転生したら寄生生物なんですけど!? というかち×ぽなんですけど! 作:真喜屋五木路
スキル『万能栄養』、文字通りどんなものでも自分の栄養として吸収できるという、某車でタイムトラベルする映画に出てくる核融合炉のような能力である。
本来なら宿主を最後の一滴まで吸いつくす為のえげつないスキル……なのかもしれないが、ならば逆に有害なものだけを吸い取って無害なものを排出することもできるのではないかとムサシは考えたのだ。
(まさにコペルニクス的転換と言ってもいいんじゃないか? ま、ぶっつけ本番でやるから本当に出来るかは分からないんだが)
まあ、もし上手くいかなかったとしても、半分くらいはスキルの説明不足と、それでもゴーサインを出したシアのせいだ。それにシア大好きなリズならご褒美で済むだろう――などとムサシは責任回避し、二人を促した。
『よし、それじゃあシアはち×ぽを軽く握って水平にして……リズはその位置でいいのか?』
緊張した面持ちで、水の出口から少し距離を取って位置取るリズは、落ち着かない様子で目の前の肉棒とシアの顔を交互に見比べた。
「し、仕方ないだろ⁉ こんなことしたことないんだから!」
全くもってごもっともな意見である。
『そうだとしても、その距離だと口で受け止めれずに零れそうだと思うが』
「こ、これでも結構近いと思うんだけど」
『いや遠いだろ、咥えたらいいじゃねぇか』
「く、咥えてって……」
(……それって、シアのをふぇ、ふぇ……フェラチオするようなもんじゃないか!!)
『いや、咥えるだけだからフェラとは大分違うと思うが』
(同じだろ!)
リズは途中からシアに聞こえないよう念話で、顔を真っ赤にしてムサシへと抗議する。
だが、その赤さがムサシに対する怒りによるものだけではないのは明らかで、落ち着かない指を握りしめていた。
(まさか、シア様とセックスだけじゃなくてフェラまで……)
昨日自分の処女を奪ったばかりの肉棒を咥えると意識しただけで、ごくりと喉が鳴る。
確かに指摘された通り、そそり立った状態で咥えるわけではないし、厳密にはフェラでないのかもしれないが、それでも緊張するなというのが無理な話だった。
先ず、挿入されるのが受け身主体の行動なのに対して、フェラは自分から積極的に咥えなければいけない。必要な心の準備が段違いである。
それにリズが耳年増であることも、緊張を増す要因だった。聞きかじったペニスの味が想像として頭の中を駆け巡り、腹奥を焼いたあの白濁が喉へ出されたらという妄想が先走る。
(――いや! これは仕方なく! そう、安全に水を確保するため仕方なくだから!)
暫く葛藤していた従者だったが、今居るのがいつ襲われるとも知らないダンジョンの中であることを思い出した。いつまでも主をこんな無防備な格好でいさせるわけにはいかない、そう自分を納得させる。
「そ、それでは姫様、失礼します……んむっ」
「っぁ……!?」
リズが咥えた瞬間、シアの腰がびくんと跳ね、縮こまった肉棒が口の中で少しだけ膨らんだ。
「んぁ、い、いひゃはっひゃれしゅか?」
「だ、大丈夫ですから……! あんまり喋らないで下さい……っ!!」
苦し気に、或いは切なげに主の表情が歪むのを見上げていると、何だか自分がシアの生殺与奪を握ってしまっているような感覚が湧いてきて、リズは慌ててそんな考えを押し殺す。
(い、今ボクが口を動かせばシア様を気持ちよくさせれるんだ……)
仕えて奉仕しているけれど、主導権は握っている感覚、といってもいいだろう。相反する立場に、リズが少しだけ舌を動かしてみようかなどと考えているところで、寄生蟲の声が割り込んだ。
『よし、今度こそ二人とも準備良さそうだな。――おっとリズ、もう一度言っとくがこれはフェラじゃないから、そこんところ忘れるなよ?』
(!? わ、分かってるよ!)
まるで心を読んだように図々しいタイミングで、自分だけに念押しする忌々しい声に思わず跳ね上がりそうになるリズ。
もしかして心を読まれてるのではと思う彼女だったが、偶々タイミングが噛み合っただけなのか、それとも気付かない振りをしているだけなのか、寄生蟲はリズを無視してシアに合図を送った。
『それじゃあシア、スキルも発動したし準備はいいぞ』
「は、はい……! それではリズ、失礼しますね……変な味がしたらすぐ口を離していいですから」
(っ……でも、シアのおしっこなら……って、いやいやいや!)
自分を気遣ってくれる主の言葉から、ついあられもない想像をしてしまい、リズは慌てて邪念を追い出して目線で肯定を示す。
「では……んっ……」
性知識が少ない主でも、やはり人前で、というか飲ませるつもりでおしっこするのは恥かしいという思いがあるに違いなく。
シアは目を瞑って持ち上げられたスカートから覗くすべやかなお腹を凹ませるが、口の中で柔らかい肉棒が小さく震えるものの、肝心の液体は最初なかなか流れてこなかった。
「ごめんなさい、リズ……っ、緊張してるのか、なかなか出なくて……っ」
「…………んぅ」
焦らなくていいと言いたいところだが、下手に口舌を動かす訳にもいかず黙っているしかないのがもどかしい。
――なんて余裕は、放出開始と同時に押し流された。
「はっ……ん……っ!」
「っ! んっ、んぷっ! んぐっ……こくっ、こくっ、こくっ……」
シアの身体がぶるぶるっと小さく震えたと同時、生暖かい液体が咥えた肉棒から噴水のように噴き出す。
(っ、勢い、強っ……おち×ぽから出るおしっこって、こんなに勢いあるんだ……)
油断していた喉奥を水圧に押され、危うく口から吐きそうになるのを抑えてリズはシアの出した液体を飲み込む。
最初は水圧に押され、喉奥で受け止めるのが精一杯で味など分からなかったが、少し慣れると確かに生暖かくはあるものの、出されているのはしっかりと水だった。
生命に関わるからだろうか、あの寄生蟲もちゃんとしてくれているらしい。
……と、思っていたのだが。
『おー、いい出しっぷりじゃないかシア』
「ご、ごめんなさいリズ……っ、思ったより溜まってたみたいで、なかなか、止まらなくて……」
少し見直した瞬間、ムサシはシアの羞恥を煽り始めた。
(おいムサシ、シア様に余計なことを言うなよ。それから、ボクは喋れないから代わりに大丈夫だって伝えてくれ)
『ふむ、リズ曰く『姫様のおしっこ、勢いが凄くて溺れそうです』――だってさ』
(おい!? ムサシお前何言って……っ!)
「! っ、ごふっ……んくっ、んぐっんっ……!」
ムサシのとんでもない捏造を訂正しようとしたリズだが、口内に絶えず水を流し込まれている状態ではそれも叶わない。
しかもシアは寄生蟲の嘘のせいで、リズが咽たのは自分のせいだと思ったらしかった。
「リズぅ、ごめんなさい、ごめんなさいぃ……っ」
シアは真っ赤になって唇を噛みしめ、引っ付けた膝同士に力を入れてぷるぷると震わせ、必死におしっこの出を我慢しようと試みる。
だが、一度始まった生理現象をそう簡単に止めることはできず、力を入れ始めると勢いが少し落ちるが、すぐに抑えきれなくなって、逆に勢いの増した水流が従者の喉へ噴き出した。
断続的にぷしゃっ、ぷしゃっ、と噴き出す主の天然水に喉奥を叩かれて、反射で従者の目へ涙がうっすらと浮かぶ。
(うっ、くぁっ……これじゃ、まるで……)
『どうだリズ、まるで喉奥へシアが射精してるみたいじゃないか?』
(――ッ!?)
できるだけ考えないようにしていたことを、寄生蟲に遠慮なく突きつけられた瞬間、従者の中で想像が一気に膨らみ始めた。
(これがもし水じゃなくてシア様の精液だったら――)
そう意識してしまうと、見上げる上気した主の顔が、排泄を我慢しているのではなく、こみ上げる射精を必死に抑えているように見えてしまう。
喉奥を叩く水がも、ひどく粘着質で熱い奔流のようで、胃は精液を貯めたかのように放射熱で子宮を焼いている。
被虐的な妄想に、知らず知らず従者の手が自らの足の付け根に伸びて、
「あっ……やっと、止まっ、たぁ……」
あと少しで場所も状況も忘れて自らを慰めそうになったところで、主からの水供給が止まった。
「っ! ……ごくんっ、はぁ、はぁ……」
喉を叩く水流が止まったことで正気に戻った従者は、慌てて下腹部へ伸びかけた手を引っ込め、口腔に残った水を呑み込んだ。
「大丈夫ですかっ、リズ!」
「……ええ、大丈夫です。少し勢いはありましたけど、お陰で喉は潤いました」
目の前にしゃがみこむ主が、本心から自分を心配してくれているのを察し、リズは心が痛くなる。
(シア様は本当に心配してくれてたのに、ボクはなんてことを考えて……っ!)
そのまま自己嫌悪に沈みかけた従者だったが、ふと元凶がいたことを思い出した。
(~~っ、おいムサシ! さっき言っただろ、変なことしたら許さないって!)
『おいおい、言いがかりはよせやい、いつ俺が変なことしたよ?』
(ボクが飲んでるとき、シア様がしゃ……射精してるみたいとか言って変なこと想像させて――)
『――待った。確かにそうは言ったがそれはあくまで一般的な感想として、だ。そこから変なこと想像したのはリズがむっつりスケベだからだろ?』
(なっ、な……っ、ボクはむっつりスケベなんかじゃ……っ!)
否定しようとするリズだが、手を思わず股へと伸ばしかけた事実が頭をちらついて、強く否定できない。
なんとか言葉を紡ごうと、だができなくて、頭の中だけでなく口まで閉じたり開いたりするリズ。
そんな従者の様子をニヤニヤと暫し堪能して、ムサシは何事もなかったように二人へ呼びかける。
『これでリズは喉を潤し終わったから、今度はシアの番でいいんだよな?』
「はい、私も喉が渇いてしまっていますから……リズ、お願いしてもいいですか?」
「っ、は、はひっ!!」
まだ動揺の収まらない従者は反射的に首肯し、そこでふと気付いた。
そういえば、交代するには寄生蟲が今度は自分に寄生しなければならないのではと。
(……ということは、今度は本当にボクがシアのをフェラするってこと……だよな)
意識すると同時、従者の頬がどんどん赤くなっていく。
「? どうしたんですか、リズ。そんなに頬を赤くして」
「い、いえ! な、何でもありません!」
気付かぬままに感情が現れていた耳の動きを慌てて従者が掴み、無理矢理止めたところで、寄生蟲の声が響いた。
『それじゃあリズ、寄生しなおすぞ』
「わ、分かった……」
リズは未だ目の前にあるペニスを改めて凝視しながら、ゆっくりと唇を開いて近付ける。
(こ、これはボクがやりたいからじゃなくて仕方なく……そう、シア様に水を飲んでいただく為仕方なくだから……)
言い訳じみた思考と共に伸ばした舌が、あと少しで肉棒の先端に触れそうになり――
『――よっ、と』
その瞬間、肉茎が主の股へ吸い込まれていき、代わりに自らの股へ違和感が生じる。
『よし、やっぱ一度感染した相手には暫く自由に感染できるみたいだな。 ……おやぁ、どうしたリズ? 残念そうな顔して』
(そ、そんな顔してないっ!)
頭に浮かんだ困惑をかき消すように聞こえた寄生蟲の声に、リズは全力でシアの股から顔を離した。
『ああ! なるほどなるほど、悪かったなぁ……シアのをフェラしたかったんだろ?』
「ち、違っ――!」
「血が? もしかしてさっきのでどこか怪我を……?」
「あ、いえそうではなく――」
慌てて否定しようとするリズだが、主の手前変な行動を取るわけにもいかず、寄生蟲に心の中で悪態をつくしかない。
(くっそ、覚えてろよムサシ……!)
「そ、それより姫様、あまり長期間休憩しているといつ襲われるともしれませんし、早めに済ませてしまいましょう」
「確かにそうですね」
これ以上ムサシの言葉に惑わされないようにとっとと終わらせようと、リズは手早くズボンのベルトを外す。
だが、そこで想定外のことが起こった。
「きゃっ――⁉」
「っ! す、すいません、姫様……!」
ズボンのボタンを外した瞬間、チャックを押し上げるように勃起した肉棒が飛び出し、座って待っていたシアの鼻先を掠めたのだ。
先ほど飲ませ飲まされた時とは全く違う陰茎の様子に困惑する主と従者。そんな二人をよそに、ムサシは他人事のようにぼやいた。
『あー……完全に勃ってしまってるな。これだと一度小さくしないと、まともに小便できないぞ』
「な……!? お前、変なことしないって言ってただろ、何してるんだよ!」
『いや、そんなこと言われても仕方ないだろ。勃起するかどうかを決めるのは俺自身じゃなくて、寄生した宿主次第なんだから』
抗議するリズに対して、ムサシは平然と言う。
『つまり、勃起してるのは俺のせいじゃなくてさっきシアにおしっこを飲まされたリズが――』
「わーっ!? わーっ! 分かった! 分かったからそれ以上は言わなくていい!」
危うく主に、変態行為で興奮していたことをバラされかけた従者は大声で寄生蟲を黙らせた。
「と、兎に角ボクはこれを小さくしますから姫様は少し待っていて下さいっ!」
リズは未だバクバクと跳ねる心臓と屹立するペニスを抑え、聞きかじった通りに性欲処理をすべく主に背を向けようとして、その袖をシアに握り止められた。
「姫様? どうかされましたか?」
「だっておち×ぽを小さくするのでしょう? それなら、前リズにやってもらったように、私が『てこき』で手伝った方がよいのではないですか?」
「それ、は……」
自分を見上げる心配そうなシアの視線に、リズの脳内で二つの考えが交錯する。
一、シア様は知識がないから、手コキしないと小さくならないと思っているだけだ。だけどそうじゃないということをきちんと説明するべきではないか?
二、シア様が折角心配して提案してくださったのだ。態々その勘違いを指摘して断る方が失礼ではないか?
いってしまえば、理性と本能の争い。
数分にも引き延ばされたような数秒の間、従者の中で心の針が激しく揺れ動き――
――僅かに片側へと傾いた。