※この作品はR-18です。

【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活   作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!

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第34話『デカチンポチョコ』

 

 

 チョコの残り香と汗で汚れた体を洗うために、俺たちは一緒にお風呂に入った。

 

 湯船でのイチャイチャもさることながら、風呂を出たあともお互いに髪を乾かし合ったり、スキンシップを存分に楽しんで広いリビングに戻る。

 

「――さっ、腕によりをかけて作りますよ! リョウタくんはソファーでくつろいでてください」

 

 スウェット姿にエプロンを巻き、エミちゃんはキッチンに立って包丁を手に取る。冷蔵庫から出した玉ねぎを、トントントンと手慣れた動作でみじん切りにしていく。

 

 Tシャツにジャージというラフな格好になった俺は、お言葉に甘えてソファーにゆったり腰を下ろした。まるで自宅のような居心地の良さを感じながら、手持ち無沙汰を紛らわせるためにスマホを開く。

 

「うわっ……」

 

 画面には十件以上の通知が表示されている。

 

『いつになったら俺のチンコを鍛えてくれんだよ!』

『早く巨根になりたい!』

 

 という旨のメッセージが、似た文面で何通も来ている。相手は進藤だ。この調子でメッセージを送られていたのでは、サキが辟易するのもわからなくはない。

 

 ブロックすれば解決なんだろうが……いざボタンに手をかけるとその手が止まってしまう。弟子にすると口にしてしまった手前、突き放すのは悪いことをしたような気分になる。少し考えて、俺は二通に分けてこう返信した。

 

『明後日とかどうだ?』

『バイト休みだから軽く会って話そう』

 

 サキとの偽装恋愛は嘘だったとその日に話そうと思う。

 

 人を騙す、騙し続けるのは苦手だ。正直に俺たちが恋人同士じゃないことを伝えて、進藤とは後腐れなく縁を切る。

 

 その結果、またサキがつきまとわれることになるかもしれないが、なに、俺を置き去りにした変態幼馴染の行く末など知ったことではない。

 

「ふんふんふーん♪」

 

 エミちゃんは鼻歌交じりに料理を進めていく。どうやらハンバーグを作ってくれるらしい。定番ではあるが、これまで一度も彼女からの手料理というのを味わったことがない身。その辺に生えてる雑草を摘んで「サラダですよ~」と言われても、俺は喜んでそれを食べるだろう。

 

 ……いや、さすがに盲目的過ぎるか?

 

 ともあれ、エミちゃんが作ってくれる料理ならなんだって嬉しいというのが嘘偽りない本音だった。

 

「なにか手伝おうか? 見てるだけじゃ悪いし」

 

「お構いなく」

 

「そう?」

 

「私だけの実力で、しっかりと胃袋を掴んであげますから!」

 

 自信ありげな屈託のない笑み。エミちゃんは軽くお菓子作りもすると言っていた。料理の腕前には思うところがあるのかもしれない。

 

 ……お菓子作りか。そのワードでひとつの疑念が頭を掠めた。

 

「エミちゃん。さすがに今日はもう、変なの入れたりしないよね?」

 

 本日のバレンタインチョコと、初めて神崎家に訪れたときに振る舞われた手作りクッキーには、精力を増加させるお薬が注入されていた。となれば、ハンバーグやソース、他のおかずにそれを混入させてもおかしくはない。

 

 気を抜いたところで急に針を刺してくる。油断は禁物だ。

 

「私をなんだと思ってるんですか」

 

「小悪魔」

 

「もちろん入れますよ。夜は長いですから♡」

 

「断る選択肢は……?」

 

「あると思います?」

 

 俺は肩を落とした。とはいえ、こういう小悪魔的な部分も含めて、エミちゃんのことは好きだけど。

 

「……まあ、事前に言ってくれるだけマシかな? わざわざご飯に入れなくても、自分で飲むからあとで頂戴」

 

「そうですか? わかりました」

 

 目尻を落として承諾すると、エミちゃんは料理を再開した。

 

 手元のスマホがブルっと震える。進藤からの返信だ。

 

『わかった! どこに行けばいい!?』

 

 さてどこにしよう。前のファミレスが無難なところか。その旨を伝える。

 

『スケジュールは確保した! ドタキャンはなしだぞ!?』

 

 どれだけ必死なんだよこいつ……。

 

 顔面偏差値は俺が人生で出会った男の中でも上位10人に入りそうなレベルなのに、その中身はこれ。進藤をこんなふうにしたサキの罪は重い。

 

『了解』

 

 返信をした矢先だった。

 

 ――ガチャリ。

 

 と、神崎家の玄関の鍵が開く音を耳にする。今日は家を空けるらしいとエミちゃんは言っていたが、一瞬、俺はご両親が帰宅したのではないかとヒヤッとした。だが、それも一瞬のことである。

 

「――ただいま~!」

 

 まるで公園で駆け回る子供のように明るい声を聞いて、ほっと胸を撫で下ろす。お姉さんの帰宅であった。

 

「おっ、いらっしゃいデカチンポくん! エミとはもうエッチした?」

 

 リビングに入るなり、ソファーの後ろに回ったお姉さんはふたつの爆弾を俺の脳天に落とした。

 

「とりあえず離れてください。あといい加減、普通に呼んでくれませんか?」

 

「つれないなぁ。ほらほら、デカチンポくんの好きなおっぱいだぞ~」

 

 体を上下に揺らし、たぷんたぷんと胸を強調するお姉さん。割と過剰なスキンシップだと思うが、エミちゃんは特に気を悪くした様子もなかった。

 

「姉さんはご飯どうする? 食べるならもうひとり分作るけど」

 

「食べる!」

 

「はーい」

 

 俺の上から離れたお姉さんは、今度は隣に腰を下ろした。ソファーが沈んていくのを全身に感じつつ、ずいっと顔の距離を縮められ、思わず腰が引く。

 

 香水か石鹸か、爽やかな匂いがした。

 

「さて、デカチンポくん。今日はなんの日でしょうか?」

 

 藪から棒にそんな質問をされた。

 

 今日はなんの日か……すぐに思いつくのは当然、

 

「バレンタインですか?」

 

 という返答だった。

 

「正解! そして私は女で、君は男。それすなわち?」

 

「チョコくれるんですか!?」

 

「モロチンよ! 驚かせようと思ってエミには黙っててもらってたんだけど、実は凄いの作ってたんだよ~」

 

 立ち上がったお姉さんは、長い金髪を揺らしながら冷蔵庫に向かった。下段の冷凍庫から取り出されたのは、500mlサイズのペットボトル程度の大きさをした箱。それを携え、お姉さんが再び横に座る。

 

「開けてみて!」

 

「見たら驚くと思いますよ」

 

 キッチンに立つエミちゃんからの補足に「へえ」と頷いて、俺は箱を受け取る。開けてみると、

 

「ぅ……」

 

 プラスチックトレイに乗ったそれを見て、下瞼が痙攣してしまった。

 

 中に入っていたのは棒状のデカいチョコ。味はカカオだろう、茶色のそれは照明が反射して黒光りしている。

 

 しかし、これはチョコというよりも……。

 

「神崎シズク作! 題して、デカチンポチョコ! 型から自作して頑張って作ってみた! 褒めて!」

 

「す、凄いですねぇ……」

 

「しかもこれね、中に細い空洞があって、そこからホワイトチョコを流し込んであるんだよ? だから食べるときは絶対にさきっちょから! 舌で溶かすように食べれば、中からトロッと白くて甘い精子……、じゃなくて、チョコが溶け出して――」

 

「こんなの家の冷蔵庫に入れておけるわけないじゃないですか!」

 

 楽しそうに解説しているところ大変申し訳ないが、巨根を模したチョコレートなど家の冷蔵庫に置いておけない。かと言って、一日や二日で食べ切れるサイズではない。

 

「そんなぁ……じゃあ、私のチョコはもらってくれないの?」

 

「うっ……」

 

「せっかく私、デカチンポくんのために徹夜してまでデカチンポチョコ作ったのに……」

 

 一体なにに徹夜しているのかと突っ込みたくなったが、しかし、俺のために頑張ってくれたことは間違いない。こんな巨大なチョコ、素人目にも作るのは大変だとわかる。中にホワイトチョコまで入っているらしいので労力は計り知れない。

 

 その事実と、しょんぼりした様子を見せつけられては受け取りは断れなかった。

 

「わ……、わかりました。謹んで頂戴します」

 

「やった!」

 

 直前まで沈んでいた表情は、嘘のように明るくなった。

 

「ですけど、この先端の丸くなってる部分だけは持ち帰る前に食べますから! 残りは冷蔵庫で保存して、後日ゆっくり食べようと思います」

 

 丸くなった部分――つまり亀頭の部分を食べてしまえば、ただのデカい棒のチョコになる。それを男根と思うやつがいたら、それはもう見る側の問題である。

 

 ただ食うと言っても、エミちゃんのチョコを食べてからまだ2時間も経っていない。食えないわけではないが……夕飯が近いことを考慮すると、食後のデザートとしていただくのが一番良さそうだ。

 

 お姉さんにはちょっと悪いけど、彼女の手料理の味を阻害する要素はなるべく減らしたい。

 

「ご飯食べたあとにいただくんで、冷蔵庫で冷やしといてもらってもいいですか?」

 

「おっけ~」

 

 チョコを箱に戻してお姉さんにそれを渡す。

 

「あれ? この箱なにー?」

 

 キョウカ先輩からもらったチョコは、神崎家の冷蔵庫で保存させてもらっている。おそらくそれを発見したのだろう、お姉さんは誰にともなく声を上げた。

 

「浮気の種」

 

 ぼそりとエミちゃんがつぶやくので、俺は即座に否定した。

 

「人聞きが悪いって!」

 

「冗談ですよ。ただ、近いうちにリョウタくんのバイト先へは偵察しに行きますからね」

 

 電子レンジにじゃがいもを入れながら、エミちゃんは冷たい笑顔を俺に送っていた。……怖いって。

 

「なに、デカチンポくんまた浮気したの!? 詳しく聞かせて!」

 

 勢い良く冷蔵庫を閉め、興味津々とばかりにお姉さんはソファーに帰還する。

 

「浮気じゃありませんし、またってなんですか。前のやつだって、元はといえばお姉さんが無理やり迫ってきたからで……」

 

「うんうん。それでそれで?」

 

 俺の反論には聞く耳を持たず、自分の興味に全集中のお姉さん。

 

「はぁ……」

 

 ため息を吐く。

 

「最初から話しますけど――」

 

 料理が完成するまでの間、俺はお姉さんに一連の流れを説明したのだった。

 




作者SNSにて第六章『バレンタインセックス』を丸ごと先行公開中です!

ハーメルンでも順次投稿しますが、作品を一気読みしたい方、更新を待ち切れない方は、ぜひこの機会にフォローをご検討ください!

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