【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
「できましたよ〜」
「おお……」
テーブルの上に並べられた彩りのいい夕飯を見て、思わず感嘆の声が漏れた。
レタスとブロッコリーとトマトのサラダ、人参とキャベツのコンソメスープ。そして主役を飾るのはこんがり焼けたハンバーグで、大根おろしが混ざった醤油ベースのソースが腹の音を促した。
「すげぇ……店で出てくるご飯みたい……」
気張ってくれたというのもあるだろうが、お世辞でもなんでもなくその出来栄えに感動する。口の中に生唾が滲み、俺はそれをごくりと飲み下した。
「もっと褒めてくれてもいいんですよ?」
正面に座るエミちゃんの頬が「えへへぇ」と溶ける。
座席位置は俺が片側にひとり、向かい側にエミちゃんとお姉さんが座る形だ。
「早く食べよう!」
せっかくの手料理。食べるなら温かいうちにという思いで、俺はせっかちになっていた。
「ですね。それじゃあ――」
エミちゃんがお姉さんと俺に目配せする。それを合図に、俺たちは一緒に「いただきます」と手を合わせた。
箸を手に取り、メインのハンバーグを縦に割ってそれを口に運ぶ。
てりやき風味の甘辛い味に中から溢れる肉汁!
白米が欲しくなって箸は勝手に茶碗へと進んだ。
「冷えたお肉をさっとコネて、空気をちゃんと抜くのがポイントなんですよ」
「なるほど」
とは言うものの、こんなに手間のかかりそうな料理を作る気にはなれない。俺ひとりならチャーハンでも作って軽く済ませてしまうだろう。
だからこそ、手間暇かけて作られた料理が染みるのなんの。味が美味しいのは当然として、やはり気持ち面でのバフがデカい。
「胃袋、無事に掴めましたかね?」
「そりゃもう!」
「結婚したら毎日振る舞ってあげますよ。……ああでも、さすがに毎日こんな感じの料理は疲れるので、もう少し楽なやつも挟みますが。パスタとか」
「エミちゃんが作るならなんでも美味しくなりそうだね」
「ありがとうございます」
そう笑って、エミちゃんも自分の料理を口に運んでいく。隣に座るお姉さんが箸の先端をぐるぐる回しながら言った。
「まあ、エミの料理スキルは私譲りなところが大きいけどね。小さい頃からよく一緒にお菓子とか作ってたし。エミがまだこーんなちっちゃいとき、背伸びしながら私の手元を覗いたりして」
俺の脳内には、幼い姉妹が仲良くキッチンに並び立つ姿が浮かんでいた。微笑ましい光景だ。
ただ、お姉さんの発言を踏まえるに、それはかなり昔の話なのだろう。エミちゃんはお姉さん譲りだとして、ではお姉さんはどうしてお菓子作りをするようになったのか。
「お姉さんってパティシエにでもなりたかったんですか? そんな昔からやってたってことは」
「うーん。始めたきっかけは小さい頃にテレビかなんかで観たのが理由だったかな。あんまり覚えてないけど」
スープを啜ったあと、お姉さんは「ただ」と言った。
「進路考えるときはほーんのちょっぴり悩んだけどね。まあ結局、人生捧げるほどお菓子作りが好きなわけじゃなかったからやめちゃったけど」
お姉さんらしからぬ真面目な回答だ。お花畑みたいな人生を歩んでいるものとばかり思っていたが、この人も人並みに悩み大人になったのだと痛感する。
……将来か。高校生の頃に特にやりたいことも見つけられなかったから、俺はとりあえずで今の大学に入った。ただ流されるように実家から通える公立を志望したのだ。
そんな俺は、果たしてどんな大人になるのだろう。
「前から聞こうと思ってたんですけど」
この流れなら自然に聞けると思い、俺はかねてよりの疑問をぶつけることにした。
「お姉さんって普段はなにしてるんですか?」
温泉旅行の旅費は基本的にはお姉さんがすべて負担してくれた。俺、エミちゃん、サキ、自分の分を含めると、かなりの高額だったに違いない。つまり働いてはいるのだろうが、にしては平日のファミレスに出没したりと意外に謎が多い。
まあ、たまたま休みだったという可能性もあるが、なんにせよこの人の日常は気になるところだ。
「あれ。言ってなかったっけ」
「聞いたことはないですね」
俺の返事にエミちゃんはこう付け加えた。
「私の口から言うことでもないし。姉さんが言ってないならリョウタくんは知らないと思う」
「なるほどなるほど」
神妙に頷いて、お姉さんが静かに箸を置く。
「知りたい?」
と視線を向けられたので、首を縦に振る。お姉さんはチョキを作った手を目元にかざし、意気揚々と言った。
「アダルト配信者やってまーす☆」
「アダルト配信者……?」
それはあれか。正式なアダルトビデオではなく、ネットにアップされているアレな動画をお姉さん自らが発信しているということか?
「それ大丈夫なんですか? 色々と」
「大丈夫に決まってるじゃない! ゾーニングもかけてるし、もちろんモザイクもつけてる。やましいことはなにもないよーん」
「いや……そういう法律的な話じゃなくて……」
飄々と食事を再開するお姉さんだったが、今度は俺が箸を置いて改める。
「親はなにも言わないんですか?」
「親って。デカチンポくん、私を何歳だと思ってるのさ。もう23だよ? 家賃ちんとして家にお金は入れてるし、自分のことは自分で決めるよ」
「なんか今、ちんが一個多かったような……」
「おっと、つい癖が」
悲しい癖だ。こうはなりたくない。ともあれ、
「エミちゃんはなんとも思わないの? 配信って、要は全世界に裸を晒してるってことでしょ? 家族がそれって……」
自分に置き換えて考えてみる。ただ、俺は一人っ子だから姉妹はいない。全く以て気は進まないが、ここは母親で仮定するとして――もし母さんがその裸体を全世界に発信していたら?
……想像しただけで心境はかなり複雑になる。しかしエミちゃんは、まるで気にした様子もなく、ハンバーグをもぐもぐと咀嚼していた。
「別になんとも? 姉さんが自分で選んだ人生ですから」
「そ、そうなんだ……」
これは俺の頭が硬いのか?
たしかに今の時代、自分自身をコンテンツ化することで稼いでいる人間は多い。アダルト方面だから良くないと断じるのは偏見というやつに他ならない……か?
うーん。もう少し掘り下げてみよう。
「じゃあ、今ネットで検索したらお姉さんのそういう動画が出てくるってことですか?」
「活動名で検索したらね。でも私、顔出しはしてないからわかんないかも」
「ああ……素人モノって顔にモザイクかかってますしね」
「リョウタくんは物知りですね」
しまった。墓穴を掘ったかもしれない。じろりと睨まれたので、咳払いをして誤魔化す。
俺に救いの手を差し伸べてくれたのか、お姉さんは自発的に口を開いた。
「それもあるけど、私が出してる動画って基本的に対オモチャのやつで、下半身しか映してないから」
ってことは、パートナーなしでひとりでやっている感じなのか。
それを知って、どこかホッとする自分がいた。お姉さんが遊び人であることは、エミちゃんとの会話で知っていたはずなのに。
なんだこの感情は。これじゃあまるで、お姉さんに彼氏がいたら嫉妬してしまうみたいじゃないか。俺にはエミちゃんという大事な彼女がいるのに。
謎の安堵を悟られぬよう、「色んな世界があるんですね……」と相槌を打っておく。
「エロは三大欲求だからね。見てくれる人は多いよ」
「エロ、じゃなくて性欲でしょ」
お姉さんの発言を、エミちゃんが真顔で訂正する。ふたりの間に違和感はない。本心で、本気でアダルト配信という行為を日常と捉えている様子だ。
なるほど。妹に理解があるのはわかった。ならば、親はどうなのだろう。
「でもやっぱりそれ、ご両親的には複雑なんじゃ? 自分の大事な娘が体を売るような真似をして……」
「それは職業差別ってやつだね。どうせデカチンポくんだってAVとか見るでしょ?」
「ええ……そりゃあ、人並みには」
「へえ。私がいながら見てるんですね。射精管理でもしてあげましょうか?」
エミちゃんがいる場でこの話題を振った俺が悪かったのかもしれない。
「前の話だから! 最近は全く見てないし」
本当のことだ。エミちゃんのみならず、サキやお姉さんの相手までしているのだから、ひとりで性欲を消化する余裕などない。
「ならいいですけど」
ぷいっとそっぽを向いて、エミちゃんはサラダに箸を伸ばした。
「まあ、エミの嫉妬は置いといて」
そう言って、脱線した話をお姉さんが戻す。
「デカチンポくんはそういう動画を見るくせに、出演してる人にはケチつけるわけ? なんかそれ、あまりに都合がいいっていうか」
フンと鼻を鳴らして冷笑を挟み、お姉さんは続けた。
「性を売りにしてるとか揶揄されることもあるけど、別にいいじゃん、私がやりたくてやってることなんだから」
俺としては軽い気持ちで振った話題なのに、反応するお姉さんは割と真剣だった。なんとなく、ここをあやふやにするとお姉さんとの関係に亀裂が走りそうな予感がある。
「別に俺は揶揄したりしませんよ。性を売り物にしてる人に偏見もないですし」
「それ、偏見を持ってる人がよく言う台詞ランキング第一位だから。偏見なんて言葉が出てくる時点でおさっし」
舌の寸鉄が鋭い……。
お姉さんと口でやり合って勝てるはずがない。素直になろう。
「そうですね。ぶっちゃけ、一般的とはかけ離れてると思いますよ」
「おお、潔い」
「でも同時に、好きにやればいいんじゃないかとも思ってます。俺たちのこの関係だって、一般的とは言えないわけですし」
常識を語り始めたら、じゃあお前のそれはなんだと反論されるとぐうの音も出ない。俺もエミちゃんも、サキもお姉さんも好き放題やっている結果が今なのだ。
だから、それを否定するつもりは端からない。
「ただその上で気になりますね。ご両親はどう思ってるのか、そもそも知ってるのかどうか。興味本位ですけど」
偏見と言われようとこの際構わないが、普通の感性を持つ親ならアダルト配信を許可はしないだろう。
もしかしたら俺も将来的に、自分の決断を親に反対されるときが来るかもしれないから、そのときの参考に聞いておいて損はない。
あとは文字通りの興味、まあ、好奇心というやつだ。
「知ってるよ」
お姉さんはあっけらかんと言った。
知ってるのか……。俄然、興味が湧く。
「止められなかったんですか?」
「ぜーんぜん」
肩を竦める仕草がなんだか嘘臭く見えたので、『本当?』という意味を込めてエミちゃんに視線を送る。その首が縦に振られた。
「お父さんは若干渋ってましたけど、神崎家のヒエラルキーはぶっちぎりでお母さんがトップなので」
「じゃあ、お母さんは反対しなかったの?」
「ええ。ウチのお母さん、変わってますから」
肯定するエミちゃんの横で、お姉さんが箸の先端を俺に向けた。
「ウチのママンは特別だからね~」
娘ふたりから変わってる&特別扱いされる母親。そりゃまあ、このふたりを産んでいるわけだから個性的な人なんだろうが……気になるな。
「どんな人なんですか?」
「あっ、気になっちゃいます? そろそろお互い両親への顔合わせをやっちゃいますか♡ 結婚のご挨拶として!」
ここぞとばかりにエミちゃんが言質を取ろうとする。結婚は吝かではないが、さすがに顔合わせは時期尚早な気がする。
「それはまたの機会にしてもらうとして……」
むぅっと唇を尖らせるエミちゃんに「ごめんごめん」と謝りつつ、俺は話を戻した。
「寛容って言葉じゃ説明はつかないと思うんですけど」
「言ったでしょ、特別だって。そもそも、お母さんに私の選択を突っぱねる資格ないし」
「はあ……?」
資格はなくても権利はあると思うのだが。
根本的に価値観が違い過ぎてどうにも話が噛み合わない。いやまあ、今に始まったことではないけども……。
というか、意識的に答えをはぐらかされている感がある。釈然としない俺を不憫に思ったのか、エミちゃんはくすりと笑った。
「姉さん。わざともったいぶってるでしょ?」
「エミだって、変わった人って誤魔化したじゃん」
「いいんじゃない? もう言っても」
「んー、だねー」
姉妹はなにやら意思疎通の様子だ。お互い了承がなされると、お姉さんは衝撃的な事実を告げた。
「神崎家のマザーは元AV女優なんだよ〜」
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書籍版には、
第2話︰サキの淫らに乱れたシーン
第7話︰神崎さんの誘惑&発情したシーン
第15話︰お姉さんとの授乳プレイシーン
第24話︰激カワな神崎さんと繋がるシーン
書き下ろし︰ヒロインたちとの4Pシーン
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