【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
すべての始まりは偶然からでした。
――その日、私は次の授業までの空き時間を大学の図書館で過ごしていました。自習コーナーの椅子に座ってレポートを進めていたのですが、しかし、館内の暖房が強めに効いていたのと厚着だったのが災いし、途中で頭がフラフラして集中力が途切れてしまったのです。
私は荷物をまとめ、席を立ちました。外の新鮮な空気を吸いに行くために館外に出ます。リフレッシュがてら、ついでにその辺でも散歩しようかなと歩き出して、
「――――ぉっ」
環境音の裏側、私は遠くの方から変な声を耳にしました。耳はいい方なんです。なんだろうと不思議に思い、音だけを頼りに足を進めていきます。
図書館の建物とそれを取り囲む塀の間――かなり狭い道ですが、地面は石畳になっているので一応は人が通ることが想定されているようです。
その道を進んでいくと、さらに大きくなる変な音。曲がり角に差し掛かった寸前のところで、とうとう私はその音を鮮明に捉えました。
「ほひょひょぉぉぉ〜♡♡♡」
「――はわぁわぁッ!」
熱を帯びた声色を聞いて、私は咄嗟に口元を覆いました。壁を背にし、息を潜めます。
激しい息遣い。肌を打ち付け合う卑猥な音。
それは間違いなくセックスの音でした。ですが、ここは大学です。アダルトビデオのジャンルなどで屋外性交渉が存在するのは知っていますが、現実でやる人がいるとは到底思えません。
混乱した頭を左右に振ります。きっと、演劇サークルの人たちがそういう演技の練習をしているだけでしょう。
そう思って、私はそっと、壁際から向こう側を覗きました。すると、そこには信じ難い光景が広がっていたのです。
「す、すごい……」
地面に頬を付け、お尻を天に突き出した姿勢で、ビクンッ、ビクンッと体を震わせる女性と、その様子を見下ろす男性の姿がそこにありました。ふたりとも下半身の服は脱ぎかけになっていて、男性の股間には大根のように図太いブツが空に向かって聳え立ち、女性の股からは白く濁った液体が溢れています。
しかも、面識はありませんが、ふたりとも知っている方でした。
片方は同じ学科に所属する峰川くん。下の名前は知りません。
もう片方は、同期の女子たちの間で悪い意味で有名な西宮サキさん。ふたりがどういった関係なのかはわかりませんが、なるほど、彼女が相手ならこの屋外性交渉にも納得です。
「はぁ……、はぁッ……」
衝撃的な状況に遭遇して――しかし、私は興奮を覚えていました。人生で初めて生の男性器を、それも、動画で見たものよりも何倍も大きなそれを目撃して、お腹の奥がキュンキュンと疼くのを感じます。
――もし、あんなに大きいのが自分の中に入ったら。
「…………」
喉が鳴り、無意識に指がスカートの中に伸びていきます。下着とタイツ越しに大事な部分を弄り、生じた快感で私は我に返りました。
――こんなところで自慰などしたら見つかってしまいます。
「じゃあ、俺は授業あるから……」
「おほぉ♡ ほひぃ……♡」
間の抜けた喘ぎ声を上げる彼女を置いて、彼はその場を離れようとします。鉢合わせしないよう、私は急ぎ足で来た道を引き返しました。
その晩、あのでかちんぽを想いながらひとりで慰めたことは言うまでもありません。
――そう、それがすべての始まりだったんです。
あの日から私の頭はでかちんぽに支配されてしまいました。翌日も図書館裏で行われていた屋外性交渉を盗み見て、私はひとり、切ない夜を慰めました。でかちんぽ。ああ、でかちんぽ。来る日も来る日も私の頭の中はでかちんぽでいっぱいです。
でも、ただ見ているだけでは我慢できなくなりました。だから行動に移したんです。
会話を盗み聞く過程であのふたりが恋人関係でないことを知った私は、勝機があると判断して峰川くんに接触を試みました。
――ずっと前から一目惚れだったんです!
そう告白しました。嘘はついていませんよ。ただし、一目惚れしたのは顔ではなく体の一部分に、ですが。
そうして無事、私たちの恋人関係はスタートしました。
あとはもう出来レースのようなものです。家に招いてゴールイン。
でかちんぽに満足したら峰川くんとの恋人関係は徐々に解消していく予定でした。だから、サキさんとの肉体関係も許可したんです。思いの外にしつこかったのと、下手に拒否して奪われるよりは、共存の道を選んだ方が無難だと思ったので。
しかし、私の認識は変化しました。
――失いたくない。もっと求められたい。
彼と一緒に過ごす日々の中で、快感とは別にそんな欲が芽生え始めたんです。
私はもともと自己肯定感の高い人間ではありません。だからなのか、峰川くんに「可愛い」と言われるたびに高揚を覚える自分がいました。
加えて、あのサキさんから強く求められるような男性が、私のことを一番に好きだと言ってくれたんです。
峰川くんを求めている人は私の他にもいて、けれど、彼が一番好きなのはこの私で。さらにそこへ姉さんまでもが峰川くんを求めるようになって――自分の彼氏がモテモテというこの状況は、ハッキリ言って最高の気分でした。
ええ、白状しましょう。
私は優越感に浸っていたのです。
幸福感と自尊心。そしてひとりでは絶対に味わえない凄まじい快感。そのすべてを満たしてくれる存在――。
いつの間にか峰川くんは、私にとって『赤の他人』から『かけがえのない人』に変わっていました。
この気持ちを恋と呼ぶのかはわかりませんが、もう内心メロメロなんです。文字通り、身も心も彼にぞっこんなんです。
ただ、優越感というのは諸刃の剣でもありまして、サキさんとの肉体関係を許したツケがここに来て回ってきました。
つまり、ヤキモチです。今まで存在しなかった嫉妬心が孵化してしまい、心の中で『峰川くんは私だけのものなのに!』と暴れ狂っているんです。
しかも、私がそんな心境にあるにもかかわらず、峰川くんはあろうことか『一番』であるはずの私との約束を反故にして姉さんとまでエッチしてしまいました。
「一番好きなのは神崎さんだから」
そう言ったのに!
――ああ、妬ましい。
妬ましいですし、姉さんも峰川くんもサキさんも許せません。一時は隕石でも落ちてくればいいのに、と思ったぐらいです。
けれど、これらはすべて私自身が招いたこと。利己的な動機でサキさんとの肉体関係を許可し、峰川くんの倫理観を狂わせてしまったことが原因です。最初から私色に染め上げていれば、姉さんの誘惑にも負けなかったかもしれないのに。
全部、私が悪いんです。だから文句は言いません。言いませんけど……モヤモヤするんです!
自分が面倒臭い女なのは百も承知ですよ。彼氏が他の女性に求められていることに愉悦を感じながら、同時に嫉妬もするんですから。
そして、そんな妬み嫉みが溜まりに溜まった結果――私は峰川くん本人に強く当たってしまいました。
クリスマスデート、本当は行きたかったです。
年末年始も一緒に過ごしたかった。
エッチだってたくさんシたい。
もっとイチャイチャしたい。
いっぱいいっぱい、好きって言って欲しい。
可愛いって甘やかしてもらいたい……。
旅行に来てまで喧嘩なんてしたくないのに……つまらない意地で、今だって口を利けないままで……。
あぁぁぁぁ……あぁぁぁっ……、私の、私の――――。