※この作品はR-18です。

大人の知識を持ったまま中学生に戻った俺は好き勝手に生きていく   作:柊咲

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97話 学校でセックスしてるのを見られた

 

 

「落ち着けって。どうかしたのか?」

『えっとね、その……見られちゃったみたい』

「見られた? 何をだ?」

 

 

 

 返事を待っていると、奈菜は『えっと』と言いにくそうにしながら、

 

 

 

『祐輔と学校でエッチしてるの、その……保健室の先生に』

「保険室の先生って……」

 

 

 

 誰だっけ。

 名前がすぐに出てこない。

 

 

 

『氷室佳香≪ひむろけいか≫先生』

「思いだせない」

『三十代前半で、クールな感じで綺麗な人!』

 

 

 

 名前を聞いても思いだせない。

 まあ、当時もそうだけど、中学生の体に戻ってからも一度も保健室に行ったことなかったからな。

 でも変だな、綺麗な先生なら覚えてると思うけど。

 

 

 

「思いだせないな」

『学校だと超が付くほど真面目で、自分にも他人にも厳しい人だから。あんまり生徒と仲良くするようなタイプじゃないのさ』

「そういえば前に保健室でエッチするかって話ししたら、奈菜めっちゃ拒否ってたな。もしかして保健室の番人がいるからか?」

『そう。バレたらやばいもん!』

「でも、バレたんだろ?」

『うぅ。氷室佳香さん……えっと、佳香さん、実はママの友達なの』

「奈菜の母さんの?」

 

 

 

 初耳だ。

 学校に親の知り合いがいるなんて初めて聞いた。

 

 

 

『ママの中学校と高校の同級生で、たまに家に遊びに来たりもするの』

「へえ。そうなのか」

『そうそう。で、そんなママの同級生の佳香さんに、祐輔と屋上に続く階段でエッチしてたの、見られちゃったらしい』

「まあ、毎日のように学校でしてたからな。いつかバレるだろうなとは思っていた」

『ちょっと、なに他人事みたいに言ってんのさ! どうすんの!』

「どうするって。なんか言われたのか?」

『中学生でエッチは早いとか、生でするなんて絶対に駄目とか──』

 

 

 

 まあ、中学生でセックスを経験するって早いよな。

 それに学校で、しかも生で中出しまでしてたら、母親の友達であれば心配するよな。

 

 

 

『──そういうことは言われてないんだけど』

「言われてないのかよ」

『うん。だけど逆に言われないのがなんか怖くて。それとこのこと、ママに話すって言われた』

「マジ?」

『マジ。とりあえず明日、保健室に二人で来なさいって』

 

 

 

 奈菜の母親に報告する前に、俺と奈菜と話をしたいということか。

 もし、もうエッチしないとか言ったら内緒にしてくれるんだろうか?

 わからないが、保健室に行くしかないということか。

 

 

 

「なるほど。まあ、わかったよ」

『大丈夫?』

「大丈夫って、別に怒られたとしても仕方ないだろ」

『そうだけどさあ』

「それより、今度から何処でするかの心配しかしてない」

『何処でって。はあ、なんか祐輔らしいね』

「もしかして、今回の件でもう俺とセックスするの嫌になったか?」

 

 

 

 笑いながら伝えると、奈菜も笑いながら『まさか』と否定した。

 

 

 

『そもそも祐輔、どうせ嫌だって言っても我慢できないでしょ?』

「いいや、奈菜が嫌だって言うなら我慢するぞ」

『絶対に嘘だね。どうせ怒られた数時間後には、どっかでエッチしたいとかって言いそう』

「どっかって、例えば何処でだよ」

『えっと、屋上は危ないってわかったから……図書室とか? 後はその、あんまりオススメしないけどトイレとか? 一階の南側のトイレ、あんまり人が来ないんだって』

「それは今度からそこで犯してくれっていう催促か?」

『別に違いますー! ただ祐輔が我慢できなかったら、まあ、そこでしてあげよっかってこと。ただの私の譲歩ですー!』

「はいはい、そうですか」

『もう、適当な返事!』

 

 

 

 そんな中学生っぽくない卑猥な会話をしながら、俺は家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──次の日。

 

 放課後、俺は奈菜と一緒に保健室へと向かっていた。

 窓から差し込む光は夕焼けに変わっていた。多くの生徒は帰り、学校に残っているのは部活動の生徒しかいない。

 

 

 

「はあ、緊張する」

「そんなに厳しい人なのか? その氷室佳香先生って」

「厳しいけど、ママに会いに家に遊びに来るときとかは優しい感じ。って、緊張してるのはそこじゃなくて、エッチしてるのを見られた相手に会うからなの」

「まあ、それもそうか」

「それもそうかって……しかも知り合いだし。はあ、行きたくない」

 

 

 

 俺の腕に絡みついて何度も大きなため息をつく奈菜。

 

 勉強合宿後から奈菜との距離はより近くなった。

 クラスメイトにも「付き合ってるだろ」と言われるが、奈菜は「付き合ってない」といつも答えている。

 セフレということは同級生には言っていないが、お互いにその関係で落ち着いた。奈菜も別に俺と付き合いたいとか言ってこない。

 

 

 

「ねえ、うちらの関係って佳香さんになんて言う?」

「あー、どうするか」

 

 

 

 ただ同級生にはセックスしていることがバレてないから友達だとか幼馴染だとか言って逃れられるけど、セックスしていることを知られたらその言い逃れもできないだろう。

 

 それにこれからは、選択して吐き出した言葉一つの間違いで奈菜の母親に暴露される可能性がある。

 奈菜としてもきっと、親には知られたくないと思っているだろうな。

 

 

 

「付き合ってることにしていいんじゃないか?」

「そうだね。付き合ってないのにエッチしてるって知られた方が余計に何か言われそうだし」

 

 

 

 それから少し歩くと、

 

 

 

「到着しちゃった……」

 

 

 

 保健室の扉を見て奈菜が体を前に倒してため息をつく。

 

 

 

「それじゃ、入るぞ」

「あっ、えっ、いきなり!?」

「ここで足踏みしてても保健室に入ることは確定事項なんだから諦めろ。嫌なこと先延ばしにするのもあれだろ」

「うわ、なんか大人みたい」

 

 

 

 元は35のおっさんだからな。

 と、心の中で苦笑いする。

 

 

 

「それに今日はまだしてないからな。早く終わらせて、な?」

「な、って……。もしかして溜まってるの?」

「溜まってる」

 

 

 

 サテラさんに完全敗北したから体はスッキリしてるはずなのに気持ちの部分で昨日からモヤモヤしてる。

 正直に話すと、奈菜は嬉しそうに頬を赤らめる。

 

 

 

「じゃあ、早く怒られてどっかでしよっか。怒られて悲しんでる私の事、ちゃんと慰めてもらわないといけないしね」

「ああ。だけど慰めるのはお互いにだがな」

「くすっ、もちろん」

 

 

 

 俺と奈菜はノックをしてから保健室に入った。

 

 そしてイスに座った白衣の女性は、マグカップに口を付けながら切れ長な目で俺たちをジッと見つめる。

 

 

 

「……ふう。やっと来たわね」

 

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