大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく 作:柊咲
「え、そんな驚く?」
中学生に戻る前の頃は、蘭華に言った通り奈菜は地元の女子校に進学した。
それからのことはわからない。奈菜との関係はそこで終わってしまったからだ。
だが今回は違う道に進むらしい。
「いや、だってお前、俺と一緒の高校って東京だぞ?」
「うん、そう。あぁ、お母さんに引っ越すって伝えないといけないね」
「……なんで急に?」
聞かなくても理由はわかる。
奈菜の考えが変わったのは、俺と奈菜が身体の関係を持ったからだ。
「勉強合宿で蘭華とも仲良くなったしさ。一緒の高校に通うのもいいかなって」
「なるほど」
「それに東京で暮らした方が将来的にいいかなって。祐輔も前にそう言ってたじゃん」
まあ、前の記憶では奈菜は勉強合宿に参加しなかったから、蘭華と仲良くなることもなかった。
それが理由といわれればそうかもしれないか。
俺と離れたくないから、なんて自惚れていただけなのかもしれない。
「……それに」
バスの右隣に座った奈菜が俺へと寄りかかり、他の乗客に聞こえないよう小さな声で言う。
「祐輔とも、一緒にいたいから」
耳に吐息をかけ、恥ずかしそうにしながら言われて、嬉しさ以上に興奮が身も心も支配する。
「じゃあ、これからも一緒にいられるんだな」
「うん。嬉しい?」
「まあな」
「そっか……」
「でも、そんなこと言われたら」
奈菜の左手を掴んで股間を触らせる。
ズボンの上で勃起したペニスを撫でると、奈菜は一瞬だけ声を上げて驚きそうになったが、すぐに大きくため息をついた。
「はあ……。ちょっと、なんでここで勃起させてんのさ」
呆れた様子の彼女に言われたが、掴んだ手を離しても奈菜はペニスを触っていた。
他の乗客を気にしながら、裏筋を指先でなぞる。
「奈菜」
「ちょ、えっ、待って……もしかして、ここで、その……射精させろとか、言わないよね?」
「俺を誰だと思ってる?」
「変態。変態祐輔。……いや、本気?」
ジッと見つめられながら聞かれて、俺は頷く。
こういうとき奈菜は断らない。
バックからブランケットを取り出すと、それを俺と自分の膝にかける。
「これで隠せるかな」
ブランケットで股間を隠すと、奈菜は左手を伸ばす。
音を出さないようにチャックを下ろすと、勃起したペニスを握る。
「なんでこんなとこで勃起させるかなぁ……」
と文句を言いながらも扱き始める奈菜。
先端がブランケットに触れて気持ち悪いが、それでもこの周りに人がいる状況というのは興奮させる。
「変態♡」
「とか言いながらしてくれる奈菜も同じだろ?」
「かもね。でもさ……こんなことしてくれるの、私だけだからね?」
肩に頭を乗せ、周りからは彼氏の肩で眠っているように見せる奈菜。
「ああ、そうだな」
他にもいるが、まあ、それを奈菜に話す気はない。
そして奈菜は嬉しそうに笑顔を浮かべると、眠るように目を閉じる。
「……ここ、好きでしょ」
「ああ」
「何度もしてあげたもんね。祐輔のこれの形覚えちゃったから、目を閉じててもどこかわかっちゃう♡」
「とんだ変態だな」
「うるさい♡」
奈菜はカリ首を強く握りながら笑う。
「そんな風にさせたの祐輔でしょ」
「かもな。だけど元からそういう素質あったんだろ」
「何さ、その素質って。別にいらないから」
「でも、俺としては嬉しいけどな」
「気持ちいいから?」
「そうだ」
「まったく。まあ、祐輔が嬉しいならいいけど」
ねえ、と目を開けた奈菜に見つめられる。
「私のこと、好き……?」
初めてこんなはっきりと聞かれた気がした。
「好きだよ」
「……ほんと?」
「本当だって。なんで?」
「だって祐輔──蘭華とエッチしたでしょ?」
そう聞かれて、俺の心臓がドクンと鳴る。
そして奈菜がはっきりと俺を見て笑った。
「これ、ビクンってなった。やっぱり……そうだと思ったんだよね」
「なんで」
「蘭華の匂い。蘭華から、たまに祐輔のコレの匂いしたんだよね……だからしてたんだなって。それにいつの間にか距離が近くなってたしさ」
手で扱く速度がどんどん上がっていき、奈菜は俺から目を逸らさない。
それに目を逸らすなと、彼女の大きな瞳が訴えていた。
「私とどっちが気持ち良かった?」
「……」
「ほら、答えて。怒らないから」
「……奈菜の方が気持ち良かった」
「ほんと?」
「本当」
「ふぅん、そうなんだ。ねえ、祐輔……もしかして、蘭華とエッチしたから私が怒ってると思ってる?」
なんとも言えず黙っていると、俺の耳元に口を付け、
「怒ってないよ♡」
と、笑って言った。
本当かどうかわからないけど、たぶん大丈夫だと思う。
ただ手コキの速度はどんどん上がっていき、くちゅくちゅという音が周りに聞こえそうなほど大きくなっていく。
「別に祐輔と私は付き合ってないから、誰とエッチなことしてもいいよ。だけど……」
「奈菜、もう俺……」
射精しそうになっていることを伝えようとしたら、奈菜は右手をブランケットの中に忍び込ませる。
俺は我慢できず射精した。
奈菜は左手で扱き、右手で精液を受け止める。
「私が一番、祐輔の心も身体も満たしてあげられる♡ 今も、これからも、ずっとずっと、ね……っ♡」
普段は明るくて真面目で、年相応の可愛い中学生だった。
だけど今の表情はどこか大人びた、小悪魔のような笑顔を浮かべていた。