【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
とある日のことです。姉さんの部屋で一緒に恋愛映画を観ていたのですが、映画が終わったあと、姉さんはおもむろにこんなことを口にしました。
「いい、エミ。彼氏にするならデカい男にしなさい」
「デカいって? 体型とか心の器みたいな意味?」
「それも大事だけどね。ただ、男と女っていうのは体の相性が一番大事なの。デカければデカいほどいいわ、馴染んだときの快感は天にも昇る気分なんだから」
「……姉さんのエッチ」
「人間はみんなエッチな生き物なのよ。そうじゃなきゃ、人口が80億にまで伸びたりしない。冷静に考えてみて? 人間が80億人いるっていうことはね、この世で少なくとも80億回ものセックスが行われたってことなのよ? しかもそのすべてが中出し! これってすごくエロいことだと思わない? ああ、双子がどうとか人工授精がどうとか揚げ足取るのはなしにしてね」
「生物的な繁栄を下世話な話と結びつけないで」
「それこそ勝手な押し付けじゃない。子孫を残したいっていう欲と、純粋に快感を得て気持ち良くなりたいっていう欲は同時に存在していいじゃない。気持ち良くなりたくてセックスばっかりしていたら子供ができちゃいましたでもいいじゃない! 少なくとも私はそう考える。ほら、だから要するに、世の中の人間はみんなエッチだってこと。――80億総エロ社会よッ!」
「押し付けてるの姉さんじゃない……」
「で、話を戻すけど、エミだって彼氏が欲しいとか思うお年頃でしょ? だから後学として覚えておくといいわよって話。男女関係の要は肉体的な相性! そして大は小を兼ねるのよ! デカチンで隙間なく気持ちいいところをスリスリされる感覚ったらもう♡」
「映画終わったし自分の部屋に戻るね」
「想像したらエッチしたくなってきたぁ♡♡♡ デカそうな人アプリでとっ捕まえてヤッてこよ〜っと♡♡♡」
そのまた別の日も――。
「エミ~! 彼氏に振られたよ〜! 慰めて~!」
勉強していたら突然部屋の中に入ってきて、姉さんは泣きながら私に抱きついてきました。
「どうせまた姉さんが変なことをしたんでしょう……」
「してないよ! お前は性欲が強すぎるって、最初に迫ってきたのあっちなのにそれで振るのって酷くない!?」
「この前、体の相性が一番大事とか言ってたの姉さんじゃない。相性が悪かったんだよ、きっと」
「相性バッチリだったのに……お弁当に薬混ぜたぐらいであんなに怒るとは思わなかった」
「まったく……」
「当分彼氏はいらないかな……セフレさーがそっと。あっ、これ。余っちゃったからエミにもあげるね」
姉さんは私の部屋に錠剤を置いていくと、言うだけ言って去っていきました。そう、本当に嵐のような人なんです。
え? その錠剤ですか。さすが峰川くん、ご明察です。昨日クッキーに仕込んだ薬と同じものです。
使うか迷ったんですが、その、どうしてもシたかったもので……。
ごめんなさい、反省してます。血は争えないのかもしれません。姉さんと同じ過ちを繰り返さないよう、今後は気をつけます。
ともあれ、こんな感じに姉さんは年がら年中発情期で、すごく性に奔放な人なんです。
つまりですね――。
*
「――今の状況を一言で説明すると、大ピンチというわけです」
ふぅと一息ついて、神崎さんはお茶で喉を潤す。
「なんていうか……すごいお姉さんだね……」
昨晩の邂逅で片鱗は見えていたが、思っていた以上にヤバい人だった。性に狂っている度でいうなら、サキといい勝負をするのではないだろうか。
「姉さんは見境がないんです。ちょっと外見がいいからって、手当たり次第に男の人を漁って……」
「神崎さんのお姉さん、おっぱい大きかったしね」
悩ましげに眉間を揉んでいる神崎さんに、サキの楽観的な意見が寄せられる。その発言を聞いた俺は、昨晩の記憶を回顧して、お姉さんのシルエットを頭の中で思い描いた。思わず口の中で、
「たしかに……」
と、同意の言葉を吐いてしまう。
「――私、耳はいい方なんですよ」
ヤバい。神崎さんに聞こえてしまったらしい。鋭い視線を横に感じ、すかさず俺は弁明した。
「違うから! 俺は小柄な神崎さんも好きっていうか……」
「けど、初めて私とヤッたとき、夢中になって私のおっぱい堪能してなかったっけ? なんだかんだ言って、やっぱり巨乳が好きなんだよね、峰くんは」
こいつ……神崎さんに喧嘩を売ったりマウントを取ったり、本当に余計なことしか言わないやつだな。
「サキはもう黙ってろよ……」
「殺意ん2です」
「あっ、ごめんなさい……」
物騒な単語を口にした神崎さんは、俺の謝罪を聞いてため息をこぼした。
「とにかく、姉さんは本当に危険なんです。峰川くんのアレを目撃してしまった以上、絶対の絶対、天地がひっくり返ろうとも、必ず接触を試みてくると断言できます」
「セックスだけに接触ってねえ、あはは!」
「いいですか峰川くん」
サキの軽口をスルーして、神崎さんはずいと顔を近づけてきた。
「目の届く範囲では私が阻止します。ですが、もしも万が一にも姉さんと遭遇した場合は速攻で逃げてください。絶対に、姉さんとエッチしてはいけません。いいですね?」
「はい……わかりました……」
圧のある表情に気圧され、俺はよく考えもせずに返事をしていた。
「サキさんも、余計なことはしないでくださいね。私たちの善意でこの関係が維持されていることを、ゆめゆめ忘れないように」
「はいはーい」
へらへら笑っているサキと、我ながら頼りない返事をする俺を交互に見やると、神崎さんは不安げに眉を寄せた。
「……心配です」
そうして本日の会議はお開きとなり、俺たちは解散することになった。
神崎さんの不安が的中するのは、それから一週間後のことになる。