【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
昼食は海の家で焼きそばを食った。昼飯を食ったあとは、他の3人に砂浜に首まで埋められり、サキが買ってきたスイカ割りセットで遊びに興じたり、ベタながらも海を満喫する時間を過ごした。
やがて日は傾き始め、水平線の空が薄日になる。
それまで別行動を取っていた進藤やキョウカ先輩とも合流して、
「そろそろ宿に向かおっか」
というお姉さんの号令で撤収する流れに。
後片付けを済まして、お姉さんが運転する車で予約しているホテルへと向かった。
*
海の近くにあるリゾートホテル。
今回の旅行は計画段階からお姉さんが張り切っていて、「夕飯は豪華にいこうよ!」という提案でこのホテルが選ばれた。
なんでも、夕飯をバーベキューに変更できるプランがあるらしい。高台に位置しているホテルだから、月光に照らされた夜の海も見渡せるそうだ。
お姉さんが代表してロビーでチェックインを済まし、鍵を受け取って上階に向かう。これから2泊過ごすことになる俺たちの部屋は、20畳はあろうかという和室の大広間だった。
「部屋はここだけですか?」
「そうだよ?」
俺の問いに、お姉さんが平然と応じる。
「みんな一緒の方が修学旅行っぽくて楽しいでしょ? それに大部屋プランだと安かったし!」
「でも、男女一緒って」
「今さらなに言ってんの。この面子なら問題ないでしょ」
サキがあっけらかんと言った。
まあ、言われてみればそうか。年初に4人で温泉旅行に行った際も部屋は共同だった。そこに進藤とキョウカ先輩が増えただけだし、そうそう変なことは起きないだろう。……たぶん。
荷物を部屋の隅に置く。ひと息つく間もなく、お姉さんが手を叩いた。
「ささっ。夕飯の時間ギリギリだから、荷物まとめたらすぐ行くよ!」
襖の向こうにある窓の外には、夕焼け色の空が広がっていた。
*
暖色のランプに照らされたテラスには、机とバーベキューコンロが等間隔で並んでいる。俺たち以外にも客はいて、食事を始めているグループもいた。
店員さんの案内を受けて指定の席へ。
ドリンクバーの飲み物を席に運んだら、
「それじゃあ――」
お姉さんの音頭を以て、俺たちはグラスを掲げた。
「「「「「「かんぱーい!」」」」」」
肉に海鮮に野菜になんでもござれのバーベキューが始まった。
役割を分担しつつ調理を進め、コンロの上に食材を並べる。殻の中のサザエが沸騰し、ウィンナーやトウモロコシに焦げ目がついていく。
香ばしい匂いが鼻先を掠めると、俺たちはさっそく箸を手に取った。
「ぷはぁっ! やっぱり夏はビールだね!」
串焼きを頬張り、グビグビと豪快にビールを流し込む。そんなお姉さんに、エミちゃんが心配そうに声をかけた。
「ちょっとペース早くない?」
「あははっ! いーのいーの! 明日の移動は電車だし!」
明日は夕方から夏祭りに行く。ただ、会場には電車で向かうことになっていた。
「今日は飲むぞー! おかわり持ってくるねー♪」
空になったジョッキを持ち、お姉さんがビールサーバーの方に歩いていく。
二日酔いとかしなきゃいいけど……。
お姉さんを横目に見送って、俺は眼前のキョウカ先輩に話を振った。
「そういえば、どうだったんですか? 狩りとやらは」
「ん? ああ」
サザエの具をほじくりながら、先輩は気だるそうに答える。
「ぜーんぜん駄目。やっぱり海に来るようなカップルは手強いね。絆が強いっていうか、ガードが固いっていうか。クラブとかにいるような軽い関係値の男女じゃないと崩すの難しいね」
一生役に立たなさそうな知識だが、一応「へぇ」と頷いておいた。
その流れで、サキがトングで肉をひっくり返しながら進藤に聞く。
「ミニポくんはどうだったの? ナンパしてきたんでしょ? その割には誰とも一緒にいなかったけど」
「ふんっ。聞いて驚け」
進藤は鼻で笑うと、得意げに胸を張った。
「連絡先を5人の女と交換した」
「うわー、5人って。取っ替え引っ替えじゃん」
「節操ないねー。ある意味あたしよりタチ悪いかも」
「いやいや、あんたらだけには言われたくないんですけど!?」
突っかかってきたふたりに進藤がムキになって反論する。
サキは呆れたように続けた。
「まあでも、どうせその5人も不発に終わるよ。仮に一瞬だけ付き合えても、最初のセックスで『ちっさ……』って思われるのがオチなんだからさ」
なにかを暗示しているのか、サキは箸で掴んだウィンナーを宙で揺らすと、パキッと先端を咥え込んだ。
「ひと口サイズのペニスなんて需要ないの。もっと喉にガツンと来るような、極太ウィンナーを私は食べたいわけよ」
「お前の好みとか聞いてねぇよ」
「私に付きまとってたくせに?」
「こんな不埒な女だって知ってたら最初から付き合ったりしなかったさ」
「私も、あんなチンポだって知ってたらヤらせたりしなかった。一度でも体を許した自分が情けなくなるよ」
「ぐぅっ……!」
進藤の顔が真っ赤に染まる。
レスバ弱くないかこいつ……。
あと、食事の席でシモの話はやめて欲しい。他のグループもいるんだから。
「峰くんに弟子入りしたんでしょ? 早く巨根になって私をギャフンと言わせてみなさいよ」
「世の中の女が全員お前みたいな性狂いじゃないんだよ! いくら小さくたって、それを受け入れてくれる女は必ずどこかにいるはずだ!」
「それって、デカくなるのは諦めたってこと? うわぁ……志までちっさいんだ。幻滅」
「なんだと!?」
「ふたりともその辺にしとけって……」
一触即発の空気だ。サキに汚物を見るような目を向けられ、対する進藤も売り言葉に買い言葉。放置すれば喧嘩に発展しそうだ。
「せっかくの美味い飯なんだから。喧嘩してたら不味くなるぞ」
ふたりの仲裁に入って場を収めようとすると、
「……いるよな、峰川?」
進藤が今度は俺に話を振ってきた。
「なにが」
「小さくても、受け入れてくれる女」
なんで男の俺にそれを聞くんだよ……。
「って言われても、男だし俺。女性陣に聞けよ」
「だって、ここにいるやつら全員難あり女じゃん。参考にならねーよ」
ばっさり言いやがった。
案の定、その場の女性陣全員が冷ややかな目を進藤に向けた。
「失礼ですね。私はリョウタくん一筋の、ごく普通の乙女ですけど?」
「私だって、チンポが好きなだけのよくいる女だよ。難ありなのはミニポくんの方でしょ」
「そうそう。自分が落とせないからって、あたしたちを難あり認定するのは良くないと思うな」
ほら見ろ、と言わんばかりに進藤から恨めしげな眼差しを送られる。
たしかにこれは俺が悪かった。
「――なになに〜? なんの話してるの〜?」
と、そこでお姉さんが帰還した。満タンのビールジョッキを抱えて。
「ミニポくんがここにいる女はみんな難ありって言うんですよ。たぶんシズクさんも入ってますよ、その枠組みに」
サキが今までの話題を端的に伝えた。進藤が「勝手に代弁すんなよ……!」と喚いているが、お姉さんの声に搔き消された。
「あははっ、否定できないのが辛いところだねぇ」
他の3人が反駁していた難あり呼ばわりを、お姉さんは軽く笑い飛ばしている。
これが大人の余裕というやつか。さすがだ。
ジョッキをテーブルに置くと、お姉さんはどっこいしょと椅子に腰を下ろした。どこか妖艶な仕草で頬杖をつく。
「でも、みんなはまだまだ若いからねぇ。私ぐらいの歳になると、難ありってのも笑えなくなってくるかも」
自虐的というよりは、若者を諭すお婆さんみたいな物言いだった。
「どうしたんですか、急に」
「ほら、女って27過ぎると貰い手が減ってくってよく言うじゃない? 私も今年で24だし?」
「シズクさんなら余裕でしょー。そのおっぱいがあれば、どんな男でもイチコロですよ」
サキの適当なフォローに、お姉さんは自嘲気味に肩を竦めた。
「同年代の友達も、結婚してる子とか子供が産まれた子とか結構出てきてさ。お母さんもネチネチ言ってくるし、私もそろそろかなーと思ってはいるんだけど。いかんせん相手がねぇ」
結婚だの子供だの、普段のイメージからかけ離れた単語が出てきて少し戸惑ってしまう。アダルトな配信をしているお姉さんでも、当たり前の人生を考えることがあるのか。
「まあ、サキのフォローはともかく」
そう前置きして俺は続けた。
「マジな話、お姉さんならいくらでも貰い手いそうですけど」
「そうだといいんだけどねー」
お姉さんは海の方を振り返ると、儚げな表情でつぶやいた。
「もっと早くにデカチンポくんと会えてたらなぁ……」
「え?」
「なんでもないよーっ」
今のはどういう意味だ?
「姉さん! リョウタくんに変なこと言わないで!」
隣に座っていたエミちゃんが、俺を庇うように身を乗り出す。
「ごめんごめん、冗談だって。酔っ払いの戯言だと思って」
お姉さんはジョッキに入ったビールを泡まで飲み干した。
真っ暗な水平線と、海に浮かぶ頼りのない月明かり。テラスに海風が吹き抜けて、お姉さんの長い金髪が攫われていった。