風林館高校に通う男子生徒の達也は女の姿のときの早乙女らんまに恋い焦がれていた。
ある日、らんまと鳥居をくぐり、転移した先は、まるでRPGゲームのような異世界だった。
◆◇◆登場人物紹介◆◇◆
・達也
この物語の主人公。16歳。
元の世界では、どこにでもいる平凡な男子生徒。らんまへの愛なら誰にも負けない。
E.はがねの剣
E.旅人の服
・早乙女らんま
この物語のヒロイン。16歳。
中国に修行に行った際に呪泉郷の「娘溺泉」に落ちたことで、水をかぶると女になり、湯をかぶると男に戻る体質となった。
この世界には女の姿で転移してきたので、お湯を被っても男には戻る事はない。
卓越した格闘センスを持ち、打撃での戦闘を得意とする。
E.銅の剣
E.ビキニアーマー
朝食を済ませたオレとらんまは、今日の行動を決めるために冒険者ギルドへと向かった。ギルドの建物は頑丈な石造りで、内部は活気に溢れ、壁には数多くのクエストが張り出されていた。オレは壁の張り紙をじっくりと見比べながら、いくつかの条件を頭の中で整理した。今日挑むクエストは「報酬が程よく」「移動距離がそれほど遠くなく」「倫理的にも問題のないもの」に絞りたい。これらの条件に合うクエストを探していると、目に留まったのが「洞窟ダンジョン・ゴブリン討滅」の依頼だった。
張り紙には緑色のゴブリンの写真が貼られており、その姿を見た瞬間、数日前に護衛任務で遭遇したゴブリンのことを思い出した。あの時のゴブリンは、手強くもなく、かといって油断できるほど弱くもない、ちょうど良い相手だった。報酬額も悪くないし、装備購入で軽くなった財布には嬉しい金額だ。さらに、ゴブリンが洞窟に住みついてしまったことで隣町への交易が途絶えているという状況も、ただのモンスター狩りではなく意義のあるクエストではある。
「らんま、これにしようぜ。前に戦ったゴブリンだし、おそらく数十匹くらいの討伐になるけど、オレたちなら問題ないだろ?」
「おう、悪くねぇな…。ゴブリンか、へへ、腕がなるぜ」
らんまはいつもの好戦的な笑みを浮かべ、楽しそうに頷いた。女の姿でありながらも、その戦闘力はオレを遥かに凌ぐ。もしパラメータを数値化すれば、体力A、力B、技S、素早さSSといったところだろう。おっと、魅力の追加を忘れていた。魅力はSSでも足りないくらいの高ランクだ。おっぱいはSが何個あっても足りない。
対してオレは、力こそらんまに勝るかもしれないが、他はBランク程度。『体力B、力A、技B、素早さB』と、平凡なステータスだ。強力な主人公に憧れつつも、今は目の前の現実を受け入れるしかない。
ギルドでクエストの張り紙を選んだオレたちは、受付へと向かった。受付嬢は、オレたちが選んだクエストの張り紙を確認し、少し驚いた表情を見せた。
『洞窟ダンジョン・ゴブリン討滅』ですか?確かに報酬は悪くないですが、最近、ゴブリンの数が増えてきているという報告が多くて…。特に、ゴブリンキングが出現する可能性もあると聞いています。」
彼女の声には心配の色が滲んでいた。らんまそんなに気にせず、軽く笑って答えた。
「心配無用。ゴブリン程度なら、オレたちなら問題ないはずだ。」
「でも…ゴブリンキングは別格です。普通のゴブリンとは桁違いの力を持っていますし、もしも遭遇したら即座に撤退するようにとギルドマスターからの忠告があるんです。」
その時、ギルドの奥からゴツゴツとした体つきのギルドマスターが現れた。彼は大柄で、風格のある男だった。その手には大量のクエスト報告書が握られている。
「お前たち、そのゴブリン討滅クエストを受けるつもりか?」
ギルドマスターは鋭い目でオレたちを見据えた。オレは頷きながら返答した。
「はい、問題ないと思います。これまでにもゴブリンを倒してきましたし、らんまと二人なら十分に対応できます。」
ギルドマスターは少し黙り、何かを考えるように視線を床に落とした。そして、再び顔を上げ、オレたちに真剣な表情で忠告を口にした。
「聞け、冒険者よ。確かにお前たちは腕に自信があるかもしれない。しかし、ゴブリンキングが出現した場合、話は別だ。ゴブリンキングは単なるモンスターではない。その強さは常人の想像を超えている。もし出くわしたら、すぐにその場を離れるんだ。決して戦うな、いいな?」
その言葉に、オレは一瞬だけ考え込んだが、らんまは即座に明るい声で答えた。
「へーきへーき!ゴブリンキングだろうが、何だろうが、オレたちなら何とかなるさ。逃げる必要なんてないって!」
らんまの無鉄砲とも言える自信に、ギルドマスターは渋い顔をしたが、それ以上何も言わなかった。彼もまた、らんまの腕前を信じているのだろう。
「まったく、手を焼く奴らだな…まあ、気をつけるんだぞ。行ってこい、健闘を祈る。」
本日から全6話。毎日21時に1話ずつ更新予定です。楽しみにしていただければ幸いです。