大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
ボサボサの髪を直して簡単な服を着て「準備オッケー!」と言った純玲に、汐音は「シャワー浴びてきな」と言った。
急いでるのにわけわからんと言った表情の純玲だったが、まあとシャワーを浴びる。
自分では気づいていないのだろう、体中から精液や汗の匂いがしているということを。
それから数十分後──。
「いやー、ごめんごめん。寝坊しちゃった」
「「……」」
バイキング形式の朝食をとりながら、純玲は笑う。
お腹空いていたのか、いただきますしてから勢いよく食べ始める。
食べっぷりも表情も、どこか若返ったように見えた。
凛子は黙っていたが、汐音はずっと気になっているであろうことを聞いてみた。
「……純玲、彼としたの?」
「え、あ……うん、した」
恥ずかしがっていたが、それでもはっきりと答えた。
この島へ来た元の予定は不倫するためだから、汐音もそこを咎めるつもりはない。ただ気になるのは相手だ。
「彼、高校生よね?」
「うん、高一」
「高一って、数か月前まで中学生じゃない……」
犯罪でしょ。
そんな視線を送ると、純玲は慌てて言い返す。
「で、でも、祐輔くんは普通の高校生じゃないの! 凄いの、ほんと凄いの!」
「ちょ、声大きいってば……」
「あ。……ほんと、二人が想像してる高校生と比べものにならないぐらい凄いの」
「例えば……?」
「……アレ、凄く大きい」
「「……」」
朝食のウインナーをフォークで刺しながら、純玲は言う。
「あたし、あんな凄いの初めて見た」
「凄いって、ど、どんな風……なの?」
さっきまで小馬鹿にしていた汐音も、いつの間にか真剣な表情になっていることに凛子は気付いた。
「長さも太さも……こ、このフランスパンぐらい、あって」
「「フランスパン!?」」
「いや、ここまでじゃないか。けどその、硬さはこれぐらい……あ、あと、すっごい反り返ってて、気持ちいいの。何回も、気絶しちゃった……っ♡」
思い出してか、純玲は一瞬だけ女の顔をした。
汐音も凛子も唾を飲み、想像する。
だけどすぐ、汐音は動揺を隠すように純玲に言う。
「だ、だからって、高校生は……」
「それだけじゃないの。祐輔くん、すっごい絶倫なの」
「……絶倫」
「実は、その……昨日の夜から、二人が起こしてくれる少し前まで、してたんだよね」
「「……」」
「何回したか、覚えてない……だけど、ずっとやばかった」
純玲はそう言うと、食い気味に二人を見る。
「もし二人がまだ相手見つけてなかったら、ど、どうかな!? 祐輔くん、この島にいる男性で一番凄いと思う。ううん、絶対に凄いから!」
「ど、どうって……ねえ」
「う、うん」
汐音と凛子は見合いお互いに気まずそうにする。
「それに優しくて、何より、その……女の子を気持ちよくさせるのも、上手なの」
「気持ちよくって。同じでしょ、それ」
「違う違う。身体だけじゃなくて、心の方も。あたしが欲しいモノをくれるの」
「それって……」
汐音は「どういうこと?」と不思議そうにしていたが、凛子はその言葉に魅力を感じていた。
心の方も、欲しいモノをくれる。
膝の上に置いていた手を、凛子は自然と伸ばしそうになった。
「だからって高校生はさすがに、ねえ凛子?」
「え、あ、う、うん」
汐音に言われなければ「わたしにも紹介してほしい」と頼んでいたかもしれない。
「もう、高校生だからって偏見ばっか。あっ、そうだ!」
「ん?」
「今日さ、ビーチ行かない? 祐輔くんも一緒に」
「「え?」」
♦
流されるように汐音と凛子は、純玲に連れられてビーチへ。
部屋に用意されていた貸出用の水着に着替えて待っていると、童顔な彼がやってきた。
「あっ、祐輔くん♡」
「ふぅあ……おはようございます」
眠そうにする彼に駆け寄る純玲。
腕を組み、彼に二人のことを紹介する。
「うん、おはよ♡ あっ、二人があたしの友達で、汐音と凛子だよ」
「どうもはじめまして。祐輔です」
「「……どうも」」
心の中で二人は同じことを思った。
……やっぱりどう見ても子供だ。
純玲と並ぶと、おねショタのアニメを見ているような歪さ。
だけど二人は、純玲から聞かされた彼の凄い話を思い出す。
それに学生の頃から一緒だったあの純玲が少年にべったりとくっ付き、彼を見る目が女の目に変わっていた。
学生時代からかなりモテモテで、男に媚びる姿なんて見たことがなかった。
そんな純玲が……。
それだけで、彼が普通じゃないことがわかった。
「祐輔くん、ど、どうかな……似合ってる?」
布面積の少ないヒョウ柄の水着の純玲。
大きな胸を両腕で持ち上げ、緊張しながら彼に問いかける。
「めちゃくちゃ似合ってますよ」
「ほ、ほんと? 良かった……♡」
また目が♡になっていた。
彼の腕を胸で挟んで、発情する牝犬のようだ。
「お二人も、凄く綺麗ですね……」
彼は汐音と凛子を見て、恥ずかしがりながら言った。
その反応を見て、
「ど、どうも」
汐音も恥ずかしそうに、白の水着の位置を指で直す。
凛子は上手く言葉が出せなくて、水玉模様の水着を手で隠しながら、こくこくと頷くようにお礼を伝える。
……意外と、かわいいかも。
二人は彼に、そんな印象を持った。