※この作品はR-18です。

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六章『バレンタインセックス』
第33話『※チョコレートセックス※』


 ――待ちに待ったバレンタイン当日。ランチタイムの激務を終えた俺は、スタッフルームで帰宅の準備をしていた。

 

 ただ、今日の帰り先は自宅ではない。エミちゃんとお泊りデートすることになっているため、このままバイト先から神崎家へと向かう。

 

「良し」

 

 従業員用のエプロンを仕舞い、タイムカードを押す。着替え等の荷物が入ったカバンを肩に提げたところで、スタッフルームの扉が開いた。

 

「あっ、峰川くん」

 

 キョウカ先輩だった。たしか俺と入れ替わる形でシフトを入れていたはずなので、ばったり遭遇することに違和感はない。急いで来たのか、キョウカ先輩はやや息を切らしていた。

 

「良かったぁぁっ、間に合って……」

 

「まだシフトまで余裕あるくないですか?」

 

「そうじゃなくて。君にこれ渡そうと思って」

 

 見れば、キョウカ先輩の左手には紙袋がいくつか吊るされている。そのうちのひとつを右手で掴み、俺へと差し出す。

 

「バレンタインチョコ。いつもお世話になってるお礼」

 

「俺にくれるんですか!?」

 

 もらえるとは全く予想していなかったから、上擦った声が出てしまった。

 

「もちろん義理だよ。君、たしか彼女いるって言ってたし」

 

「全然嬉しいです!」

 

 白状すると、俺は義理チョコですら人生で一度しかもらったことがない。物心ついたばかりの5歳ぐらいの頃だったかな。サキからチョコボールを一玉もらったのが、俺にとっての唯一のバレンタインだ。

 

 ちなみにチョコボールは一個ではなく一玉。どういう脈絡でもらったのかまでは覚えていないが、バレンタインの日に、石粒同然のチョコを「峰くんこれあげる」と渡されたことは覚えている。

 

 それでも俺は喜んで食べたが、今ではこうして立派なチョコレートをもらえるようになったとは……感慨深い。

 

「喜んでもらえたなら私も嬉しいよ」

 

 にっと白い歯を向けられる。キョウカ先輩にしては珍しい明るい笑顔だ。普段とのギャップで一瞬ときめきそうになり、内心をごまかすように苦笑する。

 

「では、俺はこれで。キョウカ先輩はバイト頑張ってください」

 

「お疲れー」

 

 ひらひら振られる手に手を振り返しながら、俺はスタッフルームをあとにした。

 

 

 

          *

 

 

 

 

「――いらっしゃい!」

 

 神崎家のインターホンを押すと、エミちゃんが嬉しそうに玄関のドアを開けた。キャミソールとショートパンツの上に軽くカーディガンを羽織っている。太ももと胸元を大胆に露わにした、否が応でも目を引く煽情的な格好だ。

 

「どうぞ上がってください」

 

「うん。お邪魔します」

 

 暖房が利いた温かいリビングに通される。

 

 初体験以来の神崎家。前に来たときはエミちゃんの私室に直行だったから、リビングに入るのは初めてのことだった。

 

 かなり広い……。

 

 外観からある程度は想像していたが、実際に中に入ってみるとその広さを実感する。家具も値が張りそうなものが多く、神崎家はやはり裕福なのかもしれない。

 

 生々しい話なので、いちいち口に出したりしないが。

 

「ところでリョウタくん――」

 

 そう言って、エミちゃんは俺の右手に提げた紙袋に視線を注いだ。

 

「その紙袋はなんですか? もしかして私にお土産とかでしょうか」

 

「ああ……」

 

 しまったな。なにか持参した方が良かったのかもしれない。バレンタインチョコに加え、今夜は手料理を振る舞ってもらうことになっている。さらには夜を共にするというのに俺は手ぶら。これでは、ただ与えられてばかりの卑しい人間だ。

 

 とはいえ、今ないものねだりをしても仕方ない。

 

「これは違くて。ごめんね、なにも持ってきてないや」

 

「いえ、お構いなく。リョウタくんが来てくれるだけで十分ですから」

 

 サラッとそうやって嬉しいことを言ってくれる。これだからエミちゃんは油断ならないのだ。

 

「でも、ならそれは?」

 

「チョコだよ。バイト先の先輩からもらった」

 

 しかし、俺が真に憂慮するべきだったのは自分の卑しさなどではなかったらしい。

 

「先輩からもらったチョコ……」

 

 中身を言ってから思い出した。この子の嫉妬深さを。

 

 エミちゃんの瞳から光が消えていく。

 

「ということは、その人は女性なんですか?」

 

「そ、そうだけど、ただの先輩だから!」

 

 光が消えていた瞳に、今度は嫉妬の炎がメラメラと宿っていく。

 

「だとしても、どうして女の子の先輩がいることを黙ってたんですか? まさか中々バイト先に行くのを許してくれないのも、その人と仲良くしてるところを見られたくないからなのでは。あらあらリョウタくん、もしかしてまた浮気ですか? すっかり色魔ですねえ」

 

「――待って!」

 

 わざわざ言うことではないと思っていたから、女の先輩と仲良くしているのはエミちゃんに伝えていなかった。だがそれは、後ろめたいことがなにもないからこその沈黙だ。

 

 裏目に出てしまったのは仕方ないが、誤解されるのは困る!

 

「この流れは良くない! いやなんか、図星突かれて慌ててるように見えるかもしれないけど、冬休みのときみたいなことになるのは本当に勘弁だから!」

 

 喧嘩していたときのことは、割と俺の中でトラウマになっていたりする。叶うことならあんな思いをするのは二度と避けたい。

 

「マジでただの先輩で、義理チョコってやつだよ!」

 

「…………」

 

 じーっと俺の目の奥を見つめていたエミちゃんが、はあ、とため息を吐いて俺に背中を向けた。

 

「じゃあ、私にそれを証明してください」

 

 エミちゃんは冷蔵庫の前に移動して、中からラッピングされた四角形の箱を取り出した。それを持って俺の元に戻り、紐を解いて箱を開封する。

 

 そこに入っていたのは一口サイズの、それぞれ違う形をした9個のチョコレートだった。

 

「これ、私が丹精込めて作った手作りチョコです。食べたいですか?」

 

「え? ああ、うん……もちろん」

 

 脈絡を読み取れず少々返答に窮したが、食べたいかと問われたら答えは素直にイエスだ。

 

「いいですよ。ただし――」

 

 エミちゃんはチョコが入ったその箱をダイニングテーブルの上に置いた。その中から球体のチョコをひとつ手に取る。

 

 なんだろう。あーんでもしてくれるのだろうか。

 

 そんな未来を想像したのだが、訪れた現実は予想の斜め上だった。エミちゃんは手に持ったチョコをパクリと口に含むと、

 

「はひぃ、どうじょ……♡」

 

 紅色の舌と共にそれを再び外に出した。その仕草の意図を俺は一瞬で悟る。

 

 つまり、このチョコを食べたかったらキスをして食えということだろう。

 

「ッ……」

 

 さすがエミちゃん。俺が唆る行為をよく思いつく。

 

 俺は手に持っていた荷物を床に置いて、そっとエミちゃんの腰に腕を回した。もう片方の手をうなじに添えると、エミちゃんはキスをせがむように顎を突き出して背伸びをする。

 

 俺はその舌を、遠慮なく自分の唇で挟み込んだ。

 

「んぅッ――♡」

 

 熱のこもった吐息を鼻から漏らして、エミちゃんがチュゥゥゥッと俺の唇を吸引する。吸われる感覚の中に甘いチョコの味が広がっていく。それを互いに堪能するように、俺たちは丸いチョコを間に舌をチロチロと絡め合う。

 

 いつの間にかチョコは口内の微熱で溶けてなくなり、それを機に唇が離れていった。

 

「私のチョコは……咀嚼禁止ですからねっ……?」

 

 上目遣いになった瞳には、熱っぽい潤みが帯びていた。その秋波に理性の紐を断ち切られる。

 

「――ッ!」

 

 欲を抑え切れずにキスをしようとしたら、顔を引かれて拒まれてしまった。

 

「駄目ですよ。チョコ越しでしか許しません」

 

「なら早くチョコを……」

 

 なんでもいいからエミちゃんとキスがしたい。サキやお姉さんとは口づけを禁止されているから、最近はセックスよりもキスへの欲求の方が強いぐらいだ。

 

 ……もしかして、俺がそうなることを見越してこの子はサキたちとのキスを禁止したのだろうか。自分にのめり込んでもらうために。だとしたら本当に小悪魔だ。

 

「その前に脱ぎませんか? リョウタくん、汗凄いですよ」

 

 言われるまで全く気にならなかったが、言われた途端に暑さを実感する。暖房の効いた部屋でダウンジャケットを着ているのだから当然だった。

 

「エミちゃんも脱いだら?」

 

 脱衣を進めながら提案する。

 

「せっかちですね。そんなに私の肌が見たいんですか?」

 

「見たいよ」

 

 淀みなく即答する。エミちゃんは面食らったように目をパッと見開いた。

 

「大好きな彼女だもん。そんな露出した格好見せられたら……我慢するの正直キツい」

 

「仕方ありませんね」

 

 見開いたその目尻が、今度は慈しむように垂れ落ちる。そしてエミちゃんも脱衣を始めた。

 

 カーディガンを脱いで、下に着ていたキャミソールの肩紐に手をかける。それを外して、上から引き抜くのかと思いきや――おっぱいだけを曝け出すように、エミちゃんはカップの部分を下ろした。

 

 弾力のある双丘が、プルンと外に弾け出る。

 

「エミちゃん……」

 

「待て――ですよ?」

 

 悪戯心の滲んだ笑みと共に、まるで犬を制するかのようにエミちゃんは手をかざす。その手がそのままダイニングテーブルへと伸びて、チョコの箱を持ってソファーの方へと移動する。

 

「こっちです」

 

 上半身裸になった俺は、ゆらゆらと吸い寄せられるようにエミちゃんのあとを追った。

 

 ローテーブルにチョコの箱を置くと、エミちゃんは背もたれのないソファーに寝そべった。自分の左右の乳首に、ドーナツ型のチョコをふたつ置いて――。

 

「召し上がれっ……♡」

 

 なんてことを考える女の子だ……。

 

 いや、わかってはいたことだが、この子はサキとは違うベクトルで性に狂っている。サキやお姉さんのそれをカラッとした性欲と表現するなら、エミちゃんのそれはジメッとした性欲を感じさせる。

 

「咀嚼……禁止ですからねっ」

 

 双丘のてっぺんに乗ったふたつのカカオチョコ。穴の隙間から見えるピンクはいつも以上に鮮烈で、俺の欲をこれでもかと駆り立てた。

 

 口を大きく開けて、まずは右の胸を味わう。

 

「んっ……♡」

 

 吐息が甘く揺れる。咀嚼は禁止されているため、舌で丹念とチョコを舐め溶かす。

 

 徐々に溶けていくチョコレートは、肌の温もりを含んでトロリとした液体に変わり、乳首を中心に広がっていく。真ん中に空いた穴に舌を差し込むと、先端にコリコリとした弾力を感じた。

 

「ぅっ……、リョウタくん……♡」

 

 やや硬くなったそこを何度も弾くように舐めると、エミちゃんの体がピンと硬直した。

 

「感じてるね」

 

「言わないでください……」

 

 羞恥を表明しながらも、エミちゃんは求めるように胸を突き出していた。ならばと俺も行為も続けると、右のチョコレートはあっという間に溶け去った。

 

 次は左の胸に移る。

 

「リョウタくん……、夢中になってます……」

 

 俺の髪にエミちゃんの指が差し込まれた。まるで胸を押しつけるように、ぐいっと内側に引き寄せられる。

 

 丹念に丹念に愛撫していくと、今度は左のチョコレートも姿を消した。跡が残らないよう綺麗に舐め取り、ソファーの上で体を起こす。

 

「はぁはぁはぁはぁ……」

 

 大した運動量でもないのに息が切れている。心拍数が上がった中、エミちゃんの姿を見下ろすと、恍惚に溶けたその顔と視線が交わる。

 

「次はこっちをお願いします……」

 

 脱ぎかけのキャミソールを引き抜いて、エミちゃんは上半損裸に。そして、細い指先がショートパンツと下腹部の間に滑り込み、そのままゆっくりと下に引かれていく。

 

 現れたのは、白く滑らかな太ももの先に広がる淫猥な光沢を放つ無毛の割れ目――。

 

 エミちゃんは、おもむろにホワイトチョコへと手を伸ばした。

 

 まさか……!

 

「私のバレンタインチョコ……どうぞ♡」

 

「なっ!」

 

 掴み取られたホワイトチョコが、濡れ滴った穴に収納される。

 

 この子変態過ぎるだろ――ッ!

 

 いやまあ、正直なところ胸にチョコを置いた時点でやるだろうなとは思っていたのだが、実際にその様を目にすると驚愕を禁じ得ない。

 

 膣内の微熱に晒されているせいか、収納されたホワイトチョコはまるで精液のように外に溶け出していた。

 

「チョコなんて入れて大丈夫なの……?」

 

「あとで一緒にお風呂入るので平気です♡」

 

「一緒にお風呂……」

 

 ごくりと喉が鳴る。そうだ。今日は一日中イチャイチャラブラブできる日。この程度で動揺していたらエミちゃんの彼氏など務まるまい。

 

「リョウタくん。早くシてください……」

 

 切なげな声に促され、俺は覚悟を決めた。

 

「それじゃあ……いただきますっ」

 

 脚の付け根に両手を添え、前に押して股を開かせる。中央の秘所に顔を突っ込み、

 

「はうぅっ……♡♡♡」

 

 中に詰まったチョコを掻き出すように、俺は舌を奥に差していく。チョコレートの甘みとエミちゃんの蜜が合わさった、形容し難い変な味がする。

 

「ど……、どうですか? 私のバレンタインチョコ……気に入ってくれてますか……?」

 

 問いかけには言葉ではなく行動で答えた。

 

「じゅる……」

 

「ぉっ♡♡♡」

 

「ちゅぅぅぅっ」

 

 唾液で唇を湿らせ、チョコによってとろみを増した舌を小さな豆へと這わせる。そして音が鳴るほどの吸引を浴びせると、

 

「んぅぉぉっ♡♡♡」

 

 電流が走ったように、エミちゃんの体がピクンと跳ねる。俺は一度顔を離して、その様子を視界に収めた。

 

 これはエロい……。

 

 残留したホワイトチョコが愛液と混ざり合い、まるで中出し直後のように濁った白濁が秘裂から溢れ出ている。

 

 こんな感じの光景を見るのは初めてではないが、しかし俺がそれを目にするのは基本的に絶頂を迎えたあとのことだ。射精をしていない興奮の只中で見たことはない。

 

 つまりなにが言いたいのかと言えば――俺の欲望は破裂しそうなほどに膨れ上がっていた。

 

「…………」

 

 下腹部がギチギチに張り詰めていく。その感覚には、どこか既視感があった。

 

 これはまさか……。

 

「エミちゃん。チョコになにか入れた……?」

 

「効いてきましたかっ♡」

 

 三日月のような笑みを浮かべて、エミちゃんは告げる。

 

「もちろん、いつものお薬入れてますよ♡」

 

「またそうやって勝手に……」

 

 可愛らしいとは思うものの、ちょっとだけ呆れてしまう。何度も言っているが、そんなもの事前に聞いてくれれば、いくらでも飲むというのに。

 

 俺の胸中に悪戯心が芽生えた。

 

「――たまにはお仕置きしないとね」

 

「はい?」

 

 言葉を交わす隙も与えず、俺はエミちゃんの秘所に吸いついた。

 

「はうっ♡♡♡」

 

 白い肢体が悶えるが、構わずに吸引を続ける。

 

「ちゅっ……ちゅうぅ……」

 

 クリトリスへの吸引に加えて、今度はチロチロと硬くなった部分を刺激する。

 

「あぁっ♡ リョウタくんっ、それダメぇ……っ♡」

 

「誰が俺をこんなふうにしたと――」

 

「ううっ……、あっ……! イクッ……イッ……!」

 

 ぶるぶると体を震わせるエミちゃんは、今にも絶頂に達しそうな気配だった。それでも敏感な部分を責め立てると、ビクンっとその体が一際強く反応する。

 

「……ゥゥッッっ♡♡♡」

 

 だらだらと蜜が流れ出て、俺の口内に広がっていく。その甘い液を、生唾と共に飲み干す。

 

 チョコは溶け尽くした。俺の我慢も限界だった。

 

「……エミちゃん」

 

「はぁ、はぁ……はい……?」

 

「俺……もう……」

 

「は……はいっ……♡」

 

 膝を立てて、エミちゃんは俺を誘うように股を開いた。人差し指と中指が、くぱぁっと桃色の扉を開放する。

 

「私もでかちんぽ……欲しいですっ……♡♡♡」

 

「……っ!」

 

 なにかに取り憑かれたように俺は下着を脱ぎ去り、ソファーの上にエミちゃんを押し倒した。

 

「あっ、待ってください。チョコ入れてキスしながらシてくださいね♡ 溶け切るまでお互いイクの禁止ですっ♡」

 

「それ、結構キツいかも……」

 

「でないと罰になりませんから♡」

 

「わ……、わかった…」

 

 腕を伸ばして、手頃なチョコをひとつ取る。

 

「口開けて?」

 

「あーっ♡」

 

 バレンタインなのにどうして俺がエミちゃんにチョコを食べさせているのか、そんな疑問が頭の片隅を一瞬掠めたが、心の底からどうでも良かった。

 

 今はただ、この昂ぶる気持ちを鎮めたい。

 

「じゃあ、行くよ……」

 

「はひっ……♡」

 

 チョコを口に含み、まどろむようにキスを待つその顔に唇を近づける。そして右手で切っ先の照準を定める。

 

 上と下が繋がったのは、ほとんど同時のことだった。

 

「ぉんっ♡♡♡」

 

「うっ……!」

 

 火照った膣が飢えたようにペニスを締めつける。チョコレートがすぐに溶けるのも納得だ。閉じた粘膜を、俺は先端でこじ開けていく。

 

 ジュププププッ……!

 

「んちゅっ……♡」

 

 腰を根本まで沈めながらチョコ越しのキスを堪能する。亀頭が最深部をノックすると、

 

「おおぉっ♡♡♡」

 

 濁った喘ぎと共に、泡立った唾液が口の端からこぼれた。それを拭い取るように唇を密着させ、俺はピストンを開始する。

 

「んっ♡ んっ♡ んぅっ♡」

 

 口を塞がれながら、エミちゃんはくぐもった嬌声を漏らした。それに合わせて膣内がキュッと締まる。

 

 口内のチョコはあっという間に消えたが、残りの分がなくなるまで射精は禁止されている。あと4個。1個ずつ消化するのは耐え難い。ここは巻きで進めよう。

 

「ぷはぁっ……、エミちゃん。口、大きく開けて?」

 

「ほぇ……♡♡♡」

 

 箱から無造作にチョコを2個掴み、まとめて口の中に放り込む。そしてそのままディープキスを再開。

 

「んっ、んっ、んっ……♡♡♡」

 

 舌でチョコを溶かし、口腔内を吸い上げる。溶けたチョコを飲み込み、濃厚な口づけに没頭するも腰振りは緩めない。溢れ出す愛液が、俺たちの結合部をべっとりと濡らしていく。

 

「んぅぅぅぅぅっ♡♡♡」

 

「んぅっ……ぉう」

 

 そうしてチョコは消えていく。残すところはあとふたつ。これを食べ切れば、もとい舐め切れば、この滾った欲をようやく解放することができる。

 

「体勢……変えるよ」

 

「ほぅぅぅ……♡♡♡」

 

 恍惚に溶けたその表情は、もはや正気を保っているのか定かではなかった。ただ、エミちゃんは特に抗うこともせず、俺の言いなりになった。

 

 エミちゃんの背中に腕を通し、白い肢体を抱き抱える。背のないソファーに跨る形で、俺はフローリングに足をつけた。繋がったまま太ももの上に座らせると、エミちゃんは俺の後ろに脚を流した。対面座位の体勢である。

 

「はい、残りのふたつ。あーん」

 

「ぁー……」

 

 ぼーっと虚ろな目をして開いたその口に、箱に入った最後のチョコを親指で押し込む。そして額を重ね合わせ、最後のキスを堪能する。

 

 まるで麺類を啜るように下品な音を立てながら。

 

「ぉぉっ……、ぐぷっ……♡♡♡」

 

「じゅる……」

 

「ふぅぅぅんっ♡♡♡」

 

 なにをされると気持ち良くなってくれるのか、俺はエミちゃんの弱点を知っている。腰を突き上げる動作で奥をグリグリと刺激すると、

 

「ひぃぁ――ッ♡♡♡」

 

 間近に広がる瞳孔が、奥への衝突と同時にかっ開く。背中に爪を立てられ、乳房が胸板に押しつけられる。快感を堪えるように、エミちゃんは小刻みに震えていた。

 

 それでも俺は、一連の動作を一定のリズムで続ける。

 

「ぉっ……♡ おぅっ♡♡♡」

 

「んぅ……、ちゅろ……」

 

「んぉぉ♡ おっ♡ おぅっ♡♡♡」

 

 濃厚なキスを繰り返し、奥にペニスを突き刺す。そしてとうとう、俺たちの間に挟まっていた最後のチョコが溶けてなくなった。

 

「エミちゃん……! なくなったよ、チョコ!」

 

「んぉぉぉぉぉぉぉっ♡♡♡」

 

「いいよね……!? もう……、出していいよね……!」

 

 焦らされ続けたせいで歯止めが効かず、確認を取っている最中にも俺は腰振りの速度を上げていた。抱えたエミちゃんの体が激しく上下に揺れ、ツンとした乳首が胴体に擦れる。

 

「だ……、だひてっ♡♡♡ リョウタくん……、だひっ……だひてくださいっ……♡♡♡」

 

「エミちゃん……、エミちゃん!」

 

「ぉぉぉっ……、ぉっ……♡」

 

 体が跳ねるほどの荒々しいピストンに、哀愁を帯びた嬌声が続く。エミちゃんからの承諾を受けて、耐えていた射精欲は瞬く間に膨れ上がった。

 

 煮え滾った熱は、やがて電流となって下腹部を走り抜けて――。

 

「ぅッ――!」

 

「ぉぉぉぉっ♡♡♡」

 

 しがみつくエミちゃんに倣い、俺もギュッと小さくて繊細な体を抱き締める。潰れる乳房の感覚を味わいながら、俺は溜めていた熱を一気に解放した。

 

 ビュクゥッ!

 

 ドビュルルルゥゥゥ――――ッっ!

 

「ん゙ぶゔぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙ぅ゙っ゙ッ゙〜゙ ♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙♡゙」

 

 先端から捻り出る熱が、蠕動する膣に飲み込まれていく。

 

「……ぁぁぁっ♡♡♡」

 

 ドピュッ……ドクッドクッ……!

 

「ぉぉっ……、ぉぉぉぅっ♡♡♡」

 

 濃度の高い精液がとめどなく迸る。腰を打ちつけ、断続的に精子を吐き出す。そのたびにエミちゃんは濁声を上げていた。

 

「はぁ………っ♡ はぁ……っ♡」

 

 耳元で熱い吐息が鳴っている。

 

 エミちゃんは今どんな顔をしているのだろう。肩を引いて確認してみると、その表情は、言葉を選ばずに表現するならひどく無様なものだった。

 

 マラソン直後のような息遣い。紅潮した頬は緩み切り、半開きの口からよだれが垂れている。瞳は虚ろで、白目を剥きかけていた。

 

「はぁ……、はぁ……はぁぁぁぁっ……」

 

 楽園に覆われたペニスが萎れていく。膣は呼吸に沿って収縮し、咥えた棒を今も緩やかにねぶっていた。




作者SNSにて第六章『バレンタインセックス』を丸ごと先行公開中です!(合計20000字ほど)

ハーメルンでも順次投稿しますが、作品を一気読みしたい方、更新を待ち切れない方は、ぜひこの機会にフォローをご検討ください!

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