【2巻11/14発売!】ずっと好きだった幼馴染にフられて始まる淫らに一途なハーレム生活 作:花染彩葉@幼馴染ハーレム2巻発売中!
スマホのアラームで目が覚めた。
無意識に手を伸ばして止め、重い瞼をこじ開ける。天井には朝日が差していた。
昨晩のこともあってか体が重い。
というか、あれはすべて夢だったんじゃないか。そんな希望的観測が頭を過るが、まだキスの感覚が唇にこびりついている気がして――。
「はあ……」
朝から憂鬱だ。どんな顔でエミちゃんに会えばいいのか。いや、会うもなにも、今まさに隣で寝てるわけだけど。
「――あれ?」
寝起きでぼんやりしながら、繋いでたはずの左手に違和感を覚える。
……ない。手がない。
横を見ると、布団はもぬけの殻だった。
起きてどこかに行ったのかな。
俺も起きようと体を上げた瞬間、
「んっ……♡」
下半身にずしりとした重みと温かい感触が走った。
掛け布団をめくり、中を除く。そこには、木にしがみつくコアラみたいに、俺の脚に絡みついているエミちゃんの姿があった。
なるほど、体が重いと感じたのは物理的な質量があったからのようだ。
浴衣が完全にはだけていて、太ももはおろか、下着まで丸見えになっている。無防備に晒された柔肌が朝の光に白く輝いていた。
思わず身じろぎすると、俺の動きに当てられてエミちゃんも目を覚ましたらしい。
「ん……りょうた、くん……?」
「おはよう」
寝ぼけ眼でぼんやりと顔を上げるエミちゃん。
「おはよう、ございます」
「なんで布団の中にいるの?」
「エアコンが肌寒くて……ついっ♡」
相変わらず理由になっていない。寒いなら自分の布団に包まればいいのに。
「まだ眠いですね……」
覚醒し切っていない様子だ。警戒心ゼロの、とろけるような笑みを向けられた。
「なので、もうちょっとこのままーっ」
「まあ、俺はいいけど……」
お互いの浴衣がはだけて、太ももと太ももが擦れ合うように密着する。極上の肌触りではあるけど、朝からスキンシップが過剰だった。
朝特有の生理現象が発生してしまう。
その変化にエミちゃんも気づいたらしい。
「あっ。んふふ、やっぱり朝は元気ですね……♡」
「これは……」
途端、昨晩の情事がフラッシュバックした。罪悪感が噴出して、沸騰していた血液がサーッと引いていく。
鋼鉄のようだった分身もあえなく萎んでいった。
「あら?」
エミちゃんが間の抜けた声を上げる。
「珍しいですね。いつも朝は元気なのに」
物珍しそうに俺の股間をツンツンしている。
「あははっ……。ちょっと疲れが溜まってるのかも。俺も歳かな」
我ながら苦しい言い訳だ。
「それは困りました。今日もたくさんたくさんするんですから、朝からこれでは先が思いやられます」
言って、エミちゃんは布団から抜け出した。這うように移動して、自分のキャリーバッグを漁り始める。
「でも安心してください。ちゃんとお薬は備えてありますから」
ピルケースを取り出して戻ってくる。
「朝ご飯と一緒に飲みましょうねっ♡」
俺の不安など知る由もなく、ウチの彼女は平常運転だった。
*
レストランでバイキング形式の朝食をみんなで食べる。食事後、客室に戻ると清掃業務は終わっていて、布団などが片付いた部屋で俺は座椅子に腰を下ろした。
「夏祭りまでどうしよっか?」
口火を切ったのはお姉さんだった。昨夜のことなどなかったかのように朝から普段の調子だ。
ふと、そんなお姉さんと目が合うと、目尻を落としてウインクされた。
完全に弄ばれているな……。
「俺は海に行ってくるっすわ。夕方までには合流するんで」
進藤が立ち上がって宣言し、トートバッグに荷物を詰めていく。畳に寝転がったままスマホをいじっていたサキが気のない声で言った。
「また? そういえば朝から着替えてたけど」
予定の決まっている進藤は、朝食のときからひとりだけ私服だった。
俺を含め、他のみんな浴衣のままだ。
「海には俺を待ってくれてる女がいるからな」
「いるといいねー」
「いるんだよ。約束してるんだから」
「ふーん。まあ、飾りにはもってこいだもんね、ミニポくん。行ってら~」
おどけて煽るサキに、進藤が眉を吊り上げる。
「今に見てろよ……!」
そう吐き捨てて、進藤は部屋を出て行った。
「あたしも行ってこようかな、海」
「先輩も?」
「昨日と客も変わってるだろうし。それに、ちょっとやりたいこともあるから」
キョウカ先輩は口角を吊り上げた。悪戯を思いついた子供のような、ニヒルな笑みだった。
なんだろう。まあ、先輩なことだからろくなことではなさそうだけど。
外出を決めたのか、キョウカ先輩が立ち上がる。そのまま躊躇なく帯を解いた。
はらりと浴衣が落ち、黒のシンプルな下着姿が露わになる。スレンダーながらも女性らしい曲線美が俺の目に飛び込んでくる。
「ちょ、ちょっと……! 俺がいるんですけど!」
慌てて顔を背ける。
「着替えるなら言ってくださいよ! 部屋空けるんで!」
「経験済みの男女で気にすること、それ? 下着どころか、あたしのもっと大事なところ知ってるくせに」
「それとこれとは話が別でしょ!」
「相違だね、価値観の」
「だとしても、おかしいのはキョウカ先輩ですからね」
「平気で青姦しちゃうような君には負けるよ」
「…………」
うーむ。良くない傾向だ。昨日のサキといい、俺を貶める際に青姦経験の有無が免罪符として機能してしまっている。
この人たちと違って俺はまとも――いや、その考えはもう改めるべきなんだろうか。冷静に自分自身を俯瞰してみると、間違いなく異常な環境に身を置いているわけだし……常識人と言い張るには無理があるかもしれない。
そんな思考をしているうちに、キョウカ先輩が身支度を終えた。
「またあとでねー」
と、俺たちに手を振りながら軽やかに部屋を出ていった。
4人になったところで、サキがスマホから目を離した。
「私はその辺のお土産回ろうかなーって思ってるんですけど、誰か一緒に行く?」
それにはエミちゃんが応じた。
「ちょうど良かったです。では、私と姉さんはリョウタくんと部屋でゆっくりしてるんで、どうぞおひとりで楽しんで来てください」
「全然ちょうど良くないんだけど! なにそれ!? 絶対セックスじゃん! 私も混ぜてよ!」
「今日は我慢してください。リョウタくんには、姉さんの相手もしてもらうんで」
「4Pでいいでしょ! 峰くんなら余裕だよ!」
「駄目です。お祭りでも頑張ってもらわなくちゃいけないんですから、あまり出されては困ります」
お祭りでも頑張る……?
まさか夏祭り中にも青姦するつもりなんだろうか。
それにお姉さんの相手とは?
なにからなにまで初耳な件について。
「神崎さんのケチ! 私だけハブるなんていじめだよ! 峰くんにベロチューしちゃうぞ!」
「なっ……! それはしない約束です!」
「なら私もヤりたい!」
ぐぬぬぬっ、とエミちゃんが歯噛みする。
「……わかりました。では、これでどうでしょうか。サキさんには『でかちんぽ1番絞り権』を差し上げます」
なんだそれ!?
「なにそれ?」
当然の疑問を浮かべるサキに、エミちゃんは得意げに語った。
「リョウタくんに1週間ほど溜めてもらい、最高に膨れ上がったでかちんぽを作ってもらいます。その状態でのエッチ権を、サキさんに差し上げるということです」
「マジ!? 神崎さん太っ腹~! なら今日は引いてあげる!」
それでいいのか……。
てかエミちゃん、当たり前のように1週間溜めてもらうとか言ってるけど、結構キツい難題だ。
エミちゃんの暴走やお薬の処方によって異常値を叩き出すこともあるけど、俺は基本的に2日に1回ほどの頻度で射精している。
それを1週間も我慢するなんて……。
「交渉成立ってことで! じゃ、邪魔者は退散するとしまーす!」
サキは浴衣の袂に財布とスマホを突っ込むと、スキップでもしそうな足取りで部屋を出ていった。
そうして俺と神崎姉妹だけが取り残される。
残ったのがよりにもよってこの組み合わせとは……。
俺としては、これ以上ないほどに気まずい空間が出来上がってしまった。