【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
第10話『後日談』
翌日、日曜日の早朝。
お姉さんとの衝撃的な出会いから一晩が明け、俺は自宅のベッドでぼんやりと天井を眺めていた。
昨日はいろんな意味で濃い1日だった。神崎さんとの初エッチから始まり、サキを含めた3人での倒錯的な関係の幕開け。終いには神崎さんのお姉さんに俺たちの惨状を見られる始末……。
「ほんと、ヤバい人だったな……」
俺の分身に感慨の声を上げたのもヤバいが、その直後、お姉さんはあろうことか「私も交ざっていい?」などと興奮気味に言い放った。そして強引に俺を押し倒すと、脇目も振らずに脱衣を開始――もっとも、寸でのところで神崎さんが目を覚ましてくれたおかげで、すべては未遂に終わったわけだが。
しかし、あの目は間違いなく本気だった。もし神崎さんが目を覚まさなかったら、今頃はどうなっていたことやら……。
結局その後、神崎さんからすぐに帰るように言われた。いつ両親が帰ってきてもおかしくない状況だったし、昨日の様子を鑑みるに、一刻も早く俺からお姉さんを引き離したかったのだと思う。
それから眠ったままのサキを叩き起こし、服を着たのちに俺たちは逃げるように神崎家をあとに。
家に着く頃には22時を回っており、遅い夕飯とシャワーを済まして俺は就寝した。
そして目が覚め、現在に至る。
「起きるかあっ」
日曜とはいえ、いつまでも寝ているのは非生産的だろう。重い体を起こし、伸びをする。そこで枕元に置いてあるスマホが通知音を鳴らした。画面には、
『今日ってなにか予定ありますか? もし空いているなら昨日の件で直接会って話したいことがあるんですが』
というメッセージが映し出されている。差出人は神崎さんだ。
特に予定はなかったし、今がどういう状況なのか俺も把握したい。それに、昨日に続いて神崎さんとふたりきりの休日……つまりこれはデートも同然!
彼女とデートするチャンスをみすみす逃す手はない。すぐに承諾の返信をしようとして、しかし、続けて送られてきた一文によって俺の幻想は打ち砕かれた。
『できれば、サキさんもご一緒に』
鏡がなくとも、自分の顔が引き攣っていることぐらいわかる。せっかくふたりきりで会えると思ったのに……。
まあ、昨日の件について話すならサキも一緒ということになるか。神崎さんはサキの連絡先を知らない、俺から伝えて欲しいという旨の連絡だろう。
連絡した体で都合が合わないらしいと誤魔化すことは可能だが、嘘の上に成り立つデートなど罪悪感で楽しめるはずがない。
俺は不本意ながらサキに連絡を取った。午前は予定があるらしいが、午後からなら大丈夫とのこと。神崎さんにそれを伝え、待ち合わせ時間と場所を決める。
かくして俺たち3人は、本日14時に駅前にある広場で落ち合う運びとなった。
*
午前は大学の課題を片付けて過ごした。神崎さんとのあれこれも大切だが、学生である以上、最低限の勉学をこなさなくてはならない。
お昼ご飯を食べ終え、シャワーを浴びて歯を磨く。ふたりきりのおでかけじゃないなら服装に気を遣う必要もない。動きやすさと防寒を意識して、長袖のセーターにコートを羽織っただけのシンプルな格好に決めた。財布とスマホを懐に入れ、身支度を整えたらいざ出発。
「どこ行くの?」
「友達と遊びに」
「遅くなるならちゃんと連絡入れなさいよ。心配するんだから」
玄関を出る際、エプロン姿の母さんからそんな忠告を受ける。
「わかってるって。ねえ母さん」
「なに?」
靴紐を結びつつ、気になっていたことを口にする。
「サキが休みの日になにしてるとか知ってる? おばさんから聞いたりしてさ」
俺の家とサキの家は徒歩1分もかからない距離に位置しているため、同い年の子供がいるという理由で昔から家族ぐるみで交流することが多かった。
年を重ねるにつれて家族同士での交流は減っていったが、母親同士は例外である。今でも連絡を取り合っているらしく、月に1回はお茶をしている仲だ。
サキは午前に予定があると言っていた。その予定がなんなのか、俺は少しだけ気になっていたのだ。ママ友ネットワークを持っている母さんなら、その辺りの情報をなにか知っているかもしれない。そう思っての質問だったが、
「さあ……カオリさんは特になにも言ってなかったと思うけど。あっ、そういえば」
靴を履き終えて立ち上がる俺に、母さんは思い出したように言った。
「この前スーパーでサっちゃんと偶然会ったのよ。家の食材はカオリさんが買ってるはずだから珍しいなぁと思って」
「ふうん……スーパーね」
取り上げるほどのことではないような気がする。コンビニより安いから、ジュースや菓子を買いに行くことだってある。
「思い詰めた顔でお野菜を吟味してたわよ。大根とサツマイモだったかしら」
「大根……サツマイモ……?」
なんだろう、聞き覚えしかない組み合わせなのだが……。
「きっと煮付けを作るつもりだったのね。あれでもないこれでもないって、大きさが違うものを血眼になって比較してた。あれは主婦の目よ、侮れない」
おそらくそれは、男根の代替品を探していたときの姿に違いない。主婦の目ではなく、変態の目の間違いだ。
「やっぱり年頃の女の子だからお料理とか頑張ってるんじゃないかしら。サっちゃん、本当に綺麗になったわよねえ」
頬に手を当て、母さんはうっとりと目を細める。
「あたしも本当は娘が欲しかったのよ」
「それ言うの、世間では毒親っていうらしいよ」
「毒親に冴えない愚息。いい親子じゃない」
「皮肉が上手いね」
「まっ、あんたじゃサっちゃんとは釣り合わないから、彼女が欲しいなら他の子を捕まえなさい」
サキがデカチンポ狂いの性欲魔人であること。
神崎さんという世界で一番可愛い彼女が俺にできたこと。
そのふたつを母さんが知ったら、一体どんな顔をするのだろうか。後者はともかく、前者は口が裂けても言えないが。
「そういうのじゃないから。行ってくる」
収穫はなし。これ以上の言及は無用だと判断し、話を打ち切るようにドアノブに手をかける。
「はいはい。気をつけてね」
手を振る母さんの見送りを受け、俺は玄関を出る。天気は晴れだが、外の空気はキンと冷え切っていた。