※この作品はR-18です。

転生したら、百合の間に挟まる女になってた件。   作:匿名

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1.箱入り娘

 水星の環境は劣悪である。

 かつてはパーメット鉱石の研究と採掘で栄えたのも今は昔、太陽の重力で不安定な水星の周回軌道を絶妙なバランスでふらふらと回る衛星基地が辺境に残された人達が縋る最後の拠り所。太陽系に現存する惑星の中で、最も太陽から近い距離にある水星では、直接、太陽の光に触れるだけで、人類は瞬く間に血液が沸騰して死に絶える。

 その反面、水星の影に入れば、マイナス100度の超える極寒となり、更には太陽から飛来する太陽風とも呼ばれる強力な荷電粒子が、断続的に機械類のシステムを誤作動させるのだからやってられない。

 今日まで水星人が絶滅せずにいられたのは、運が良かっただけである。

 

 そんな環境で僕は、水星に生まれた最後の一人として育てられる。

 両親は死んだ、事故で。まだ年齢的に物心も付く前だった僕は、エルノラ・サマヤの手に引き取られる。太陽フレアを被曝して、極端に生殖能力が落ちた水星に生きる人達の中に産み落とされた僕は、リプリチャイルドの技術に依存しない唯一無二の純粋な子供になる。まだ赤子の僕を受け取ったエルノラが無意識に呟いた「男だったらよかったのに」という言葉の真意に僕が気付くのは今から更に3年の歳月が流れた後になる。

 元は現代社会の男子高校生である僕が、この世界がガンダムの外伝作品になる水星の魔女の世界に転生したと気付いたのは、褐色の彼女、スレッタ・マーキュリーと顔合わせをした時だ。

 

 決して治安の良くないゆりかごの星の中、僕は限られた区画の外に出る事は許されない。

 僕は一度、アニメを流し見ただけで水星の魔女について、詳しい話を知っている訳ではかった。複雑に政治の絡み合うガンダムの世界観が相手では、原作改変に乗り出す余裕もなければ隙もない。そもそもとして、純粋な、最後の子供である僕の事を、放っておいてはくれず、半ば、軟禁状態の箱入り娘になっているのが現状だ。

 今日を生きて、明日を祈る。無為に時間が過ぎるのを、茫然と待つだけの環境では、生きる活力は自然と萎えていった。

 

 ただ生きているだけのつまらない毎日。

 色褪せた灰色の世界で、唯一、色彩を放ったのは褐色肌の彼女。物語の主人公であるスレッタが僕に会いに来てくれる時だけだ。娯楽のない部屋の中、ベッドで並んで腰を下ろす。たどたどしい口調で、今日は何が起きて、何をしたのか、教えてくれる彼女の横顔だけが水星で生きる僕の生き甲斐だった。1年が過ぎて、2年が過ぎて、片手では数えきれない程に彼女の誕生日を祝って、彼女の夢に耳を傾ける。

 前世が男だったとか、女だったとか、どうでもよくなってきた頃だ。

 

 彼女は、ベッドの上で僕を押し倒すのが当たり前になる。

 

 始まりは確か、両手で数えきれない歳になった時。

 僕を見る視線に色が混じるようになった彼女の股間には、本来、女性にはないはずの機能が勃っていた。

 

「ちちち違うんです!」

 

 スレッタは耳まで顔を赤くして、股間をおったてたまま部屋を飛び出してしまった。

 その翌日、彼女は部屋に来てくれなかった。仕事を終えた後、毎日のように来てくれた彼女の姿がない、妙に時間が長く感じられる中、私は一人、寂しく部屋で待ち続ける。更に翌日、スレッタは気まずそうに顔を見せに来てくれた。僕は嬉しくって自分から彼女との距離を詰めたのだけど、普段、碌な運動も出来ていない僕は足を縺れさせて、スレッタの胸に飛び込んでしまった。僕を抱き支えてくれた彼女の股間がピコンと跳ねて、その先端が僕の下腹部に押し当てられる。

「本当に違うんです!」と彼女は僕を押し退けて、また全力で逃げ出してしまった。

 今度は三日間もスレッタは、僕に会いに来てくれなかった。

 部屋で一人寂しく枕をギュッと抱き締める中、僕は、まだ微かに残る男を捨てる覚悟を決める。

 

「あの……メリー、さん?」

 

 次にスレッタが顔を見せた時、僕、私は、私の愛称を口にする彼女を逃がさないように首に抱き着いた。

 そして陰茎を勃起させる彼女の股間を太腿で刺激しながら私は、全力で女を魅せる為に挑発的に笑みを浮かべて目を細める。

 大丈夫、私に全てを任せて。と彼女の耳元で囁きかける。

 

 小一時間が過ぎて、部屋の中は淫靡な水気が立ち込める。

 私のベッドでは、汗だくで下半身を露出させたスレッタが熱の籠った吐息を零し、胸を大きく上下させていた。私の右手には、異臭を放つ白濁液。精通したばかりの精液は、とても粘り気があって量も多かった。転生前の僕が自慰をした時の数倍の量がある。褐色肌に白濁液は映えるな、とか、そんな事を考えながら無意識に彼女の精子を舐め取った。水星には、娯楽がない。食事の量も制限されており、種類も少ない。ついでにいうと美味しくもなかった。ポリポリと齧る栄養補給をするだけの食事よりも、なんというか、料理は愛情とでも言いますか。美味しくはなかったけど、少しだけ満たされて、ほんの少しだけ癖のある味のような気がした。

 日課に、彼女の性欲処理が加わったのはこの時からで、私が初めてを失うまで時間も必要なかった。

 

 水星には娯楽がない。

 知ってしまえば、あっという間だ。呼吸をするように身体を重ねている。セックスに慣れると彼女の陰茎を膣に挿入したまま、対面座位の姿勢で会話を楽しむことも増えた。彼女の話を聞くのは、やっぱり好きだったし、惰性的な性行為も、嫌いじゃない。仕事の後、甘酸っぱい汗の臭いを漂わせる彼女の香りを嗅ぐのが好きだった。安心する。彼女の首筋に顔を埋めながら膣を精液で満たされるのが心地良かった。ずっと抱かれていたかった。

 スレッタの性欲は尽きることがなく、精液の量は、むしろ増している。水星という極限状態で生きていると生存意欲が刺激される為か、日に何度も射精する。

 

 死を強く意識した時、スレッタは私のことを乱暴に扱ってくれた。

 ベッドに突き飛ばされるのも、強引に衣服を剥ぎ取られるのも好きだった。箱入り娘の私では、スレッタに力で適うはずもなくて、スレッタの強い力で後頭部を抑えつけられたまま、後背位で無遠慮に膣を突かれるのは気持ち良かった。潮を噴き出すほどに絶頂し、泣いても、慈悲を懇願しても、彼女は私の尻に腰を叩きつけるのをやめてくれなかった。呼吸するのもままならなくなるほどに犯されるのは、心が満たされる。正常位で首を絞められるのも好きだ。酸欠の頭は何も考えられなくなり、遠のく意識の中で気持ち良いだけが残る。気絶するまで犯されて、翌日、私と繋がったまま眠る彼女の顔を見て起きるのが大好きだった。

 気付いた時には、スレッタは私の部屋で寝泊まりするようになっていた。

 

 夜中、眠ったまま無意識に腰を振るスレッタに起こされるので寝不足になることが増える。

 起きている時間の半分以上がスレッタと繋がっている気がする。朝一番でシャワーを浴びる時、膣に溜まった精液を洗い出しながらスレッタの陰茎を咥えるのも日課になっていた。避妊薬を常用するようになり、朝一番に絞った精液の詰まったコンドームの中身を食パンに掛ける。美味しくはないけど、何も付けないのも味気なく、スレッタの前でサクサクと頬張る。

 その日のスレッタは、とても嬉しそうにしていたのを覚えている。

 

「聞いて、メリー! 私、学校に行けるの!」

 

 ああ、遂に、この時が来たのかと精液の味を噛み締めながらスレッタの話に耳を傾ける。「だから」と話を続ける彼女は、私の左手を取り、もう片方の手で薬指を摘んだ。

 

「一緒に行こう」

 

 彼女の思わぬ提案に、私は、逡巡した後に渋々と頷き返す。

 たぶん彼女は、一人だけだと学生生活を送れない。というよりも馬並の性欲を放置してしまっては、破滅してしまいそうで心配だ。パアッと笑顔を浮かべた彼女は、嬉しそうに微笑みながら人差し指と親指で作った輪っかを私の左手の薬指に通す。あえて、言及せずにいる仕草。気付いた時には、癖のように繰り返していた。

 伝説の桜の木の下で、と呟く彼女に、私は、それは少し古いんじゃない? とツッコミを入れたくなる。

 口には、出さない。

 だって意識してるって思われたくない。

 

「ねえ」と顔を近付けるスレッタ、私は唇に添える人差し指一本で制止する。

 

 彼女には、結ばれるべき相手がいる。

 ともすれば、世界を救うことになるストーリーが、彼女には待ち受けている。私と彼女は暇潰しの肉体だけの関係なのだ、そうあるべきなのだ。私は、水星の魔女の詳しいストーリーは知らないけど、どうせ、ガンダムなので碌でもない展開が待ち受けているに決まっている。

 最適解が分からない以上、物語は、原作通りに進めるのが吉である。

 

「私とスレッタは友達、良い?」

 

 スレッタは、とても悲しそうに目尻を下げてみせる。

 原作云々以前に、初めてが精液の味とか普通に嫌ですし。だけど可哀想だったので彼女が朝の仕事に入る前に私の身体を使わせてやる。腰を振りながら執拗にキスを迫るので、私は陰茎を受け入れたまま、彼女に背を向けて、後背位の体位を取る。

 スレッタは、不満げな声を零して、そして、私の首筋に噛み付いた。

 

 彼女に噛み癖が付いたのは、今にして思えば、この時からだった。

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