見て奈菜が指差す。
俺のクラスというと、
「6組か」
一学年は全部で6組あり、俺のクラスは最後だった。
ちなみに蘭華は1組なので、綺麗にバラけたことになる。
というか、前とクラス変わってる、前は確か俺が2組だった。
奈菜が入学したからとかか?
それで変わった──かっこよく言えば世界線が変わったという。
まあ、どうでもいいか。
奈菜と別れて俺は一人教室へ。
教室には既にこれからクラスメイトになる学生が大勢いて、楽し気に話す姿も見える。
おそらくは俺と違って東京生まれ東京育ちで、同じ中学出身で固まってる感じだろう。
なので誰とも話さずスマホを見たりイスに座って窓の外を見ている者の多くは、おそらく地方から進学した者だろう。
黒板に書かれた席順を確認して、俺は書かれた席に向かう。
にしても、この学校は東京でも比較的に頭の良い学校で、そういう学生が集まっているから真面目そうな奴しかいないな。
校則も守って、入学式だというのに机で勉強している奴までいる。
蘭華が一番派手かもな、なんて思ってると派手な金色の巻き髪の女子がいた。
頬杖を突き、窓の外を眺めている。
横顔しか見えないけど、美人っぽい雰囲気。しかも隣の席だ、話しかけてみるか。
「あー、えっと、よろしく」
元から初対面の女性に話しかけて、うぇーい! ってなるタイプじゃないので、恥ずかしがりながら声をかけると彼女はこっちを向く。
目鼻立ちが良く、長いまつ毛にほんのり赤い頬。
綺麗な顔をしていて、体型もモデルのようにすらっとしている。
で、こっちを見た彼女にどこか見覚えあった。
「……あんた、AV男」
「は?」
第一声がそれだった。
最初はAV男優に俺と似ている奴がいるのかとか考えたけど、よく考えてみると彼女は、
「もしかして隣の家の?」
「うわ、家も隣で席も隣……ついてないわぁ」
大きなため息をつかれた。
まさか隣の家だけでなくクラスも一緒で席も隣同士とは。
僕と君、運命の赤い糸で結ばれてるってことだね。
なんて少女漫画のキャラみたいなこと言えない。なにせ第一印象最悪だから。というよりAV見てたわけじゃないんだけど。
机をくっつけた席で、彼女の隣に座るとあからさまにイスをずらして俺から離れる。
これは完全に嫌われてる。
彼女も窓の外に顔を向けて会話を拒否されてるので、気まずい雰囲気が流れる。
ただ少しすると、チラッとこっちを見た。
「あんた一人暮らし?」
「ああ、そうだけど」
「ふぅん、ってことは地元ここじゃないんだ。どこ出身」
「富山」
「富山? 富山って……どこ?」
「長野の近く」
「いや、もっとわかんないんだけど」
鼻で笑われた。
「そっちは?」
「あたし? あたしは北海道。北海道の新篠津村」
「村? ……って、どこだよ」
「北海道の田舎。田舎から東京に引っ越してきたってわけ」
「なるほど。でも方言とか出ないんだな」
「北海道って元からそんな方言ないから。なまら、とか、したっけ、とか。そんぐらい。だからじゃない?」
「あー、そっか。北海道の人って基本標準語だもんな」
と、意外と普通に会話してくれた。
「家が隣なのも引っ越し当日に大音量でAV流してたのもマジで最悪だけど、まあ、あんたみたいに上京組が隣で良かったわ」
「……引っかかる部分は多々あるが、えっと、なんで?」
「だってほら」
隣のギャルが指差す。
東京が地元であろう男の周りに同じく東京出身者が集まる光景。
「もし隣が東京の奴だったら、アリの巣みたいにうじゃうじゃ湧いて絶対ウザイじゃん」
「あー、そういうこと」
「だから変態なのは残念だけど、まあマシってね」
大きくため息をつくと、彼女は頬杖を突きながら俺を見る。
「あたしは白石楓。あんたは?」
「楠木祐輔」
「ふぅん、楠木ね。よろしく。あっ、握手とか触るのは無理ね。あたし彼氏いるから」