大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
謎の二つ名を聞かされたが、要するにアレだろ。
誰とでもセックスするビッチだけど、セックスが上手くない相手とは二度としないってことだろ。
男は女の容姿を見て「可愛い」とか「綺麗」とか「おっぱい大きい」とかで選べるけど、女は確かに「顔がいい」とか「性格がいい」とかはわかるけど、セックスってしてみないとわからないからな。
ただ女子高生でそこまでの異名持ちって、何かのエロ漫画とかエロアニメの世界でしかいないぞ。
「もしかしてきみも味見されたいの?」
「え、まあそんなとこですかね」
「そうなんだ。でも、止めといた方がいいよ?」
「なんでです?」
「だってアリスちゃんとエッチしたってこと、なんでだかすぐに広まるから」
あのビッチと寝たという汚名を着せられる、かと思ったが違うらしい。
「振られた男って要するにエッチが下手って、下の方は無能ってレッテル張られちゃうから。ほら、最初に話しかけたあいつなんて顔はいいけど、こっぴどく振られたから女人気無くなっちゃって」
「あー、なるほど。美食家に「ここのお店の料理は美味しくない」って言われた、みたいな感じですかね?」
「そうそう、そんな感じ! 女人気は無くなり、男としての自信も失い……ダメ~って判定されたらアリスちゃんには一生相手されない。きみも、あんまり自信が無いなら諦めた方がいいよ?」
「なるほど」
まあ、そんだけ好き勝手男漁りしてる先輩なら誰とやったとかの噂はすぐ広まるよな。
で、お眼鏡に適わなかったということは、セックスが下手だったのかいい武器を持っていなかったのか、何かしら駄目だったということ。
もしかしたら同級生の女子たちから、一つの指標としてされたりするのかもな。
「別に問題ないですよ。自信あるんで」
「……へえ、そっか」
彼女の雰囲気が少し変わった。
そして離れたとき、初めて親切な彼女の顔を見た。
大きな瞳に派手な髪色の、めちゃくちゃ綺麗な容姿なのを今になって気付いた。
「今日は二年生を味見するって言っていたから、図書館の隣にある図書準備室に行ってみて。きっとそこで味見中だと思うから」
「ありがとうございます。随分と詳しいんですね」
「アリスちゃんと仲良しだから。味見前に教えてくれるの」
「なるほど。ちなみに名前を聞いてもいいですか?」
「え、わたしの?」
「はい」
「うーん、まあ、それはまた今度かな」
彼女は手をひらひらと振りながら「きみがアリスちゃんのお眼鏡にったら、きっとまた会えるよ。それじゃあ、頑張ってね~」と、どっか行ってしまった。
「今はあの人の方がめっちゃ気になるけど、まあ、アリスさんのお眼鏡にったら会えるって言ってたから今は後回しにするか」
俺は言われた通り図書準備室へ向かった。
次の授業があと数分後にある、これは完全にサボりだな。
♦
先生に見られないように図書準備室に到着した。
「中から物音は聞こえないけど、ほんとにいるのか?」
そんなことを思いつつ扉を開けようとすると、自動ドアのように勝手に開いた。
正面には無垢な見た目の少年。
少年は俺と目が合うと、大粒の涙を流しながら、
「うわああああああん……ママっ!」
と、叫んで走って行ってしまった。
「もう、扉はちゃんと閉めて出て行ってくださいと言いましたのに……あら?」
部屋の中から、頬を膨らませた女性が歩いてくる。
綺麗な金色の髪を肩から垂らしたゆるふわな髪型。こういうのを縦ロールというのだろう、リアルでこの髪型をしている人を初めて見たが、ファンタジー世界っぽいが全く違和感はない。
おっとりとした雰囲気の顔付きで、写真部が言っていたように色白。
細身というよりは適度な肉付きのある体型で、制服を着ている……というか、大人の女性がコスプレに着ているようにしか見えないぐらい大人っぽくてエロい身体をしている。
優等生って感じでは無いのは、服装からもわかる。
大きく開けたブラウスの胸元から、視線を奪われてしまう谷間と派手な黒の下着が見え、お尻が見えそうなほど短いスカートに、しゃぶりつきたくなるような太股。
胸は大きく、尻もデカく、なのに腰は細い。
確かにこれは、一度は味わってみたい女だ。
到底、女子高生には見えないが……。
「何かご用ですか?」
「有栖川アリス先輩ってあなたですか?」
「はい、わたくしが有栖川アリスですが……あなた様は?」
喋り方がお嬢様。
そういえば写真部の奴らがお姫様だとかお嬢様だとか、それに帰国子女だとか言っていたな。
「楠木祐輔といいます」
「祐輔さんですね、わたくしのことはアリスと気軽にお呼びください」
「じゃあ、お言葉に甘えて。えっと、アリスさんって、もしかしてハーフですか?」
「ええ、イギリス人の父と日本人の母ですわ」
「そうなんですか。いや、日本人離れした綺麗な人だなって思って見惚れちゃいました」
「あら」
アリス先輩は口元に手を当て、上品に微笑む。
「綺麗だなんて、ふふっ……嬉しい。ありがとうございます。祐輔さんもとっても素敵ですわ」
「あ、ありがとうございます」
つい、童貞みたいな反応してしまった。
なんだかペースも雰囲気も乱されるな。
「それで祐輔さん、わたくしにご用件があってお越しくださったんですよね?」
「ええ、実は」
「それじゃあ立ち話もなんですから、どうぞ中へ。今は授業中ですから」
開いたままの扉を閉めようとすると、アリスさんが俺の前に立ち、身体を触れながら扉とカギを閉める。
柔らかい乳房が触れ、めちゃくちゃ甘ったるい香水の匂い……だけど、微かに男が吐き出した精液の匂いがした。
「ここへ来た、ということは……そういうことなのでしょ?」
ふふっ。
妖艶な笑みを浮かべて、はっきりと肉棒が反応した。