大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
「熱い、無理無理無理……なに、もう」
顔が熱い。
二人って少し前まで中学生だったんだよね。
それなのにあんな……。
『ああんっ♡ 祐輔、祐輔……もっと突いてっ♡』
『ったく、もう少し静かにしろって』
『ムリだってぇ、こんな、こんな気持ちいいのに、声我慢できないってぇ……ッ♡』
奈菜ちゃんの声を聞いているだけで、なんか、身体がおかしい。
気付くと壁に耳を付け、座ったまま股間を指で触っていた。
「なに、してんの……あたし」
さっき彼氏と別れたばっかで、こんな……。
でも別れたばっかだから、余計に指が止まんない。
「ダメ、もう……」
服の上からでも、下着の上からでも、ムリ。
気付くと服を脱いで、直接生で秘部を触ってオナニーしていた。
「あっ、ん、はあ、や、やば、これっ……なまら気持ちいい♡」
さっきまでの寂しさとか切なさが吹き飛ぶほどの快感。
AVとか見たことないけど、少女漫画とか見てオナニーしたことはある。
クリを指で弄ると、自然と声が漏れ出る。
「ダメ、だってっ……そんな、そんな激しくしちゃ……あっ、そこやばっ、あはっ♡」
目を閉じ、壁に耳を付け、卑猥な妄想をしながらオナニーを堪能する。
十分、二十分、三十分。
クリを弄るだけじゃ我慢できず、気付くとおマンコの中に指を挿れていた。
久しぶりのオナニーは気持ち良かった。
実家だと親がいて声出ちゃうからあんまできなくて、お風呂場でしかしなかった。
友達が彼氏とセックスしたって話を聞いて「いいな」って思うのと同じく「怖い」って思って、まだ経験ない。
だけど。
だけど。
「エッチ、してみたいな……」
彼氏と別れて、地元を離れて一人東京に引っ越した。
たぶん弱ってるから、こんなこと思ったんだと思う。
一時的だとしても、誰かに抱かれて、誰かに愛されたい。
それにせっかく都会に来て、高校デビューしたんだから、エッチなことも経験してみたい。
「あ、やばっ……イクっ♡ イグっ、イグイグぅ……ッ♡」
腰がビクンと浮き上がる。
全身が痺れ、頭がふわふわする。
気持ち良くて、もう何も考えたくない。
全身に力が入らず、そのままベットに横になる。
楠木と奈菜ちゃんのエッチな声は聞こえる。
「寂しい……」
目を閉じると、気付くと眠っていた。
♦
「飯、買いに行きたいんだけど」
次の日。
朝早くに奈菜は帰った。
──友達とテニスラケット見に行く約束してるから帰るね! あっ、ついでに合鍵も作ってくるね!
と、俺の家の鍵を持っていかれた。
たった一本しかない鍵なのに、なぜ持って行くのか。
「あいつ、どうせ夜にならないと来ないだろ」
その間、俺はどうすればいいのか。
冷蔵庫を開けるが飲み物はあるけど食材はない。
「鍵閉めずに行くか?」
いや、東京で鍵かけないで家を空けるのはさすがに……。
仕方ない。
俺は玄関を出て、隣の部屋の白石の家のインターホンを鳴らす。
さすがに昼だから起きてるだろ、出掛けてなければいるはずだ。
『……はい』
「白石、俺だけど」
『えっ、あ、え、楠木……!?』
「ああ」
なんかめちゃくちゃ焦ってたな。
もしかして風呂途中だったか、それなら悪いことしたな。
「悪い、ちょっと頼みがあって」
俺は状況を説明する。
その途中で気付いたけど、奈菜が俺の家の合鍵を作るって変だよな、付き合ってないって言ったのに。
だけど白石はそこに触れず、わかった、と言った。
そして玄関の扉が開くと、白石は俺の足下に視線を向けながら、
「……じゃあ、あたしがご飯、作ってあげよっか?」
と、願ってもない提案をしてくれた。
「いいのか?」
「暇だからいいけど。でも、不味くても文句言わないでよ?」
「もちろん! で、なんでさっきから顔合わせてくれないんだ?」
化粧はしてないけど、別に引越し初日に俺の家に来たときにスッピン見てるしな。
「べ、べつに、なんでもない……したっけ、食材持ってそっち行くから待ってて!」
そう言って扉が閉められた。
したっけ?
北海道弁で「それじゃあ」みたいな意味か。
あれ、前に北海道弁はあんま使わないとか言ってなかったか?
まあいいけど。それに方言は新鮮でいい。
それから数分、自宅で待っていると、
「ごめん、待った?」
部屋に来た白石は頬を赤くさせ、やっぱり目を合わせようとしない。
それにあの時間で化粧をしていたらしく、元から綺麗だが大人っぽくなった気がする。
「化粧してきたんだ」
「え、うん……そうだけど」
「やっぱお前って美人だよな」
「なっ!?」
「体型もモデルみたいだし、こっちで読者モデルとか……」
学校ではなく自分の家で二人っきりだから、つい気が緩んでしまった。
さすがにこんなこと言ったら怒られるか。
と、思ったのだが、
「あ、あああ、ありがと……」
意外にも喜んでくれた。
なんだ、なんか変なものでも食ったのか?
「し、したっけキッチン借りるね! あー、ほんと今日なまら暑い!」
なんか、挙動不審だ。
もしかして、
「昨日の夜……なんかあったのか?」
「えっ!?」
顔を真っ赤にさせた白石がキッチンに背を付けめちゃくちゃ動揺している。
やっぱり。
奈菜とセックスしてたの、聞かれてたな。
「いや、なんでもない」
「う、うん……じゃあ、楠木は座ってて!」
少し気まずい空気の中、俺は白石の料理が終わるまで静かに待った。