※この作品はR-18です。

アネトリ天堂   作:XX(旧山川海のすけ)

6 / 20
成り代わってみた


第6話 義兄の1日

 義兄の会社に着いた。

 

 義兄の会社は自宅のマンションから自転車で20分の距離。

 義兄は運動不足解消目的で、自転車通勤をやってるんだけど……

 

 正直、緊張する。

 僕は短期のバイトはやったことがあるけどさ……

 

 こんな大企業の研究室なんて初めてで。

 

 出る前に義兄から預かっていた社員証をカードリーダーに通し、僕は義兄の職場に入った。

 

 更衣室に行き、義兄の作業着を着る。

 義兄は僕より大きいので、ちょっとサイズが合わなかった。

 

 そして職場の研究室へ

 

「主任おはようございます」

 

「おはよう」

 

 部屋の研究員の朝の挨拶に、挨拶を返す。

 皆に信頼されている。

 それを肌で感じて僕は理解する。

 

「主任、昨日の実験結果なんですけど」

 

 部下の研究員がパソコンの前に僕を手招きしたので覗きに行くと。

 文書作成ソフトで作った実験結果まとめを示して来た。

 

 僕はそれを見て

 

「……粘度のスペックが目的のところまで伸びて無いな。悪くもなって無いけど。……溶剤の種類を変えるのはあまり効果無いか」

 

 そんな言葉がスラスラ出たし、自分が何を言っているのかも確実に理解できていた。

 

 ……不安だったけど、僕が社会人としての義兄の役割を果たすのは無理では無いらしい。

 ただ

 

 

 

「……やっと終わった……」

 

 仕事が終わったのは、夜9時近かった。

 ここから急いで帰っても、9時過ぎになる。

 

 ……なんか、部屋の研究員の反応を見る限り、これでも早い方らしい。

 普通、9時を回るみたいだ。

 

 ……義兄は高給取りだけど、それだけのことはあるわけか。

 僕は義兄さんの男としてのレベルの高さに、悔しいけど感服してしまった。

 

 自転車を漕いで、家に戻る。

 早く戻りたい!

 

 家では妻になった姉さんが待っている!

 

 暗い中、自転車のライトの光を頼みに一心不乱。

 自宅を目指した。

 

 

 

「おかえり。守」

 

 家に帰ると姉さんが出迎えてくれた。

 エプロンを付けている。

 夕食を作ってくれたのか。

 

 ……まあ、今更だけどね。

 

 夕飯は姉さんが作るんだ。

 義兄が帰って来る時間の方が後だから。

 

 僕は義兄の帰宅時間について気にしてなかったから、色々今更なんだけど。

 嬉しかったんだ……!

 

 疲れて帰って来たところに、愛する人がご飯を作って待っててくれる。

 その環境が。

 

「ただいま姉さん」

 

 そう挨拶を返すと、また姉さんは近づいて来て。

 

 チュッと、僕の唇にキスをしてくれた。

 

 ……死んでもいいくらい嬉しかった。

 

 

 そして夕食。

 深夜近いから、量は軽めだったけど。

 

 とても幸せで

 

 入浴の後。

 

 僕は夫婦の寝室に入った。

 

 時間は夜11時少し前。

 姉さんはすでに青いパジャマ姿で部屋で待っていて。

 

 鏡台の前で髪の手入れをしている。

 

 僕は思った。

 

 いよいよだ、と。

 ドキドキが止まらない……!




次回、本番
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。