梅雨の中休みにしても暑い日が続く。
テレビの天気予報によると今年の夏も激しい暑さになりそうだというが、毎日汗で体がベタベタしていて不快指数は既にかなりのものだ。
そんなバイトのシフトが入ってない平日、夜8時過ぎのことだった。
夕食の片付けを終えた俺は、大学の前期考査の試験勉強というか、試験に持ち込むための資料整理に取り組んでいた。
そんな普通は人が訪れてこないような時間にチャイムが鳴ってドアを開けてみると、まさかのみゆちゃんの訪問だ。
「こんばんわ、お兄ちゃん。いてくれて良かった~」
「こんばんわ、こんな時間にどうしたのみゆちゃん?」
「うちのおふろがこわれてね、ママが明日修理が来るから今夜はあそこのおふろ屋さんに行ってきなさいってお金もらったんだけど」
みゆちゃんならここから自転車で10分くらいかかるだろう県道沿いのスーパー銭湯のある方角を指さした。
なるほどみゆちゃんが肩に掛けてる可愛い模様の描かれた透明のビニールバッグには、タオルとボディソープやシャンプーのボトルなどが入ってる。
「こんな時間に一人で?」
「今夜はママ帰りがおそい日だし」
そういえば近頃みゆちゃんママは夜も週2~3回バイトしてるって言ってたような。
だからって小学生の女の子が一人で出歩いて良いような時間じゃないと思うんだけど。
「で、お兄ちゃんちのおふろ貸してもらえないかな~って思っちゃって。ってゆーかいっしょに入らない?お兄ちゃんに体洗ってほしいな~とか、代わりに私がお兄ちゃんを洗ってあげたり、とか……?」
みゆちゃんはいたずらな笑顔と上目遣いで俺のシャツを掴んで、いかにもエッチ方面に含みがありそうに提案してきた。
それはとても魅力的な話なんだが、一つみゆちゃんの考えから抜け落ちてることがあるぞ……
「あ~、みゆちゃん。忘れてるみたいだけど、それはちょ~っと無理だと思うよ」
みゆちゃんを浴室に招いて、中を見せてやった。
「あっ、そういえば!」
うちのアパートの浴室はわずか一畳。その半分を占めるほぼ正方形の浴槽は、俺一人だけでも体育座りじゃないと入れないくらい小さなものだ。
単身者向けの1Kという物件にバス・トイレセパレートといえば聞こえは良いが、今まで部屋を訪れた友人たちにもこの小ささは驚かれたことがある。ついでに言っとくと、洗濯機も外置きだからな。
「あちゃ~、これ二人で入るのは無理だよね。おふろ代の分おこづかいがもうかると思ってたんだけどな~」
おっとそういう魂胆もあったのか。
でもどっちにしてもみゆちゃんに夜道を一人でスーパー銭湯に行かせるのは心配だ。
「まあ、狭いけど一人で入る分には構わないよ。どうする、入ってく?」
「んー……じゃあ入ってく!こんなちっちゃいおふろ初めてだから、面白そう!」
「俺は大事な試験勉強があるから今夜はあまり構ってあげられないけど、背中流すくらいなら手伝うよ」
みゆちゃんの入浴中、俺は試験勉強を続け……られないでいた。
これは参った。とてもじゃないが勉強に集中できる環境じゃない。
女の子が風呂を使ってることでわずかに浴室から漏れ漂ってくる、自分のものとは異なる甘いシャンプーの香り混じりの蒸した空気に、こんなにも部屋のムードを変えてしまう効果があるとは正直思ってもみなかった。
ノートや資料本を並べたローテーブルに向かって一人で勝手にどぎまぎしていると、浴室のドアがかちゃりと開いてみゆちゃんが顔を出した。
「お兄ちゃん、せなか洗うからおねがい」
先に洗った髪をタオルで巻いてまとめていたみゆちゃんは、ドアの外の俺に背中を向けてプラスチックのお風呂椅子に座り直した。
みゆちゃんの肩や腕は既に細やかな泡にうっすら覆われている。
その下に透ける素肌には、上腕や襟周りをアピールする日焼け跡の境目が目立ち始めていた。
一般的な男性にとってこの年頃の少女のそれは健康的で微笑ましく映るのだろうが、ロリコンの俺にとってはそれもまたエロスを醸し出す少女の天然アクセサリーの一つだ。
俺はごくりと生唾を飲んでスポンジを受け取ると、みゆちゃんの背中をこすり始める。
覚えてる限り風呂で人の背中を流すなんて、小2の頃まで兄貴と洗いっこしてたのが最後じゃなかったかな。力加減がさっぱりだ。
「これくらいの強さで良いのかな」
「ぜんぜんオッケー♪」
まずは右肩の後ろから、ゆっくり、優しく、縦に小刻みに。
「んふふ、た~のしい~~」
とみゆちゃんが身じろぎするたびに、椅子の座面に圧迫されたお尻の肉がぷにぷにと形を変えた。
時々スポンジを持つ手の指先が直に触れてしまうと、ボディソープのぬめりと滑りのため、いつもの愛撫とは異なる感触にドキドキさせられる。
スポンジがお尻まで辿り着くと、こする範囲を左にずらしてまた上から下まで……
この手順を5回ばかり繰り返すことで、みゆちゃんの背中全体が泡に覆われた。
「はい、終わったよ」
その独特の艶かしさにそそられて、俺はつい素手の両手をぺったり背中にタッチしてぬぬぬ……と背中を撫で下ろし、最後にハリの良いお尻を掴んでにゅりゅんにゅりゅん撫で回した。
「もう、お兄ちゃん、やめてよね~♥」
最初は自分から意味ありげに洗いっこを誘ってきといて、やめてよね~もないもんだ、と口には出さない。
浴室独特のエコーが掛かった声でみゆちゃんがくすくす笑いながら、洗面器で浴槽の湯をすくい上げる。
「はいはいごめんごめん」
俺も笑いながらドアを閉めるのと入れ替わりに、みゆちゃんがざばぁっとお湯をかぶる音が響いた。
この手に残る石鹸まみれのお尻の感触の記憶が鮮明なうちに一発抜いてしまいたいな、と手についた石鹸を台所で洗い落として浴室の方を振り向くと、みゆちゃんが脱いだ服がバスマットの脇に畳んで重ねられているのが目についた。
とりわけ俺の目を引いたのはパンツ……いかにもスーパーの衣料品コーナーで「女児ショーツ3枚組◯◯◯円」などとPOPが付いてそうなアレだ。
今夜のみゆちゃんのパンツは、白地に細かな薄紫の花柄が散りばめられていて、腰ゴムと裾はそれよりちょっと濃い紫で縁取りされている。
ついさっきまでこれにみゆちゃんのお尻が包まれてたんだよな~、と何気なく拾い上げて広げてみた。
そして自分でも不思議なんだが、俺は下着フェチでもないのに当たり前のようにそれで鼻と口を覆って、その香りを深く吸い込んだんだんだ。
すぅ~~~っ……ぷはぁ~~~っ……みゆちゃんの香りだ。
エッチごっこのときに直に嗅ぐマンコよりはかなり匂いが汗とおしっこ方面に寄っていて、柔軟剤の香りも混ざっている。
ナマのマン臭とはちょっと異なる趣だけど、これはこれでフェロモンたっぷり。俺の獣欲を刺激して余りある。
みゆちゃんが帰ったらこのパンツの芳香とさっきのお尻の感触を思い出して抜くとして、今は心ゆくまでこの香りを胸一杯に吸い貯めておこう。
そうして浴室から漏れ聞こえるみゆちゃんの鼻歌とパシャパシャという水音をBGMに、俺は興奮の素を思う存分堪能した。
しかし繰り返している内にやがてみゆちゃんのパンツが俺の深呼吸に染まって元の香りが十分に楽しめなくなってきた……潮時だな。
こっそりパンツを元通り畳んで返して勉強に戻るとしよう。いや勿論勉強になどなる訳はないんだけど。
ローテーブルに戻ってしばらく無駄な時間をそわそわと過ごしていると、浴室のドアが開いた。
タオルターバンに収めそこねた濡れ髪が肩にまとわりついて、これまた破壊力抜群のセクシーを演出している。
「ふぅ~っ、上がったよお兄ちゃん。ね、体ふいてくれる?」
バスマットに足をちょっと開いて両手を真横に挙げて立つみゆちゃんの身体のあちこちの感触を、タオル越しに楽しみながら拭いてやった。
時々みゆちゃんがくすぐったがって笑うと、俺もつい楽しくなってしまう。
と唐突に、
「ところでお兄ちゃんさー、パンツのにおいかいで面白いの?」
「うわっ、バレてた!?」
「本物がここにいるのに、意味分かんない」
身体を拭かれながら、みゆちゃんは形の良いお尻を軽くふりふりして言った。
う~ん、俺自身分からん。あの小さな布切れ一枚に込められた男を惑わす魔力をどう説明したものか……
ただ一つだけ確信していることがある。
みゆちゃんを送り帰し次第、とにもかくにも一発抜いておかなきゃ試験勉強どころじゃないってことだ。