エアリアルが保管される格納庫。
学園支給の端末をスレッタに返して貰った私、マリアンヌは無事にエアリアルのメインメカニックとして認めて貰う事が出来た。道中でシャワーを浴びる羽目になったので少し時間が掛かってしまったのだけど、漸く此処まで辿り着いたのだ。
私は、エアリアルの操縦席に座ってシステムを起動する。
「ッ!? ぐう……あぁ…………」
直後、全身が赤く発光し、神経が焼かれる感覚。強力なパーメットが流し込まれたようだ。
操縦席に蹲る私の前に姿を現したのは、パーメットの集合体になったエリクト。彼女は冷ややかな目で私を見下し、片手を私の額に添える。適切に制御されたデータストームの奔流は、私の肉体に致命傷を残さないギリギリを見極めて神経を焼く。有無を言わさないパメ焼きに「何故?」と脳裏に疑問符が過ぎる中、エリクトは穢れた虫を見つめるようにパーメットを更に強く流し込んだ。ガクガクと全身が震え出し、口の端から泡が溢れ出す。耐え切れるはずもない激痛にビクンと身体が跳ねたかと思えば、股間から潮が噴き出した。太腿に熱い液体が漏れるのを感じつつ、しかしエリクトは有無を言わさず、パーメットで私を焦がし続ける。視界がグリンと暗転し、意識を飛ばした直後、乳首とクリトリスが灼かれた。快感を感じる余裕なんてない。激痛に最早、獣の雄叫びのような悲鳴を上げる。ガクガクと全身が震えた。とめどなく溢れる涙、口から零れる唾液を気にしている余裕もなかった。全身の穴という穴から体液を流し、永遠にも感じられる長い時間を攻め続けられる。
意識が混濁する中、気付いた時には、エリクトの折檻は止められていた。
身体の感覚が壊れてしまったのか絶頂したかのようにビクビクと全身が跳ねる。乳首とクリトリスが勃っているのが分かった、壊れた身体は愛液と尿を垂れ流している。口から零れる舌を仕舞う余力もなく、未だエリクトが何を怒っているのか分からない。霞む視界で無表情で私を見つめるエリクトを見つめ返すと、エリクトは溜息をひとつ零して「続行」と彼女は冷淡に告げた。ゆっくりと迫る手に「ひッ」と私は悲鳴を零す。逃れたくても操縦席の背凭れに阻まれる、立ち上がりたくてもガクガクと震える足では無理だった。
バチンと濃厚なパーメットを流し込まれて、瞬間、私は意識を飛ばし、次の瞬間には全身を焼く激痛に意識を戻す。
「あんだけ僕の事を惑わしておいて……」
初めて感情のある声。憎悪に満ちた感情に飲み込まれそうになった彼女は一度、首を横に振る。
「スレッタを裏切った事が許せない」
パーメットを通して、エリクトが流し込まれる。
愛憎入り混じった情報に肉体は悦んで、継続的な絶頂を繰り返す。注ぎ込まれている。白濁液なんて遺伝子でだけではない、エリクトの存在そのものが流し込まれている事を自覚した肉体はエリクトとのセックスを想起させる。疼いた子宮が排卵した。エリクトの子供が欲しいと全身が訴えていた。既にある子宮内の精子と卵子が結合し、新たな生命が私の胎に宿される。歓喜に打ち震える肉体、その下腹部をエリクトは踏み躙った。
今までとは比にならない激痛、膀胱に溜まった液体を全て流してしまった私の肉体は代わりに潮を噴いた。
「ア゛ッ……ア゛ッ! オ゛ッ! ア゛ガ゛ア゛ア゛ッ!!」
今、自分が絶頂しているのか。激痛に身を捩っているかも分からない。
エリクトは私の胎に足を乗せたまま、怒気を孕んだ声で告げる。
「僕以外の子を勝手に孕んでいるんじゃない」
パーメットの塊であるはずのエリクトの足がズズッと私の下腹部に沈み込んだ。
踏み締める彼女の足裏の先には子宮がある。受精し、子を孕んだばかりの胎児。細胞分裂を始めたばかりの我が子をエリクトは踏み潰す。
データストームに晒された細胞は死滅し、子宮内に残されていた精子は全て弾け飛んだ。
「スレッタと僕の遺伝子情報は同一、だから実質、スレッタの子は僕の子も同然」
科学が進歩しても避妊薬には限界がある。
私が一万回以上のスレッタの射精を受け止めて、子を孕まなかった事には理由がある。まだ子供の私では、出産は身体の負担が大きい事を理由にエリクトに頼んで比較的安全に中絶して貰っていた。少なくと受精直後であれば、局所的なパメ焼きで死滅させることができる。エリクトは未成年での出産のリスクを理解してくれたので、中絶に協力してくれていた。最初は結婚ができる十七歳になるまで、今は学園を卒業するまで手伝ってくれる約束だ。
年に一度か二度、普段は、もっと苦痛を感じないように、私がコックピットで昼寝している間に全てを終わらせてくれていた。
「これは悪い虫が近寄らないようにする為の予約の印」
こんなことを繰り返してるのでエリクトのパメ焼きの技術は、達人の域に達している。
後遺症を残さず、痕跡も残さず、私の全身の神経を焼き尽くした彼女は、初めて私の肉体にデータストームの痕跡を残す。下腹部に赤く光る魔女の口付け、趣味の悪いハートマークは私の感情の昂りで姿を見せる。淫紋にも取れるデータストームの痣は、私の排卵した卵子を死滅させる為のものだった。
この時の私は、下腹部に刻まれた印の意味なんて知らない。
私は、事後の余韻に浸りながら笑みを浮かべる。
この時、私が考えていたのは、エリクトから与えられるものであれば、激痛であっても幸福ということ。こんなにも激しく愛してくれるのなら、こんなにも乱暴にしてくれるのなら。もっと他の人に抱かれたいと思った。
乱暴にされるのは好きだ。エリクトのパメ焼きは子宮に響く。壊れるギリギリの寸前、もしくは復帰できるギリギリまで壊れてみたかった。
エリクトは優しいから私の事を壊そうとしてくれない。
理由がないと乱暴にしてくれなかった。