※この作品はR-18です。

アネトリ天堂   作:XX(旧山川海のすけ)

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かりんとうばんを食べて、次の日。


第5話 役割交換

「守、起きろ」

 

 朝。

 寝ていた僕を揺り動かして起こす人。

 

 あれ……?

 

「……姉さん?」

 

 何で?

 

 姉が僕の部屋に来て、ベッドで寝ている僕を揺り動かしている。

 青いパジャマ姿の姉が。

 

 姉の豊かな胸が布地を押し上げている様子や、丸いお尻のラインが見て取れて。

 目の毒だ。

 

 時計を見るとまだ5時。

 僕が起きるのは6時で、起きるのはまだ先のはず……

 

 姉は言った。

 

「朝ご飯の準備だ。会社に間に合わないぞ」

 

 あっ!

 

 そこで僕は思い出した。

 そうだった。

 

 昨日の晩、かりんとうばんを食べたんだ!

 

 それを思い出して……

 

 興奮してきた。

 

 本当に効果があるのか……!

 これからを思い、妄想が脳内を駆け巡る。

 

「早く起きてくれ。朝は時間が無い」

 

「分かった。姉さん」

 

 僕は一気に覚醒し、身を起こした。

 

 

 

 姉夫婦は5時に起き、2人で協力して朝ご飯の準備をする。

 朝から味噌汁と焼き魚、サラダの準備を2人でするんだ。

 そうすることで、1人でやるよりずっと早く片付けてしまう。

 

 3人分、それをやる。

 

 キッチリ、本来なら僕の分もしてくれるわけだ。

 そして早々、2人で食事を終えて、片付ける。

 

 会話は無い。

 

 そして6時になったら僕を起こして身支度。

 今は僕の役割は義兄さんが果たすので、姉は義兄を起こしに行った。

 

 ……ここまで。

 

 技能的に「できない」と思ったことは無い。

 協力して料理するところなんて、色々知識や技能がいるはずなのに、息をするように出来てしまった。

 

 役割をこなすために要求されるものは自然に備わる。

 

 あの説明書きは真実だった……!

 

 

 姉は姉の会社。

 僕は義兄の会社。

 

 今、1人で食事をしている義兄を残し、僕らは玄関に居た。

 

 僕は会社に行っても問題ない私服で。

 姉は女性用のスーツ姿。

 

 姉夫婦は共働きなので、そうなる。

 

 義兄は企業の研究員だから私服で出社するのだけど、姉はそうじゃないからね……。

 

「じゃあ今日も頑張ろうな。守」

 

 姉は僕にそう言って、玄関で身を屈めて革靴を履いていた。

 

 ……ここまでで思ったのは、姉の僕に対する態度が、義兄のものでは無い事で。

 そこだけがまだ、確証を持ててなかった。

 

 簡単に言うと、僕の肩書が高校生から企業研究員に切り替わっただけで、姉の態度は弟に対するものであるのは変わらないってことなんだ。

 

 だから姉は僕のことを守と呼び、康紀さんとは言わないんだよ。

 

 そこで完全な確証が持てなくて……

 

 僕はここまで、姉の身体を触ったり、キスをしたりはしていなかった。

 そこまで役割が変更されて無いんじゃないか? ってさ。

 

 でも……

 

「守」

 

 そのとき。

 僕は現実を疑った。

 

 靴を履いて立ち上がった姉が、僕にキスしてくれたんだ。

 

 頬じゃない。

 唇に。

 

 触れるだけの、挨拶のキスだったが。

 

 ……言ってらっしゃいの挨拶のキス……

 

「じゃあ、行こうか」

 

 ニコリと微笑み、姉。

 

 僕の心臓は高鳴った。

 

 マジなんだ……

 

 今、姉さんは僕の妻なんだ……!




妻に対して夫の権利を行使できる確証を得た主人公。
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