大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
「……やっぱり」
ドアを開けると、むすっとした表情の彩さんが目の前に立っていた。
トイレに座っていた愛華さんが顔を覗かせる。
「あっ、彩さんだ。もう水着は決めたんですか?」
「……それより」
彩さんは個室トイレに入るなりドアを閉める。
手には買い物袋。どうやら水着を買ってきた後のようだ。
「声、けっこう外に漏れてたけど?」
「あはっ、気分上がりすぎちゃったかな」
「……」
彩さんは愛華さんに視線を送る。
いやらしい布面積の少ない水着のみを身に付け、秘部から太腿へ白濁液が垂れる。
そんな彼女に羨ましそうな視線を送る彩さん。
「なんですか、彩さん? もしかして抜け駆けしてズルいとか言いたいんですか?」
「それは……」
「あっ、そういえば……水着売り場の更衣室で喘ぎ声が聞こえたなぁ」
「ッ!?」
わざとらしく、愛華さんは視線を外しながら彩さんに伝える。
「彩さんは聞いてません? 更衣室でセックスしてた人たちがいたみたいなんですよ。随分と大胆だなって」
「そ、それは……」
「あれ、顔赤くなってますけど、どうかしたんですか?」
知ってるくせに、という視線を愛華さんに送るが、楽しそうにする彼女は追及を続けた。
彩さんはというと、俺に助けを求めていたが視線をそらしていると、必死に誤魔化そうとしていた。
そんなやり取りを少し続けながら、俺たちは旅館へと戻ってきた。
♦
夜になり、部屋に運ばれてきた料理を俺たち三人は堪能していた。
「いいなあ、彩さん。お酒呑んで」
「何言ってるの、愛華ちゃん未成年でしょ」
「だけど、なんか美味しそう……」
日本酒を味わう彩さんを見て、愛華さんがぶーぶー文句を言っていた。
俺も中学生の体じゃなかったら酒呑んでるだろうな。
だって鍋に刺身、それにカニとかって、絶対に酒があった方が楽しめるだろ。
なんでオレンジジュースを飲まなきゃ。まあ、美味しいけどさ。
「そういえば話を戻すんだけど」
お酒を呑んで少しだけ顔を赤くさせた彩さんが俺たちを見る。
「その、さっき二人でしてるとき……変な会話が聞こえてきたんだけど、あれは何?」
「変な会話? えっと……」
「ああ、あれか。シチュエーションエッチっていうのをしていたんですよ」
「そういうことか!」
シチュエーションエッチ? と首を傾げる彩さん。
愛華さんが説明するが「うーん」と、そこまでピンときてないようだった。
「じゃあ、実際に見てみます?」
「「え?」」
不思議そうに首を傾げる二人。
俺はバックから、スマホの映像をテレビに映し出す機械を取り出し設置する。
「えっ、ゆうくんもしかして、ここで流すつもり……?」
「はい、そのつもりです」
これを持ってきた目的は別に使う予定だったんだけど、まあいいか。
スマホとテレビをケーブルで接続すると、テレビの画面には、さっきまでしていた情事の映像が流れた。
「あらあら……♡」
「こ、こうして……自分で自分がセックスしてる映像見るの、ちょっと恥ずかしいかも」
自分が後ろから突かれてる姿を見て、大きすぎる喘ぎ声を聞いて、珍しく恥ずかしそうにする愛華さん。
彩さんは酔っているからか、いつも以上に乗り気で、AVを鑑賞するようにじっくりと映像を眺めていた。
「なるほど、先生と生徒か……いいわねこういうシチュエーション、憧れるわ」
「あはは……彩さんは学生時代、こういう経験しなかったんですか?」
少し映像を見ると愛華さんは慣れたらしく、酒のつまみ感覚で食事をしながら映像を楽しんでいた。
「なかったわよこんなこと。というより、高校のときの先生ってみんな五十越えばっかだったもの。というより、あんまり学校行っていた記憶もないしね」
「彩さんはヤンキーだったんでしたっけ」
「ちょっと祐輔くん!」
「へえ、そうなんですね! じゃあ学生時代もエッチしまくりだったんですか?」
「そんなことは……あったかも?」
彩さんが酒を吞んで酔った姿を見たのは今日が初めてだ。どうやら彼女は、酔ったら口が軽くなるらしい。
「そういえば旦那さんとは学生時代に付き合っていて、そのまま結婚したんでしたもんね」
「まあそうね。もし過去に戻れるなら、止めておきなさいって言うわね」
乾いた笑いが彩さんから漏れる。
すると、愛華さんが不思議そうに首を傾げる。
「彩さんって、旦那さんのこと今でも好きなんですか?」
「え、んん……どうかな。最近は会ってもいないから、そういう感情があるのかどうかもわからないわね。ただ一つ言えるのは、若いときにもっと遊んでいれば良かったなって。もちろん、息子のことは愛してるけど」
「なるほど、って今でも若いじゃないですか」
「いやあ……」
高校生の愛華さんに言われても、みたいな表情をする彩さん。
「──でも」
俺は隣に座る彩さんの太腿を撫でる。
「遊ぶのは、これから沢山できますからね?」
「祐輔くん……♡」
太腿を撫でただけで、愛華さんの口から甘い吐息が漏れる。
「こら! 二人でいい雰囲気にならないで!」
「ご、ごめんなさい……というより、こんな映像見せられてたら、ねえ……?」
「まあ、うん……」
二人から熱い視線を向けられる。