大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
『なんかアカネがさ、俺たちのセックスを蘭華に見せたいんだって。だから明後日の夜、俺の部屋に来いよ』
凄いな、一語一句あの頃のまんまだ。
まあ、俺や奈菜と出会っていなかったとしても、蘭華の辿る道は変わらなかったということだろう。
ここまでは、だが。
「要するに、二人がセックスしてるのを蘭華に見せつけて興奮したいと。とんだ変態カップルだな」
「……」
「もしかしてこれ、行くつもりなのか?」
百人いたら百人とも断るだろう、自分のことが好きなんだとわかっていてそんなことさせるなんて、悪趣味にもほどがある。
好きな人が他の女とセックスしてるのを、ただ近くで永遠と見せられるなんて地獄でしかない。
だが、
「……行かないと慶谷、うちのこともう構ってくれないって」
はっきり言って蘭華は幼馴染が好きというよりも、ただ単純に慶谷って奴に依存してるだけだ。
元から強い依存体質なのだろう。
一度あいつに彼女ができて奪われてしまったから、また失うのが怖いのだろう。
自分でも気付かないうちに泥沼の依存コースに嵌ってしまったというわけか。
そして相手の慶谷もアカネも中学生だから、自分たちが良ければいいと、どれだけ酷いことをしているのか気付いていない。
「好きな男が他の女とセックスしてるのを見せられ続けるの、堪えられるのか?」
「……ムリ」
「だったら行かない方がいいだろ」
「でも……」
当時の俺も、蘭華からここまで全く同じ相談をされた。
そこで俺は「馬鹿らしい。勝手にしろ」と言って彼女を置いて立ち去った。
可哀想だとは思った。
ただ、蘭華は俺に相談しているつもりだろうが、彼女の中で誘いに応えるという結論が出ているのを気付いたからだ。
それならこれ以上の会話は時間の無駄だと思って、彼女とそれ以上……もちろん、同じ高校に通うようになっても関わることはなかった。
結果、小日向蘭華はどうなったか?
慶谷とは結局そのまま付き合うことなく終わり、高校進学と共に悪い先輩に目を付けられて別の相手のセフレに。
依存体質の彼女はその男の言うことをなんでも聞くようになり、ついには男の友人たちも加わり──。
まあ、このまま何もしなければ彼女にとってかはどうか知らないけど、バッドエンドが待っているというわけだ。
──だが、今回は違う。
「俺も一緒に行ってやろうか?」
「え……?」
目を丸くさせる蘭華。
「一人で行って、ただ見させられるのも辛いだろ。だったら俺も一緒に行ってやるか?」
「え、いや、ごめん……えっ、祐輔が一緒に?」
「ああ」
「待って待って、さすがにそれは……」
あはは、と笑う蘭華の隣に移動する。
そして肩を抱き寄せると、蘭華は顔を真っ赤にさせて拒む。
「ちょ、ちょっと、急にどうしたん!?」
「いや、そんなに辛いなら、あの男のことなんか忘れさせてやろうかなって」
「は、はあ!? そんな急に……もしかして、うちが弱ってるから簡単にやれるとか思ったん? うちそんな軽い女やないけど!」
いや、未来ではめちゃくちゃ軽い女になってるけど……。
まあそれはいいか。それより蘭華の反応は怒っている、というよりは、驚いて強がっているようだった。
「別にそういうつもりはなかったんだがな。じゃあお前は、好きな男が他の女を抱いて気持ちよくなってるのを一人で見させられて平気なのか?」
「……」
「どうせ女の方はお前に見られて優越感に浸りたいだけだろうな。それで男の方は、お前に見せつけて心を抉って快感を得たいんだろう。その後は慰めるとかいって都合良くお前のこの身体を抱くんだろうな」
「……やめて」
「結局、二人のセックスを見たって何も関係は進まない。むしろもっと酷い命令してくるんじゃないのか? 例えば他の男とセッ──」
「──やめてって!」
俺を突き飛ばし、涙を流す彼女。
言い過ぎたとも思うが、彼女に事実を理解させるにはこれぐらいはっきり言わないと駄目だろう。
「もういい、帰る……。会って間もないあんたに相談したうちが馬鹿だった」
テーブルに置いたスマホを乱暴に取ると、蘭華は足早に去って行った。
俺は追いかけることはせず、カラオケで待ち合わせしている奈菜に会いに行くことにした。
♦
「もう、温泉上がってからどれだけ待たせんのさ」
「ごめんごめん」
「まったく。……消灯まで時間無いけど、どうすんの? エッチする時間ないじゃん」
「そうだな。じゃあ明日、今日の埋め合わせさせてくれないか?」
「ほんと? そう言ってまた約束すっぽかしたりしない?」
「しないって。明日はもっと長い時間取ってしよう。だから機嫌直してくれって」
カラオケの個室にて。
薄暗い部屋の中で、俺は浴衣姿の奈菜の肩を抱き寄せる。
「はあ、わかりました。それで許してあげるから、今度は約束ちゃんと守ってね」
「ああ、わかってる」
「破ったらどうする?」
「破らないから安心しろ。それより……」
「ん、わかってる。口でしてほしいんでしょ?」
頷くと、奈菜は「人には我慢させといて、自分はスッキリしたいなんてわがままだよね」と文句を言っている。
それでも奈菜は、スリッパを脱いでイスの上で四つん這いになると、ペニスを優しく握る。
「もうこんなに硬くして……おちんぽ、お口で気持ちよくしてほしい?」
「ああ、してほしい」
「ふふっ、じゃあしてあげる……っ♡ ちゅ、れろっ♡」