【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
もはや定番の集会所となったカラオケの一室で、俺たちはテーブルを取り囲むように座っていた。
集まったのは5人。俺、エミちゃん、サキ、お姉さん。そこに加えて、キョウカ先輩が顔を連ねている。
この面子が集まったのは、キョウカ先輩が俺たちの仲間に加わったことを受けての、顔合わせというのが主な目的だった。招集をかけたのは他ならぬエミちゃんだ。
自分の彼女を含め、この場にいる女性陣の価値観を俺は全く理解できていないのだが、継続的に竿姉妹になるならその相手の顔ぐらいは知っておきたい、ということなのかもしれない。いや、知らんけど……。
「――と、いうわけです。いいですか、姫野先輩。一番はこの私で、他の人は二の次三の次。それを重々忘れないように」
「なるほどね。つまりここにいる全員、みんな竿姉妹ってことだ」
エミちゃんからひと通り説明を受けて、キョウカ先輩はちらと他のふたりを見やる。
「私とエミは本当の姉妹だけどね〜」
「ちなみに峰くんの童貞奪ったのは私でーす!」
お姉さんがおどけるように自己紹介して、サキが挙手をしながら余計な情報をキョウカ先輩に教える。
「へぇ。初めては神崎ちゃんじゃないんだ」
「私たち幼馴染なんですけど、峰くんったら脈なんて一切ないのに告ってきて、可哀想だから一回だけヤラせてあげたんですよ。でも、そしたらとんでもないチンポ持ってて……もうそれっきり虜になっちゃって♡」
「ふむふむ、なるほどねぇ」
今の話のどこに納得できる要素があったのだろう。サキとまともに話せている時点で、この人もまともじゃないことがよくわかる。
先輩は再びエミちゃんに話を振った。
「ちなみに、大富豪でいう革命が起こったりは?」
「しません」
「あたしが下克上するのは?」
「許しません」
「じゃあ――」
「とにかく! 最優先は私ということです! 従わないなら、リョウタくんにはバイトを辞めてもらいますから!」
そんな勝手な! キョウカ先輩が従わない場合の対価を、どうして俺が払わなくちゃいけないのか!
「はいはい、わかったよ。冗談にマジになんなくてもいいのに」
心配したのも束の間、意外にもキョウカ先輩はあっさりと身を引いた。
「先輩の冗談は昔からわかりにくいんです」
と、そこでポケットからバイブレーションを感じた。スマホを取り出すと、画面には『ついた』という文章が表示されている。
女4人男1人では肩身が狭いだろうということで、エミちゃんは今日のこの場に進藤も呼び寄せていた。
メッセージで部屋番号を伝えて数分後――部屋のドアが開き、進藤がひょっこりと顔を出す。
進藤は値踏みするように女性陣を見渡すと、
「まるでキャバクラに来るおっさんだな」
俺を指し、不名誉な喩えを使う。行ったことあるのかと聞いてやりたい。
「そう睨むなって。羨ましくて言ってんだから」
ソファーではなく独立した椅子に腰を下ろし、進藤は改めて女性陣を品定めするように見渡す。
キョウカ先輩とは当然初対面だろう。お姉さんとも、ファミレスで同じ空間にいたことはあったが、対面するのは初めてのはずだ。
「サキや神崎以外にふたりも……あーあ、ひとりぐらい分けてくれよ、マジで」
進藤は切実に吐露するが、女性陣の反応は手厳しかった。
「冗談は下半身だけにしてよ」
「私もミニチンポは遠慮かなぁ」
サキに追随して、お姉さんが頬杖をつきながらつぶやく。サキはともかく、話したこともない美女にそんなことを言われれば当然、
「いやいや待ってください! あなたと俺、会うの初めてっすよね!? ミニって!」
そういう反応になる。
「話はちょいちょい聞いてるからね。大丈夫、男は中身だよ! 自身を持って!」
「罵倒の前に言うべきじゃないっすかねそれ……」
肩を落とす進藤に、追撃とばかりにエミちゃんは言った。
「私にはリョウタくんがいるので。ごめんなさい」
ちゃんと拒絶してくれて内心ホッとする。他の3人であれば、本人さえ良ければ全然くっついてもらって構わないが、エミちゃんは絶対に渡せない。
ただ、各々が即断する一方で、キョウカ先輩だけは違った反応を見せた。
「君、かっこいいね。彼女はいるの?」
「なに言ってんすか。いないから分けてくれって言ったわけで。あれ、もしかして俺、脈アリだったりします?」
「なーんだ」
進藤の質問にはあわよくばの期待が込められていたが、それをフル無視して、キョウカ先輩は残念そうに背もたれに体を倒した。
「誰かの彼氏だったら、ちょっと興味あったんだけどな。まっ、もし彼女ができたら教えてよ。検討してあげるから」
「は……? え……?」
思考停止した様子で間の抜けた声を漏らす。やがて俺の耳元に顔を近づけて、進藤は声を潜めた。
「おい峰川……! 神崎以外の女、みんな受け答えが変だぞ? 変なやつしかいねぇじゃねぇか……!」
その通りだが、ひとつ間違いがある。
「甘いな。それをまとめるエミちゃんが、たぶん一番ヤバいんだよ……」
言いながら、隣に座る彼女の顔を盗み見る。にっこりと天使のような微笑みを浮かべているが、笑顔の裏には、サキやお姉さんの奔放さとも、キョウカ先輩の略奪愛とも違う、底知れない熱が渦巻いているような気がした。
「――あら。なにか問題でも?」
小首を傾げつつ、エミちゃんが俺の顔を覗き込んでくる。上目遣いの表情には、計算されたあざとさが見え隠れしていた。それがまた可愛いと思ってしまうのだから、俺も大概この子に絆されているのだろう。
「なーんにも。俺の彼女は今日も可愛いなぁって」
「当然です。もっと愛でてくれてもいいんですよ?」
「はいはい」
撫でろとばかりに頭を預けてくるので、軽く髪をさすっておく。
その様子を見て、サキとお姉さんは呆れたようにため息を吐き、キョウカ先輩は面白そうに口元を歪めていた。
「あっ、そうでした」
場の空気がなんとなくひと段落したそのタイミングで、エミちゃんは思い出したように背筋を伸ばした。
「集まったら言おうと思ってたんですけど、懇親会もかねて、今度の週末ここにいる皆さんでお花見に行きませんか? 桜が散ってしまう前に」
「お花見! 行きたい!」
サキが真っ先に瞳を輝かせる。
頭の中で公園の桜景色を想像したのだろう。お花見という単語を耳にして、みんなの表情が明るくなった。
「さんせーい!」
「何気にあたし、お花見ってしたことないかも」
お姉さんが快諾し、キョウカ先輩も乗り気の様子だ。
「俺も参加していいのか?」
「ええ。リョウタくんの大切なお弟子さんですから」
満場一致で肯定的な反応が出る。もちろん俺も大賛成だった。
「いいね。この面子なら退屈しなさそうだし」
「では、皆さんでグループトークを作りましょうか。詳しい予定はまたそこで」
エミちゃんの提案に、みんなが異論なく頷く。
「楽しみですね、リョウタくん」
隣に座るエミちゃんが、テーブルの下でそっと俺の手に指を絡めてくる。
騒がしくて、一癖も二癖もあるメンバーだ。俺の常識はことごとく通用しないし、価値観だって理解できないことばかり。それでもまあ、なんだかんだ言って、このメンバーと過ごす時間は悪くないものになると思う。
「だね」
エミちゃんの手を握り返しつつ、俺は小さく笑みをこぼした。
新連載【チャンネル登録者が僕しかいない時から応援してる歌い手が『超人気ネットアイドル』に成長して、最高の恩返しをしてくれるお話】を開始しました!
新連載の方はおおよそ区切りのいいところまで書き終えているため、その推敲が完了次第、本作【ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活】の次章執筆に着手いたします。
肌感となりますが、大体1ヶ月後ぐらいには連載を再開できると思いますので、ぜひそれまで新作をご贔屓にしていただけると幸いです!
本作&新作共々、今後ともよろしくお願いします!
https://syosetu.org/novel/378703/
↑新作リンク↑