【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
お互い絶頂を迎えた俺たちは、快感の余韻も冷めやらぬ中、いそいそと事後処理をしていた。
勝手に借りたティッシュで汚れた部分を拭き取り、服を着直していく。
「んぅ〜! 気持ち良かったぁ〜!」
身支度を整えたサキが、伸びをしながら頬を緩ませる。俺も一通り服を着終え、ベッドの脇に座ってズボンのチャックを上げた。
「ぁぁぁ……ぁぁっ」
金髪は未だに跪いていた。顔面に飛来したサキの潮を拭おうともせず、顔を傾けて震えている。
絶望――彼の様子を表現するならその一言で事足りる。
そして俺は、そんな彼に哀れみを抱いていた。大好きだった幼馴染にチビと罵られ、無様にフられて地面に膝をついた屈辱が蘇る。そのときの自分と、今の金髪の姿はそっくりだった。
ただ、当のサキは彼の絶望など全く意に介さず、
「ねっ? これでわかったでしょ? 私のマンコはズポハメ専用で、進藤くんの粗チンじゃ使い物にならないのよ」
と、傷口に塩を塗るように追い打ちをかける。金髪の肩に手を置き、サキは罵倒を続けた。
「あなただって、土管をオナホールに使おうとは思わないでしょ? それと同じで端から論外なの。わかったら金輪際、私に関わらないでよね」
「……っ、ぅぅぅ……っ!」
顔を真っ赤に染め、金髪は涙を滲ませた目でサキを睨みつける。
「なによ? まだ文句あるわけ?」
「……っ!」
サキに慈悲がないことを悟ったのか、膝の上で握り締めた拳を、金髪は歯噛みしながら見下ろしていた。サキはその様を「フンッ」と鼻で笑い飛ばすと、興味を失くしたように金髪から身を引いた。
「じゃあ帰ろっ、峰くん♡」
俺に笑顔を向けると荷物を手に取り、サキは玄関に向かって足を進めていく。
可哀想ではあるが、サキが相手では仕方ない。獣に畑を荒らされたようなものだ。天災に見舞われたと割り切ってもらうしかないだろう。
「では俺もこれで……その、あまり気にせずに……」
一言配慮を送ってから金髪の横を通り抜ける。同情の念を抱きつつも、部屋を出ていくサキに俺も続かないわけにはいかなかった。だが、サキがドアノブに手をかけた矢先、
「まっ……、待ってくれ……!」
金髪が俺の足首を掴んだ。それに対応したのはサキだった。
「しつこいなあ……私の潮でも舐めながらシコってればいいじゃん」
女の子の発言とは到底思えないが、金髪は臆さない。縋るような目で俺を見上げると、その口からとんでもない要求が飛び出した。
「頼む……! 俺をお前の弟子にしてくれ……!」
「――は?」「――はいっ?」
なにを言い出すのかと思えば、予想だにしなかった発言だ。
「お願いします……! 俺を弟子にしてください……!」
床の上で正座して、金髪は深々と頭を下げる。土下座である。土下座をしながらこう叫ぶ。
「俺もお前みたいな巨根になりたい!」
こいつ、なに言ってんの……?
サキと顔を見合せ、視線で困惑を共有する。否、共有したつもりでいた。
「じゃ、じゃあ、私はそういうことだから……」
ピクピクと顔を引き攣らせるサキが、我先にとこの場から退散しようとする。
「自分だけ逃げるつもりかよ!?」
「って言われても、私にはマンコしかないもん。デカチンポ持ってる峰くんに用があるみたいだし、そこに私が介在する余地ないでしょ」
「待てって! おいっ!」
マジで部屋を出ていこうとするサキを、俺は手を伸ばして引き留めようとした。だが、金髪に足首を掴まれて床にすっ転んでしまう。
「頼む! 弟子にしてくれ!」
「離せクソ……! おいサキ! こいつをどうにか――」
「まっ……、また連絡するね……! シーユー」
無情にもドアは閉まり、ワンルームの部屋で金髪とふたりきりになる。
――は?
「ふざけんな! 誰のためにここまで来たと思って……!」
俺の叫びと、足早に廊下を踏み締めていく音が重なる。続いて聞こえたのは、ガチャリと玄関の扉が閉まる音だった。
……冗談だろ。サキのやつ、こんなワケのわからない状況に俺を置き去りにしやがった!
「なにか秘訣があるんだろ!? 俺も……、俺だって努力すれば、お前みたいなデカマラに……!」
俺の足首を掴んだまま、金髪は切に訴えてくる。必死な形相が、面のいい顔を台無しにしていた。
「秘訣も秘密もない! 男根の大きさなんて、努力でどうにかなるものじゃないだろ!」
「嘘だ――ッ! お前のチンコはこの世のものとは思えないデカさだった! 人為的な細工をしたに決まってる! でなければ、お前は人間じゃない!」
エミちゃんやサキ、お姉さんの反応からして男根サイズが規格外なのは自覚していたが、とうとう人外扱いまでされてしまった。
「頼む……! 教えてくれ……! 修行をつけてくれ……!」
俺だって、なにがどうしてこのサイズに育ったのか、それを言語化できてはいない。
背の高い人間に「どうしてお前は背が高いのか」と聞くようなものだ。強いて回答を挙げるならこう答えるしかない。
「遺伝だよ遺伝! 生まれつきデカかったんだよ!」
「赤ん坊の頃から!?」
「なわけあるか!」
「じゃあ突然変異か!?」
「さっきからなにを言ってるんだよお前は!」
「巨根巨根! 巨根になりたいんだ……!」
金髪は半狂乱になって食い下がる。下手をすれば殺され兼ねないほどの気迫だ。右脚に縋りつく金髪を左脚で引き剥がそうとするが、体格差のせいでビクともしなかった。
こうなったら仕方ない。
「わ……、わかった! 弟子にしてやる……!」
「本当か!?」
「ああ……」
金髪はようやく俺の足首から手を離した。
巨根になるためのプロセスなど俺は知らない。ただ、このままでは一生マンションを出られそうになかった。妥協点を探らざるを得ない。
大丈夫。この場さえ凌げば、こいつと関わることもなくなるだろう。またサキをストーカーするかもしれないが、俺を見捨てた変態幼馴染のことなど、もう知ったことではない。
「けど、今日は帰らせてくれ。その、修行……? は、また後日ということで」
「わかった! これからよろしく頼むぞ!」
晴れやかな顔で手を差し出され、金髪と握手を交わす。
悪いやつではなさそうなんだけどな……。
その後、無理やり連絡先を交換させられ、俺はやっと解放された。
――進藤ツトム。
その名前が、新たな頭痛のタネになるとも知らずに。