※この作品はR-18です。

シルヴァリオ ディアボロス~ハイスクールD×D銀月譚   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 自炊のやりくりにもだいぶ慣れてきたグレン×グレンでっす!

 やはり業務用スーパーでまとめ買いし、冷凍室まで使った作り置き……! このコンボがすべてを解決する……!

 それはともかく、本編!


第一間章 労働学生のクリスチャン
第一話 箔付けのつもりが大仕事というのはよくある話


《兵藤一誠》

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、樹下。おっぱいドラゴンってそんなに凄いのか?」

 

「小さい子供ってのはああいうのが大好きだっていうしな。人間界だとコンプラ的なのに引っかかるようになってるが」

 

 俺は樹下と駄弁りながら、そんなことを言い合う。

 

 乳龍帝おっぱいドラゴン。なんか俺をモデルにした特撮番組だ。

 

 俺がおっぱいおっぱいで色々やっているのが原因でついたあだ名みたいなものだったんだけど、それを基に作られた特撮番組が冥界で大人気らしい。

 

 つーか、既にアースガルズやオリュンポスといった他の神話体系でも流されるとか。

 

 流石にちょっとビビったけど、一種の民間向けの宣伝活動も兼ねているらしい。ロキとかハーデスとかいう、アイアンローズについた神様がいる勢力なのが二つだけど、その二人の神様ってなんか凄い大物らしい。で、付いて行く人達も結構いたとか。

 

 で、逆に和平を広めたい三大勢力側としては、和平を宣伝する為にも何かしらをしたいとか。

 

 だけど、普通おっぱいドラゴンとか広めるか?

 

「正直、他の神話体系の宣伝でこれってどうなのかって思うんだけど」

 

 俺が言っていいことなのか分からないけど、素直な感想だったりする。

 

 ただ、樹下は遠い目をし始めた。

 

「アースガルズの主神オーディン様や、オリュンポスの芸能神アポロンさまは気に入っているらしいぞ? 主題歌も大絶賛らしい」

 

 ……マジかぁ。主神とか芸能の神様が、おっぱいドラゴン大絶賛かぁ。俺でも名前を聞いたことありそうなのがそんなこと言ってるのかぁ。

 

 やばい。異形社会で大ブレイクするかも。

 

 主神様とか芸能神様とかが大絶賛ってあれだ。人気アイドルとかが大絶賛するのに近いだろ。絶対反射で買う人とか出るよ。

 

 まぁ、俺も人気が出るのは良いことだけど。多分昇格とかにもプラスとかになるだろうし、ハーレムを目指す者としては良いことだよなぁ。

 

 ……良いことだけど、なんかが違う気がする。

 

「俺、できればちびっこより大人のお姉さんに大絶賛されるデビューがしたかったなぁ」

 

「落ち着け。昨今の特撮主人公を演じる俳優が女性に人気になるなんて、よく聞く話だろ」

 

 樹下が慰めてくれるけど、その可能性に懸けるしかないかぁ。

 

 ま、それより先にすることがあるけどな。

 

「まずは中級悪魔昇格が先だろうけどさ。俺、昇格できるかなぁ?」

 

 そこがまず大変なんだよなぁ。

 

 転生悪魔は昇格できるし、何なら人間から最上級悪魔に昇格した人もいる。

 

 だけど、昇格っていまだに狭き門らしいからなぁ。

 

 ただ、樹下は缶コーヒーを飲みながらあまり気にしてない感じだった。

 

「お前は遅かれ早かれだろ。というより、転生してから日が経ってなさすぎるから待ったがかかってるだけだし、ある程度経てばすぐ昇格試験を受けれるだろうさ」

 

 なんかあっさり言ってくるな。

 

 でもヤケに確信がある感じだなぁ。

 

「根拠あんのか?」

 

「旧魔王血族のテロリスト最高幹部クラスを返り討ち。あいつらドーピング前提だが魔王クラスの性能だったし、戦闘に限れば十分すぎる戦果だ。……それと、これはちょっと言いづらい前例なんだが……」

 

 なんかもの凄く言いづらそうだな。

 

 いったい何だってんだ―

 

「……俺達、既に中級昇格試験を受けたから。お前もさほど時間はかからないさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでだぁあああああああ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―そんなことを、三日ぐらい前に叫んだりしましたよホント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《木場祐斗》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あら、そっちの子達は昇格試験を受けてたの?」

 

「ちょっとドタバタしてて言い忘れてたけどね~。ま、筆記の方が不安だろうし、今回はあくまで特例じみた奴だから失敗前提だけどね」

 

 と、リアス部長に秀華さんが答えたけど、思わぬ展開だね。

 

 つい最近になるけれど、秀華さんは正式にレヴィアタン末裔であることを公表し、同時に()()()悪魔として登録して悪魔の駒も貰っている。

 

 旧魔王派最高幹部であるカテレア・レヴィアタンを、仲間の力を借りたとはいえ打倒したことが大きな要素となった陽だ。彼女はオーフィスの蛇で魔王クラスの力を得ていることも大きな要因となっている。

 

 そしてネックとなっていた、秀華さんの星辰光によって後天的にレヴィアタンの星辰奏者化した樹下君達についての話になったのだけど、これが凄いことになった。

 

 なんと特例で全員を「波柴・秀華・レヴィアタンの身に認められた別口の転生悪魔」として認定。眷属として昇格の機会を得ることも許された。

 

 更に今回、駒王会談前にレヴィアタン化していた者達に関しては、全員が中級昇格試験を受けることを許されたという。

 

「ま、その分今後の星によるレヴィアタン化には色々誓約かかったけどねー。一応繋ぎが欲しかった悪魔の人達を厳選したうえで、そういう時のケツ持ちになってもらったりしたけどさ」

 

「おかげで色々忙しいうえに試験勉強。今後はもう少し段取りとか前置きを考慮してくださいね、所長」

 

 と、ため息交じりで笑顔に秀華さんに指摘するのは雨宮さんだ。

 

 パラパラと手帳を開いたうえで、彼女はちらりと時計も確認する。

 

「後その辺りの折り合いで行うパーティの時間も迫ってますからね、所長。頻繁にする必要な無いよう魔王様も取り計らってますけど、レヴィアタンとして活動することを決めたのならたまにはなされてください」

 

 もはや完璧に秘書だね。

 

 秀華さんも素直に聞いてうんうん頷いている辺り、かなり信用しているようだ。

 

 実際色々と手際もいいしね。こういった立ち回りが向いているのかもしれない。

 

 と、そこでノックが。

 

「入っていいよー。専務かな?」

 

「……所長。最上級悪魔就任及び転生悪魔昇格試験における各種手続きの見積もりと書類の段取りがつきました。確認をお願いします」

 

 と、促されて入ってきたのは楽さんだ。

 

 というか、専務?

 

 僕が首を傾げていると、お茶会に呼ばれていたソーナ会長が紅茶を一口飲んでから納得したような様子になった。

 

「そういえば、日本ではないとはいえ大学院の課程を修めているとか。学力という点では最もデスクワークに長けていると思われますが、それですか?」

 

「デスクワークで青蘭に勝てる子、桃山警護事務所(うち)に一人としていなくて。……満場一致で我が社の専務となりました」

 

 若干遠い目になった秀華さんの隣で、雨宮さんも苦笑いをしている。

 

「ちなみに、私は本当は専務補佐だったりします。所長補佐は年季の差と英才教育で誠二になってるけど」

 

 ……あれ?

 

「そうなると、本当なら誠二が付いていた方がいいんじゃないの? 彼はどこに?」

 

 リアス部長も気になって訪ねるけど、秀華さんは小さく苦笑いをした。

 

 あ、これ面倒ごとかもしれない。

 

「今、この国で最も偉大なるお方と内閣総理大臣から連名で依頼を受けて動いてま~す。というか、箔付けの一環?」

 

 ……また、もの凄いことになっているかもしれないなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《樹下誠二》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ことの発端は、俺達の中級昇格試験許可に由来する。

 

 秀華の星辰光は己の血肉を触媒とすることで、他者を星辰奏者適正まで込みでレヴィアタン化させる。これが厄介だった。

 

 なにせ消耗を回復するインターバル必須とはいえ、それさえ考慮すれば魔王レヴィアタンの性質を持つ疑似悪魔を増やし続けることができるのだ。無視できるわけがない。

 

 日本政府からすれば、悪魔社会に内政干渉する可能性を得られるメリットと、それを警戒した悪魔側の介入というリスクがあった。

 

 和平を得たのちの悪魔側にとっても、悪魔の駒を使用しない悪魔化は無視できない。和平会談の時でも、旧魔王血族に対する刺激を含めて血統主義者達は悩んでしまうことだろう。

 

 それが禍の団に旧魔王派がおり、更に大王派が魔王血族を傀儡として擁立した。これが大きく状況を変えたと言っていいだろう。

 

 世はまさに魔王血族乱立時代。もう多少のリスクは度外視してでも現魔王派も魔王血族を擁立したくなるだろう。むしろ大王派が擁立しているなら遠慮する理由も薄い。

 

 とはいえ、旧魔王レヴィアタンの末裔の、それも正当な悪魔の駒とは違う形の眷属を認めるとなると、それなりの箔が欲しいということになった。

 

 とはいえ、桃山警護事務所は実態として内閣の下部組織。これは転生悪魔業界の昇格要素である契約方面に絡めることができる。

 

 それもあって中級昇格試験を受けれることになり、さっさと受けることになったのだが、だ。

 

 ……簡潔にまとめると「さっさと誰か上級昇格試験を受けて合格してほしい」という旨の要請がいくつも来た。

 

 旧魔王血族であることから、秀華は最上級悪魔として登録される。その眷属に一人として上級悪魔がいないのはあれだということらしい。

 

 それもあり、最も付き合いが長くメンバーのエース枠であることを謙遜込みでも認めざるを得ない俺に白羽の矢が立った。まぁ、年季違うし英才教育受けてるし、そもそも秀華の付き人なわけなので当然だが。

 

 ちなみに、事務所の構成の再編も進んでいるが俺は所長補佐という役職になった。

 

 青蘭は専務で麗奈さんは専務補佐。この辺りはデスクワーク能力を重視した結果だ。雨宮さん、簿記や速記の検定を取っているうえ、陸海空の乗り物の免許も民間レベルだがちゃっかりとっていてかゆいところに手が届きすぎる。

 

 ……で、問題は今回の任務だ。

 

 日本のやんごとなきお方に総理大臣が連名で、桃山警護事務所に依頼という形で「上級昇格用のダメ押し」として仕事が来た。

 

 箔付けなので対応するのは俺達だけではないが、それでも結構大事になる任務となる。

 

 それを、俺は改めて確認する。

 

「大規模の半グレが、星辰奏者と上位神器のハイブリットをボスとしている疑いがあり、その恩恵で神器保有者を複数保有。異形に通用するレベルが数人以上いるとみなされ、極秘裏に壊滅させてほしいか。大ごとだな」

 

「本当ですね。日本は現在においても治安が良い方だと伺っていますが、このような者達もいるのですね」

 

 今回の任務に就いてきているメンバーの内、そういったことにも経験が豊富なコガネさんが感想を告げた。

 

 まぁ、世界的に見て治安が良い部類なのが日本ではあるのだが、な。

 

「人口は多い方だから、分母の分だけ分子も増えるってわけさ。それに、平和であったからこそ調子の乗ったりする連中も出やすいものさ」

 

 波柴一族の一斉摘発に、それから派生した複数のテロ。これにより日本の風通しはだいぶ良くなった。

 

 野党内部の一族関係者の摘発に伴い、野党は支持率及び与党の提案にケチをつける以外の発想を持たないような連中がごっそりいなくなった。与党は与党でテロの連発にビビって早期引退から天下りもせず隠居することを選んだ者も多数出ている。

 

 これにより、若く高潔な理想を持つ者が割合的にかなり増えた。また残った政治家も現実を見ながらより良い日本を目指す骨のある者達ばかりであり、彼らによって折り合いをつけつつ色々と動いている。

 

 そこに神代晃星発生以後の日本人の平均基礎スペック向上が絡み合って、日本は明確に成長を続けている。

 

 しかし、だからといって日本から犯罪が消え去るわけではない。

 

 金が回り必要な部署に送られ、また危機意識が向上したことで警察官や自衛官を志願する者達が増えたことで厳選もしたうえで増員もされた。だがそれはそれとして、馬鹿が出てくることだってあるし、平均スペックの向上は犯罪者にも適用される。

 

 半グレなんていう言葉が普及しているのもボケている証拠だろう。なにが「半分グレーな集団だから半グレ」だ。基本的にブラックだろうが。麻薬の隠語みたいな言い回しにしてももっと妥当なネーミングがあるだろう。

 

 まぁ脱線した思考を振り払うが、だからこそ厄介だ。

 

 潜入した捜査官が麻薬で頭をラリってしまい、逆に情報を漏らすなんて話が何度か出ている連中で、どちらにしても公安が星辰奏者を大量動員するレベルの対応をするつもりだったらしい。だがそこに異能も絡んだので、祓魔省や五大宗家、更に悪魔まで巻き込んだ大捕り物がなされることになった。それに一枚かんで、上級昇格及び他のメンバーの中級昇格を進める為の箔をつけるということだ。

 

 問題は試験結果で中級に昇格してるかだがな。一応一通りの冥界の事情などは叩き込んだが、魔法少女レヴィアたんの内容まで出てくるのはどうなんだろうか想定外だよ。普通、娯楽番組の内容を出す試験とは思えないが、これも種族間のギャップということなんだろう。

 

 最も、俺達はあくまで若手。基本的にはある程度警戒する地点を担当するという程度のサポート班に近いわけだが。

 

 ……さて、再編された五大宗家や俺達が抜けた後の祓魔省のお手並みを拝見しつつ、急な事態の変化に備えて準備をしておくべきか。

 

 箔付けの任務で想定外の事態により大失態を犯すどころか死亡。それは全力で回避したい。もの凄くしたい。

 

 さて、周辺警戒をしておく為にも周辺の地理を頭に入れておかないとな。

 

 特に気にするべきところはこの辺りにはないが、しいて言うなら教会に連なる孤児院がある。

 

 問題点としては、貞淑修道会の関係者……というより第七愛欲騎士団の騎士が何度か来ていたという報告がある点だな。まぁこの状況下で来るほど馬鹿ではないだろうし、ロザリオ聖教国に駆け込んでからは音信不通らしいからいいだろう。

 

 騎士とは本来、漢字で書く通り騎兵。第七愛欲騎士団は光力で構成された獣を操る星辰光を疑似的に保有していると聞く。意図がちょっと分かってないところもあるが、ここで第三勢力になられると流石に面倒だ。麗夜さん達や木場達が手古摺ったと聞くし。

 

 俺は資料で念の為によく来ていたらしい第七愛欲騎士団の顔写真を確認する。

 

 共に二十代前半。教会に属したのは四年前で、めきめきと実力を見せたうえで貞淑修道会に入り、そこで武の才を見せて第七愛欲騎士団の誘いを受けたと書かれている。さて、周囲を気にしつつもプロフィールも流し読みぐらいはしておくとして―

 

「あ˝」

 

 ―思わず声が出た理由は三つ。

 

 一つは、二人のプロフィールに波柴一族の文字を見つけてしまったこと。

 

 一つは、その二人としか思えない目立たない格好だが美人なのでまだちょっと目立っている女性二人を見つけてしまったこと。

 

 そして最後の一つがある意味大問題だ。

 

「お、樹下ー! 菓子パンとジュースをいくつか買ってきたけどいるかー?」

 

 彼女達を挟んだ向かい側から、イッセーが手を振って声をかけてきたことだ。

 

 俺は咄嗟の判断で前に出ながら、素早く動いた。

 

 判断は一瞬。思考は高速。動作は俊敏。

 

 波柴一族での臥薪嘗胆と、秀華と会ってからの工作活動。それらを成し遂げた俺のポテンシャルを今ここで発揮する時。

 

「もしかして先輩方ではありませんか!? 小学校のクラブ活動ではお世話になりました! あ、向こうにいるのは高校での学友なんですが、よければちょっと話しません?」

 

 そう演技力全開で声を掛けつつ、見せるのはスマホ。

 

―ここで問題を起こすと死人が大量に出るから話を合わせてくれ。状況次第では逃げる時間ぐらいはくれてやるから―

 

 非常にややこしいことになっているとしか思えない。

 

 なんか頭が痛くなってきたなぁ……。

 




 原作本編の流れだと乗せづらいところを乗せるべく、番外編を作ってみました!

 今後も原作の展開の合間に中編的な感じで載せていきたい所でっす!
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